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MotoGP

round 04

SCHEDULE

May 2/3/4 2014 MotoGP Gran Premio bwin de España

スペインスペインGP

スペインGPプレビュー

第4戦スペインGPが、5月2日(金)から4日(日)までの3日間、ヘレスサーキットで開催されます。前戦アルゼンチンGPから2週連続の開催で、今季初の連戦となります。ヘレスサーキットは、一周4.423km。今年はMoto2クラスとMoto3クラスのウインターテストが行われています。MotoGPクラスのテストは行われませんでしたが、各チームのデータは豊富で、初日からレベルの高い走りが繰り広げられます。バラエティーに富んだ大小13のコーナーは、すべてがパッシングポイント。今年も白熱した戦いが繰り広げられることは間違いありません。

スペインGPプレビュー

前戦アルゼンチンGPでは、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が開幕から3戦連続ポール・トゥ・ウインを達成し、総合首位でヨーロッパラウンドの初戦を迎えます。昨年の大会では、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)に次いで2位。ヘレスではこれまで、125ccクラス、Moto2クラスでも優勝経験はありません。すでに3クラスでチャンピオンを獲得しているマルケスですが、優勝経験のない数少ないサーキットとなったヘレスで、今年は念願のスペインGP初優勝に挑みます。

開幕から3戦連続で表彰台に立ち、総合2位につけるペドロサも、今季初優勝と2年連続制覇を狙います。ヘレスは、ペドロサが得意とするサーキットの一つ。05年に250ccクラスで優勝を果たしているほか、最高峰クラスにスイッチしてからは、08年と13年の2度の優勝を筆頭に、8年連続(250ccクラスを含めると9年連続)で表彰台に立ってきました。今年も、カタールGP、アメリカズGP、アルゼンチンGPと粘り強い走りで、続けて表彰台に立っています。内容的には優勝できるチャンスもあったレースが多いだけに、今大会はチームメートのマルケスとの優勝争いが期待されます。

Repsol Honda Teamと所属する両選手にとって、スペインGPは今年初のホームグランプリ。チームとしては開幕からの4連勝と3戦連続の1-2フィニッシュを目指します。

総合6位のステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、開幕戦カタールGPこそトップを走りながら転倒リタイアを喫するも、アメリカズGPで4位、アルゼンチンGPで5位と着実にポイントを稼いできました。今大会では、今季2度目のフロントローと今季初表彰台を狙います。MotoGPクラスに初参戦した12年は7位、昨年は転倒リタイア。今年は、今季ベストリザルトを目指しています。

開幕戦から3戦連続で転倒リタイアのアルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)ですが、Repsol Honda Teamの両選手同様に今大会がホームグランプリとなります。過去、ヘレスでは、06年に125ccクラスで優勝、07年、09年には250ccクラスで2位表彰台に立っています。MotoGPクラスでは、12年、13年と2年連続6位。今年は開幕戦から転倒が続いているだけに、今季初のフロントローと今季初表彰台を目指します。

Hondaの市販レーシングマシンRCV1000Rで出場の4選手も、ヨーロッパラウンド初戦に気合を入れています。

前戦アルゼンチンGPで、RCV1000R勢として初となる、オープンカテゴリーでのトップフィニッシュを果たした総合12位の青山博一(Drive M7 Aspar)は、得意とするヘレスを楽しみにしています。ヘレスでは09年の250ccクラスで優勝。最高峰クラスでは11年に4位でフィニッシュしています。今大会は今季ベストとなるシングルフィニッシュを狙います。また、チームメートで総合11位のニッキー・ヘイデンも、開幕戦カタールGPの8位をしのぐシングルフィニッシュに闘志を燃やしており、チームのホームグランプリに気合満点の両選手がどんな走りをみせるのかが注目されます。

総合13位につけるルーキーのスコット・レディング(GO & FUN Honda Gresini)も、開幕戦カタールGPの7位をしのぐ今季ベストリザルトに向けて闘志を燃やしています。レディングは、第2戦アメリカズGPで転倒リタイア、第3戦アルゼンチンGPでは10位争いに加わりながら、タイヤの消耗に苦しんで14位に終わりましたが、一戦ごとに経験を積み、力をつけています。Moto2時代の13年には2位表彰台に立っているだけに、今季ベストリザルトの期待が膨らんでいます。カレル・アブラハム(Cardion AB Motoracing)も開幕戦から3戦連続でポイントを獲得して総合16位。ヘレスは、最高峰クラスにチャレンジした11年に7位に入ってポイントを獲得したサーキット。今大会はトップ10フィニッシュを狙っています。

激戦が続くMoto2クラスでも、ここまで3戦2勝で総合首位のエステベ・ラバト(Marc VDS Racing Team)、第2戦アメリカズGPで初優勝を達成して総合3位のマーベリック・ビニャーレス(Pons HP 40)が、ホームグランプリを迎えます。前戦アルゼンチンGPでは、フリー走行、予選ともに1秒差以内に20台前後がひしめき合う大混戦となっています。ヘレスでも大接戦が予想されるだけに、3日間を通して見応えある戦いになりそうです。中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は、得意とするサーキットで今季初表彰台と初優勝を狙います。長島哲太(Teluru Team JiR Webike)もウインターテストで経験しているサーキットなので、初ポイント獲得を目標に挑みます。

Moto3クラスは、ラインキング上位につけるスペイン人ライダー3選手が、ホームグランプリに闘志を燃やしています。総合3位のエフレン・バスケス(SaxoPrint-RTG)と総合4位のアレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0)は、ともに今季3度目の表彰台と初優勝を目標に、今季まだ表彰台がないアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)は、初表彰台と初優勝に挑みます。開幕から3戦、優勝まであと一歩のHonda勢の戦いに注目されます。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)
「アルゼンチンGPはほんの数日前のことですが、すでにスペインへ向かっています。アルゼンチンはとてもいい週末で、また25ポイント獲得することができました。でも次はダニとホルヘがとても強いヘレスです。観客も雰囲気も、とても特別なサーキットです。限界レベルで戦えるサーキットなので、特別なモチベーションがあります。3つの遠征レースを終えて、これからは、ヨーロッパの“普通のグランプリ”に戻ります。少しリラックスして金曜日のFP1に備えたいです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合2位)
「アルゼンチンでは優勝争いに加われませんでしたが、いい週末になりました。レースもサーキットも、とても楽しかったです。休む暇もなくヘレスでレースがあります。このサーキットは大好きなサーキットの一つです。3つの長い遠征からスペインに戻り、多くのファンに会うのが楽しみです。いつものように金曜日から一生懸命がんばって、アルゼンチンで見つけた勢いを維持したいです」

ステファン・ブラドル(MotoGP 総合6位)
「長かった遠征が終わり、やっとヨーロッパラウンドがスタートします。ヘレスはいつも大勢のファンが集まる、すばらしいグランプリです。序盤の3戦を振り返れば、まずまずのペースで走れたと思いますし、トップグループで戦うこともできました。アルゼンチンは予選9番手から5位でフィニッシュ。自分の得意とするハードブレーキングを武器に戦えました。ヘレスでは、さらにいい結果を残したいです」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 総合11位)
「ナイトレースのカタールGP、そして、我々にとって厳しいレースとなったテキサスのアメリカズGPと新しいサーキットのアルゼンチンGPを終えて、やっとヨーロッパラウンドを迎えます。ヘレスは大好きなサーキットですから、とても楽しみにしています。ヘレスでのスペインGPは、なんといっても観客の盛り上がりが最高ですし、みんなが得意としているサーキットです。そういうレベルの高いサーキットで戦うことを、いつも楽しみにしています。ヘレスは、MotoGPマシンのパワーを使いきれるコースレイアウトではありませんが、それだけに我々のRCV1000Rにとっては、よりパフォーマンスを発揮できると思います。我々にとってすばらしいリザルトが待ち受けているかもしれません」

青山博一(MotoGP 総合12位)
「遠征シリーズの3戦を終えて、ヨーロッパラウンドが始まります。カタール、テキサス、そしてアルゼンチンと、RCV1000Rのポテンシャルを確実に引き出せるようになっていると思います。特にアルゼンチンでは、オープンカテゴリーのトップでゴールできて、チームのスタッフと喜ぶことができました。カタールGPは、開幕前のテストの続きの状態でした。アメリカズGPでは、3日間を通して着実に前進できました。しかし、カタール11位、アメリカズ12位と、数字的には満足いくものではありませんでした。アルゼンチンでは、我々にとって、とりあえずの目標であるトップ10入りを果たすことができました。ヘレスは、どんなレースになるのか分かりませんが、シングルフィニッシュを目標に全力を尽くします」

スコット・レディング(MotoGP 総合13位)
「シーズン最初のヨーロッパラウンドなので、すごく楽しみにしています。ヘレスは大好きなサーキットです。流れるような高速コーナーが続きますし、自分のライディングスタイルに合っています。このサーキットでは、シーズンを通じて最も厳しい戦いになりますが、我々のマシンのキャラクターと相性はいいと思います。ライバルたちとの差は接近していますし、今回はオープンカテゴリーのトップを目指します」

カレル・アブラハム(MotoGP 総合16位)
「数カ月の遠征を終えて、これからヨーロッパラウンドが始まります。ヨーロッパでは、大勢のファンや友達、スポンサーに会えるので、とても楽しみにしています。ヘレスは自分にとって特別なサーキットです。2011年にMotoGPで初めてポイントを獲得しました。昨年はオースティンのアメリカズGPでケガをして出場できなかったので、スペインGPは2年ぶりとなります。RCV1000Rは、ウインターテストからセットアップも進み、かなり乗りこなせるようになっています、今大会は、トップ10になるべく近いところでフィニッシュしたいと思います」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP ノーポイント)
「開幕からひどいレースが続いていますが、ヨーロッパラウンド最初のレースで、その悪い流れに終止符を打てることを願っています。とにかく、今一番大事なのは、自分たちのやってきたことを信じること。自信を持ってこれまで同様にがんばれば、近い将来、きっと結果につながると思います」

エステベ・ラバト(Moto2 総合1位)
「ヘレスに向かうことをとても楽しみにしています、チームにとっても自分にとってもホームグランプリなので、気合が入ります。家族や友達、そしてファンも大勢います。昨年のGPはここで初優勝を達成しました。今年もここで勝てるようにがんばります。今週はレースウイークを通じて集中しなければなりません。チームメートの(ミカ)カリオとは、チャンピオンシップでも接近戦となっていますが、今週も自分のレースに集中します」

ミカ・カリオ(Moto2 総合2位)
「オースティンとアルゼンチンでは、思ったようなレースができませんでした。しかし、カタールGPからの3戦を終えてチームメートに続いて総合2位につけていますし、とてもいい状態でヘレスを迎えることができました。ヘレスはウインターテストでいい走りができましたし、それを再現できるようにしたいですね。ヘレスでは、ウインターテストで数百周をこなしてきました。スターティンググリッドがとても重要になります。アルゼンチンはレースアベレージがよかったのに、スタートがあまりよくありませんでした。今週はいいグリッドを得るために全力を尽くします」

マーベリック・ビニャーレス(Moto2 総合3位)
「オースティンで優勝しましたが、次のアルゼンチンでは転倒に終わりました。どうして転倒したのか分からないですし、期待外れのレースでした。しかし、オースティンで勝ったことは、すごく自信になっています。今週のヘレスは、チームにとっても自分にとってもホームグランプリなので、いい結果を残したいです。ヘレスで行ったウインターテストではいいリザルトを残せましたが、開幕から3戦を終えてマシンのセットアップも進み、自分のレベルもさらに上げることできました。きっと、いいレースができると思います」

中上貴晶(Moto2 総合17位)
「開幕から3戦、運がないというか、いい流れに乗れません。アメリカズGPではタイヤトラブルがありましたし、アルゼンチンGPでは決勝日朝のウォームアップでエンジントラブルが出て、レースではエンジンを載せ替えました。それでフィーリングが変わってしまい、結果につなげることができませんでした。今週のヘレスは得意とするサーキットで、一昨年が2番手、昨年が3番手と2年連続でフロントローに並ぶことができました。今年もフロントローを獲得して決勝では優勝争いに加わりたいです。そして、今後のシーズンに向けて、いい流れにしたいと思います」

長島哲太(Moto2 ノーポイント)
「レースをこなすごとに着実によくなっていると思うのですが、前戦アルゼンチンGPではタイヤにトラブルがあって力を出すことができませんでした。今回のスペインGPは、ウインターテストにも参加して経験のあるサーキットなので、初日から積極的に攻めていきたいです。このサーキットは、全員が走り慣れていますし、接戦になりますが、ポイント獲得を目標に全力を尽くしたいです」

エフレン・バスケス(Moto3 総合3位)
「今年のマシンはすごくよくて、どのサーキットでもいい走りができています。チームもすばらしい仕事をしています。自分の家からも近いですし、ヘレスは大好きです。今大会も、予選、決勝といい走りができるように全力を尽くします」

アレックス・マルケス(Moto3 総合4位)
「ヘレスサーキットはよく知っています。ウインターテストでも走っていますが、あのころに比べて、いい状態になっています。ベースのセッティングもいいですし、レースウイークはコースに合わせてアジャストすることに集中します。今回はホームグランプリとなるので、大勢のファンが待っています。彼らの声援をモチベーションにしてがんばります」

アレックス・リンス(Moto3 総合5位)
「この数年、スペインGPではいい思い出がないので、今年はいいリザルトを残せるようにがんばります。とにかく今は、いい走りがしたいですし、レースで100%の走りができるようにしたいです。今回はホームグランプリなので、大勢のファンが待ってくれています。それがモチベーションを高めてくれるし、大きな力になります」