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2016.09.22 ロードレース世界選手権 第14戦 アラゴン アラゴンGP プレビュー

アラゴンGP プレビュー

MotoGP レポート

第14戦アラゴンGPが、9月23日(金)〜25日(日)の3日間、スペインのモーターランド・アラゴンで開催されます。このサーキットは、バルセロナとバレンシアからそれぞれ約200km離れたアルカニスの郊外にあります。スペインGP、カタルニアGP、バレンシアGPに続くスペイン4カ所目のグランプリとして2010年にスタートし、今年で7度目の開催となります。

モーターランド・アラゴンは一周5.078km。マレーシアのセパン・サーキットやトルコのイスタンブール・パーク・サーキットなどを手がけたドイツ人デザイナーのヘルマン・ティルケ氏が設計しました。ティルケ氏がデザインしたサーキットは、自然の地形を利用したアップダウンと、バリエーションに富んだコーナーが連続し、リズム感あふれるレイアウトが特徴です。モーターランド・アラゴンは、こうした特徴に加え、2本の長いストレートを組み合わせたレイアウトになっており、パッシングポイントが多いため、選手たちから高い評価を得ています。

11年には、当時Repsol Honda Teamに所属していたケーシー・ストーナーが、このサーキットでチームのMotoGP通算100勝目を達成しました。さらに、12年にダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)、13年はマルク・マルケス(Repsol Honda Team)と、Repsol Honda Teamが3年連続で優勝しました。

14年は、ドライコンディションからウエットコンディションへと変化する“フラッグ・トゥ・フラッグ”のレースとなり、マルケスとペドロサが優勝争いを繰り広げましたが、ウエットコンディションの中で両選手ともに転倒。再スタートしましたが、マルケスが13位、ペドロサは14位という結果でした。昨年は、ペドロサが2位で表彰台に立ちましたが、マルケスは転倒リタイア。Repsol Honda Teamにとって今年は、3年ぶりの優勝を目指す戦いとなります。

前戦サンマリノGPでは、ペドロサが今季初優勝を達成しました。この数戦、調子を上げているペドロサですが、それを見事リザルトで証明しました。勢いに乗るペドロサは、12年以来、4年ぶり2度目の大会制覇を目指します。今年は新しいレギュレーションの中で、RC213Vのセットアップに苦戦しましたが、第4戦スペインGPでは4位、第7戦カタルニアGPでは3位表彰台と、ホームグランプリでは、厳しい状況の中でファンの期待に応えてきました。上り調子で迎える今大会は、シーズン2勝目に挑みます。

13戦を終えて総合首位につけるマルケスは、後半戦に入って、不安定な天候とタイヤの選択が決まらず表彰台に立てないレースが続いています。第10戦オーストリアGPでは5位、第11戦チェコGPでは今季5度目のポールポジションから3位表彰台に立ちましたが、第12戦イギリスGP、第13戦サンマリノGPでは連続4位と表彰台を逃しました。

フリー走行、予選の走りを決勝につなげられず、フラストレーションのたまるレースが続いていますが、得意とするアラゴンで3年ぶりの大会制覇と今季4勝目を目指し、総合2位以下との差を広げる意気込みです。

シーズン中盤戦に入って調子を上げているカル・クラッチロー(LCR Honda)が、2戦ぶり今季4度目の表彰台を目指します。シーズン前半戦は、フリー走行、予選の走りを結果につなげられないレースが続いていました。しかし、第9戦ドイツGPで2位になり、第11戦チェコGPで念願の初優勝を達成、第12戦イギリスGPで2位表彰台とRC213Vのパフォーマンスと、クラッチロー自身の本来の力を発揮することになりました。前戦サンマリノGPは表彰台争いに加われず9位フィニッシュ(レース終了後、上位選手のペナルティーにより8位繰り上げ)でしたが、得意とするアラゴンGPに闘志を燃やしています。

ティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、ホームグランプリに闘志をかきたてています。MotoGPのデビューシーズンである今年は、13戦を終えて総合20位。第2戦アルゼンチンGPに自身最高位となる9位になるなど、8度のポイント獲得を果たしました。思うような結果は残せていませんが、今大会はベストリザルトを目指します。

後半戦のスタートとなった第10戦オーストリアGPで背中と右手首を負傷したジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、今大会を欠場します。ミラーは、第10戦オーストリアGPと第11戦チェコGPを欠場し、第12戦イギリスGPに復帰しました。第13戦サンマリノGPも出場しましたが、完治していない右手首が悪化したことから決勝をキャンセルしました。第15戦日本GPからの3連戦での復帰を目指し、欠場します。代役として、06年のMotoGPチャンピオンで現在スーパーバイク世界選手権にHonda World Superbike Teamから参戦中のニッキー・ヘイデンが出場します。

Moto2 レポート

2連覇を狙うヨハン・ザルコ(Ajo Motorsport)が総合首位で今大会を迎えます。ザルコは後半戦に入って思うようにポイントを稼げず、総合2位につけるアレックス・リンス(paginas Amarillas HP 40)が着実にポイントを重ねたことで両者の差は一気に接近。わずか3ポイント差でアラゴンGPを迎えることになりました。

ザルコは、後半戦のスタートとなった第10戦オーストリアGPで今季5勝目を挙げて好調なスタートを切りましたが、ウエットコンディションとなった第11戦チェコGPで11位、第12戦イギリスGPではサム・ロース(Federal Oil Gresini Moto2)と接触してコースアウト。再スタートするもノーポイントに終わり、前戦サンマリノGPでは表彰台争いから遅れて4位でした。

対照的にリンスは、後半戦に入ってからの4戦で2位が2回、3位が1回と総合首位のザルコとの差を着実に縮め、わずか3ポイント差でホームグランプリを迎えます。リンスは第10戦オーストリアGPで3位、第11戦チェコGPで2位になった後、トレーニング中に左鎖骨を骨折。その影響でイギリスGPは7位と我慢のレースとなりました。そして、連戦となったサンマリノGPも十分な状態ではありませんでしたが、優勝争いを繰り広げての2位。今大会は、2連覇を狙うザルコと、その差を一気に縮めてきたリンスの戦いに注目が集まっています。

トーマス・ルティ(Garage Plus Interwetten)が総合3位に浮上してアラゴンGPを迎えます。一方、総合3位につけていたロースは、イギリスGP、サンマリノGPの2連戦でノーポイントに終わり総合4位にダウンしました。以下、ジョナス・フォルガー(Dynavolt Intact GP)、フランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)、中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)と続きます。

総合7位の中上は、シーズン中盤戦に入って絶好調。イギリスGP、サンマリノGPの2連戦では連続3位になり、総合3位のルティとの差を17点差としました。し烈な総合3位争いに加わった中上は、今季2勝目と5度目の表彰台獲得を目指します。今大会は、FIM CEVレプソルインターナショナル選手権に出場中の長島哲太(Ajo Motorsport A.)がワイルドカードで出場します。

Moto3 レポート

Moto3クラスは、総合2位につけるエネア・バスティアニーニ(Gresini Racing Moto3)と、総合3位でホームグランプリを迎えるホルヘ・ナバロ(Estrella Galicia 0,0)が、今大会、総合首位でタイトル王手のブラッド・ビンダー(KTM)に挑みます。

シーズン前半戦、思うような結果を残せなかったバスティアニーニは、シーズン中盤戦に入って安定したリザルトを残すようになりました。ここまで13戦を終えて4度の表彰台に立ってきました。前戦サンマリノGPでは優勝争いを繰り広げての2位。今大会は今季初優勝を目指します。

ホームグランプリを迎えるナバロは、シーズン前半戦は着実に表彰台に立ちましたが、後半戦はノーポイントのレースが続く悔しいレースが続いています。今大会は、初優勝を達成した第7戦カタルニアGP以来、7戦ぶりの表彰台と今季2勝目を目指します。

総合7位にはルーキーのファビオ・ディ・ジャンアントニオ(Gresini Racing Moto3)、総合9位にヤコブ・コーンフェール(Drive M7 SIC Racing Team)、総合10位にニッコロ・アントネッリ(Ongetta-Rivacold)と続き、トップ10に5人のHonda勢が名前を連ねています。

総合3位のナバロから総合7位のジャンアントニオまで20点差、総合10位のアントネッリまで39点差。シーズンは残り5戦となりますが、厳しいランキング争いが続きます。

ルーキーながら今季2勝を挙げているカイルール・イダム・パウィ(Honda Team Asia)は総合13位。前戦サンマリノGPで9位となり、今季3度目のシングルフィニッシュを果たしたチームメートの尾野弘樹は総合23位。パウィ、尾野ともにアラゴンは、FIM CEVレプソルインターナショナル選手権で走り慣れているサーキットだけに、今大会の走りに注目されます。

MotoGP コメント

マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)
「アラゴンはミサノより好きなコースです。自分のライディングスタイルにも合うと思います。今年はレースごとに、いろいろ変化があり、予測できないことが多いです。今大会も、いい週末になるかどうか始まってみなければわかりません。とにかく、そのとき、そのときの状況に合わせてレースに挑めるようにしたいです。もちろん、地元の観客とファンクラブの前で表彰台争いをしたいと思います」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合4位)
「いいモードでアラゴンに到着します。ここ数戦は順調でミサノでは完ぺきなレースができ、すばらしい結果を残せました。今年の戦いは厳しく、接戦になることが多いので、引き続き地に足をつけて取り組んでいかなければなりません。今大会も、ここ最近取り組んでいるベースのセットアップに集中し、さらに積み上げていきたいです。そしてトップグループで戦えるペースをキープできるようにしたいです。ファンクラブのみんなが来てくれるので、ベストを尽くし、いいパフォーマンスを見てもらえるようにがんばります」

カル・クラッチロー(MotoGP 総合8位)
「アラゴンでは、何回かいいリザルトを残してきました。好きなサーキットです。今年もまたいい成績を残せるようにがんばります。サンマリノGPでは、汗止めに問題があって苦労しました。それがなければ0.4秒は速く走れたはずで、5位でフィニッシュできたと思います。ミサノでは、セットアップが進んだし、ウイリーの問題に関しては、昨年よりよかったと思います。今週のアラゴンGPでは、その成果を結果につなげたいです」

ティト・ラバト(MotoGP 総合20位)
「ミサノでは、結果には反映されませんでしたが、また少し前進できました。次はホームグランプリのアラゴンです。アラゴンは好きなサーキットの一つで、過去にいい結果を楽しんできました。でも、MotoGPマシンで走るのは初めてなので、プラクティスセッションから全力で取り組みます。モチベーションは上がっています。強さを感じているので、どうなるのか楽しみです」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 代役出場)
「まず、ジャックが早く回復することを願っています。彼はいい友達で、とても信頼しているライダーです。だから彼がなるべく早く元気になって、彼が持つ高いポテンシャルをみせられることを願っています。今回は代役出場となり、初めての経験です。しかし、Hondaとはいい関係を築いてきたので、この話が出たときHonda World Superbike Teamは応援してくれました。こうしてほかのHondaチームを助けられるのはうれしいことです。僕にとっては楽しめるいい機会になりました。MotoGPはレベルがとても高く簡単に楽しめるレースではないことをわかっています。このマシンに乗ったことはありません。タイヤも電子制御も違いますが、こうしてMotoGPで走れるのは個人的にとてもうれしいことです。このようなチャンスを与えてくれたEstrella Galicia 0,0 Marc VDSとHonda World Superbike Team、そして今回の参戦を実現させてくれたスポンサーに感謝したいです。彼らのためにベストを尽くしたいです」

Moto2 コメント

ヨハン・ザルコ(Moto2 総合1位)
「チャンピオンシップのリーダーとして今大会を迎えます。金曜日のフリー走行から集中し、ベストを尽くします。戦略はこれまで通りですが、プレッシャーはあります。そのプレッシャーを跳ね返すためにもがんばらなければいけません。アラゴンは好きなサーキットです。高速でおもしろいコーナーもあります。昨年のアラゴンGPは、最初のタイトル獲得のチャンスの中で迎え、思っていたように走ることができませんでした。しかし、多くのことを学びました。125ccでは11年に、Moto2では14年に表彰台に立っています。今年は優勝を目指して戦います」

アレックス・リンス(Moto2 総合2位)
「ザルコと3点差で今大会を迎えますが、いつも通りに戦います。前戦サンマリノGPでは、いいレースができたと思います。しかし、レースを終えたときには、非常に疲れていました。それから1週間のインターバルがあったので、かなり回復したと思います。今回はホームグランプリです。アラゴンは大好きなサーキットで、これまでいい結果を残してきました。レースウイークを通じて集中しなければいけません。今年はチャンピオン争いに加われてとてもハッピーです。アラゴンGPを楽しみにしています」

トーマス・ルティ(Moto2 総合3位)
「今年の目標はとても明確で、トップ3でシーズンを終えることです。しかし、ポイントのことは考えず、一つひとつのレースに集中したいです。今大会もチームとともに優勝を目指していきます。ポイントについて語るのは、最終戦バレンシアGPが終わってからにしたいです」

中上貴晶(Moto2 総合7位)
「イギリス、サンマリノと2戦連続で表彰台を立つことができました。勢いにも乗っているし、今大会もチームとともに優勝を目指します。次戦の日本GPに向けて今大会は重要なレースとなります。イギリス、イタリアの勢いをアラゴンにつなげ、そして、日本に向かいたいです」

Moto3 コメント

エネア・バスティアニーニ(Moto3 総合2位)
「アラゴンは大好きなサーキットです。昨年はいい戦いができました。ポールポジションからスタートして最終ラップまで優勝争いをしました。しかし、残念ながらミスをして(ブラッド)ビンダー(KTM)と接触し転倒しました。今年は金曜日から集中し、初日から速くなれるようにがんばります。ビンダーはチャンピオンシップで大きなアドバンテージがあります。でもがんばってアタックしていきます。可能性がある限りあきらめません」

ホルヘ・ナバロ(Moto3 総合3位)
「サンマリノGPを終えて、この1週間で休養することができたし、身体も回復しました。アラゴンは昨年2位になり、初めて表彰台を獲得したサーキットなので、とてもいい思い出があります。今年も地元ファンや家族の応援の中で、いいレースができることを願っています。ここ数戦は転倒リタイアが多く、結果を残せませんでした。それだけに今週はいいリザルトを残したいです」

ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(Moto3 総合7位)
「前戦サンマリノGPでは、トップ10に入る目標は達成しましたが、正直、もっといい結果を期待していました。アラゴンはかなり好きなサーキットです。コースもよく知っています。ルーキーズカップで、2シーズンにわたりレースをしました。今大会は楽しんで結果が出したいです。ベストを尽くします」

尾野弘樹(Moto3 総合23位)
「今大会の目標は6位以内に入ることです。もちろん、表彰台、優勝を目指して戦いますが、高望みはせず自己ベストの6位を上回れるようにしたいです。前戦サンマリノGPは、イタリアGP以来、7戦ぶりにシングルフィニッシュすることができました。今大会も予選グリッドがとても重要になります。初日から集中していい結果を残したいです」