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2016.09.01 ロードレース世界選手権 第12戦 イギリス イギリスGP プレビュー

イギリスGP プレビュー

会場:シルバーストーン・サーキット 全長:5.9km
決勝:[MotoGP]20Laps [Moto2]18Laps [Moto3]17Laps
MotoGP レポート

第12戦イギリスGPが、9月2日(金)〜4日(日)の3日間、ノーザンプトン郊外のシルバーストーン・サーキットで開催されます。後半戦のスタートとなった第10戦オーストリアGP、そして第11戦チェコGPと続いた2連戦のあとに開催されるのは4年連続。シルバーストーンでイギリスGPが開催されるのは、これで7年連続となります。

イギリスGPは、1949年から1976年までは「Tourist Trophy」として、マン島の公道コースで開催されていました。マン島は、Hondaが世界に初挑戦した舞台で、最高峰クラスでは、1966年と67年にマイク・ヘイルウッドが優勝しています。その後、77年〜1986年の10年間はシルバーストーンへと舞台を移し、84年にはランディ・マモラ、85年にはフレディ・スペンサー、そして86年にワイン・ガードナーと、グランプリの歴史に名を刻む名選手たちが、Hondaのマシンで優勝しました。

87年〜2009年の23年間は、ドニントンパークで開催されました。そして、2010年には再び、コースの全面改修を終えたシルバーストーンで、グランプリが開催されるようになりました。

シルバーストーンは、一周5.9km。現在、グランプリが開催されているサーキットでは、最も長いコースです。アベレージスピードは時速175km前後。今年、19年ぶりにグランプリの舞台として復活したオーストリアGPのレッドブル・リンク、イタリアGPの開催地であるムジェロ、オーストラリアGPが行われるフィリップアイランドと並び、カレンダー屈指の高速サーキットです。Hondaは過去6度の大会では、11年にケーシー・ストーナーが、14年にマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が優勝しています。今年はマルケスが2年ぶりの優勝を目指し、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)がシルバーストーン初制覇を狙います。

シルバーストーンでマルケスは、10年に125ccクラスで優勝、12年にはMoto2クラスで3位になりました。MotoGPクラスにステップアップした13年は2位で、14年の大会では優勝。雨のレースになった昨年は、優勝争いに加わるも痛恨の転倒を喫してリタイアに終わりました。

シルバーストーンは不安定な天候になることが多く、選手たちを悩ませます。マルケスは過去6年の大会において、フリー走行で転倒を喫した影響でポールポジション(PP)を逃した12年を除き、予選でトップタイムをマークしています。相性がいいと言えるコースで、今年はMotoGPクラスでの4年連続のPPと、2度目の優勝を目指します。

今年は、新しいレギュレーションの実施とミシュランタイヤの供給1年目ということで、マシンの開発を続けながらのシーズンとなっています。ここまで11戦を終えて5度のPPを獲得。3勝を含む9度の表彰台を獲得し、総合首位に立つマルケスは、今季4勝目と10度目の表彰台獲得に気合満点です。前戦チェコGPのあとに行われた公式テストでは、多くのデータ収集に成功。今大会はその成果を試すことになります。

総合4位につけるも、ここまで表彰台への登壇が2度と厳しいシーズンを過ごしているペドロサは、前戦チェコGPのあとに行われた公式テストで、大きな成果を得ることに成功しました。今大会は、シーズン後半での巻き返しに向けて、そのきっかけのレースにする意気込みです。

これまでシルバーストーンでは、12年と13年に3位表彰台に立っています。14年は4位、雨のレースになった昨年は5位と、2年連続で表彰台を逃しています。今年はシルバーストーンでの3度目の表彰台と、同サーキットの初制覇に挑みます。

前戦チェコGPでMotoGP初優勝を達成したカル・クラッチロー(LCR Honda)が、ホームグランプリで2勝目を目指します。今年は第9戦ドイツGPで2位表彰台に立ち、その勢いをチェコGPにつなげました。

今年は、フリー走行や予選でのスピードをなかなか決勝につなげられず、フラストレーションのたまるレースが続いていましたが、フラッグ・トゥ・フラッグとなった第9戦ドイツGPですばらしい追い上げをみせて2位。ウエットレースになった前戦チェコGPは、タイヤ選択をバッチリ決めて快勝と、上り調子でホームグランプリを迎えることになりました。

過去のホームグランプリでは、気合が空回りすることが多く、表彰台争いにも加われませんでした。昨年はチームメートとの接触転倒という最悪の結末となりましたが、今年は、最高のレースを地元ファンに披露する意気込みです。

第8戦オランダGPで初優勝を達成してから調子を上げているジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、第10戦オーストリアGPの決勝日のウォームアップで右手首と第6胸椎を痛めて欠場し、連戦となる第11戦チェコGPも、大事を取って欠場しました。今大会は2戦ぶりの大会参戦。3戦ぶりの上位進出を狙います。

ミラーのチームメートであるティト・ラバトにとって、シルバーストーンはMoto2クラスで優勝を経験しているサーキット。昨年はMoto2クラスで3位表彰台に立っています。レースをこなすごとにRC213Vを乗りこなしてきているルーキーが、今季ベストを狙います。

Moto2 レポート

Moto2クラスは、総合首位のヨハン・ザルコ(Ajo Motorsport)が、今季4度目のPPと6勝目を狙います。14年の大会ではPPを獲得して4位。昨年は予選3番手から優勝しました。今年は、シーズン序盤に苦戦のレースが続きましたが、中盤以降は、チャンピオンらしい走りが復活しました。シーズン中盤に入ってからの6戦では、4勝と1度の2位と、すばらしい成績で総合首位をひた走っています。雨のレースになった前戦チェコGPでは11位と低迷しましたが、総合首位の座はキープ。今大会は、前戦チェコGPの雪辱に挑みます。

総合2位のアレックス・リンス(Paginas Amarillas HP 40)は、前戦チェコGPで2位になりました。そして、総合首位のザルコが11位に終わったことで、19点差まで迫ることに成功しました。Moto3クラスでは、13年に2位、14年に優勝。Moto2にスイッチした昨年は予選2番手で決勝2位。今年はキャリア2度目の大会制覇と今季3勝目を狙います。

総合3位のサム・ロース(Federal Oil Gresini Moto2)は、ホームグランプリに闘志を燃やしています。前戦チェコGPでは3位表彰台に立ち、転倒リタイアに終わった第9戦ドイツGP、第10戦オーストリアGPの悪い流れに終止符を打ちました。上り調子で迎えたホームグランプリ。今季4度目のPPと今季2勝目を目指します。

前戦チェコGPで優勝したジョナス・フォルガー(Dynavolt Intact GP)は2連勝に闘志。前戦チェコGPで負傷欠場したトーマス・ルティ(Garage Plus Interwetten)は今大会で復帰します。また、前戦チェコGPで他車にぶつけられて悔しい転倒リタイアに終わった中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)が、今季2勝目と3度目の表彰台を目指します。

Moto3 レポート

Moto3クラスは、総合2位のホルヘ・ナバロ(Estrella Galicia 0,0)が、5戦ぶりの優勝と表彰台を目指します。ナバロは、初優勝を達成した第7戦カタルニアGPのあと、トレーニング中に左足のけい骨とひ骨を折り、第8戦オランダGPを欠場しました。そして、第9戦ドイツGPから復帰しましたが、表彰台に立てないレースが続いています。総合首位のブラッド・ビンダー(KTM)との差は61点。残り7戦での巻き返しに気合を入れています。

シーズン中盤戦に入り、安定した走りを続け総合3位に浮上してきたエネア・バスティアニーニ(Gresini Racing Moto3)が今季初優勝に挑みます。今年は3度の表彰台に立っていますが、まだ優勝はなし。昨年はチャンピオン争いを繰り広げただけに、残り7戦で本来の走りを取り戻す意気込みです。

バスティアニーニのチームメートであるファビオ・ディ・ジャンアントニオも、調子を上げてきました。前戦チェコGPでは予選でベストグリッドとなる4番手。決勝では3位になり、今季3度目の表彰台を獲得しました。今大会は、バスティアニーニとともに優勝を目指します。

以下、総合9位のニッコロ・アントネッリ(Ongetta-Rivacold)は、開幕戦カタールGP以来の優勝に闘志。総合10位のヤコブ・コーンフェール(Drive M7 SIC Racing Team)も、今季初表彰台を目指します。ルーキーながら今季2勝のカイルール・イダム・パウィ(Honda Team Asia)は総合11位。パウィは前戦チェコGPで転倒リタイアに終わっているだけに、その雪辱に気合を入れています。チームメートの尾野弘樹(Honda Team Asia)は総合23位。第2戦アルゼンチンGP、第6戦イタリアGPの6位をブレイクする今季ベストに挑みます。

MotoGP コメント

マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)
「シルバーストーンの天気は予測不可能で、寒くなったり雨が降ったりすることもあるので、それに備えなければなりません。今年は“ミックスされたコンディション”のレースを何度も経験しています。集中力をキープし、正しい選択をすることが、いかに重要かが見えてきました。今大会はどうなるか分かりませんが、これまでと同じように、状況に対応していこうと思っています。このサーキットはとても好きです。これまで、ここでは常に楽しいレースをしてきました。今年も、できる限りいい結果を出せるよう全力でプッシュします」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合4位)
「今の一番の目標は、自信と感触を取り戻し、さらに前進することです。ブルノのテストでは、いくつかアイディアを得ることができました。今後のレースで、それを生かせるかどうかを見ていきたいです。シルバーストーンは切り返しが多く、マシンのセッティングがとても難しいサーキットです。もう一つ重要な要素が天候です。ここは予測不可能な天候になることが多く、そのためマシンのセットアップやタイヤ選択などが難しくなります。午前と午後のプラクティスセッションで違う感触になることも珍しくありません。コースはとてもスピードが出て、簡単ではありません。初日からセットアップを進め、決勝では流れるように走りたいです」

カル・クラッチロー(MotoGP 総合10位)
「昨年のシルバーストーンでは、ウエットでもドライでもいい走りができました。前戦ブルノよりは相性がいいと思います。高速コーナーが多いので、ここでは加速の問題はそれほどないと思います。ウイリーも同じです。なぜならシルバーストーンはウイリーするところが多くないからです。高速サーキットの方がいいレースができるように思います。もちろんホームグランプリなので、とても楽しみにしています。前戦のブルノ同様、100%でがんばります。再び戦闘的になれると信じています。Hondaは一生懸命がんばっています。今大会は、もっと速く走れると思います」

ジャック・ミラー(MotoGP 総合14位)
「マン島で、カルと一週間トレーニングをして過ごしました。気持ちよくシルバーストーンへ行けます。走っても大丈夫な状態ですが、メディカルチェックを受けなければなりません。このコースは高速コーナーが多く、かなりおもしろいです。しかし、あまりいいレースをした記憶がありません。昨年の決勝は雨が降りました。転倒してカルを巻き込むまでは、いい結果が出せるとかなり確信していました」

ティト・ラバト(MotoGP 総合19位)
「チェコGPのあとに、いいテストができました。いくつか試せて、着実に前進できたし、さらに快適に走れるようになりました。モチベーションを高めてシルバーストーンへ向かいます。とても好きなサーキットなので、さらに力強い結果を目指します。2014年にMoto2で優勝しているので、このサーキットはよく知っています。Moto2のマシンでも難しいサーキットだったので、MotoGPマシンではとてもエキサイティングだと思います」

Moto2 コメント

ヨハン・ザルコ(Moto2 総合1位)
「雨になったチェコGPの決勝は、レースウイークを通して行ったすばらしい仕事が無駄になりました。しかし、チャンピオンシップにおいて重要なポイントを獲得できました。(アレックス)リンスはすばらしいレースをしてポイント差が縮まったので、タイトル争いが厳しくなりました。今週はシルバーストーンです。今週も天候の予想ができません。昨年はウエットで優勝しましたが、どうなるか全く分かりません。でも、ここは大好きなサーキットの一つなので、ミスをせず、どのようなコンディションにも素早く対応していきたいです」

アレックス・リンス(Moto2 総合2位)
「シルバーストーンは特別なサーキットです。非常に速くて、テクニカルなコースですが、とても好きです。一生懸命プッシュして初日から勢いに乗りたいです。この数戦は金曜日に出遅れることが多かったので、それを改善したいです。ブルノではヨハンに対してポイントを縮めることができました。イギリスでも同じようにがんばりたいです」

サム・ロース(Moto2 総合3位)
「みんな楽しみにしているし、シルバーストーンがとても楽しみです。ブルノと同様、イギリスのファンのためにも、またいいレースがしたいです。今回もまた、ブルノのように天候が不安定になるかもしれません。しかし、ブルノではいいペースで走れました。昨年は思うような結果を出せませんでしたが、ここでは速く走れることが分かっています。全力を尽くして日曜日の午後には表彰台に上がりたいです」

中上貴晶(Moto2 総合7位)
「オーストリアGPは7位、チェコGPは他車にぶつけられて転倒リタイアと、2戦連続で不本意な結果に終わっているので、今週はその分もがんばりたいです。シルバーストーンは好きなコースです。過去2年はいい走りができていませんが、今年はマシンの状態もいいので、ポールポジションを獲得、優勝争いをして2位になった13年のようなレースにしたいです。とにかく、勢いを取り戻すためにも、今大会は絶対に優勝を目指します」

Moto3 コメント

ホルヘ・ナバロ(Moto3 総合2位)
「チェコでは、ケガをする前のレベルに戻るためにも、一生懸命がんばらなければならないことを痛感しました。タイトル争いを続けるためには、とても重要なことです。シルバーストーンで力強いレースができるように一週間トレーニングをしてきました。ブルノではトップの(ブラッド)ビンダーとのポイント差を縮めましたが、自分のレベルを上げるためにも引き続きがんばらなければなりません。ブルノは得意なサーキットではありません。しかし、昨年は初のポールポジションを獲得し、サーキットレコードも出しています。決勝はリタイアしましたが、今年はしっかり結果につなげたいです」

エネア・バスティアニーニ(Moto3 総合3位)
「ここ5レースで3度表彰台に上がり、ブルノでも、表彰台まであとわずかでした。いい状態であることは分かっています。この調子でシルバーストーンでもがんばりたいです。今回も不安定な天候になるかもしれませんが、ブルノで表彰台争いをして4位になったことは自信につながりました。今週もトップに近づけるようにがんばりたいです」

ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(Moto3 総合8位)
「チェコで3度目の表彰台を獲得しました。とてもうれしかったです。今大会も日曜日に向けていいマシンを準備し、いつもと同じ目標に向けてがんばります。シルバーストーンは高速で、大きなコーナーがいくつかあります。バンプもかなりあるので、厳しい走りになると思います。今週はドライになることを願っています。そうすればセットアップに集中できます。そして自信を持ってレースに挑めます」

尾野弘樹(Moto3 総合23位)
「昨年のイギリスGPは、チェコGPで痛めた足の手術をしたあとだったので、身体が万全でなく、苦い思い出の残るラウンドでした。しかし、今年は体調がいいので、全力で挑みたいです。シルバーストーンは、難しいコースレイアウトに加えて、天候に振り回されることも多いですが、自分の走りをしっかり出して、今季最高位を目標に戦います」