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2016.06.23 ロードレース世界選手権 第8戦 オランダ オランダGP プレビュー

オランダGP プレビュー

2016年6月26日(日)・決勝  会場:TTサーキット・アッセン  全長:4.542km
決勝:[MotoGP]26Laps  [Moto2]24Laps  [Moto3]22Laps
MotoGP レポート

第8戦オランダGPが、6月24日(金)〜26日(日)の3日間、オランダ北東部に位置するTTサーキット・アッセンで開催されます。オランダGPは、グランプリで最も長い歴史と伝統を誇り、今年で68度目の開催を迎えます。グランプリの歴史において、第1回大会から同一サーキットで開催されてきたのはオランダGPのみ。伝統的に6月最終週の土曜日に決勝レースが行われてきましたが、68度目にして初めて、日曜日に開催されることになりました。

長い歴史を誇るアッセンのコースレイアウトは、数多の変遷をたどってきました。グランプリが開催された当初は、公道を使用する16.536kmのロングコースでしたが、その後はマシンやタイヤの進化に合わせ、何度もコースが改修されました。2006年には、コースの大幅な改修が実施され、長らく使用されてきた5.997kmのコースは4.555kmに短縮され、コーナーの数も23から18へと少なくなりました。

5.997kmの旧コースは、高速コーナーが連続するリズム感あふれるレイアウトで選手たちから愛されていました。そして、時代のニーズに合わせて近代的なものに生まれ変わった現在のコースは、フィリップアイランド(オーストラリアGP)、シルバーストーン(イギリスGP)、ムジェロ(イタリアGP)に匹敵する高速サーキットであり、選手たちから高い評価を得ています。また、パッシングポイントが多いことから、毎年、熱いバトルが繰り広げられます。

アッセンは天候が変わりやすく、ときに選手たちを悩ませます。目まぐるしく変化する天候は“ダッチウェザー”と呼ばれ、天候に合わせたセットアップがリザルトに大きく影響するため、チームと選手は集中力が求められます。

7戦を終えて総合首位のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、第4戦スペインGPで3位、第5戦フランスGPでは転倒するも再スタートを切って13位、第6戦イタリアGPと、第7戦カタルニアGPで2位と、何度も表彰台に立ってきましたが、ヨーロッパラウンドに入って優勝からは遠ざかっています。それだけに今大会は、第3戦アメリカズGP以来となる今季3勝目に闘志を燃やしています。

マルケスはこれまで、アッセンで通算4勝を挙げています。125ccクラス時代の2010年に初優勝を達成。Moto2クラスでは、11年、12年と2年連続で優勝、MotoGPクラスでは、デビューした13年に2位、14年の大会ではフラッグ・トゥ・フラッグの難しいレースを制しました。昨年は最終ラップの最終シケインでバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)と接触して2位。惜しくも優勝を逃しましたが、今年は通算5勝目を目指します。

チームメートのダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、ホームグランプリとなる前戦カタルニアGPで3位に入り、今季2度目の表彰台に立ちました。前戦カタルニアGPで新しい車体が投入され、そのパフォーマンスをしっかりとリザルトにつなげました。

ペドロサは、アッセンでは125ccクラス時代に優勝経験がありますが、250ccクラスとMotoGPクラスではまだ勝利できていません。その理由の一つは不安定な天候にありますが、上り調子で迎える今大会は、MotoGPクラスでのアッセン初優勝と、2年ぶりの表彰台獲得に燃えています。

カル・クラッチロー(LCR Honda)は、前戦カタルニアGPで今季ベストの6位でフィニッシュしました。そして、大会後の公式テストでは、今季初のトップタイムをマークするなど、悪い流れに終止符を打ちました。ペドロサ同様、上り調子で迎える今大会は、シーズンベストリザルトが期待されます。

ルーキーで総合19位につけるティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、第6戦イタリアGPのフリー走行で左鎖骨を骨折して同大会を欠場しましたが、次の第7戦カタルニアGPで復帰し、14位でフィニッシュしました。今大会は鎖骨がほぼ完調とのことで、第2戦アルゼンチンGPでの9位を上回るリザルトを目指します。チームメートのジャック・ミラーは、前戦カタルニアGPで今季ベストの10位でフィニッシュ。今大会は初のシングルフィニッシュを目指します。

Moto2 レポート

Moto2クラスは、前戦カタルニアGPで2位になり、2勝を含む今季4度目の表彰台に立ったアレックス・リンス(paginas Amarillas HP 40)が総合首位に浮上しました。昨年の大会では表彰台にあと一歩の4位でフィニッシュ。今年は大会初制覇と今季3勝目に挑みます。

前戦カタルニアGPで6位に終わり、総合2位へとポジションを落としたサム・ロース(Federal Oil Gresini Moto2)は、首位奪還に闘志を燃やしています。3位には、前戦カタルニアGPで今季3勝目を挙げ、上り調子のヨハン・ザルコ(Ajo Motorsport)が浮上してきました。昨年はポール・トゥ・ウイン。得意のコースで2年連続優勝に挑みます。

7戦を終えて、トップ3のポイント差がわずか10点。今大会も厳しい戦いが予想されます。

総合4位にはトーマス・ルティ(Garage Plus Interwetten)、総合5位にハフィズ・シャーリン(Petronas Raceline Malaysia)、総合6位にジョナス・フォルガー(Dynavolt Intact GP)、総合7位に前戦カタルニアGPで今季初表彰台を獲得した中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)と続いています。中上は、第6戦イタリアGPで今季初のフロントローを獲得。第7戦カタルニアGPで3位初表彰台と調子を上げているだけに、念願の初優勝に期待が膨らみます。中上のチームメートであるラタパーク・ウィライローは、前戦カタルニアGPで左手を負傷したことで、今大会を欠場します。

Moto3 レポート

Moto3クラスは、前戦カタルニアGPでキャリア初優勝を果たした総合2位のホルヘ・ナバロ(Estrella Galicia 0,0)が、トレーニング中に左脚のけい骨とひ骨を折り、今大会を欠場することになりました。前戦で念願の初優勝を果たしただけに、残念な欠場となりました。

総合6位につけるニッコロ・アントネッリ(Ongetta-Rivacold)は、開幕戦カタールGPで優勝して以来、なかなか速さを結果につなげられていません。今大会は、その悔しさをぶつける意気込みです。

総合7位のエネア・バスティアニーニ(Gresini Racing Moto3)も、今季2度目の表彰台と初優勝に闘志を燃やしています。バスティアニーニは、第4戦イタリアGP後のトレーニングで右腕を負傷。以降は厳しい戦いを強いられていましたが、前戦カタルニアGPで今季初表彰台を獲得し、復活をアピールしました。

以下、ヤコブ・コーンフェール(Drive M7 SIC Racing Team)が9位、ルーキーのアーロン・カネット(Estrella Galicia 0,0)が11位、カイルール・イダム・パウィ(Honda Team Asia)が13位と続いています。前戦カタルニアGPの決勝で転倒し、左手人差し指を骨折。総合20位へとポジションを落とした尾野弘樹(Honda Team Asia)は、今大会を欠場することになりました。

MotoGP コメント

マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)
「前戦カタルニアGPを終えて、2週間の休みがありました。少し休養でき、友人たちといい時間を過ごせました。先週の火曜日には、レッドブルリンク(オーストリア)をRC213V-Sで走ったのですが、とてもすばらしい経験でした。そして、アッセンでのレースが始まります。このサーキットはとても楽しいです。また、自分のライディングスタイルに最も合うサーキットなので、とても重要な戦いになります。マシンに関しては一歩一歩前進しているので、アッセンでは引き続き初日から、いいセットアップを見つけ、また表彰台争いをしたいです。ここの天候は予測不可能ですが、天気に気をつけながら、レースウイークの初日から速さを見つけられるようにがんばりたいです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合4位)
「前回のカタルニアGPではいいラップタイムを出せてとてもよかったです。そしてバトルも少し楽しめたし、表彰台にも戻れました。しかし、気持ちを切り替えて、今回もいい仕事ができるように集中しなければなりません。ここ数戦に比べれば、おそらく気温が低くなると思いますが、ハイスピードコースなので、しっかりフィーリングを確かめていきたいです。アッセンは雨になる確率が高いのですが、いまはマシンのセットアップに集中したいので、ドライになることを願っています。先週の火曜日は、オーストリアのレッドブルリンクでビデオ撮影を行いました。とても楽しかったです。RC213V-Sでとても楽しく走れました。すごいストリートバイクでした。あのサーキットは初めてでしたが、とてもいいコースでした」

カル・クラッチロー(MotoGP 総合16位)
「ここ数週間はマン島で過ごし、マン島TTレースを観戦しました。マン島でのレースは、シーズンで最も好きなイベントの一つです。前戦カタルニアGPは、とてもポジティブなレースウイークになったので、今週のオランダGPが楽しみです。アッセンはHondaのマシンととても相性がいいです。最初のフリー走行でマシンのベースのセッティングに取り組み、週末に備えたいです。アッセンは観客の盛り上がりがすばらしく、彼らに会うのが楽しみです。ファンがさらに増えていることを願っています。レースは日曜日。LCR Hondaにとっていい週末になることを願っています」

ティト・ラバト(MotoGP 総合19位)
「カタルニアGPでは本当に自信を取り戻せました。ムジェロでケガをしたあとだったのでうれしかったです。左肩を完全に回復させるためにも、2週間の休みはありがたかったです。体調を最高の状態に戻そうと一生懸命取り組んできました。アッセンでは再び100%でプッシュできると思います。アッセンはとても好きです。MotoGPマシンで走るのは初めてですが、今週末もまた、ポイントの獲得を目標に全力を尽くします。今大会でも、ポイントを加算することは大事なことです」

ジャック・ミラー(MotoGP 総合20位)
「カタルニアGPはとてもいいレースウイークでした。いい方向のセットアップが見つかりましたが、予選のパフォーマンスとレースペースの両方で、さらに前進できるよう、引き続き取り組む必要があります。アッセンが楽しみです。このサーキットは好きです。昨年はオープンマシンでとてもいいスピードがあったので、ファクトリーマシンで戦う今回もがんばりたいです」

Moto2 コメント

アレックス・リンス(Moto2 総合1位)
「今大会を前に、来年のMotoGPクラスへのチャレンジが決まりましたが、今大会もいつも通りの気持ちで戦います。確かに、MotoGPクラスへのチャレンジが決まったのはとてもハッピーなことですが、今のチームでMoto2クラスのチャンピオンを獲得するという目標に変わりはありません。アッセンでは、Moto3クラスで2度表彰台に立っていますが、昨年は表彰台を逃しました。アッセンは独特のサーキットで、セットアップが重要になります。今大会もベストを尽くします」

サム・ロース(Moto2 総合2位)
「前戦カタルニアGPでは表彰台争いに加われなかったので、今大会は優勝争いをしたいです。アッセンでいいレースをする自信があります。このサーキットは楽しく、自分のスタイルに合う部分もあります。昨年は3位表彰台に立てたし、常にいい感触がありました。アッセンでまたレースをするのがとても楽しみです」

ヨハン・ザルコ(Moto2 総合3位)
「アッセンで日曜日に決勝レースが行われるのは初めてなので、とても楽しみにしています。昨年はとてもいいレースができました。今年もここにきて、やっと攻めの走りができるようになってきました。今大会も、金曜日にタイヤのテストをしっかり行い、土曜日の予選はフロントローを、決勝では、前戦カタルニアGPと同じリザルト(優勝)を得られるようにがんばります」

中上貴晶(Moto2 総合7位)
「イタリアGPで今季初のフロントローを獲得し、カタルニアGPで今季初めて表彰台に立つことができました。チームの士気が一段と高まっています。今大会は、表彰台に立つのはもちろんのこと、初優勝を目指し、全力で挑みます」

Moto3 コメント

ニッコロ・アントネッリ(Moto3 総合6位)
「アッセンはすばらしいサーキットです。高速コーナーが多いのでとても好きです。今大会も全力で挑む準備はできています。前戦カタルニアGPはひどい結果だったので、今回はしっかり結果を残さなければなりません。ベストを尽くし、今大会は再び表彰台争いに加わります」

エネア・バスティアニーニ(Moto3 総合7位)
「バルセロナのレースは僕にとって、明らかにターニングポイントとなりました。右腕をケガして、第5戦フランスGPを欠場、次のイタリアGPでは完全な走りができませんでした。それだけに、第7戦カタルニアGPで表彰台に立つことは、とても重要なことでした。バルセロナではすばらしいレースができました。アッセンもこの調子でがんばらなければいけません。このサーキットはとても好きです。昨年は6位でしたが、予選でポールポジションを獲得できました。いい結果が出せるようにがんばります」

ヤコブ・コーンフェール(Moto3 総合9位)
「アッセンは平坦なサーキットで、流れるような走りが要求されます。前戦カタルニアGPは、これまで苦戦してきたサーキットですが、それでもトップ10でフィニッシュできました。それだけに、今大会は前戦カタルニアGPよりも高いモチベーションで開幕を迎えられます。今大会は3列目までのグリッドを目標に、決勝ではトップ5を狙います」