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August 14/15/16 2015 MotoGP bwin Grand Prix České republiky

チェコGP チェコGP

チェコGPプレビュー

第10戦インディアナポリスGPから2週連続の開催となる第11戦チェコGPが、8月14日(金)から16日(日)までの3日間、チェコ第2の都市ブルノで開催されます。チェコGPは、1993年にスタートして今年で23回目を迎えます。チェコGPは、その前身であるチェコスロバキアGPを含めると、39回目という長い歴史を誇ります。

チェコGPプレビュー

チェコGPは、8月の中旬に開催されるグランプリとして定着しており、毎年10万人を超える大観衆がブルノ・サーキットに集まります。2011年の決勝日には15万5400人、12年は13万9232人、13年は14万2030人、昨年は13万8312人と、シーズンを通じて最も多い観客を集めてきました。そのチェコGPで、Repsol Honda Teamは、11年にケーシー・ストーナー、12年にダニ・ペドロサ、13年にマルク・マルケス、14年にペドロサと4年連続で優勝。今年は、5年連続制覇の期待の中で開幕します。

前戦インディアナポリスGPでは、マルケスがドイツGPからの2連勝を達成。本来の調子を取り戻したことを感じさせていました。昨年のチェコGPでは、開幕から10連勝を達成して迎え、グランプリ新記録となる開幕11連勝に大きな注目が集まりましたが、タイヤのパフォーマンスをうまく引き出せず4位に終わりました。今年はその雪辱と今季4勝目に挑みます。

また、インディアナポリスGPで、マルケスはHondaのWGP通算700勝目という記念すべき勝利に名前を刻みました。ブルノでは、12年にMoto2で優勝。MotoGPでは史上最年少記録でチャンピオンを獲得した13年に優勝しています。ブルノは「あまり得意ではない」と語るマルケスですが、今年は2年ぶり通算3度目のチェコGP優勝へ期待が膨らんでいます。

このコースを得意とするペドロサは、チェコGP2連覇に挑みます。これまでブルノでは、125ccクラス(03年)、250ccクラス(05年)で優勝。そして、MotoGPクラスでは、12年と14年に勝利を挙げており、今年は最高峰クラスで3度目、通算5度目のチェコGP制覇を狙います。前戦インディアナポリスGPでは、予選2番手からし烈な3位争いを繰り広げて4位。惜しくも表彰台を逃しましたが、今大会はドイツGP以来2戦ぶり、チェコGPでは2年ぶりとなる、Repsol Honda Teamの1-2フィニッシュに期待が寄せられています。

総合8位のカル・クラッチロー(CWM LCR Honda)は、12年に3位表彰台に立っています。前戦インディアナポリスGPでは、予選までの好走を決勝につなげられなかっただけに、その雪辱に燃えています。スコット・レディング(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)も、インディアナポリスGPでは予選、決勝ともに13位。ところどころで好走を見せるのですが、なかなか結果につなげられない不完全燃焼のレースが続いています。今大会はそのうっ憤を晴らす意気込みです。

Hondaのオープンカテゴリーマシン「RC213V-RS」勢も、上り調子のジャック・ミラー(CWM LCR Honda)が、予選、決勝ともにベストリザルトを狙います。ニッキー・ヘイデンとユージン・ラバティのAspar Team MotoGPの2人も調子を上げてきており、闘志を燃やしています。第7戦カタルニアGPで左足甲を骨折し、欠場していたカレル・アブラハム(AB Motoracing)は、ホームGPとなる今大会から復帰します。

接戦が続くMoto2クラスは、総合首位のヨハン・ザルコ(Ajo Motorsport)が安定した速さを見せています。前戦インディアナポリスGPでは、8台によるし烈な優勝争いの中で着実に走って2位。第2戦アメリカズGPから9戦連続で表彰台に立ち、チャンピオンシップで大きくリードを築いています。

そのザルコを追うのは、ルーキーのアレックス・リンス(Paginas Amarillas HP 40)。前戦インディアナポリスGPではMoto2での初優勝を達成し、勢いに乗っています。チャンピオンシップ2連覇を狙うティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、第9戦ドイツGPで不運の転倒リタイア、第10戦インディアナポリスGPで5位と、やや足踏みが続いているだけに、その巻き返しに期待されます。

2年前の大会では表彰台に立っている中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は、今季初の表彰台を目指します。チームメートのアズラン・シャー・カマルザマンは、インディアナポリスGPで予選12番手、決勝11位とベストリザルトをマークして勢いに乗っており、今大会はベストリザルトの更新に注目されます。

前戦インディアナポリスGPで、雨の影響で大荒れになったMoto3クラスは、上位陣が一人も表彰台に立てなかっただけに、その巻き返しに注目されます。総合首位のダニー・ケント(LEOPARD Racing)は、インディアナポリスGPで今季初のノーポイントとなる21位。今大会はその雪辱に燃えています。総合2位のエネア・バスティアニーニ(Gresini Racing Team Moto3)は、大荒れのレースで6位フィニッシュしてケントとの差を縮め、今大会もさらなる追い上げを狙います。

チェコGPの開催されるブルノは、伝統的に大接戦、大混戦になるサーキット。MotoGP、Moto2、Moto3クラスの熱い戦いに、大きな注目が集まっています。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 総合3位)
「インディアナポリスGPは、とてもタフで大変なレースでしたが、2戦連続で優勝することができて、とてもうれしいです。日曜日の夜は、勝利の喜びを味わうことができました。そして、次のブルノのチェコGPに向けて気持ちを切り替えました。ブルノは、これまで、よかったり悪かったりというサーキットで、あまり得意なサーキットとは言えません。しかし、インディアナポリスGPの勢いをチェコGPにつなげるためにも、今大会も全力で挑みます」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合7位)
「インディアナポリスGPのリザルトは必ずしも望んだものではありませんでしたが、いくつか学ぶことがあったし、バレンティーノとのバトルを楽しむことができました。ブルノは、マシンとの相性も悪くなく、昨年の大会で優勝しているので気分よく臨めますし、好きなサーキットなので、いつもいいフィーリングで走ることができます。雰囲気も独特で、できることなら昨年の再現を果たしたいと思います。まずはFP1で天気がいいことを望むばかりです」

カル・クラッチロー(MotoGP 総合8位)
「ブルノをすごく楽しみにしています。ここから体制を整えて仕切り直したいと思います。インディアナポリスGPからチェコGPへと続きますが、連戦は嫌いではありません。なぜなら、調子がいいときは、その勢いのまま次のレースに挑むことができるし、結果がよくないときでも、それをリカバリーする絶好のチャンスとなるからです。インディアナポリスGPは、チームにとっては厳しいレースになりました。ブレーキングに課題を抱え、完ぺきな走りができませんでした。今大会は、インディアナポリスGPの問題が解消することを願っています」

スコット・レディング(MotoGP 総合14位)
「天気予報を見ると、どうらや今大会もインディアナポリスGPと同様の天候になりそうです。金曜日と土曜日が暑く、日曜日は雷雨が予想されています。インディアナポリスGPでは、調子のよかったドイツGPと同じようなセッティングで挑んだのですが、決勝ではいくつかの問題を抱えることになりました。その問題を今週は解消しなくてはいけません。インディアナポリスGPの13位という結果には本当に落胆しましたし、今回はその雪辱に挑みたいです」

ジャック・ミラー(MotoGP 総合18位)
「インディアナポリスGPでは調子がよくて、とても自信になりました。今週は、前戦と同じようなセッティングでスタートして、それをさらに前進させたいです。予選ではベストグリッドの16番手。決勝は転倒リタイアとなりましたが、気持ちよく乗れてハッピーでしたし、とても快適でした。ブルノは大好きなサーキット。とても楽しみにしています」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 総合21位)
「ブルノはとてもいいサーキットです。そして、いつも大観衆を集める大会になります。昨年はケガのため、レースに参加できませんでした。今年はインディアナポリスでよかったフィーリングを確かめるのを楽しみにしています。ブルノの最終セクターのアップヒルはパワーを必要とするので、我々にはそう簡単にはいかないと思います。先週のインディアナポリスでは、トップスピードで苦しんだので、それをこの週末で変えていかなければなりません。電子制御の部分についてはさらによくするアイデアがあります。少なくともほかのRC213V-RSとは接戦に持ち込めると思いますし、できる限りいい結果を得るために全力で挑みます」

ユージン・ラバティ(MotoGP 総合22位)
「ブルノは、RC213V-RSのキャラクターに合っているサーキットだと思いますし、インディアナポリスGPでのセットアップもよかったので、今週がとても楽しみです。インディアナポリスでは、マシンはよく走ったのですが、ケガをしている左肩の影響で力を出しきれず、結果を残せませんでした。今週末はだいぶよくなっています。ブルノは高速と低速が入り交じった楽しいサーキットです。ここでは、スーパースポーツと、スーパーバイクでいい思い出があるので、がんばります」

カレル・アブラハム(MotoGP ノーポイント)
「第7戦カタルニアGPでケガをして、長い間サーキットから離れていましたが、とても辛い時間でした。その間、たくさんの物理療法と通常の治療を続け、足の回復に努めました。足の状態は悪くないと思います。今大会は地元ファンのためにいいレースができることを願っています」

ヨハン・ザルコ(Moto2 総合1位)
「ブルノは素敵なサーキットなので、とても楽しみにしています。ブルノでは11年に125ccクラスで2位になり表彰台に立ちました。Moto2に出場した13年は5位でフィニッシュしています。昨年は9位と最悪のリザルトでした。ブルノは、時々大雨になり、路面のコンディションが大きく変わるので、それをしっかり把握していなくてはいけません。今大会も優勝を目指して全力で挑みます。ブルノはハンガリーと近く、ハンガリーには親戚がいるので、ここで優勝することには特別な意味があります」

アレックス・リンス(Moto2 総合2位)
「チェコGPの開催されるブルノも、Moto2マシンでは初めて走るサーキットなので、これまでと同じように、できるだけ早くコースを攻略し、セットアップに努めます。今大会も優勝を目指し、全力で挑みます」

ティト・ラバト(Moto2 総合3位)
「前戦インディアナポリスGPでは、表彰台争いができると思っていたのですが、終盤にいくつかミスをしてしまいました。今週のチェコGPは、金曜日、土曜日と決勝に向けたセットアップに全力を尽くしました。フロントロー獲得を目標に、決勝では優勝を目指します。インディアナポリスGPでは天候に翻ろうされました。今週はそうならないことを願っています」

中上貴晶(Moto2 総合12位)
「インディアナポリスGPは、本当に残念なレースでした。直前に降った雨の影響で、グリッド上でレインからスリックに交換したのですが、ウォームアップでしっかり皮むきができず、1周目にペースを挙げられませんでした。チームは正しい判断をしてくれましたし、それに応えられなかったのはすべて自分のせいです。しかし、その後は、しっかり追い上げることができましたし、その部分ではよかったと思います。ブルノも2年前に優勝争いをしているサーキットなので、この数戦の調子をしっかり結果につなげるようにがんばります」

ダニー・ケント(Moto3 総合1位)
「インディアナポリスGPは最悪のレースでした。その翌週にレースを戦えるということは、再びチャンピオンシップでリードを広げる戦いができるということなので、とてもラッキーです。とにかく、トップグループで戦い、レースを楽しみたいです。ブルノは、自分にとって、そしてHondaにとって、相性のいいサーキットだと思っています」

エネア・バスティアニーニ(Moto3 総合2位)
「インディアナポリスGPは難しいレースでしたが、ダニーとのポイント差を縮められたということでは、とてもいいレースでした。今週も、天候が不安定のようなので、しっかり準備をして決勝に挑みたいです。インディアナポリスGPでは、タイム差がとても接近していました。そういうサーキットが大好きです。ブルノはHondaにとっていいサーキットだと思うので、フリー走行、予選としっかりセットアップを進めていきたいです」

エフレン・バスケス(MotoGP 総合5位)
「インディアナポリスGPは大好きなコースで、2年連続優勝を狙っていましたが、残念な結果に終わりました。連戦となるブルノは、それと対照的で、自分にとっては最も苦手なサーキットの一つです。ここで結果を残すためにはパワフルなマシンが必要です。そして、ほかのサーキットと比べて違うライディングも要求されます。そういった課題をクリアしていくためにも、100%集中していかなければなりません。今大会もいつも通り、自分より前の選手たちとのポイント差を縮めるためにも、全力を尽くします」

ファビオ・クアルタラロ(Moto3 総合7位)
「ブルノは、とても難しい印象なので、まずはサーキットを研究するところから始めなければなりません。シケイン、アップヒル、ダウンヒル……、オースティンと似ているコーナーが多いと思います。徐々に対応して、できるだけ早くコースを攻略したいと思います。ときどき、ほかのライダーたちといろいろ話をします。走ったことのないサーキットについて教わることも多いのですが、実際に走ってみると、印象がまるっきり異なることも多いので、自分自身でなにが正しいかを判断したいと思います」

尾野弘樹(Moto3 総合22位)
「後半戦の初戦となったインディアナポリスGPは、思ったより順調で、マシンのセットアップもいい方向に進んでいました。しかし、決勝レースでは直前に雨が降り、タイヤ選択がレースに大きく影響しました。自分はその天候の中でいい状態を作れず、ポジションを大きく落としてしまいました。同じような状況になったときは、インディアナポリスの失敗と反省をしっかり生かしたいと思います。ブルノも初めて走るサーキットなので、インディアナポリスのようにコース攻略を早くしたいと思います」