ROUND 08

オランダオランダGP TTサーキット・アッセン 2017.06.23(金)-25(日)

第8戦 オランダGP

ライバルとの差を縮めるべく、歴史ある高速サーキットにチャレンジ

第8戦オランダGPが、6月23日(金)~25日(日)の3日間、オランダ北東部に位置するTTサーキット・アッセンで開催されます。オランダGPは、グランプリで最も長い歴史と伝統を誇り、今年で69度目の開催を迎えます。グランプリの歴史において、第1回大会から同一サーキットで開催されてきたのはオランダGPのみ。伝統的に6月最終週の土曜日に決勝レースが行われてきましたが、68回大会となった昨年から、日曜日に開催されることになりました。

長い歴史を誇るアッセンのコースレイアウトは、これまで数多の変遷をたどってきました。グランプリが開催された当初は、公道を使用する16.536kmのロングコースでしたが、その後はマシンやタイヤの進化に合わせ、何度もコースが改修されました。2006年には、コースの大幅な改修が実施され、長らく使用されてきた5.997kmのコースは4.555kmに短縮。コーナーの数も23から18へと少なくなりました。

5.997kmの旧コースは、高速コーナーが連続するリズム感あふれるレイアウトで、選手たちから愛されていました。現在の4.555kmのコースは、周回数を多くすることで、サーキットを訪れる観客やテレビの視聴者を楽しませようという、時代のニーズに合わせたものですが、旧コース同様、高速サーキットという特徴に変わりはありません。

フィリップアイランド(オーストラリアGP)、シルバーストーン(イギリスGP)、ムジェロ(イタリアGP)に匹敵するこの高速サーキットは、流れるような走りになると、選手たちから高い評価を得ています。また、パッシングポイントが多いことから、毎年、熱いバトルが繰り広げられます。

アッセンは天候が変わりやすく、ときに選手たちを悩ませます。目まぐるしく変化する天候は“ダッチウェザー”と呼ばれ、天候に合わせたセットアップがリザルトに大きく影響するため、チームと選手には集中力が求められるのです。

7戦を終えて、1勝を含む3度の表彰台で総合3位につけるマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、前戦カタルニアGPでは、激戦の中で2位フィニッシュし、地元ファンの期待に応えました。その後に行われた公式テストでは、課題となっているフロントタイヤとマシンのマッチングでいい状態を見つけ、今大会に挑みます。

3度目のタイトルを獲得した昨年に比べると、今年は厳しい戦いを強いられています。しかし、総合首位のマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)と23点差、総合2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)に16点差と迫り、逆転を視野に入れています。シーズン前半戦を締めくくるオランダGPとドイツGPの連戦で、ポイント差を縮める意気込みです。

マルケスはこれまで、アッセンで通算4勝を挙げています。125ccクラス時代の10年に初優勝を達成。Moto2クラスでは、11年、12年と2年連続で優勝し、MotoGPクラスでは、デビューした13年に2位、14年の大会ではフラッグ・トゥ・フラッグの難しいレースを制しました。15年は最終ラップの最終シケインで、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)と接触して2位。惜しくも優勝を逃しました。昨年は再びフラッグ・トゥ・フラッグとなり、大荒れのレースの中で2位フィニッシュし、チャンピオンシップで大きく前進しました。このように、過去2年は優勝にあと一歩届いていませんが、表彰台に立ち続けてきた得意のコースと言えます。今年は今季2勝目を目標に、全力で挑みます。

チームメートのダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)も、マルケス同様、今季2勝目を目標に戦います。ホームグランプリとなる前戦カタルニアGPでは、今季2回目のポールポジションを獲得。決勝ではタイヤに厳しいコンディションの中で3位になり、地元ファンの期待に応えました。7戦を終えて、チームメートのマルケスと4点差の総合4位。マルケスとともに、総合1位のビニャーレスと同2位のドヴィツィオーゾを追いかけます。

ペドロサは、アッセンでは125ccクラス時代に優勝経験がありますが、250ccクラスとMotoGPクラスではそれがありません。その理由の一つは、不安定な天候にあります。フラッグ・トゥ・フラッグとなった昨年も12位と苦戦していますが、14年の3位以来となる、3年ぶりの表彰台の獲得に気合を入れています。

カル・クラッチロー(LCR Honda)は、7戦を終えて総合9位。シーズン序盤、好調なスタートを切りましたが、シーズン中盤に入ってなかなか結果を残せていません。第6戦イタリアGPでは、ペドロサの転倒に巻き込まれてリタイア。第7戦カタルニアGPでは厳しい路面コンディションに苦しんで11位でした。シーズン前半戦の締めくくりとなるオランダ、ドイツの2連戦では、悪い流れにストップをかける意気込みです。昨年のレースは転倒リタイアに終わりました。アッセンでは、3位表彰台に立った13年をはじめ、表彰台争いにあと一歩というレースを何度も経験しています。今年はシーズン初優勝と、今季2度目の表彰台を目指します。

昨年のオランダGPでMotoGPクラスの初制覇を果たしたジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、思い出のグランプリに挑みます。今年は開幕戦から好調で、7戦を終えてトップ10フィニッシュが4回。直近の第6戦イタリアGPでは15位、第7戦カタルニアGPでは転倒リタイアとなっていますが、得意とするアッセンで流れを変える意気込みです。

チームメートのティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、この数戦でスピードをつけてきました。第6戦イタリアGPで11位、第7戦カタルニアGPでは15位と苦戦しましたが、随所で速さをみせています。今大会は、今季7度目のポイント獲得とベストリザルトに挑みます。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 総合3位)
「カタルニアでは堅実なレースができたし、その後のテストデイでは有意義な時間を過ごせました。同じように、今週のオランダGPも実りあるレースにしたいと思っています。とても楽しみです。アッセンは好きなサーキットです。そして、たくさんの思い出があります。天候はとても変わりやすく、フラッグ・トゥ・フラッグになった14年や昨年のように、迅速に対応していかなければなりません。今年はここまで全く予測できないレースが続いています。マシンとタイヤのマッチングと、いいセットアップを見つけるため、金曜日から集中しなければなりません。今大会は表彰台の獲得を目標に戦います」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合4位)
「カタルニアGPでは表彰台に立ちましたが、今週は気持ちを切り替えてオランダGPへと向かいます。今大会は、週末にかけて起こるであろうあらゆる状況に対処するため、集中力が必要になります。ドライコンディションで走れる時間がどれほどあるかは分かりませんが、そうなったときは、できる限りタイヤテストをしなければなりません。アッセンは高速で好きなサーキットです。今大会もトップグループで戦うために、金曜日から全力で準備を整えていく必要があります」

カル・クラッチロー(MotoGP 総合9位)
「我々にとって最優先の目標は、再び表彰台に立つことです。前戦カタルニアGP後のテストは順調だったし、アッセンではそれを継続できると思います。アッセンはいいサーキットで、過去に表彰台に立っています。チームは全力でがんばってくれているし、それはHondaも同じです。この数戦は厳しいレースが続いていますが、すばらしい仕事をしてくれています。今回も全力で挑みます」

ジャック・ミラー(MotoGP 総合13位)
「昨年の大会では、MotoGPクラスで初めて表彰台の頂点に立てました。アッセンにはいい思い出があります。前回のバルセロナは転倒リタイアに終わりましたが、アッセンは好きなサーキットなので、いいレースができると思っています。今年はシーズン開幕からいいレースができています。こうしたレースを続けないといけません。過去2戦、ムジェロとカタルニアは気温が高く、暑いレースになりました。その2戦に比べれば気温は低いと思いますが、不安定な天候に振り回されるかもしれません。しかし、そういう状況に対処する準備はできています」

ティト・ラバト(MotoGP 総合17位)
「昨年のオランダGPは自分にとって厳しいレースとなりましたが、今年はいいかたちでオランダGPを迎えられそうです。シーズンが進むにつれて、マシンとミシュランタイヤのフィーリングがよくなっています。ここまでコンスタントにポイントを獲得しています。しかし、課題は予選結果の悪さで、これを改善し、レースではスタートからもっといいポジションを狙えるようにしなければなりません。今週もベストを尽くします。そして、ポイントを獲得できるようにがんばります」

ニュース