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2016.07.14 ロードレース世界選手権 第9戦 ドイツ ドイツGP プレビュー

ドイツGP プレビュー

MotoGP レポート

第9戦ドイツGPが、7月15日(金)〜17日(日)の3日間、ドレスデン近郊のザクセンリンクで開催されます。ザクセンリンクの歴史は古く、1927年に初めて公道を使ったレースが行われ、1961〜1972年には、東ドイツGPの舞台となりました。そして、90年に東西ドイツが統合されるとザクセンリンクでのグランプリ復活を望む声が高まり、全面改修を受けた1998年にドイツGPの舞台として復活し、今年で19度目の開催を迎えます。

グランプリが復活した当初のザクセンリンクは、一周3.508kmのショートコース。タイトなコーナーが連続し、ストレートも短く、エンジンパワーをほとんど発揮できないレイアウトでした。

そのため、2001年にコースの後半部分が改修されて、3.704kmへと延長されました。さらに、03年にはコース幅を広げる改修が行われ、全長は3.671kmへとわずかに短くなりましたが、MotoGPマシンのパフォーマンスを発揮できるコースに生まれ変わりました。以来、ザクセンリンクは、パッシングポイントの多い白熱した戦いが繰り広げられるサーキットとして、選手たちから好評です。

過去18度の大会でHondaは12勝を挙げています。ザクセンリンクで優勝してきたHondaライダーは、ミック・ドゥーハン、アレックス・バロス、バレンティーノ・ロッシ(現ヤマハ)、セテ・ジベルノー、マックス・ビアッジ。そして、Repsol Honda Teamで11年目のシーズンを迎えるダニ・ペドロサは過去4勝を挙げています。さらに、MotoGPクラスにデビューした2013年に史上最年少記録でチャンピオンに輝いたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、13年〜15年でドイツGP3連勝を達成してファンを喜ばせました。

13年、14年と2年連続でMotoGPクラスのチャンピオンに輝いたマルケスは、昨年はランキング3位でタイトルを逃しました。マシンのセットアップが完全ではなかったシーズン前半の苦戦が大きく影響しました。しかし、ドイツGPで優勝して以降は、調子を上げて勝ち星を重ねるなど、マルケスにとって相性のいいサーキットの一つになっています。

マルケスは、10年には125cc、11年と12年にはMoto2クラスを制しています。そして、13年〜15年の3年連続で最高峰クラスを制し、ドイツGPでは6連勝を達成しています。総合首位で今大会を迎える今年は、シーズン3勝目とドイツGP7連覇に期待が寄せられます。

チームメートのダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)も、ザクセンリンクを得意としています。過去、250ccクラスで2勝、最高峰クラスでは07年、そして10年〜12年で3連勝し、自身最多の大会6勝を挙げている、相性のいいサーキットの一つです。過去2年、マルケスに続いて連続2位となり、Repsol Honda Teamが2年連続で1-2フィニッシュを達成しています。今年は3年連続での、Repsol Honda Teamの1-2フィニッシュと、ペドロサにとっては、最高峰クラスにおける同大会の5勝目の期待が膨らんでいます。

断続的に雨が降る不安定な天候となった前戦オランダGPで転倒リタイアするも、予選、決勝と復調を感じさせる走りをみせたカル・クラッチロー(LCR Honda)が、得意のサーキットで今季ベストを狙います。3年前の大会では2位表彰台に立っています。今年は8戦を終えて第7戦カタルニアGPの6位が最高。今大会はシーズンのベストリザルトはもちろん、今季初表彰台と初優勝を目指します。

前戦オランダGPで初優勝を達成し、総合13位と一気にランキングを上げたジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)の今大会の走りに注目が集まります。前戦では、難しいコンディションの中で見事な走りを披露。第3戦アメリカズGPで痛めた右足も完全に復調。モトクロストレーニングができるようになった現在は、万全の体調で挑みます。

第6戦イタリアGPでは、チームメートでルーキーのティト・ラバトも負傷。鎖骨を折りました。復帰戦となった第7戦カタルニアGP、そして第8戦オランダGPと体調的に厳しい走りを強いられましたが、今大会は、ほぼ万全の調子で挑むことができます。

Moto2 レポート

Moto2クラスは、8戦を終えて3勝を含む5度の表彰台に立っているヨハン・ザルコ(Ajo Motorsport)が126点で総合首位。2勝を含む4度の表彰台に立ったアレックス・リンス(Paginas Amarillas HP 40)が同ポイントで2位。1勝を含む4度の表彰台に立ったサム・ロース(Federal Oil Gresini Moto2)が5点差の121点で総合3位と、大接戦となっています。昨年の大会はザルコが2位、リンスが3位、ロースが5位でした。今年も上位3選手の走りが注目されます。

すでに、総合2位のリンスと総合3位のロースは来季のMotoGPクラスにチャレンジすることが決まっています。ザルコもMotoGPにチャレンジする予定です。来季のニューチャレンジに向けて、タイトル争いが一段と厳しさを増すことは間違いありません。

総合4位には1勝を含む2度の表彰台に立っているトーマス・ルティ(Garage Plus Interwetten)で93点、前戦オランダGPで初優勝を果たした中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)が78点で総合5位に浮上し、今大会の走りに大きな注目が集まっています。昨年の大会で中上は、厳しい戦いが繰り広げられる中、7位でフィニッシュしています。ここ数戦、常に表彰台争いに加わっている中上だけに、2連勝と今季3度目の表彰台が期待されます。

Moto3 レポート

Moto3クラスは、第7戦カタルニアGPのあとのトレーニングで、左脚のけい骨とひ骨を折り、前戦オランダGPを欠場したホルヘ・ナバロ(Estrella Galicia 0,0)が復帰します。完全な状態ではありませんが、念願のタイトル奪取に向けてポイント獲得に挑みます。

総合6位のニッコロ・アントネッリ(Ongetta-Rivacold)は、開幕戦カタールGPで優勝してから、ノーポイントのレースが続いていましたが、第6戦イタリアGPで4位、第8戦オランダGPで5位と、大接戦の中で表彰台争いに加わってきました。今大会はシーズン2勝目が期待されます。

トレーニング中に右腕を痛め、第5戦フランスGPを欠場、第6戦イタリアGPから復帰したエネア・バスティアニーニ(Gresini Racing Moto3)が、やっと本来の走りを取り戻しました。前戦オランダGPでは今季初ポールポジションを獲得。決勝では優勝争いに加わりましたが、転倒リタイアという悔しい結果に終わりました。今大会はその雪辱を果たすべく、今季初優勝に挑みます。

総合10位にはヤコブ・コーンフェール(Drive M7 SIC Racing Team)。総合13位にはジュール・ダニーロ(Ongetta-Rivacold)で、前戦オランダGPではベストリザルトの6位でフィニッシュしました。総合14位にはアーロン・カネット(Estrella Galicia 0,0)。カイルール・イダム・パウィ(Honda Team Asia)は総合17位で、3戦連続ノーポイントに終わっています。今大会は4戦ぶりの完走を目指します。第7戦カタルニアGPで左手人差し指を骨折、前戦オランダGPを欠場した尾野弘樹(Honda Team Asia)が今大会から復帰します。まだ、完治はしていませんが、シーズン前半をいい形で締めくくる意気込みです。

MotoGP コメント

マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)
「表彰台を狙って第9戦ドイツGPへ向かいます。もちろん、優勝争いもしたいです。ザクセンリンクはこれまで相性がいいサーキットで、とても好きです。少しだけ、ダートトラックを走っているような感じになります。左コーナーがたくさんあるのがその理由かもしれません。ここも、前戦オランダGPと同じように雨が多く、レースが天候に左右されることがあります。今年は、過去の戦いから学んだことを生かして、1レースごとにアプローチしています。準備を整え、持っている力を最大限に発揮し、どんな状況にも備えたいです。とにかく、ドイツGPの開幕を楽しみにしています。夏休みに入る前にまたポジティブな結果が出せるようにベストを尽くします」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合4位)
「ザクセンリンクはとても好きです。カレンダーで大好きなサーキットの一つです。これまでに、とてもいい思い出があります。今大会は、最近のレースから学んだことを、チームとともに最大限に活用できればと思っています。アッセンではもっといい結果が出せたと思うし、とても残念でした。最初のレースの戦略は完ぺきでしたが、再スタートのレースはうまくいきませんでした。そんな中でポジティブなことは、難しいコンディションでうまく仕事ができたということです。ドイツでもこの調子でがんばります」

ジャック・ミラー(MotoGP 総合13位)
「アッセンでは夢が現実になりました。ドイツでもできる限りプッシュして、いいレースができればと思います。過去にはいい結果を残したこともあります。簡単な週末になるとは思いませんが、全力でがんばります。ここは好きなサーキットです。Hondaと相性がいいサーキットだということにも勇気づけられます。アッセンで優勝してから、少し自信がつきました。ここ4レースで大きく前進しました。足の調子はよくなっているので、いろんなことが、少しずつ楽になってきています。アッセンのあとは、1月にケガをしてからやめていたモトクロストレーニングを再開しました。感触はよかったです。まだ脚に金属が入っているので動きが十分ではありませんが、かなりよくなりました。これまで通り、クルーたちと一生懸命取り組み続け、アッセンで味わった気分を近いうちにまた経験したいです」

カル・クラッチロー(MotoGP 総合18位)
「2週間の休みだったので、ザクセンリンクでレースに戻るのがとても楽しみです。このサーキットはとても楽しく、コースのレイアウトは自分のスタイルに合っています。過去にいい結果を残したことがあります。また、Hondaとも相性がいいので楽しみです。アッセンでは残念でしたが、トップライダーたちに挑戦するため、できることをすべてやります。アッセンでは、自分のほかにも激しいレースをしたライダーが何人もいるので、日曜日のレースはきっと激しいバトルになると思います」

ティト・ラバト(MotoGP 総合20位)
「第6戦イタリアGPで鎖骨を折りましたが、第7戦カタルニアGPで復帰してからの自分のパフォーマンスには満足しています。もちろん、完ぺきな状態ではないし、カタルニアではかなり苦戦しましたが、ポイントを獲得できました。アッセンでは切り返しでパワーが不足していましたが、うまく乗りこなせました。そして今は、完全に回復しました。ここまでとても多くの経験を得られました。今大会でMotoGPクラスのデビューシーズンの半分を終えますが、とてもいい勉強ができています。Hondaと僕のライディングスタイルは、ザクセンリンクの特徴に合っていると思うし、とてもいいコンビネーションが生まれると思います。ベストリザルトを出せることを願っています」

Moto2 コメント

ヨハン・ザルコ(Moto2 総合1位)
「ここ数レースはとてもよかったので、この調子で引き続き安定性をキープしていきたいです。ザクセンリンクは好きですが、かなりトリッキーなサーキットなので、いつも激しい戦いになります。昨年は激しいトップ争いをして、2位でフィニッシュしました。トップとは0.1秒差もない大接戦でした。今回もいい戦いができると思います。レースのない2週間だったので、開幕を楽しみにしています」

アレックス・リンス(Moto2 総合2位)
「アッセンでは少し運がありませんでした。今週末は普通にレースが行えることを願っています。ザクセンリンクは小さなサーキットで、コーナーが多く、ほとんどが左コーナーです。休む暇のない厳しいサーキットで、いつも激しいバトルが繰り広げられます。Moto3クラスで優勝したことがあり、Moto2クラスでも表彰台に上がったことがあるので、速く走れることは分かっています。あとはチームとのコミュケーションを密に、日曜日に向けてマシンとタイヤをきちんと調整したいです。そしていつものように優勝へ向けて戦いたいです」

サム・ロース(Moto2 総合3位)
「ザクセンリンクでコースに戻るのが楽しみです。総合順位は、トップとわずか5ポイント差の3位なので、表彰台に戻るために戦うつもりです。そしてタイトル獲得に向けてポイントをばん回したいです。アッセンではレース終盤に赤旗となり、少し不思議なレースになりましたが、レースを終えて自信がついたし、いい結果が出せることが分かりました。チームは昨年、ザクセンリンクで優勝しているし、とてもいいデータを持っています。ドイツGPはとてもいい雰囲気で、すばらしいイベントです。コースは小さいですが、とてもおもしろいです。チームと一緒にまた仕事を始めるのが楽しみです」

中上貴晶(Moto2 総合5位)
「前戦オランダGPで優勝することができて、自分もチームのモチベーションも一段と上がっているので、いい形で第9戦ドイツGPを迎えることができると思います。昨年は、あまりいい流れではない中でも、ドイツではまずまずのレースができているので、調子のいい今年はとても楽しみです。オランダGPのあと、鈴鹿で1000ccのマシンに乗れました。キャラクターの全く違うマシンで乗り方が変わりますが、とてもおもしろかったし、いい経験ができました。ドイツGPが終われば夏休みに入るので、いい気持ちで夏休みに入るためにも、いいレースをしたいです。もちろん、オランダGPからの2連勝を狙っていきます」

Moto3 コメント

ホルヘ・ナバロ(Moto3 総合2位)
「約1カ月間、マシンに乗らずに過ごしたので、今週末がとても楽しみです。木曜日にメディカルチェックを受けます。リスクを避けて、ライディングの感覚を取り戻すためには、一歩ずつ着実に前に進まなければいけません。現状では無理ができないことは分かっています。またザクセンリンクは僕のようなケガの復帰戦にはあまり適さないことも理解しています。ここは左コーナーが10カ所あり、とてもツイスティです。ギアチェンジがかなり必要なので、左足に厳しい走りになると思います」

ニッコロ・アントネッリ(Moto3 総合6位)
「ザクセンリンクはとても好きなサーキットです。とてもテクニカルで、アップダウンが多いコースです。早くサーキットへ行って準備をしたいです。ザクセンリンクは、ときどき天候が不安定になるので、いい天気になることを願っています。今週末に向けての自信はあります」

エネア・バスティアニーニ(Moto3 総合8位)
「ザクセンリンクはとてもテクニカルなサーキットです。一見簡単に見えるかもしれませんが、難しいコースです。昨年は、トップを走っていた(ダニー)ケントと(エフレン)バスケスに差をつけられ、ついていけませんでした。しかし、いいレースができたし、今年もいい走りができると確信しています。速く走るためのいいベースのセットアップを見つけられたのでとても楽しみです」

尾野弘樹(Moto3 総合20位)
「第7戦でケガをした左手の人差し指ですが、まだピンが入っています。完治とはいきませんが、マシンに乗れるまでには回復しました。約1カ月ぶりのレースとなるのでちょっと緊張しています。欲張らず、しっかり足元を見て、今週末は現状のベストを尽くしたいです。気持ちよくサマーブレイクに入れるようにしたいです。まずは金曜日のフリー走行で手の状態を確認します。約1カ月間マシンに乗れていないので早く乗りたいです」