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June 14/15/16 2013 MotoGP Gran Premi Aperol de Catalunya カタルニアGP

SCHEDULE

カタルニアGPプレビュー

第6戦カタルニアGPが、6月14日(金)から16日(日)までの3日間、スペイン・バルセロナ郊外のカタルニア・サーキットで開催されます。カタルニア・サーキットでグランプリが開催されるのは今年で18回目、1992年から95年までヨーロッパGPとして開催された期間を含めると通算22回目となります。

カタルニアGPプレビュー

現在、スペインでは、ヘレスのスペインGP、アラゴンのアラゴンGP、バレンシアのバレンシアGP、そしてバルセロナのカタルニアGPの4大会が行われています。スペインGPは、1951年にバルセロナのモンジュイック・サーキット(公道コース)で初めて開催されました。以後、55年まで5年連続でスペインGPが開催されましたが、そのあと、スペインGPは67年まで中断。そして、68年にモンジュイック・サーキットで復活、69年以降はマドリッド郊外のハラマ・サーキットとの隔年開催となり、公道コースのモンジュイックでは、8回目の開催となった72年を最後にグランプリの歴史に終止符が打たれました。

その後、バルセロナにはカタルニア・サーキットが建設されて、ヨーロッパGP、カタルニアGPが開催されていますが、Hondaにとってモンジュイックは、1961年の125ccクラスでトム・フィリスがグランプリ初優勝を達成した記念すべきサーキットになりました。以来、バルセロナはHondaにとって、グランプリの栄光の第一歩を踏み出した場所であり、2001年には、この年の開幕戦日本GP(鈴鹿サーキット)で達成した、Hondaのグランプリ通算500勝の祝賀会がバルセロナで行われました。

また、Repsol Honda Teamのダニ・ペドロサとマルク・マルケスは、ともにバルセロナ近郊の出身であり、スペインで開催される4大会の中では、最も応援団の多いホームGPとなります。

5戦を終えて2勝を含む4度の表彰台を獲得して総合首位のペドロサは、2003年に125ccクラスで優勝、05年に250ccクラスで優勝、最高峰クラスでは08年に優勝しています。以後、地元ファンの熱狂的な応援を受けながらカタルニアGPに挑んでいますが、09年はケガのために6位、10年は2位、11年はケガのために欠場、昨年の大会も2位と優勝を逃してきました。しかし、今年は体調も万全、マシンも最高の状態に仕上がっているだけに、5年ぶりのカタルニアGP制覇の期待が膨らんでいます。

チームメートで総合3位のマルケスも、今大会は地元ファンの熱烈な声援を受ける大会となります。第2戦アメリカズGPで達成した最高峰クラス史上最年少優勝記録樹立をはじめ、開幕から4戦連続表彰台に立つなど大活躍。前戦イタリアGPでは惜しくも転倒リタイアに終わりましたが、今大会は、最高峰クラス3度目のポールポジション(PP)獲得と2勝目が期待されています。マルケスは、カタルニアGPでは125cc時代の10年に優勝、Moto2クラスでは11年に2位、昨年の大会で3位と3年連続で表彰台に立っています。今大会は、チームメートで総合首位のペドロサとのPP争い、優勝争いが注目されます。

アルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)も、スペインGPに続き、今季2度目のホームGPとなります。前戦イタリアGPでは、スタート直後に他車と接触してリタイアに終わっているだけに、今大会はその雪辱に挑みます。昨年の大会では表彰台争いに加わって6位でフィニッシュ。この大会で調子をつかみ、次のイギリスGPで初PPを獲得しました。今年も、ここまで6位が最高位ですが、地元ファンの声援と相性のいいサーキットで大きなステップを刻む意気込みです。

前戦イタリアGPで今季ベストリザルトの4位でフィニッシュしたステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、念願の最高峰クラス初表彰台を狙います。MotoGPクラスのルーキーだった昨年の大会は、予選8番手で、決勝8位という結果でした。2年目の今年は、前戦イタリアGPでマシンのセットアップが大きく前進しているだけに気合満点。これまでの経験を生かしてベストリザルトに挑みます。カタルニアGPでは、Moto2時代の11年にポール・トゥ・ウインを飾っています。得意とするサーキットだけに、今大会の活躍が注目されます。

CRTマシンで出場するブライアン・スターリング(GO & FUN Honda Gresini)は、初めて経験するサーキットが続いています。前戦イタリアGPでは18位でフィニッシュ。今大会は初ポイント獲得を目標に全力で挑みます。

激しい戦いが繰り広げられるMoto2クラスは、5戦を終えて2勝を含む4度の表彰台に立っているスコット・レディング(Marc VDS Racing Team)が101点を獲得して、2位以下を大きく引き離しています。今年は第2戦アメリカズGPで初PPを獲得、第4戦フランスGPで初優勝、第5戦イタリアGPで2勝目と勢いに乗っているだけに、今大会は3連勝を狙います。

以下、ニコラス・テロール(Aspar Team Moto2)、ミカ・カリオ(Marc VDS Racing Team)、エステベ・ラバト(Tuenti HP 40)、ポル・エスパルガロ(Tuenti HP 40)、ドミニク・エージャーター(Technomag carXpert)が50点台で激しい2位争いを繰り広げています。今大会は、ホームGPを迎えるテロール、ラバト、エスパルガロの走りに注目されます。また、開幕から5戦連続フロントロー獲得の中上貴晶(Italtrans Racing Team)も得意のサーキットに気合十分で、今季2度目の表彰台が期待されます。高橋裕紀(IDEMITSU Honda Team Asia)は、今季初ポイント獲得を狙います。

Moto3クラスは、5戦を終えて総合6位のブラッド・バインダー(Ambrogio Racing)が第3戦スペインGPの4位以上を目標に戦います。総合10位のアレクシ・マスボー(Ongetta-Rivacold)も昨年の大会では5位でフィニッシュ。今大会は第2戦アメリカズGPの8位を上回る今季ベストリザルトを狙います。ルーキーの渡辺陽向(TASCA RACING)は、スペイン選手権時代にカタルニア・サーキットを経験しています。その経験を生かして、グランプリ初ポイント獲得を目標に戦います。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング1位)「ムジェロは難しい週末になりましたが、最終的に2位でフィニッシュして20ポイントを獲得することができました。イタリアから戻ってからは、少し休むことができ、チャンピオンシップをリードしてホームグランプリのカタルニアGPに挑むことになります。このサーキットは、タイヤのエッジを使って走る長い右コーナーがあります。そのため、タイヤのフィーリングが重要になってきます。全体的にはいいサーキットだと思いますし、僕にとっては特別なグランプリになります。家族や大勢の友人が僕をサポートしに来てくれますし、ファンのサポートも最高です。天気がよくなることを願っています。そして、今回はグランプリ200戦目を迎えます。僕にとっても、皆のためにもいいレースにしたいと思っています」

マルク・マルケス(MotoGP ランキング3位)「ムジェロで転倒してしまいましたので、今はモンメロのホームグランプリが早く始まらないかと思っています。先週、医者に診てもらい、ケガは複雑なものではないと分かったので安心しました。順調に回復していますし、再び100%に向かっています。バルセロナでは本当にいい天気になることを願っています。そうすれば、フリープラクティスを最大限に活用できると思います。このサーキットもまた、ほかのライダーの方が僕よりも経験があります。きっと彼らは手ごわいでしょう。しかし、自分のプランに沿って一生懸命取り組み、ベストを尽くします」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP ランキング8位)「ムジェロでのバレンティーノ(ロッシ、ヤマハ)との接触は後味の悪いものになりました。GO & FUN Honda Gresiniのホームレースでしたので、いい結果を出したいと心から思っていましたからね。レースウイークを通していい感触もありました。残念ながら、こうしたことはレースではときどき起こります。思いがけない出来事と向き合わなければなりません。大事なことは、ケガがなかったことです。今大会は、僕にとってはホームレースです。ファンのサポートがありますし、相性もいいサーキットです。これまでも、いい結果を残してきました。昨年は、マシンの感触がすばらしくよかったのですが、わずかの差で表彰台を逃してしまったのを覚えています。今年は前進していますので、もっといい仕事ができると思います。僕もチームもモチベーションは上がっています。日曜日にはトップグループで走りたいです」

ステファン・ブラドル(MotoGP ランキング9位)「ムジェロのイタリアGPは、最終コーナーまでの(アンドレア)ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)とし烈なバトルになり、とても楽しかったです。今回の目標は昨年の結果を上回ることです。このサーキットはとてもよく知っていますし、僕にとっては大事なサーキットの一つです。高速コーナーがあり、その一方でハードブレーキングエリアがあまりないレイアウトが大好きです」

ブライアン・スターリング(MotoGP ノーポイント) 「ムジェロではかなり苦戦しましたが、それ以来、カタルニアのことを一生懸命考えてきました。コースに出るのがとても楽しみです。僕を助けるために一生懸命がんばってくれているチームの皆のためにも、ここではいい結果を出したいです。彼らがいなかったら、MotoGPへステップアップしても、もっと大変だったと思います。彼らのためにも結果を出したいです」

スコット・レディング(Moto2 ランキング1位)「今回のレースはいつもとは少し違います。スペインなので、テロールやラバト、そしてエスパルガロにとってはホームレースになります。彼らの後ろには大勢のファンがいますので、彼らは強いレースをすると思います。しかし、チャンピオンシップでは、大きなリードがありますので、そのリードをキープしたいと思います。そのためには、冷静にレースをしなければなりません。面倒なことに巻き込まれないように、なるべくたくさんのポイントを稼がなければなりません」

ニコラス・テロール(Moto2 ランキング2位)「カタルニアは、ほかのスペインのレースと同様に特別な場所です。モンメロにはいろいろな思い出があります。すばらしい結果を出したこともあれば、数年前にケガで苦しんだこともあります。それでもカタルニアでレースをするのは大好きです。流れるようなコーナーが続くので、全力で走らなければなりません。僕の好きなタイプのサーキットです。前戦イタリアGPでは2位でしたし、いい流れで今大会を迎えることができます。マシンのセットアップはとてもいいです。チームはすばらしい仕事をしています。きっといい結果を出せると思います。目標は金曜日からプッシュしてトップグループに加わることです。今は調子がいいので、この状態をキープしたいですね」

ミカ・カリオ(Moto2 ランキング3位)「ムジェロでは5位フィニッシュしましたが、マシンのフィーリングにはあまり満足できませんでした。バルセロナで表彰台にチャレンジするためには、いいフィーリングを取り戻さなければなりません。今やらなければならないのは、最初のプラクティスからトップグループに加わることです。ポイント争いをする選手たちの多くは、今大会がホームグランプリになるので一生懸命プッシュしてくると思います。僕もがんばらなければなりません。Moto2初優勝に向けて引き続きがんばります」

中上貴晶(Moto2 ランキング10位) 「カタルニア・サーキットは、スペインGPのヘレス同様にスペイン選手権時代に走っているコースです。難しいレイアウトですが好きなコースですので、いい結果を残したいです。昨年の大会では追い上げのレースで6位でした。フランス、イタリアと2戦連続で転倒していますので、今大会はしっかりと結果を残さなければと思います。今週末は天気もよさそうなので、しっかりとセットアップを進めて、チャンスがあれば優勝を狙っていくつもりです」

高橋裕紀(Moto2 ノーポイント)「なかなか結果にはつながりませんが、確実に前進しています。前戦イタリアGPでは、いろいろなデータを得ることができましたし、レース後のテストでも、いろいろなことにトライしました。カタルニアは、優勝したことのあるサーキットですので、今季ベストを狙っていきたいと思っています」

ブラッド・バインダー(Moto3 ランキング6位)「カタルニアへ向けて自信はとてもあります。このサーキットではきっといい結果が出せると思います。ここのコースレイアウトは僕のSUTER Hondaによく合っていると思いますし、トップ5を狙っていきます」

アレクシ・マスボー(Moto3 ランキング10位) 「前戦イタリアGPではトップ10に入れず残念でしたので、今大会はトップ10を目標に挑みます。カタルニアは好きなサーキットです。昨年は5位でフィニッシュし、すばらしい結果を出せました。長いホームストレートでは、スリップの使い合いになっていろいろ難しいと思いますが、今回もいい結果を出したいです」

ジャック・ミラー(Moto3 ランキング12位)「カタルニアは大好きなサーキットです。ロングコーナーではスピードを維持しなければなりません。しかし、FTR Hondaとはきっと相性がいいと思いますので楽しみにしています。昨年の大会では、初めてポイントを獲得しました。今回のレースがとても楽しみです」

渡辺陽向(Moto3 ノーポイント) 「カタルニアは、スペイン選手権時代に走っているコースですので、今大会は初日からペースを上げていきたいと思っています。スペイン選手権ではトップグループに加わってレースができましたし、いい印象のサーキットです。スペイン選手権時代とはマシンが違いますが、楽しみにしています」