ペドロサ4番手とまずまずのスタート
デ・アンジェリス、デ・ピュニエ、ドヴィツィオーゾがトップ10で初日を終える

2009年5月29日(金)
1日目フリー走行
会場:ムジェロ・サーキット
天候:晴れ
気温:30℃
コースコンディション:ドライ

第5戦イタリアGPの1日目は、好天に恵まれた。最高気温は30℃を記録し、今季最も暑い中でフリー走行が行われた。トップタイムをマークしたのはホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)。以下、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、ケーシー・ストーナー(ドゥカティ)と続き、4番手のダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)までが1秒差以内の接戦。今季表彰台を争ってきた4選手が順当にトップ4につけた。

以下、地元大会に燃えるアレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)が6番手、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)8番手、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)9番手と、トップ10に4台のHonda勢が名前を連ねた。トニー・エリアス(Team San Carlo Honda Gresini)は12番手。高橋裕紀(Scot Racing Team MotoGP)は16番手だった。

前戦フランスGPで今季初PPを獲得したペドロサは、今大会も順調にセットアップを進めた。ラップタイムでは4番手となったが、最高速ではムジェロの最高速記録となる時速349.3kmをマーク。セッション中のアベレージでも時速345.2kmというすばらしい速さを披露。トップタイムは逃したが、2日目に向けてセッティングの方向性が見えているだけに、2戦連続PPへの期待が膨らんだ。

6番手につけたデ・アンジェリスも好調なスタートを切った。MotoGPクラスでデビューを飾った昨年も、このサーキットでは、シーズンベストリザルトとなる4位でチェッカーを受けている。今年も好調なスタートとなり、念願のMotoGP初表彰台に向けて大きく前進した。

デ・ピュニエも8番手とまずまずのスタートを切った。ホームGPとなった前戦フランスGPは14位と不完全燃焼に終わった。今大会はその雪辱を果たす大会となる。

前戦フランスGPで表彰台まであと一歩の4位でチェッカーを受けたドヴィツィオーゾは9番手。この日はセッティングを詰めきれなかったが、地元ファンの声援に気合も満点。地元大会で今季初表彰台を狙っているだけに、2日目からの巻き返しが期待される。

エリアスは12番手。セットアップは順調に進んだが、クリアラップが取れなかったことでトップ10入りを逃した。チームの地元大会に気合を入れる高橋は16番手。セッション序盤は好調な走りを見せたが、セッティングに時間を取られたことで、不完全燃焼の一日となった。しかし、2日目に向けてHonda勢の6選手全員が手応えをアピール。2日目のタイム短縮が注目される。

250ccクラスは、アルバロ・バウティスタ(アプリリア)がトップタイム。総合ポイントでバウティスタを1点差で追う青山博一(Scot Racing Team 250cc)が2番手。チームメートのラファエレ・デ・ロサが5番手。ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)は7番手。前戦フランスGPで2位表彰台に立ったヘクトル・ファウベル(VALENCIA C.F. HONDA SAG)が10番手と、トップ10に4台のRS250RW勢が名前を連ねた。ルーキーの富沢祥也(CIP Moto-GP250)は、初めてのコースで17番手。2日目のポジションアップが期待される。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 4番手)

「今日はドライコンディションで走ることができてよかった。ル・マンは天候が不安定だったし、今日のように完全なドライで1時間を走れなかったからね。今日はすばらしいコンディションで走れたし、ラップタイムも悪くなかった。しかし、コーナーの進入が決まらず、フィーリングもそれほどよくはなかった。まだ完ぺきな状態ではない。トップグループとタイム差もあるので、明日はそのギャップを埋めたい。最高速はあまり気にしたことはないが、今日はタイミングスクリーンを見るまで自分が最高速をマークしているとは思わなかった。最高速より大事なのはラップタイム。明日はレースに向けてセットアップを決めたい」

アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 6番手)

「これまで抱えていた課題が、このサーキットではそれほど大きな問題にならず、初日から好調だった。ムジェロは、ハイスピードコーナーが続く。前回のル・マンのようなストップ&ゴーのサーキットではないからね。去年もここではいいレースができた。今年も順調にスタートが切れてよかった。明日もドライコンディションになってほしい。決勝に向けて、さらにセットアップを進めたい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 9番手)

「ムジェロは自分にとって特別なサーキットだし、ここで走れることはすばらしいことだ。ムジェロは難しくて魅力的なコースだが、それを今日は改めて感じた。ここは体力的に厳しく消耗も激しい。速く走るためにはいいリズムで走ることが求められる。今日はハンドリングが完ぺきではなく、切り返しがうまくいかなかった。しかし、明日に向けての方向性が見えているし、心配はしていない。明日は完全な状態に仕上げたい」

高橋裕紀(MotoGP 16番手)

「走り出しはよかったのだが、スローコーナーでこれまでと同じ問題点が出て、その解消のために違うセッティングを試していた。セッション終盤にはハードタイヤのテストもして、あっという間に1時間が終わった。今日はセットアップをまとめきれなかったが、今日できなかったことを2日目に試してみたい。明日は朝のフリー走行からペースを上げて、いいリズムで走りたい」

山野一彦|Repsol Honda Team 監督

「ダニ、アンドレアともに、フリー走行を終えて2日目の方向性が見えてきた。今日はセッティングをしている段階だったが、ライバル勢のアベレージが速かったので、2日目は相当にがんばらないといけない。しかし、ライダーもバイクの状態も悪くないし、大きな問題もなかった。明日はマシンのセットアップをきっちりと決めて、2人とも、いいレースができるように仕上げたい」

青山博一(250cc 2番手)

「初日のフリー走行で自己ベストを更新することができた。フィーリングも悪くなかったし、走り出しとしては悪くなかった。今日はブレーキングはよかったが、コーナリングのバランスは、アプリリア勢の方がいいように感じた。現状のいい部分を残し、明日は、今日の課題をクリアしたい。今日は気温が高くて今年になって一番の暑さだった」

富沢祥也(250cc 17番手)

「これまで経験したサーキットに比べると、格段に体力を必要とするコースだった。高速コーナーが多く、ハイスピードで切り返すポイントが多かった。他のサーキットに比べて今日はすごく疲労感があった。バイクのフィーリングは悪くない。初めてのコースなのでまだまだ詰められるポイントも多いし、2日目が楽しみだ」

1日目総合リザルト

MotoGP

順位 No. ライダー マシン タイム/差
199J.ロレンソヤマハ1:49.870
246V.ロッシヤマハ+0.195
327C.ストーナードゥカティ+0.274
43ダニ・ペドロサHonda+0.938
55C.エドワーズヤマハ+1.021
615アレックス・デ・アンジェリスHonda+1.028
765L.カピロッシスズキ+1.137
814ランディ・デ・ピュニエHonda+1.160
94アンドレア・ドヴィツィオーゾHonda+1.336
1033M.メランドリカワサキ+1.489
1152J.トーズランドヤマハ+1.531
1224トニー・エリアスHonda+1.953
137C.バーミューレンスズキ+2.124
1488N.カネパドゥカティ+2.449
1569N.ヘイデンドゥカティ+2.533
1672高橋裕紀Honda+2.737
1736M.カリオドゥカティ+2.749

250cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
119A.バウティスタアプリリア1:53.814
24青山博一Honda+0.244
340H.バルベラアプリリア+0.458
46A.デボンアプリリア+0.560
535ラファエレ・デ・ロサHonda+0.770
617K.アブラハムアプリリア+0.847
714ラタパーク・ウィライローHonda+0.898
858M.シモンセリジレラ+1.031
975M.パシーニアプリリア+1.306
1055ヘクトル・ファウベルHonda+1.628
1748富沢祥也Honda+3.428
1953V.ドゥビーズHonda+5.838
DNQ8バスティン・シェゾーHonda+8.176

125cc

順位 No. ライダー マシン タイム/差
160J.シモンアプリリア1:59.437
233S.ガデアアプリリア+0.284
329A.イアンノーネアプリリア+0.317
438B.スミスアプリリア+0.425
518N.テロールアプリリア+0.535
617S.ブラドルアプリリア+1.110
711S.コルテセデルビ+1.209
812E.ラバトアプリリア+1.294
945S.レディングアプリリア+1.298
1032L.サバドーリアプリリア+1.439