round 10

August 16/17/18 2013 MotoGP Red Bull Indianapolis Grand Prix インディアナポリスGP

SCHEDULE

インディアナポリスGPプレビュー

カリフォルニア州のマツダ・レースウェイ・ラグナセカで開催された第9戦アメリカGPから3週間のインターバルを経て、8月16日(金)から18日(日)までの3日間、インディアナ州のインディアナポリス・モータースピードウェイで、第10戦インディアナポリスGPが開催されます。シーズン前半戦の締めくくりとなったアメリカGP。そして後半戦のスタートとなるインディアナポリスGP。夏休みを挟んでのアメリカ大陸2連戦は、これで2年連続となります。

インディアナポリスGPプレビュー

インディアナポリスGPの行われるインディアナポリス・モータースピードウェイは、1909年に開設されました。世界で最も歴史のあるサーキットで、2009年には開設100周年を迎えました。この伝統あるサーキットで、MotoGPが初めて開催されたのは08年。今年で6年連続6度目となります。インディアナポリス・モータースピードウェイは、当初はレンガを敷き詰めたコースでした。現在もスタート&フィニッシュラインに1ヤード分だけ当時のレンガが残されており、ブリックヤードと呼ばれています。このレンガのスタート&フィニッシュラインは、インディアナポリス・モータースピードウェイの象徴となっています。

インディアナポリスGPでは、Honda勢が過去3連勝を達成しています。10年はダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)、11年はケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)、そして昨年はペドロサがインディアナポリスGP2度目の優勝を達成。今年は、Repsol Honda Teamの4連勝に期待が膨らんでいます。

前戦アメリカGPで今季3勝目を挙げたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、ルーキーとは思えない大活躍を続けています。第8戦ドイツGPで2勝目を挙げて総合首位に浮上、続く第9戦アメリカGPで3勝目を達成し、2位以下とのリードを広げました。MotoGPクラスにデビューしたばかりのマルケスは、第2戦アメリカズGPでMotoGP初優勝を達成。第9戦アメリカGPでも優勝と、ここまでアメリカで開催された2大会を制しています。

そして、今季3度目のアメリカ開催となるインディアナポリスGPは、過去2年、Moto2クラスで勝利しているサーキットだけに、今大会も優勝候補の筆頭に挙げられています。ドイツGPからの3連勝と今季4勝目を達成すれば、ともに、最高峰クラス史上最年少記録を更新することになります。

チームメートで総合2位につけるペドロサも、今季3勝目とインディアナポリスGP3度目の優勝に闘志を燃やしています。ペドロサは、第8戦ドイツGPのフリー走行で転倒して左鎖骨を負傷し、ドイツGPを欠場しました。ドイツGPからの連戦となった第9戦アメリカGPでは、痛みをこらえながら出場し、予選7番手から5位でフィニッシュしました。レース後にバルセロナで行った検診では、左鎖骨の骨折が判明しましたが、3週間のインターバルでほぼ回復に向かっており、インディアナポリスGP2連覇と通算3度目の優勝に期待が集まっています。

前戦アメリカGPで2位になり、念願の初表彰台に立ったステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)が、2戦連続表彰台と初優勝に挑みます。昨年の大会は、予選5番手から上位を狙いましたが、リアのトラクション不足に苦しんで6位という結果でした。今年は第7戦オランダGPで初フロントローを獲得。第9戦アメリカGPでは、ドイツ人として初めて、最高峰クラスのポールポジションを獲得し、決勝では2位と上り調子をアピールしているだけに、今大会はRepsol Honda Teamの両選手とともに、優勝への期待が膨らんでいます。

アルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)も調子を取り戻してきました。前戦アメリカGPでは、今季初のフロントロー獲得となる予選3番手。決勝ではバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)と激しい3位争いを繰り広げ、4位でフィニッシュしました。昨年のバウティスタは、インディアナポリスGPから調子を取り戻しました。今年は上り調子で得意のインディアナポリスGPを迎えるだけに、予選、決勝ともに、今季一番の走りが期待されます。CRTマシンで出場するチームメートのブライアン・スターリングは、今季2度目のポイント獲得を目指します。

チャンピオン争いをするRepsol Honda Teamの両選手に、上り調子のブラドルとバウティスタ。Honda勢には、インディアナポリスGP4連勝と、今季初の表彰台独占が期待されます。

し烈な戦いが続くMoto2クラスは、第8戦ドイツGPから1カ月間の夏休みを挟んでの、後半戦となります。前半戦を終えて総合首位のスコット・レディング(Marc VDS Racing Team)は、ここまで2勝を含む5度の表彰台登壇で143ポイントを獲得。インディアナポリスGPは、10年に3位となり、Moto2クラスでの初表彰台を獲得した、思い出深いサーキットだけに、今季3勝目を狙いたいところです。総合2位は、中盤戦に入って調子を上げているポル・エスパルガロ(Tuenti HP 40)で120ポイント。総合3位にはエステベ・ラバト(Tuenti HP 40)で88ポイント。ラバトにとっても、11年の大会でMoto2クラス初表彰台となった思い出のサーキットだけに、今季2勝目と4度目の表彰台を狙います。

以下、4位以下は大混戦。1レースごとに激しくポジションを入れ替えることになりそうです。中上貴晶(Italtrans Racing Team)は、第7戦オランダGPのウォームアップで左鎖骨を骨折して欠場。第8戦ドイツGPでは万全ではない状態で11位と苦しいレースとなりましたが、今大会はほぼ完治。今季2度目の表彰台と初優勝に闘志を燃やしています。高橋裕紀(IDEMITSU Honda Team Asia)は、前半戦はノーポイントでしたが、前戦ドイツGPでは後半戦につながる手応えを得ました。急きょ、出場が決まった鈴鹿8時間耐久ロードレースでは6位。2年連続表彰台獲得はなりませんでしたが、予選、決勝ともにすばらしい走りをみせた高橋には、後半戦での巻き返しが期待されます。

Moto3クラスは、3戦連続シングルフィニッシュのジャック・ミラー(Caretta Technology - RTG)が総合7位、開幕戦から8戦連続でポイント獲得のブラッド・バインダー(Ambrogio Racing)が総合8位。アレクシ・マスボー(Ongetta-Rivacold)が総合9位とHonda勢の3選手がトップ10以内につけており、後半戦は表彰台が期待されます。ルーキーの渡辺陽向(TASCA RACING)は、8戦を終えてノーポイントですが、後半戦はポイント獲得に全力で挑みます。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP ランキング1位)「リラックスでき、トレーニングの時間も取れたことで、いい夏休みになりました。サーキットへ戻るのがとても楽しみです。今年の夏休みは、MotoGPにチャレンジしたこの数カ月のことを振り返ることができました。自分のパフォーマンスやこれまで学んだことを考えるのに、とてもいい時間になりました。後半戦に向けて準備は整っています。インディアナポリスのサーキットは好きです。これまでは、常にグリップが問題になっていましたので、ブリヂストンタイヤではどんなフィーリングなのか、とても楽しみにしています。いつものように初日のフリー走行から、このサーキットにおけるマシンのいい感触を見つけられるようにがんばりたいです。夏休み明けのレースなので、いい結果を出したいです」

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング2位)「3週間の休みは、今の自分にとっては、とてもよかったです。どこにも行きたくなかったので、リラックスしてラグナセカでの疲れをとるようにしました。体調はとてもよくなりましたが、インディアナポリスで走ってみるまでは分かりません。シーズン前半はいろいろなことがありました。ここからの3レースはチャンピオンシップの行方を左右します。チームのみんなと会って、またマシンに乗るのが楽しみです。インディアナポリスはとても相性がいいのですが、難しい部分もあります。3種類のアスファルトがあるので、セットアップが複雑になります。特に雨が降ったときが大変です。天候に注意しながら、がんばりたいと思います」

ステファン・ブラドル(MotoGP ランキング6位)「ラグナセカでは2位でフィニッシュしました。初めて表彰台を獲得することができて、とてもうれしいレースでした。これからも、このような結果を出したいと思っています。そしてそれが今週末の目標になります。前戦のレースの結果は、今シーズン初めに抱えていたフロントの感触の問題がなくなったことを証明することができましたし、これからのレースに向けて大きな自信になりました。正直、夏休みを過ごすよりも、レースをやっていたい気持ちでした。昨年はMotoGPマシンでインディアナポリス・モータースピードウェイを走るのが初めてでした。予選では2列目グリッドを獲得できましたし、決勝も6位でした。このサーキットは僕のスタイルにかなり合っていると思います。ラグナセカに続いて、今回もアメリカ大会ですので、トップ3に入って表彰台に上がりたいと思っています」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP ランキング8位)「ラグナセカでいい結果を出せたので、ベストの状態になっていると確信しています。いいレースができましたし、週末を通してマシンの感触はすばらしいものでした。MotoGPクラスを走るようになってから、一番よかったかもしれません。一生懸命がんばってくれたチームに感謝したいです。最後に表彰台に立つチャンスもありましたし、いいレースができました。ラグナセカのあと、数日の休みがありましたので、何人かの友人とビーチへ行き、気分転換をしてきました。その何日かあとにはシーズン後半へ向けてトレーニングを再開、友人のコーリン・エドワーズのブートキャンプに参加しました。もう準備は整っています。3連戦が楽しみです。インディアナポリス・モータースピードウェイは変わったサーキットで、ほかの多くのサーキットと違って反時計回りです。路面の種類が3つあるので大変ですが、昨年は表彰台争いができました。前回のラグナセカはとてもいい週末でしたので、今回はもっといい結果が出せるように願っています。僕もチームもとても自信があります」

ブライアン・スターリング(MotoGP ランキング24位)「ラグナセカは期待していたよりもうまくいき、とてもうれしかったです。全体的にはいい週末でした。ドイツGPがよくなかったので、特にうれしかったです。インディアナポリスでは、また一歩前進できると確信しています。一見変わったサーキットですが、実際に自分の目で見るのが楽しみです。モチベーションは上がっています。夏休みは、バッテリーを充電するいい機会になりました。ラグナセカのあと、ガールフレンドと少しアメリカで過ごしました。とても楽しかったです。今はサーキットに戻る準備ができています。シーズン後半をいい形で過ごしたいです。大きく一歩前進するつもりです。チームの支えがあればできると思います」

スコット・レディング(Moto2 ランキング1位)「数週間の休みを終えて、今週末にインディアナポリスへ戻ることをとても楽しみにしています。夏休みはバイクに乗って過ごしました。マウンテンバイク、モトクロスバイク、そして数日間はテキサスでコーリン・エドワーズのブートキャンプに参加しました。しかし、これからはMoto2マシンに戻り、シーズン後半が始まります。精神的にもリフレッシュできましたし、リラックスしています。このサーキットはこれまで僕と相性がいいサーキットでしたので、どうなるか様子を見たいです。今シーズンの序盤のように、再びレースでトップにいなければなりません。今週末のインディアナポリスでいい結果を出して、シーズン後半の戦いに向けて弾みをつけたいと思っています」

ポル・エスパルガロ(Moto2 ランキング2位)「インディはとても好きなサーキットです。この4年間、毎年表彰台に上がってきました。2009年には、125ccクラスで初めて優勝しましたし、2011年には、Moto2で初めて表彰台を獲得しました。どうしてこのサーキットが好きなのかよく分かりませんが、アスファルトが変わった昨年は大変でした。しかし、インディアナポリスはとても楽しくレースができます。今年もがんばって多くのポイントを獲得したいです」

エステベ・ラバト(Moto2 ランキング3位)「ドイツGPでは、プラクティスで転倒して左足首を痛め、レースはとても大変でした。そして多くのポイントを失った、残念なレースでした。しかし、4週間の休みを経て、今は体調がとてもいいです。インディアナポリスではドイツGPの分もがんばって、ポルとスコットとのギャップを縮めたいです。または、ポルがスコットに近づけるようにサポートできればと思います。インディアナポリスは難しいサーキットで、路面のコンディションが場所によって違います。昨年はあまりよくありませんでしたが、今年は昨年とは全く違います。いいレースになることを願っています」

中上貴晶(Moto2 ランキング12位)「取材やイベントへの参加、そしてトレーニングなどで、あっという間の夏休みでした。しかし、オランダGPで骨折した左鎖骨はほぼ完治しているので、万全の体調で後半戦のスタートを切ることができます。昨年の大会は、タイム的にはそれほど悪くなかったのですが、決勝ではクラッチにトラブルが出て、ペースを落としてしまいました。インディアナポリスは、路面のグリップがあまりよくないので、セットアップがとても難しいサーキットです。今年は路面のコンディションにしっかりマシンを合わせて、予選、決勝といい走りがしたいです。ケガがちゃんと治っていないドイツGPは、我慢のレースでした。今回は初日からしっかりペースを上げていきたいと思っています」

高橋裕紀(Moto2 ノーポイント)「前半戦はポイントを獲得できませんでしたが、前半戦最後のドイツGPでの走りは、後半戦に向けて手応えを得ることができるものでした。セッティングの方向も分かりましたし、ドイツGPの状態のまま、インディアナポリスに挑みます。インディアナポリスは、過去、あまりいい結果を残せていませんが、嫌いなコースではないので、この上り調子を結果につなげたいと思います。急きょ、参戦することが決まった鈴鹿8耐では、気持ちよく走ることができました。2年連続の表彰台獲得はなりませんでしたが、自分が受け持った周回数やタイムなど、内容的には昨年よりよかったと思います。後半戦では、少しでも期待に応えていけるようにがんばります」

ジャック・ミラー(Moto3 ランキング7位)「8戦を終えてHonda勢でトップにつけています。これはとてもいいことですし、インディアナポリスでも全力で挑みたいと思っています。このサーキットはかなり滑りやすく、スライドをうまくコントロールしなければなりません。しかし、とても好きなサーキットです。長いホームストレートがあり、その前の低速セクションをどう走るかがカギを握ります。とにかく、後半戦のスタートとなる今大会が楽しみです」

ブラッド・バインダー(Moto3 ランキング8位)「長いストレートがいくつかあり、自然とギアのセッティングもロングになるので、今大会は厳しい戦いになると思います。しかし、このサーキットは好きなので、トップ10以内を目標に全力で挑みます。チームは夏休みの間、マシンを完ぺきなものにするために一生懸命がんばってくれました。今シーズンをトップ10以内で終えるためにも、ここからがんばらないといけません」

アレクシ・マスボー(Moto3 ランキング9位)「ドイツのサーキットはあまり好きではなかったので、今大会は、ドイツGPよりいいレースができると思っています。マシンの感触は悪くはないのですが、もう少しサスペンションをよくする必要があります。インディアナポリスは特別なサーキットです。長いストレートもありますが、全体的には、とても小さく、タイトで、あまりグリップがありません。このサーキットではいい結果を出せると思っていますが、トップ10以内を目標にがんばります」

渡辺陽向(Moto3 ノーポイント)「火曜日にサーキット入りして、水曜日にサーキットの下見をしました。アスファルトがパートで異なっていたり、縁石が鉄板だったりと、いままで経験したサーキットとは違う部分が印象的でした。しかし、苦手なコースレイアウトではないので、前戦ドイツGP以上にトップとのタイム差を縮めることができると思いました。夏休みはあっという間に終わりましたが、後半戦に向けていい状態を作ることができました。初日の走行が楽しみです」