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2016.04.22 ロードレース世界選手権 第4戦 スペイン スペインGP フリー走行
ロードレース世界選手権 第4戦 スペインGP

[MotoGP] マルケスが2番手タイム。2年ぶりの大会制覇と3連勝に向けて好スタートを切る

ロードレース世界選手権 第4戦 スペインGP

[Moto2] 中上が得意のコースでトップタイムをマーク

ロードレース世界選手権 第4戦 スペインGP

[Moto3] 総合2位のナバロが2番手で初日を終える

2016年4月22日(金)・フリー走行  会場:ヘレスサーキット  天候:晴れのち曇り  気温:25℃  コースコンディション:ドライ
MotoGP レポート

ヨーロッパラウンドの初戦となった第4戦スペインGPのフリー走行は、午前中は雲の多い天候でしたが、午後になって青空が広がる絶好のコンディションとなりました。序盤の3戦を終えて、総合首位でホームグランプリを迎えたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、金曜日からスタンドに陣取った地元ファンの声援を受けて2番手発進。2年ぶりの大会制覇と、第2戦アルゼンチンGP、第3戦アメリカズGPに続く3連勝に向けて、絶好のスタートを切りました。

マルク・マルケスマルク・マルケス

マルク・マルケスマルク・マルケス

大会の舞台となるヘレスサーキットは、マルケスにとって走り慣れたサーキットですが、ミシュランタイヤで走るのは初めてのことです。そのため、タイヤのフィーリングを確かめながらペースを上げました。午前のセッションは5番手でしたが、午後のセッションでは約1秒タイムを短縮して2番手に浮上しました。土曜日の予選では、史上2番目の記録となる61度目のポールポジションの獲得を目指すことになります。

マルク・マルケスマルク・マルケス

2年ぶりのスペインGPとなるチームメートのダニ・ペドロサは、午前のセッションで4番手タイムとまずまずのスタートを切りましたが、午後のセッションではタイムを更新できず、8番手へとポジションを落としました。今大会は、フロントカウルのウイングのテストなど、データの収集に多くの時間を割きました。そのため、午後のセッションではタイムを更新できませんでしたが、土曜日の走行につながる一日となりました。

ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ

ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ

以下、カル・クラッチロー(LCR Honda)は13番手。ジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は20番手、ティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は21番手となりました。ともに2日目で、タイムの短縮とポジションアップに挑みます。

カル・クラッチローカル・クラッチロー

ジャック・ミラージャック・ミラー

Moto2 レポート

激戦が続くMoto2クラスは、予想通りの大接戦となりました。トップタイムをマークしたのは中上貴晶(IDEMITSU HONDA TEAM ASIA)で、以下、1秒差に16人の選手が名を連ねました。2014年のカタールGP以来、39戦ぶりに初日のトップタイムをマークした中上のベストタイムは、11年にステファン・ブラドルがマークした1分42秒706を上回る1分42秒642。実に5年ぶりに、サーキットベストタイムを塗り替える快走となりました。

中上貴晶中上貴晶

中上貴晶中上貴晶

2番手には、昨年のスペインGPのウイナーであるジョナス・フォルガー(Dynavolt Intact GP)。3番手にはロレンソ・バルダッサーリ(Forward Team)。4番手に総合首位のサム・ロース(Federal Oil Gresini Moto2)、5番手にはトーマス・ルティ(Garage Plus Interwetten)で、12年以来となるスペインGPの表彰台と今季2勝目を狙います。

ジョナス・フォルガージョナス・フォルガー

ロレンソ・バルダッサーリロレンソ・バルダッサーリ

午前中は気温20℃、路面温度26度。午後のセッションは気温25℃、路面温度31度となりました。気温も路面温度も、それほど大きな変化はありませんでしたが、路面コンディションの変化は大きく、午後のセッションは、多くのライダーが、タイムを思うように伸ばせませんでした。天気予報では、土曜日と日曜日ともに、気温も路面温度も高くなることが予想されます。大接戦となっているMoto2クラスだけに、今大会は、気温と路面温度に合わせたマシンのセットアップが重要なカギを握りそうです。

Moto3 レポート

Moto3クラスは、午前のセッションでトップタイムをマークし、好調なスタートを切ったホルヘ・ナバロ(Estrella Galicia 0,0)が2番手で初日を終えました。午後のセッションでは転倒を喫し、タイムを更新できませんでしたが、全体的に手応えが感じられるスタートとなりました。

ホルヘ・ナバロホルヘ・ナバロ

開幕戦カタールGPで優勝しているニッコロ・アントネッリ(Ongetta-Rivacold)が5番手。アントネッリは、第2戦アルゼンチンGPで10位、第3戦アメリカズGPでは転倒リタイアと悔しい結果に終わっているだけに、今大会はその雪辱に挑みます。

ニッコロ・アントネッリニッコロ・アントネッリ

第2戦アルゼンチンGPで初優勝を果たしたカイルール・イダム・パウィ(Honda Team Asia)が8番手、ジュール・ダニーロ(Ongetta-Rivacold)が9番手、エネア・バスティアニーニ(Gresini Racing Moto3)が10番手に。トップから1秒差に11台が入る接戦で、トップ10に5台のHonda勢が名を連ねました。

カイルール・イダム・パウィカイルール・イダム・パウィ

前戦アメリカズGPで右足を負傷し、それがまだ完治していない尾野弘樹(Honda Team Asia)は24番手。マシンのセットアップがいい方向に進んでいるとコメントするだけに、2日目でのタイムの短縮とポジションアップが期待されます。

尾野弘樹尾野弘樹

MotoGP コメント

マルク・マルケス(MotoGP 2番手)
「今日の内容に満足しています。午前のプラクティスでは、ベースのセットアップがあまりうまく機能しなかったのですが、FP2ではセットアップがうまくいきました。かなり前進できたのですが、まだ完全に快適とは言えないので、引き続き、セットアップに取り組む必要があります。重要なことは、今日最も速かったホルヘ(ロレンソ、ヤマハ)と、それほど離れていないことです。バレンティーノ(ロッシ、ヤマハ)もとても安定していました。いずれにしても、今日のチームの問題への対処の仕方には、とても満足しています。明日、また一歩前進できるようにがんばります」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 8番手)
「今日は、シーズン序盤に直面していた状況と似ていました。残念ながらオースティンのレースからそれほど前進できませんでした。でも、まだ1日目です。解決策を見つけ、ペースを上げられるように引き続き全力で取り組みます。最大の問題は加速がうまくいかないことです。マシンはとてもパワフルなので、その部分で余計にタイムをロスしているように感じます。今日はユーズドタイヤでずっと走りました。明日は、もう一歩前進できるようにがんばります」

カル・クラッチロー(MotoGP 13番手)
「FP2は、セッティングの異なる2台のマシンを乗り比べることにしたのですが、昨年のセッティングの方がフィーリングはよかったように思います。その後、新品のソフトタイヤで走ったのですが、スピンが多く、フィーリングはよくありませんでした。ハードタイヤで走り続けた方がタイムが出たかもしれません。明日に向けて、どこを改善すればいいかは分かっています。トップ10に入れておきたかったのですが、さまざまなセッティング、すべてのタイヤを試せたので満足しています」

ジャック・ミラー(MotoGP 20番手)
「テキサスで転倒してから、自信を少しなくしています。今日は本来の50パーセントほどのパフォーマンスだったと思います。足がかなり痛みましたが、歯を食いしばって、2つのセッションをこなしました。最大の目標はマシンを少しでもよくすることです。グリップレベルの低いサーキットではあまり問題ないのですが、ヘレスのようなグリップ力の高いサーキットでは、タイヤの消耗が激しいので、仕事がさらに複雑になります。今夜は足を冷やし、明日に備えたいです」

ティト・ラバト(MotoGP 21番手)
「午後はラップタイムを更新できたのでうれしいです。リズムをだんだんとつかみ始めているのですが、まだ十分ではありません。今日はコーナーの出口でウイリーをしてしまったので、かなりタイムをロスしています。明日はこの部分を改善したいです。加速時のウイリーにうまく対処できれば、明日はもっと上位に入れると思います」

Moto2 コメント

中上貴晶(Moto2 1番手)
「初日にトップタイムをマークできてとてもうれしいです。でも、まだ初日なので、喜んではいられません。明日も引き続きやらなければいけないことがたくさんあるので、この調子をキープしたいです。明日は、オーリンズの新しいサスペンションをテストします。よくなることを期待しています。今大会は、ダンロップのスーパーソフトで決勝を走ることになると思います。FP1では、スーパーソフトでベストを出し、FP2では、FP1でベストタイムを出したスーパーソフトでロングランを行いました。今日のタイムは、5年ぶりにサーキットベストタイムを塗り替えることになりうれしかったです。明日もいい一日にしたいです」

ジョナス・フォルガー(Moto2 2番手)
「今日の結果には満足しています。ハードタイヤをずっと試していました。ソフトタイヤを使ったのは最後だけですが、ソフトで走り始めたら、マシンのバランスが変わってしまったので、残り5分でピットに戻り、セッティングを変更しました。しかし時間が足りなくて完全な状態にすることができす、結果的に転倒してしまいました。でも、いいラップタイムを出せました。それでも、もっといいバランスを見つけなければいけません。明日はどの方向へ進めばいいか分かっているので楽しみです」

ロレンソ・バルダッサーリ(Moto2 3番手)
「とてもポジティブな一日でした。マシンのいい感触を見つけられたし、すばらしい仕事ができました。体力的にも快適でした。明日はレースに向けてペースを上げられるようにしたいです。そしてタイムアタックの際に、どちらのタイヤを使うべきか判断するために、集中力を引き続き維持しなければなりません」

サム・ロース(Moto2 4番手)
「とてもいい一日でした。すでにいいペースがあるので、サスペンションのセットアップに取り組みました。明日はさらにいくつかのセッティングにトライしたいです。感触はいいです。ウインターテストのときもフィーリングはよかったのですが、さらにいい感じがします。明日が楽しみです」

Moto3 コメント

ホルヘ・ナバロ(Moto3 2番手)
「全体的にはいい一日でした。FP1ではマシンの感触もラップタイムもよかったのですが、午後は気温が上がり、フィーリングが少し変わりました。そのため、ミスをして転倒しました。でも、今日はポジティブでした。どこを改善すればいいのかも分かっています。転倒でケガもありませんでした。明日はさらにいい状態にしたいです」

エネア・バスティアニーニ(Moto3 10番手)
「午後はセッション開始からニュータイヤを使いました。マシンの感触は完全ではなかったのですが、タイムをすぐに更新できました。セッション終盤は、リアにソフトタイヤを使うため、セッティングを変更したのですが、うまくいきませんでした。明日はソフトタイヤでアドバンテージが得られるようなセッティングを見つけなければなりません。このサーキットでは、グリッドがとても重要になるからです」

尾野弘樹(Moto3 24番手)
「フロントのステムの位置を、前回のレースよりも下げました。その結果、ハンドルポジションが下がり、フロントに加重がかけやすくなって、とても乗りやすくなりました。しかし、午後の走行は集団の中で走ることになってしまい、混戦の中でタイムを伸ばせませんでした。アメリカズGPで痛めた右足は、だいぶ痛みが和らぎ、いい方向に向かっていると思います。今日はウインターテストの自己ベストより1秒ほど遅かったので、明日はしっかりタイムを出したいです」

MotoGP リザルト
順位 No. ライダー マシン タイム/差
199J.ロレンソヤマハ1'39.555
293マルク・マルケスHonda+0.345
341A.エスパルガロスズキ+0.538
48H.バルベラドゥカティ+0.674
546V.ロッシヤマハ+0.727
625M.ビニャーレススズキ+0.893
74A.ドヴィツィオーゾドゥカティ+1.182
826ダニ・ペドロサHonda+1.268
945S.レディングドゥカティ+1.305
1050E.ラバティドゥカティ+1.370
1129A.イアンノーネドゥカティ+1.462
1268Y.ヘルナンデスドゥカティ+1.473
1335カル・クラッチローHonda+1.557
1444P.エスパルガロヤマハ+1.612
156S.ブラドルアプリリア+1.623
1638B.スミスヤマハ+1.732
1776L.バズドゥカティ+1.765
1819A.バウティスタアプリリア+2.018
19 51 M.ピロ ドゥカティ+2.286
20 43 ジャック・ミラー Honda+2.349
21 53 ティト・ラバト Honda+2.675
Moto2 リザルト
順位 No. ライダー マシン タイム/差
130中上貴晶KALEX1'42.642
294ジョナス・フォルガーKALEX+0.025
37ロレンソ・バルダッサーリKALEX+0.163
422サム・ロースKALEX+0.484
512トーマス・ルティKALEX+0.490
619ザビエル・シメオンSPEED UP+0.546
75ヨハン・ザルコKALEX+0.584
877ドミニク・エガーターKALEX+0.662
924シモーネ・コルシSPEED UP+0.724
1011サンドロ・コルテセKALEX+0.731
1173アレックス・マルケスKALEX+0.769
1221フランコ・モルビデリKALEX+0.777
1340アレックス・リンスKALEX+0.873
1423マルセル・シュローターKALEX+0.917
1539ルイス・サロムKALEX+0.966
1610ルカ・マリーニKALEX+0.996
1752ダニー・ケントKALEX+1.036
1897チャビ・ビエルゲTECH 3+1.067
1949アクセル・ポンスKALEX+1.095
2057エドガー・ポンスKALEX+1.370
2144ミゲル・オリベイラKALEX+1.385
2260フリアン・シモンSPEED UP+1.396
2314ラタパーク・ウィライローKALEX+1.430
2455ハフィズ・シャーリンKALEX+1.493
2554マティア・パシーニKALEX +1.815
262イェスコ・ラフィンKALEX+2.094
2770ロビン・マルホウザーKALEX+2.158
28 32アイザック・ビニャーレスTECH 3+2.163
29 42 フェデリコ・フリーニKALEX+2.760
3033アレッサンドロ・トヌッチKALEX+2.979
Moto3 リザルト
順位 No. ライダー マシン タイム/差
141B.ビンダーKTM1'47.119
29ホルヘ・ナバロHonda+0.122
38N.ブレガKTM+0.281
45R.フェナティKTM+0.354
523ニッコロ・アントネッリHonda+0.370
688J.マルティンマヒンドラ+0.429
721F.バグナイアマヒンドラ+0.536
889カイルール・イダム・パウィHonda+0.831
995ジュール・ダニーロHonda+0.883
1033エネア・バスティアニーニHonda+0.890
1120F.クアルタラロKTM+0.933
1216A.ミニョKTM+1.025
1310A.マスボープジョー+1.093
1444アーロン・カネットHonda+1.103
1511リビオ・ロイHonda+1.130
1684ヤコブ・コーンフェールHonda+1.224
1764B.ベンドスナイダーKTM+1.241
1817J.マクフィープジョー+1.308
1998K.ハニカマヒンドラ+1.326
2065P.エッテルKTM+1.337
2119G.ロドリゴKTM+1.440
2258J.ゲバラKTM+1.530
2336J.ミルKTM+1.607
2476尾野弘樹Honda+1.619
25 12 A.アレナスマヒンドラ +1.640
264ファビオ・ディ・ジャンアントニオHonda+1.734
27 24鈴木竜生マヒンドラ +1.843
28 37 D.ピッツォリKTM +1.866
29 6M.エレーラKTM +1.898
30 55A.ロカテリKTM +1.908
31 7アダム・ノロディンHonda +2.067
32 40D.ビンダーマヒンドラ +2.808
33 77L.ペトラルカマヒンドラ +2.875
34 43 S.バルトリーニマヒンドラ +3.205
35 99 E.ボーラムKTM +3.364
363F.スピラネッリマヒンドラ+4.246
MotoGP

マルク・マルケス

マルク・マルケス

マルク・マルケス

マルク・マルケス、ダニ・ペドロサ

ダニ・ペドロサ

マルク・マルケス、ダニ・ペドロサ

ダニ・ペドロサ

カル・クラッチロー

ジャック・ミラー

ティト・ラバト

Moto2

中上貴晶

中上貴晶

ジョナス・フォルガー

ロレンソ・バルダッサーリ

サム・ロース

トーマス・ルティ

ザビエル・シメオン

ヨハン・ザルコ

ドミニク・エガーター

シモーネ・コルシ

サンドロ・コルテセ

アレックス・マルケス

フランコ・モルビデリ

アレックス・リンス

マルセル・シュローター

ルイス・サロム

ルカ・マリーニ

ダニー・ケント

チャビ・ビエルゲ

アクセル・ポンス

エドガー・ポンス

ミゲル・オリベイラ

フリアン・シモン

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ハフィズ・シャーリン

マティア・パシーニ

イェスコ・ラフィン

ロビン・マルホウザー

アイザック・ビニャーレス

フェデリコ・フリーニ

アレッサンドロ・トヌッチ

Moto3

ホルヘ・ナバロ

ニッコロ・アントネッリ

カイルール・イダム・パウィ

アーロン・カネット

ヤコブ・コーンフェール

尾野弘樹

アダム・ノロディン