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MotoGP

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April 10/11/12 2015 MotoGP Red Bull Grand Prix of The AmericasGP

アメリカズGP アメリカズGP

アメリカズGPプレビュー

開幕戦カタールGPから1週間のインターバルを経て、第2戦アメリカズGPが、4月10日(金)~12日(日)までの3日間、米国テキサス州・オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催されます。初開催は2013年で、今年は3年目となります。

アメリカズGPプレビュー

過去2年は、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が2年連続でポールポジション(PP)からの優勝を達成しました。13年は、フレディ・スペンサーが1982年に20歳153日で樹立した、最高峰クラスにおける最年少記録を更新する、20歳62日で初PPを獲得。決勝レースでも、スペンサーの持つ20歳196日という最高峰クラス最年少優勝記録を20歳63日でブレイクし、最年少PPと優勝記録を31年ぶりに塗り替えました。昨年の大会もポール・トゥ・ウインで連覇を達成。今年は3年連続となる優勝を狙います。

前戦カタールGPでは、スタート直後の1コーナーで他車との接触を避けるためにコースアウト。最後尾にポジションを落とすも、20台抜きを披露して5位でフィニッシュしました。しかしデビュー以来、転倒リタイアや転倒からの再スタートを除いて、最後まで走りきってチェッカーを受けたレースでは、ワーストリザルトとなる5位。開幕戦カタールGPの2連覇とはならず、悔しいレースに終わりました。今大会は、その雪辱と今季初優勝を狙います。

開幕戦カタールGPを6位でフィニッシュしたチームメートのダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、右前腕部の不調を訴え、大会後にマドリードで手術を受けました。復帰まで4週間から6週間と診断され、第2戦アメリカズGPと第3戦アルゼンチンGPの2連戦は、テストライダーの青山博一が代役を務めます。

代役出場とはいえ、今大会で日本人選手の世界選手権出場最多記録となる169戦目を迎える青山は「ダニの代役としてしっかり走りたいです」と気合満点。ウインターテストでは、2015年型RC213Vのテストをしっかりこなしているだけに、その成果をみせる意気込みです。

Hondaのチームに移籍して2戦目を迎えるカル・クラッチロー(CWM LCR Honda)は、開幕戦カタールGPを7位でフィニッシュしました。今大会は、さらに一歩前進する意気込み。13年の大会では4位でフィニッシュしているサーキットだけに、今季のベストリザルトと初表彰台を狙います。

スコット・レディング(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、転倒に終わった昨年の大会の雪辱に挑みます。今年は2年目のシーズン。RC213Vでの初レースとなった前戦カタールGPは、13位に終わりました。まだまだ、マシンのポテンシャルを完全に引き出しているとは言い難いですが、着実に歩みを進める意気込みです。

Hondaのオープンマシン「RC213V-RS」で出場する4選手も、第2戦アメリカズGPでは、マシンのポテンシャルをさらに引き出そうとしています。開幕戦カタールGPで17位のニッキー・ヘイデン(Aspar MotoGP Team)と18位のユージン・ラバティ(Aspar MotoGP Team)は、初のポイント獲得を目指します。開幕戦カタールGPでともに転倒リタイアに終わっているカレル・アブラハム(AB Motoracing)とジャック・ミラー(CWM LCR Honda)も、初となる完走とポイント獲得を目指します。

Moto2クラスは、13年、14年と2年連続で同大会2位に終わっているディフェンディングチャンピオンのティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)がアメリカズGP初優勝を狙います。開幕戦カタールGPでは悔しい転倒リタイア。2年連続のタイトル獲得に向けて、今回は気合の入った走りがみられそうです。なお、今年はエステベ・ラバトでなく、ニックネームの「ティト」という名前をエントリーリストに登録して挑んでいます。

開幕戦カタールGPで6位のミカ・カリオ(Italtrans Racing Team)も、今大会はシーズン初表彰台と初優勝を狙います。今年はチームを移籍しましたが、徐々に調子を上げているだけに、今大会の走りが注目されます。

開幕戦カタールGPで初優勝を果たし、勢いに乗るジョナス・フォルガー(AGR Team)は連勝を目指します。開幕戦カタールGPで2位のザビエル・シメオン(Federal Oil Gresini Moto2)、3位のトーマス・ルティ(Derendinger Racing Interwetten)も2戦連続での表彰台登壇を狙います。開幕戦カタールGPで14位の中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)も、上位フィニッシュを狙っています。

Moto3クラスは、13年のウイナーであるアレックス・リンス(Paginas Amarillas HP 40)がMoto2クラスへ、14年のウイナーのミラーがMotoGPクラスへスイッチしたため、第2戦アメリカズGPは優勝経験のない選手たちによる戦いになります。開幕戦カタールGPのウイナーであるアレックス・マスボー(SaxoPrint RTG)は、初の連勝を狙います。し烈な戦いを繰り広げるMoto3クラス。昨年3位のエフレン・バスケス(LEOPARD Racing)も今季初優勝に闘志を燃やしています。開幕戦カタールGPで転倒リタイアの尾野弘樹(LEOPARD Racing)は初のポイント獲得を目指します。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 総合5位)
「オースティンへ行き、カタールGPのことを忘れたいですね。サーキット・オブ・ジ・アメリカズは大好きなサーキットの一つです。2013年に初めてMotoGPクラスで優勝したという、いい思い出があります。そして昨年も優勝しました。FP1から一生懸命取り組み、レースウイーク中にその勢いをキープして、今回は“普通”のレースをしたいです。ダニのことはとても残念です。僕もチームのみんなも、彼が早く回復することを願っています。博一をチームメートとして歓迎し、支えていきたいです」

青山博一(MotoGP ワイルドカード)
「ダニの状況については本当に気の毒に思います。今の状態でMotoGPマシンに乗ることが、どれだけ大変か理解できます。カタールで6位フィニッシュできたのはすばらしいことです。ダニの代役として、僕に声をかけてくれたHRCに感謝しています。ベストを尽くして、Repsol Honda Teamで走れる経験を楽しみたいと思います。オーステインのサーキットは非常に難しく、テクニカルです。すべてのセッションが、マシンを学び、チームを理解するのに重要です。オースティンに行き、MotoGPライダーたちとアメリカでレースをするのがとても楽しみです。ダニが早く回復してサーキットに戻ってこられることを願っています」

カル・クラッチロー(MotoGP 総合7位)
「Hondaのマシンでレースをした経験がなかったことを考えれば、カタールではいいシーズンのスタートを切れたと思います。オースティンではもっと前進したいです。前回のレースで得たことを参考に、なにを達成できるか見てみたいです。トップグループのライダーたちに挑戦するのはまだ難しいですが、今はいろいろと学んでいるところです。2013年は4位でフィニッシュできましたが、今年は前のライダーたちが速いので、非常に厳しい戦いになるでしょう」

スコット・レディング(MotoGP 総合13位)
「カタールでポジティブだったのは、レースに向けた調整で明らかに前進できたことです。おかげでテキサスでは、いいベースでスタートできます。サーキット・オブ・ジ・アメリカズが、マシンと僕のライディングスタイルにどれだけ合うかは、見てみなければ分かりませんが、カタールで学んだことを生かし、自分のペースと自信を取り戻し、前のライダーたちとのギャップを縮めていきたいです」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP ノーポイント)
「サーキット・オブ・ジ・アメリカズの施設もイベントも大好きですが、マシンを止めなければならないコーナーが多いので、正直、あまり得意ではありません。もっと流れるようなコースの方が好きです。アスファルトやサーキットは非常にいいです。全体的にはすばらしいサーキットだと思います。今の自分のポジションは分かっていますし、これからどこを改善しなければならないかも分かっています。一番は電子制御です。そこを改善して、ホームのファンの前でいいレースができることを願っています」

ユージン・ラバティ(MotoGP ノーポイント)
「カタールではすばらしい仕事ができました。マシンをより深く理解できましたし、レースウイークが進むにつれて、感触がよくなりました。残念ながら、レースは思うようにいきませんでした。テキサスとアルゼンチンは、僕にとって本当に初めてのサーキットです。カタールでは、セットアップをかなり進められたので、今週末はそれに勇気づけられています。チームは正しい方向に進んでいますので、引き続きがんばりたいです。早く2つのサーキットに慣れて、マシンの経験を積み、ヨーロッパラウンドに戻ったときには本当にプッシュできるようにしたいです」

カレル・アブラハム(MotoGP ノーポイント)
「新しいシーズンの開幕戦は非常に激しいバトルでした。とても速いマシンとライダーがたくさんいるので、オープンクラスのマシンにとってはとても大変です。もちろん、新しいHondaのマシンでスタートしたばかりなので、この先もっとよくなることは分かっています。マシンのポテンシャルを最大限に引き出すため、Hondaと密に仕事をしなければなりません。オースティンのレースウイークでも、前進し続けられることを願っています。昨年は14位でフィニッシュしたので、またポイントを獲得したいと思っています」

ジャック・ミラー(MotoGP ノーポイント)
「サーキット・オブ・ジ・アメリカズはとても好きなサーキットです。昨年のMoto3クラスのレースでは、とてもいい思い出があります。もちろん、今シーズンは全く違います。新しいチーム、新しいマシン、そして新しいライバルがいるからです。MotoGPマシンでの最初のレースはとても興奮しました。完走できず残念でしたが、多くを学べました。引き続き勉強を続けていきたいです」

ジョナス・フォルガー(Moto2 総合1位)
「オースティンのサーキットはとても好きです。昨年は力強い走りができたことで、オースティンへ戻るのが楽しみです。カタールで優勝して、今はモチベーションがとても上がっています。開幕戦のあと、カタールからオースティンへすぐに飛んでいきたかったくらいです。大事なことはもちろん、地に足をつけてシャシーのパフォーマンスをさらに引き出していくことです」

ザビエル・シメオン(Moto2 総合2位)
「昨年のオースティンGPでは、かなりの周回でレースをリードしました。その後、表彰台争いをしていたときに、残念ながら残り2周で転倒してしまいました。サーキット・オブ・ジ・アメリカズは大好きです。高速セクションと低速セクションがミックスされています。ほかの走り慣れたサーキットとは全く異なります。そしてレースウイーク中の雰囲気が最高です。今年の目標は、2014年の大会のパフォーマンスを繰り返すことです。そして、前回よりいい結果を残すことです」

トーマス・ルティ(Moto2 総合3位)
「オースティンへ行き、とにかく仕事に取り組み続けるのが楽しみです。次のサーキットがどこなのかは関係ありません。アメリカは見るところがたくさんあるのでいつも楽しみです。そして、オースティンのサーキットでは、マシンについて多くのことを学べます」

中上貴晶(Moto2 総合14位)
「カタールGPは、初日の出だしがよかっただけに、そこから思うようにセットアップをまとめきれなかったのが残念です。その反省を生かし、今回は初日からしっかりマシンを作っていきたいです。アメリズGPでは、これまでいい結果を残せていませんが、本来自分がいるべきポジションでレースを戦いたいです」

アレックス・マスボー(Moto3 総合1位)
「カタールで優勝できたのは非常にうれしいです。でも、レースでの激しいトップ争いは、今年のMoto3クラスがどれだけ拮抗しているかを示しています。つまり、勝ち負けの差が非常に小さいということです。最大限にパッケージの力を引き出すために、これまで以上に一生懸命がんばらなければなりません。カタールの結果から分かるように、今年のHondaはすばらしいので、今シーズンはかなり自信があります。オースティンのサーキットは好きです。昨年は6位でフィニッシュしました。今年も前の方でフィニッシュできると思います」

エネア・バスティアニーニ(Moto3 総合2位)
「サーキット・オブ・ジ・アメリカズは得意なサーキットとは言えませんが、全体的には好きです。昨年はいいレースをして、初めてそこでチャンピオンシップポイントを獲得しました。カタールでは、マシンについてたくさん学べました。そして、すばらしい結果で終えられました。今大会も自信はあります。今回はもっとしっかりしたベースからスタートできますので、いいスターティンググリッドを獲得できると思います」

ダニー・ケント(Moto3 総合3位)
「カタールですばらしいレースができたので、モチベーションがかなり上がった状態でオースティンへ向かえます。カタールでは優勝争いをして、表彰台に上がれました。優勝者とは0.2秒以内の差です。昨年のオースティンでは8位でした。Hondaがとても調子がいいですし、チームといい仕事ができているので、今回はもっといい結果を出せると思います。あとはしっかり集中して、前進できるようにできる限りのことをやるだけです」

尾野弘樹(Moto3 ノーポイント)
「カタールGPは転倒リタイアに終わりました。フリー走行やウォームアップでは表彰台を狙える走りができていたので、とても残念でした。悔しい思いをしましたが、カタールGPは自信になりました。ここからは初めてのサーキットが続きますが、チームメートの2人に負けないようにがんばります」