round 14

September 27/28/29 2013 MotoGP Gran Premio Iveco de Aragon アラゴンGP

SCHEDULE

アラゴンGPプレビュー

第14戦アラゴンGPが、9月27日(金)から29日(日)までの3日間、モーターランド・アラゴンで開催されます。モーターランド・アラゴンは、バルセロナとバレンシアからそれぞれ約200km、アラゴン州の州都サラゴサから100km離れたアルカニスの郊外にあります。アラゴンGPは、ヘレスで開催されるスペインGP、カタルニアGP、バレンシアGPに続く、スペイン4番目のグランプリとして2010年にスタートし、今年で4度目の開催となります。

アラゴンGPプレビュー

モーターランド・アラゴンは、一周5.078km。マレーシアのセパン・サーキット、トルコのイスタンブール・パーク・サーキットなどを手がけたドイツ人のヘルマン・ティルケ氏が設計しました。ティルケ氏がデザインするサーキットの特徴は、自然の地形を利用したアップダウンと、バリエーションに富んだコーナーが連続し、リズム感あふれるレイアウトとなっています。モーターランド・アラゴンは、こうした特徴に加え、2本の長いストレートを組み合わせたレイアウトでパッシングポイントも多く、選手たちから高い評価を得ています。

2011年にはケーシー・ストーナーが、Repsol Honda TeamのMotoGP通算100勝目を達成しました。12年にはダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が優勝。Repsol Honda Teamは今年、3年連続優勝に挑みます。

総合1位のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、バルセロナから約100km離れたリェイダ近郊のサルベラで生まれ育ちました。マルケスにとっては、カタルニアGPがホームグランプリとなりますが、モーターランド・アラゴンもまた、自宅から約170kmの距離にあり、カタルニアGP同様、地元応援団が大勢駆けつけます。

今シーズンは13戦を終えて、マルケスは5勝を含む12度の表彰台に立つ大活躍です。第3戦スペインGPでは2位、第6戦カタルニアGPでは3位と、地元大会で表彰台に立ち、ファンの期待に応えてきました。そして今大会では、最高峰クラスで初のスペイン大会優勝を果たす意気込みです。Moto2クラス時代は、2011年に優勝、12年に2位という結果を残しました。また、モーターランド・アラゴンでは、今年6月にテストを実施しています。MotoGPマシンでは、第3戦スペインGP以来、久しぶりに経験あるサーキットとなり、初日からの快走が期待されます。

昨年のアラゴンGPを制したペドロサは、今季3勝目と大会2連覇を狙います。前戦サンマリノGPでは、3日間を通じて、タイヤのパフォーマンスをうまく引き出せず、決勝では3位に終わりました。しかし、決勝レース翌日の月曜日に行ったテストでセットアップが大きく前進、その成果を今大会で発揮する意気込みです。13戦を終えて、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)と同ポイントの総合3位。念願のタイトル獲得に向けて、ロレンソはもちろん、マルケスとのチームメート同士の対決にも闘志を燃やしています。

モーターランド・アラゴンを得意とするステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、今季2度目の表彰台獲得に挑みます。昨年の大会では、予選5番手から表彰台圏内を走行しましたが、結果は痛恨の転倒リタイア。今年はその雪辱に挑みます。ブラドルは、第9戦アメリカGPで初のポールポジションを獲得、初表彰台となる2位でフィニッシュしました。後半戦は飛躍が期待されましたが、直近の4戦はタイヤのエッジのグリップに苦しんで表彰台争いには加われないでいます。しかし、前戦サンマリノGPでは、5位でのフィニッシュながら、手応えのある走りとなりました。さらに、サンマリノGP終了後の、月曜日の合同テストでは、これまでとは違うセットアップにトライして大きな収穫を得ることに成功していますので、今大会の走りに注目が集まります。

アルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)も、Repsol Honda Teamの両選手同様、ホームGPに闘志を燃やしています。シーズン中盤戦に入って調子を上げているバウティスタですが、過去2戦は、予選、決勝ともに苦戦しました。チームのホームグランプリとなった前戦サンマリノGPでは、予選8番手、決勝7位と思うようなリザルトを残すことができず、悔しい大会となりました。しかし、サンマリノGP決勝翌日の合同テストで、大幅にタイムを更新しました。今大会は、そのテストのデータを最大限にフィードバックする意気込み。今季初表彰台に気合を入れています。

Moto2クラスは、今大会も厳しい戦いが予想されます。昨年の大会では、ポル・エスパルガロが優勝。マルケスが2位、スコット・レディングが3位という結果でした。今年は、レディング(Marc VDS Racing Team)が総合首位、エスパルガロ(Tuenti HP 40)が総合2位で今大会を迎えます。前戦サンマリノGPでは、エスパルガロが今季4勝目を達成。一方のレディングは、2戦前のイギリスGPでシーズン3勝目を達成するも、サンマリノGPでは腕にケガを抱えて6位に終わりました。そのため、レディングとエスパルガロの差は、38点から23点へと大きく縮まりました。モーターランド・アラゴンは、両選手ともに得意とするサーキット。エスパルガロにとっては、ホームレースというアドバンテージを生かす意気込みです。一方、レディングも前戦の雪辱に燃えているだけに、2人の戦いに大きな注目が集まります。

総合3位のエステベ・ラバト(Tuenti HP 40)も、地元大会での今季3勝目に向けて闘志満々。過去4戦連続2位の中上貴晶(Italtrans Racing Team)も、念願の初優勝に挑みます。後半戦に入って優勝ライダーが目まぐるしく変わるMoto2クラス。今大会も厳しい戦いが予想されます。

Moto3クラスは、総合7位につけるジャック・ミラー(Caretta Technology - RTG)が、今季初フロントローと初表彰台に挑みます。前戦サンマリノGPでは今季ベストの5位でフィニッシュ。今大会は初表彰台獲得を目標に戦います。総合8位のアレクシ・マスボー(Ongetta-Rivacold)は、リタイアに終わった前戦サンマリノGPの雪辱に挑みます。この数戦、着実に調子を上げている総合15位のロマノ・フェナティ(San Carlo Team Italia)も、今季ベストリザルトを狙います。フェナティは、昨年の大会では4番手スタートから悔しいリタイアに終わっています。得意とするサーキットだけに、今年の走りに注目が集まっています。渡辺陽向(TASCA RACING)も、ポイント獲得に向けて全力で挑みます。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP ランキング1位)「ホームグランプリとなるアラゴンで、ファンの前で戦えることがとてもうれしいです。このサーキットは大好きなコースの一つです。かなりのテクニックを必要としますし、最初と最後のセクションをはじめ、どのコーナーでもいい走りをしなければなりません。過去2年間はいい結果を残してきましたので、今年も同じような結果が出せることを願っています。また、今シーズンすでに、ここでMotoGPマシンのテストをしていますので、データがあります。ミサノのレースのあとの月曜日にもいいテストができ、ポジティブなセッティングを見つけることができました。それを今週末のアラゴンで試すのが楽しみです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング3位)「アラゴンでは、これまでいい走りをすることができました。そして、再びホームのファンの前でレースをするのが楽しみです。ファンのサポートはすばらしく、モチベーションも上がります。ミサノでは月曜日にテストを行いました。コーナーの立ち上がりでは特にポジティブな部分がありましたので、それがアラゴンで役に立つことを願っています」

ステファン・ブラドル(MotoGP ランキング6位)「アラゴンでは、今年すでにテストをしていますので、レースに向けて準備万端であることを願っています。今大会は、これまでとは違うセットアップにトライしますので、興味深いラウンドになります。ミサノで行われたサンマリノGPとは、パッケージをかなり変えました。アラゴンのサーキットはHondaのマシンに合うので、今週末が楽しみです。力強いペースで走って、いい結果を出したいです。でも今年は転倒したくないですね」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP ランキング7位)「ミサノのレースは、いまだに悔しい思いです。チームやスポンサーのためにいい結果を出したかったのですが、パワーが足りず、なにが起きたのかは、今でもよく分かりません。とにかく快適に走ることができませんでした。月曜日のテストでは、レースウイークと同じセッティングで走ったのですが、約1秒速く走ることができました。つまり、日曜日の決勝は、なにか不思議なことが起きたのかもしれません。今大会は、ミサノでテストをしたSHOWAとNISSINの新しい部品を使います。昨年、このサーキットではたくさん問題がありましたが、今年は強いマシンで挑むことができます。このサーキットは高速セクションと低速セクションがあります。ロングストレートと、長くて難しいコーナーの切り返しもあります。セットアップの難しいコースですが、アラゴンのいい点は、さまざまな場所でオーバーテイクができることです」

ブライアン・スターリング(MotoGP ランキング25位)「ミサノではもっといい結果を出せるはずでしたが、リタイアしてしまいました。本当に残念な結果でした。残り5戦となりましたが、MotoGPの最初のシーズンをいい結果で終えたいという気持ちは変わっていません。アラゴンは、ミサノの雪辱を果たすいい機会なので、ベストを尽くします」

スコット・レディング(Moto2 ランキング1位)「ミサノでは、右手のすべての指の感覚がなくなりました。ブレーキレバーをどのくらい握っているのか、分からないほどでした。ポル(エスパルガロ)やティト(エステベ・ラバト)とのチャンピオンシップ争いも大詰めです。彼らと戦うには万全の体調であることが必要です。そのため3連戦を前に手術を行うことにしました。腕は少し痛みますが、我慢できます。一番重要なことは、レースを戦えるということです。腕の問題は完全に解決しました。今週末が楽しみです。昨年のアラゴンでは表彰台に上がりました。今回の目標も同じです」

ポル・エスパルガロ(Moto2 ランキング2位)「このサーキットは好きです。昨年はとてもうまくいって、優勝することができました。今年も再び、優勝できればと思います。今大会はホームグランプリですので、そのアドバンテージを生かさなければなりません。スコットに対してポイントをリカバーできるように、ファンの力を借りたいです。今年はどういうわけか、どのサーキットでも初めて走るような感覚です。金曜日からしっかりセットアップに取り組み、日曜日にいい状態で挑みたいです」

エステベ・ラバト(Moto2 ランキング3位)「今回はホームグランプリですので、ベストを尽くします。2年前に、ここでたくさんトレーニングをしました。今大会は、レースを楽しんで100%の走りをしたいと思います」

中上貴晶(Moto2 ランキング5位)「昨年のアラゴンGPは、天候に翻ろうされて、さらに、車体のセッティングが決まらず苦労しました。特に右側のグリップ不足に苦しみ、決勝でも、右コーナーで転んでしまいました。しかし今年は、昨年駄目だったサーキットでも気持ちよく乗れていますので、今回も心配はしていません。過去4戦、連続2位でしたので、今回は、優勝を目標に全力で挑みます」

ジャック・ミラー(Moto3 ランキング7位)「アラゴンはとても長いストレートがあります。ムジェロやカタルニアのような、同じようなロングストレートがあるサーキットで、トップ10に入ったことがあります。マシンはとても扱いやすく、気持ちよく乗れています。アラゴンでどんな走りができるのか楽しみです」

アレクシ・マスボー(Moto3 ランキング8位)「昨年はケガのため、アラゴンのレースは出られませんでした。ここは、2011年に走っただけです。そのときはマシンに問題があり、ちゃんと走っていないので、このサーキットのことはよく分かりません。難しいサーキットだということは分かっています。ストレートが長いサーキットですが、高速コーナーがたくさんありますので、いいセットアップを見つければ、アドバンテージを生むことができると思っています」

ロマノ・フェナティ(Moto3 ランキング15位)「昨年初めてアラゴンでレースをしました。予選では4位でしたが、メカニカルな問題があり、決勝はリタイアしなければなりませんでした。このサーキットは好きです。今年は昨年の雪辱を果たしたいです。そしてポイントをもっと獲得したいです。Moto3クラスはいつも接戦なので、なにが起こるか分かりません。とにかくベストを尽くします」

渡辺陽向(Moto3 ノーポイント)「前回のサンマリノGPは、とても悔しいレースでした。決勝ではスタート直後の混雑の中で他車と接触しそうになって遅れ、その後、グループの中で転倒してしまいました。インディアナポリス、チェコ、イギリスといい流れでしたし、自信を持って走れるようになりました。サンマリノではそれを結果につなげようと思っていただけに、とても残念でした。アラゴンはスペイン選手権時代に走っていますので、自分の走りをチェックするには絶好の機会になります。とても楽しみにしています」