round 13

September 13/14/15 2013 MotoGP GP Aperol di San Marino e della Riviera di Rimini サンマリノGP

SCHEDULE

サンマリノGPプレビュー

インディアナポリスGP、チェコGP、イギリスGPの3連戦から1週間のインターバルを経て、9月13日(金)から15日(日)までの3日間、イタリアのアドリア海にほど近いミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで、第13戦サンマリノGPが開催されます。ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリは、1993年のイタリアGPを最後にグランプリから遠ざかっていましたが、2007年、14年ぶりにグランプリの舞台として復活、今年で7年目を迎えます。

サンマリノGPプレビュー

ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリは、2007年にグランプリを開催するためにサーキットの大改修を行いました。それまで左回りだったサーキットを右回りに変更することで、セーフティゾーンを広げて安全性を高め、さらに、08年にはサーキットの延長工事を行い、一周4.226kmのサーキットに生まれ変わりました。

前半は低中速コーナーが続き、後半は高速コーナーが続くバラエティに富んだコースレイアウト。勝負どころも多く、白熱した戦いが繰り広げられます。過去6年、Honda勢は、スタート直後の多重クラッシュや不運のトラブルなどで、予選のパフォーマンスをなかなか結果に結びつけられないグランプリとなっています。この6年間で優勝したのは2010年のダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)だけ。決して相性がいいとは言えないサーキットの一つですが、今年は3年ぶりの優勝を狙います。

シーズン12戦を終えて総合首位のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、MotoGPマシンでミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリを走るのは初めてとなりますが、今季6勝目への期待が膨らみます。2010年には125ccクラスで優勝、11年、12年にはMoto2クラスで優勝している得意のサーキットですので、初日からの快走が注目されます。

マルケスは中盤戦に入って、125cc、Moto2クラスで優勝しているサーキットでは、すばらしい走りをみせてきました。サンマリノGP同様、過去3連覇を達成していたドイツGPではライバルを圧倒し、Moto2クラスで優勝しているインディアナポリスGP、チェコGPでも優勝してきました。過去3連覇を達成しているサンマリノGPでは、優勝候補の筆頭。今季6勝目への期待が膨んでいます。

前戦イギリスGPでマルケスは、今季5度目のポールポジション(PP)を獲得しましたが、決勝日のウォームアップで転倒し、左肩を痛めた影響で2位に終わりました。しかし、12戦で11度の表彰台に立ち、ルーキーの表彰台記録を更新。今大会は、優勝記録とともに記録更新が期待されています。

インディアナポリスGPからスタートした3連戦で3戦連続表彰台に立ってきたペドロサは、3年ぶり、2度目のサンマリノGP制覇と今季3勝目を狙います。昨年の大会は、PP獲得から優勝を狙いました。しかし、グリッド上でホイールがロックするという原因不明のトラブルが発生して、最後尾グリッドから決勝に挑むことになりました。その後、猛列に追い上げますが、他車と接触して転倒、痛恨のリタイアを喫しています。サンマリノGPでは、これまで、09年に3位、10年に優勝。11年に2位と、3度の表彰台に立ってきました。昨年は不運のトラブルがきっかけとなり優勝を逃しましたが、今年はその雪辱戦となります。第8戦ドイツGPで痛めた左鎖骨も順調に回復しているだけに、今季3勝目達成に全力で挑みます。

総合6位につけるステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、チームのホームGPに向けて闘志満々。今季2度目のPPと表彰台に挑みます。初PPを獲得した第9戦アメリカGPでは、2位表彰台に立ちました。サマーブレイク明けの3連戦では、タイヤのパフォーマンスを生かしきれず、予選、決勝ともに苦戦。なかなか表彰台に立てないレースが続いていますが、今大会はシーズンを通じて最も気合の入る大会だけに、念願の初優勝に向けて全力で挑みます。

ミサノを本拠地とするGO & FUN Honda Gresiniのアルバロ・バウティスタも、今季初表彰台と初優勝を狙います。昨年の大会では、予選で大接戦の中で5番手を獲得、決勝ではMotoGPクラスで初の表彰台となる3位でフィニッシュしました。シーズン中盤戦に入って上り調子のバウティスタ。第9戦アメリカGPで今季初フロントローの3番手。第11戦チェコGPでは2度目のフロントロー獲得となる2番手。決勝では5位と、表彰台にあと一歩のリザルトが続いています。今年は2年連続表彰台と、念願の初優勝を狙います。

CRTマシンで出場のブライアン・スターリング(GO & FUN Honda Gresini)は、経験のあるサーキット、さらに、チームのホームレースとなるだけに、今季2度目のポイント獲得とベストリザルトの更新を狙います。

激戦が続くMoto2クラスは、今大会も大接戦が予想されます。昨年の大会は、PPから1秒差以内に16台がひしめく混戦、決勝レースも最終ラップまで激しくポジションを入れ替える戦いになりました。今年も厳しい戦いになることは必至で、見どころの多い大会となるはずです。

ここまで11戦を終えて、総合首位につけるスコット・レディング(Marc VDS Racing Team)は、前戦イギリスGPで今季3勝目を達成して2位以下とのリードを広げました。その勢いをキープして今大会は4勝目を狙います。

一方、昨年の大会で、現在MotoGPクラスを走るマルケスとし烈な優勝争いを繰り広げ、2位でフィニッシュしているポル・エスパルガロ(Tuenti HP 40)が、後半戦からの巻き返しに闘志を燃やしています。後半戦は、第10戦インディアナポリスGPで4位、第11戦チェコGPで4位、第12戦イギリスGPでは8位と、表彰台から遠ざかっています。今大会はレディングとの点差を縮めるためにも、4戦ぶりの表彰台と今季4勝目を狙います。

総合3位のエステベ・ラバト(Tuenti HP 40)も、今季3勝目に闘志。以下、ミカ・カリオ(Marc VDS Racing Team)、ドミニク・エージャーター(Technomag carXpert)と続き、サマーブレイク明けの3連戦で連続2位になり、総合6位に浮上した中上貴晶(Italtrans Racing Team)も、チームのホームレースで念願の初優勝に挑みます。

Moto3クラスは、総合7位のジャック・ミラー(Caretta Technology - RTG)、総合8位のアレクシ・マスボー(Ongetta-Rivacold)が、ともに今季初表彰台を狙います。総合15位のロマノ・フェナティ(San Carlo Team Italia)、総合17位のニッコロ・アントネッリ(GO & FUN Gresini Moto3)も、ホームGPを迎えて気合が入っています。サマーブレイク明けの3戦、調子を上げている渡辺陽向(TASCA RACING)も今季初ポイント獲得に闘志を燃やしています。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP ランキング1位)「シルバーストーンのアクシデントで左肩を痛めましたが、体調はだいぶんよくなりました。今週末は100%に近い状態で走れることを願っています。今大会は、直前まで肩の理学療法を行う予定なので、いつもより遅くイタリアに入ります。ミサノは、ほかのサーキットに比べると小さく、アベレージの低いサーキットですが、ブレーキングポイントが多く、体力的にハードです。MotoGPマシンで走るのは初めてですが、とても楽しみです。今回もいつものようにレースの準備ができればと思います。日曜日の決勝レースは、万全な状態で迎えたいと思っています」

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング2位)「シルバーストーンでは、いい走りができましたし、優勝を狙えるレースペースもありました。それで3位だったので、少し残念でした。とにかく、ミスから学び、前に進まなければなりません。ミサノはとてもトリッキーなサーキットで、グリップレベルが難しいコースです。しかし、走っていて、とても楽しいサーキットです。昨年のレースは悪夢を経験しましたが、過去にはいい結果も残しています。今年は、自信を持って挑みたいと思います。そしてチャンピオンシップでは、マルクとのポイント差を縮めたいです」

ステファン・ブラドル(MotoGP ランキング6位)「ミサノは楽しいサーキットです。MotoGPのスターだった(マルコ)シモンチェリの名が付けられたサーキットなので、マルコと彼の才能を再び思い出すことができるのはうれしいことです。雰囲気も好きです。今大会は、ムジェロのイタリアGPのように、僕のチームにとっては特別な週末になります。昨年の決勝は、スタートが中断して再スタートになりました。だれもがストレスのたまるレースでした。このチームで2年目になります。今年はいろいろな経験を積んできましたので、トップグループに近いところで戦うことが目標になります。ここ数戦は、プラクティスではとても速いのですが、決勝ではペースがあまりよくないので、この課題を解消しなければなりません」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP ランキング7位)「シルバーストーンは最高の週末となりました。マシンのセットアップに一生懸命取り組んだおかげで、セットアップも決まり、すばらしいレースになりました。トップグループとはそれほど離れませんでしたし、バレンティーノ(ロッシ、ヤマハ)とのバトルを楽しむことができました。わずかの差で負けてしまいましたが、いい状態なので、今回もいいレースができると思います。ミサノにはいい思い出があります。ここでは何度も表彰台に上がったことがあります。昨年はチームのホームサーキットで、初めて、MotoGPの表彰台を獲得しました。たくさんのライダーとバトルをしました。今年はトップ3とのギャップを縮めることが目標になります。ミサノではコーナーの立ち上がりのスピードがなによりも大事になります。トップグループに割り込みたいと思っています」

ブライアン・スターリング(MotoGP ランキング25位)「サンマリノGPは僕にとって大事なレースとなります。このサーキットはよく知っています。そして今回はチームのホームレースになります。いい結果で終えられるよう全力を尽くします。シーズンの最終ステージへ向けていいパフォーマンスを発揮したいです。最近の残念な結果は忘れたいです。チームの支えがあれば、今週末の目標を達成できると思います」

スコット・レディング(Moto2 ランキング1位)「ミサノの一番の目標は、すばらしい週末となった前戦イギリスGPの勢いをキープすることです。シルバーストーンでは優勝することができましたし、MotoGPクラスに参戦する来季の体制も発表することができました。今大会も優勝に向けて取り組みます。ポルに対してアドバンテージはありますが、まだ残り6戦あります。なにが起きても不思議ではないので、気持ちを引きしめて挑みます。ミサノは、テクニカルで難しいサーキットです。ラップタイムは接近しますので、安定性がとても大事になります」

ポル・エスパルガロ(Moto2 ランキング2位)「難しい週末となったシルバーストーンのことは忘れて、ミサノは自信を持って挑みたいです。シルバーストーンではいくつか小さな問題がありました。セットアップはもちろんのこと、ウォームアップで転倒してしまったことです。Moto2はとても接戦なので、ちょっとしたことが結果に影響します。しかし、最近の6戦でスコットとのポイント差を縮められなかったのは2回だけ。今回は彼とのギャップを再び縮める自信があります」

エステベ・ラバト(Moto2 ランキング3位)「シルバーストーンでは、0.257秒差で表彰台を逃しました。レース序盤に少し問題があり、後退してしまいました。その後、トップグループに追いつきましたが、オーバーテイクすることができませんでした。今回は、もっといい結果が出せるように一生懸命がんばらなければなりません。今回はいいレースをする自信もありますし、運も味方にしたいです。今大会は表彰台に戻れると思います」

中上貴晶(Moto2 ランキング6位)「後半戦のスタートとなった3連戦すべてで表彰台に立つことができました。3戦ともに2位でしたが、優勝に着実に近づいています。あとはもう、優勝するだけです。今大会はチームのホームGPとなりますし、今度こそという気持ちでいっぱいです。昨年は予選4番手から決勝はトップグループを走ることができました。赤旗中断でスタートがやり直しになり、再開したレースではあまりいい走りができず11位でしたが、今年は、いいレースをする自信があるので開幕が待ちきれません。マシンの状態もいいので、初日からしっかり仕上げて、万全の状態で決勝に挑みたいと思っています」

ジャック・ミラー(Moto3 ランキング7位)「シルバーストーンでは、いいバトルができました。サンマリノGPが行われるミサノは、僕のマシンに合っていると思うので、もっといいレースができると思います。シルバーストーンよりストレートが少ないですし、コーナーでは僕たちのマシンにアドバンテージがあります。どんなレースになるのか楽しみです。また、インディアナポリスGPで痛めた鎖骨は着実に回復していますが、最近はちょっと痛みもあるので様子を見たいと思います」

アレクシ・マスボー(Moto3 ランキング8位)「昨年はケガのために、ミサノではレースをしていません。そのため、Moto3でミサノを走るのは初めてになります。トップに近づけるように全力を尽くしますが、低速コーナーからの加速区間が多いので、厳しいレースになるかもしれません」

ロマノ・フェナティ(Moto3 ランキング15位)「2週間前のシルバーストーンではいいレースができました。今大会も、引き続き前進できることを願っています。ミサノは今年2度目のホームレースです。5月のフランスGPの7位よりもいいリザルトを残すのを目標に、チームやファンにいいプレゼントができるように一生懸命がんばります」

渡辺陽向(Moto3 ノーポイント)「インディアナポリス、チェコ、イギリスと、着実に内容はよくなっています。依然としてポイント獲得は果たせていませんが、この3戦で、ポイント圏内のグループが完全に見えてきましたし、どうすればいいかも分かっています。課題は序盤の位置取りで、そのためにも予選グリッドを上げなければなりません。ミサノはタイトなコーナーが続くので、予選がとても重要になります。今大会はスタートを決めて、しっかり走りたいと思います」