ROUND 01

カタールGP ロサイル・インターナショナル・サーキット 2017.03.23(木)-26(日)

開幕戦 カタールGP

2017年シーズンが砂漠のナイトレースから開幕! Hondaの3冠獲得を目指した戦いが始まる

ロードレース世界選手権(WGP)第1戦カタールGPが、3月23日にドーハのロサイル・インターナショナル・サーキットで開幕します。カタールGPは、2004年に第1回大会が行われ、今年で14度目。08年にはグランプリ史上初のナイトレースが開催され、夜の戦いは10度目を迎えます。

カタールGPはフリー走行、予選、決勝日と日没時間に合わせ、午後6時からセッションが開始されます。3日間での開催スケジュールでは走行が深夜に及ぶため、11年以降は、ライダーやスタッフの体力的な負担を軽減するため4日間での開催となりました。

今年は1月下旬にマレーシア・セパンで公式テストがスタートしました。その後、2月にはオーストラリア・フィリップアイランド、3月上旬には開幕戦カタールGPの舞台となるロサイル・インターナショナル・サーキットでテストが行われました。

MotoGPクラスは、この数年で車両規定が変更されてきました。14年にはECU(エンジン・コントロール・ユニット)のハードウエアが共通化され、昨年からはソフトウエアも共通となりました。さらには、タイヤがブリヂストンからミシュランに代わり、大きな変革のシーズンとなりました。

昨年は、こうした車両規定などの変更に加え、シーズンを通して不安定な天候が続き、18戦で史上最多の9人のウイナーが誕生するという波乱のシーズンとなりました。その厳しい戦いの中でHonda勢は、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が2年ぶり3度目のタイトルを獲得、「RC213V」で参加した5選手のうち4人が優勝を達成するなど、マシンのパフォーマンスを発揮することに成功しました。

車両規定とレギュレーションの大きな変革の中で2年目を迎える今シーズンは、エアロダイナミクスが規制されました。シーズンを通じて登録できるのは2種類で事前に認定を取らなければならないというものです。そうしたルール変更が加わりましたが、Honda勢は順調にテストメニューを消化することができました。

2年連続、4度目のタイトル獲得を目指すマルケスは、マレーシア、オーストラリア、そしてカタールと、本番を想定したロングランを中心に徹底的に走り込みました。昨年は優勝を目指しながらも、ミスのない戦いを続けたことがタイトル獲得につながりました。その経験を今年のウインターテストでも活かすことになりました。MotoGPクラスにデビューして4年で3度のタイトルを獲得。これまで数々の史上最年少記録を更新してきたマルケスですが、この数年は速さに磨きをかけ、強さを身につけたマルケスの戦いに世界が注目しています。

Repsol Honda Teamで12年目のシーズンを迎えるダニ・ペドロサは、念願のタイトル獲得に向け、全力を尽くします。過去2年は、ケガなどの影響でシーズンを通して満足のいく戦いができませんでした。今年はウインターテストを順調に消化し、17年型RC213Vを仕上げてきました。最後のテストとなったカタールでは優勝争いに加われる内容で締めくくり、ここ数年の中では最高の状態で開幕戦を迎えることになりました。

LCR Hondaで3年目のシーズンを迎えるカル・クラッチローは、今年はさらなる飛躍のシーズンにする意気込みです。昨年はMotoGPクラスで初優勝を達成し、2勝目も記録。トップライダーの仲間入りを果たしました。今年は、マルケス、ペドロサとともに優勝争い、チャンピオン争いが期待されます。

MotoGPクラスで3年目のシーズンを迎えるジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)も昨年は初優勝を達成してモチベーションの高いシーズンとなっています。ウインターテストでは、トップ10に入ることも多く、大きな成長を感じさせました。チームメートのティト・ラバトは、マレーシアテストでケガをした影響でオーストラリアテストをキャンセル、カタールテストでも体調が十分ではなく満足のいくテストは行えませんでしたが、開幕戦カタールGPに向けて身体の状態は順調に回復、2年目のシーズンに闘志を燃やしています。

MotoGPクラスを戦うHonda勢は、今年も3チーム5名体制で同じ顔ぶれとなっています。昨年はライダーズタイトル、コンストラクターズタイトルを獲得。今年は、これにチームタイトルを加えた3冠獲得を目指します。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP) 「シーズン最初のレースはいつも特別です。いつもよりナーバスになります。カタールは特別なサーキットの一つです。最も注意しなければならないのはコース上の砂で、路面はかなり滑りやすく、グリップの限界が低いことにも気をつけなければなりません。ハードブレーキングエリアは3カ所あります。フロントの安定性が必要。自分のライディングスタイルと相性がいいとは言えないかもしれませんが、好きなサーキットの一つではあります。ウインターテストでは、すべてのサーキットで、いいリズムといいベースのセットアップを見つけることに一生懸命取り組んできました。テクニカルな面では、今シーズンのチャンピオンシップは昨年よりいいスタートが切れると感じています。マシンは表彰台争いができるレベルに達しているので、木曜日からうまく走れるようにがんばります」

ダニ・ペドロサ(MotoGP) 「カタールでのテストを含め、プレシーズン中はチームといい仕事をしてきました。そして徐々にマシンのパフォーマンスもよくなってきました。まだ改善したい点はいくつもありますが、Hondaは仕事の手を止めません。引き続き、いい方向に進めるように僕たちもベストを尽くします。このサーキットはとてもほこりが多く、風もかなり強いので、全体的にグリップはあまりよくありません。長いストレートでは向かい風となることが多いので、力強いエンジンが必要になります。レースはレベルがとても高く、予想をするのは難しいですが、自信を持ち、ベストを尽くす気持ちで週末をスタートします」

カル・クラッチロー(MotoGP) 「開幕戦が楽しみです。チームやHondaとともに冬のテストは一生懸命がんばりました。いいベースを持ってカタールに向かいます。ロサイルで行った最後のテストでは16周のロングランをこなしました。ペースは結構よかったです。まだ改善の余地がありますが、とてもポジティブです。週末どうなるか楽しみですが、全員にとってエキサイティングな第1ラウンドになると思います」

ジャック・ミラー(MotoGP) 「長い冬休みでしたが、いよいよカタールでキックオフ。レースに戻るのがとても楽しみです。プレシーズンはとてもポジティブでした。セパンとフィリップアイランド、そしてカタールでいいテストができました。開幕戦に向けて力強いポジションにいます。しかし、楽な週末にはならないでしょう。このサーキットは僕たちのマシンと特に相性がいいというわけではありません。ロングストレートも理想的ではありません。でもいつものようにいい結果が出せるように全力を尽くしてプッシュします。アルゼンチンやテキサスでは、今年のマシンのパフォーマンスのよさを本当に発揮できると思うので、引き続きがんばって取り組まなければなりません」

ティト・ラバト(MotoGP) 「セパンでケガをしましたが、復帰したカタールのテストは思ったよりうまくいきました。とにかく体力を改善するために理学療法士と一生懸命取り組んできました。まだヒザに炎症が残っていますが、関節の動きは完全に元に戻りましたし、マシンに乗っても痛みはありません。今週末はケガの影響はないと思います。今年のHonda RC213Vは、昨年のマシンと比べ、体への負担が少なく、特にコーナーの出口がかなりスムーズになりました。とても好きです。新しいエンジンとシャシーも、カタールテストではよかったです。フリー走行は予選とレースのためにエネルギーをどれだけ温存できるかにかかっています。マシンのセットアップを改善するためにすべてのラップが大事になります。ハードな週末になりますが、難しいプレシーズンを終えて、ようやくレースが始まるのでうれしいです」

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