2日連続で青空が広がったヘレス。最高気温も2日連続で26℃まで上昇した。午後は強風が吹き荒れたが、ハイレベルな接戦が繰り広げられた。PPを獲得したのはホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)。そのロレンソと何度もトップの座を入れ替えたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が2番手。ケーシー・ストーナー(ドゥカティ)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、ランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)、ロリス・カピロッシ(スズキ)、コーリン・エドワーズ(ヤマハ)と続き、ここまでがトップから1秒差以内。8番手にアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)。9番手にトニー・エリアス(Team San Carlo Honda Gresini)とトップ10に4台のHonda勢が名前を連ねた。以下、高橋裕紀(Scot Racing Team MotoGP)13番手。アレックス・デ・アンジェリス(Team San Carlo Honda Gresini)15番手という結果だった。
今季初のフロントローとなる2番手を獲得したペドロサは、10番手に終わった初日のフリー走行とうって変わって、見違えるような快速ラップを刻んだ。午前中のフリー走行で一気に首位に躍り出ると、午後の予選でもロレンソとし烈なPP争いを繰り広げた。最終的に、0.051秒及ばず2番手に終わったが、スペインGP2連覇に向けて絶好のグリッドを獲得した。前戦日本GPは予選11番手から3位表彰台とすばらしい追い上げを見せた。ウインターテストで負傷した左ヒザの状態は完調にはほど遠いが、今大会はフロントローから地元ファンの声援に応える意気込みだ。
デ・ピュニエも快調にラップを刻んだ。午前中のフリー走行、午後の予選でセットアップが進み、強風が吹き荒れる中で今季ベストグリッドとなる5番手につけた。開幕戦カタールGPで10位、第2戦日本GPでは11位と、今年は得意のはずの予選での不調が響き、厳しい戦いを強いられてきたが、今大会は2列目を確保。決勝でも6位以内を目標に戦う。初日5番手とまずまずのスタートを切ったドヴィツィオーゾは、アタックが不完全燃焼に終わり8番手へとポジションを落とした。しかし、アベレージでは上位を狙える仕上がり。チームメートのペドロサとともに表彰台を狙う。
初日15番手に沈んだエリアスが、地元ファンの声援を受けて9番手に浮上した。完ぺきな仕上がりにはほど遠いが、今季ベストリザルトに闘志満々。前戦日本GPに続き予選13番手につけた高橋も、シングルフィニッシュを目標に全力を尽くす構えだ。初日13番手のデ・アンジェリスは予選で転倒を喫し15番手に沈んだが、エリアス、高橋とともに、追い上げのレースに挑む。
250ccクラスは、アレックス・デボン(アプリリア)がPPを獲得。初日2番手と好調なスタートを切った青山博一(Scot Racing Team 250cc)は、アタックが不完全燃焼に終わり6番手へとポジションを落とした。しかし、トップから9番手までが1秒差以内の接戦。決勝に向けて安定したラップを刻んでいるだけに、今季初優勝への期待が膨らむ。以下、Honda勢は、地元の声援を受けるヘクトル・ファウベル(VALENCIA C.F. HONDA SAG)が9番手。ラファエレ・デ・ロサ(Scot Racing Team 250cc)12番手。ラタパーク・ウィライロー(Thai Honda PTT SAG)13番手。富沢祥也(CIP Moto-GP250)17番手だった。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | 99 | J.ロレンソ | ヤマハ | 1:38.933 |
2 | 3 | ダニ・ペドロサ | Honda | +0.051 |
3 | 27 | C.ストーナー | ドゥカティ | +0.482 |
4 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +0.709 |
5 | 14 | ランディ・デ・ピュニエ | Honda | +0.873 |
6 | 65 | L.カピロッシ | スズキ | +0.929 |
7 | 5 | C.エドワーズ | ヤマハ | +0.993 |
8 | 4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | Honda | +1.033 |
9 | 24 | トニー・エリアス | Honda | +1.179 |
10 | 7 | C.バーミューレン | スズキ | +1.252 |
11 | 33 | M.メランドリ | カワサキ | +1.448 |
12 | 59 | S.ジベルノー | ドゥカティ | +1.507 |
13 | 72 | 高橋裕紀 | Honda | +1.666 |
14 | 52 | J.トーズランド | ヤマハ | +1.737 |
15 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | Honda | +1.863 |
16 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +2.020 |
17 | 36 | M.カリオ | ドゥカティ | +2.305 |
18 | 88 | N.カネパ | ドゥカティ | +2.320 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | 6 | A.デボン | アプリリア | 1:43.028 |
2 | 40 | H.バルベラ | アプリリア | +0.289 |
3 | 58 | M.シモンセリ | ジレラ | +0.348 |
4 | 19 | A.バウティスタ | アプリリア | +0.423 |
5 | 16 | J.クルーゼル | アプリリア | +0.493 |
6 | 4 | 青山博一 | Honda | +0.563 |
7 | 63 | M.ディ・ミリオ | アプリリア | +0.764 |
8 | 12 | T.ルティ | アプリリア | +0.836 |
9 | 55 | ヘクトル・ファウベル | Honda | +0.863 |
10 | 28 | G.タルマクシ | アプリリア | +1.030 |
12 | 35 | ラファエレ・デ・ロサ | Honda | +1.456 |
13 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | Honda | +1.487 |
17 | 48 | 富沢祥也 | Honda | +2.724 |
22 | 8 | バスティン・シェゾー | Honda | +4.795 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | 60 | J.シモン | アプリリア | 1:48.237 |
2 | 38 | B.スミス | アプリリア | +0.197 |
3 | 29 | A.イアンノーネ | アプリリア | +0.282 |
4 | 93 | M.マルケス | KTM | +0.694 |
5 | 33 | S.ガデア | アプリリア | +0.718 |
6 | 77 | D.エジャーター | デルビ | +1.000 |
7 | 45 | S.レディング | アプリリア | +1.073 |
8 | 99 | D.ウェッブ | アプリリア | +1.116 |
9 | 11 | S.コルテセ | デルビ | +1.125 |
10 | 44 | P.エスパルガロ | デルビ | +1.163 |
コメント
ダニ・ペドロサ(MotoGP 2番手)
「昨日から大きなステップを刻んだ。フロントローも獲得できた。ホームGPでこうしてフロントローに並べてうれしい。満足のいく一日だった。午後の予選では安定したラップを刻めた。風が強かったことでペースをキープするのは大変だったが、決勝に向けていい仕上がりだと思う。まだ改善したい部分はあるけれど、昨日から今日にかけて大きく前進することができた。明日は大事な一戦。大勢のファンが応援してくれているので、いい結果を残したい。前回のもてぎのようなスタートを切りたい」
ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP 5番手)
「エンジンのセッティングが進み、満足のいくセッションとなった。ベストタイムはソフトタイヤで出したが、今日は風が強く難しかった。完ぺきなラップをこなすのが大変だった。風の影響で何度もミスをした。しかし、2列目に並べて本当にうれしい。チームがいい仕事をしてくれた。決勝はトップ6を目指したい。バイクの仕上がりはいいし、チャンスはあると思う」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 8番手)
「午前中のフリーで試したセッティングを午後の予選で確認したかったのだが、強風のために確認することができなかった。3列目に終わったのは残念だが、レースに向けてペースを改善することができたのはうれしい。予選でアタックしているときに転びそうになった。その問題を改善して決勝に挑みたい。とにかく明日はいいスタートを切らなければならない」
トニー・エリアス(MotoGP 9番手)
「3列目なので、いいスタートを切らなければならない。午後の予選は大勢のグループの中でいいファイトができたと思う。カタール、もてぎとバイクのセットアップは確実に前進しているが、それを結果につなげられていない。今回は自分にとっても、チームにとっても重要なレース。大勢のファンの声援は大きな力になるし、今季ベストリザルトを狙いたい」
高橋裕紀(MotoGP 13番手)
「昨日はブレーキディスクの温度が上がらないという問題を抱えていたが、今日はいつものディスクに戻して、いつものフィーリングで走れるようになった。フロントのセッティングも硬めにしてリアの車高を上げるなど細かなセッティングをしたことで、かなり乗りやすくなった。今日の予選セッションは、開幕戦からここまでの中で、もっとも充実した走りができた。明日はシングルフィニッシュを目標にベストを尽くしたい」
アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP 15番手)
「転倒したことで15番手に終わってしまった。本当にがっかりしている。午後のセッションは、風が強くて、特に最終コーナーは風の影響を受けて難しかった。5列目からのスタートになるので厳しい戦いになると思うが、ベストを尽くしたい」
山野一彦|Repsol Honda Team 監督
「まだトップとのギャップはあるが、ダニのがんばりでフロントローに並ぶことができた。今日はロングランもきっちりこなし、最後にアタックするという理想の形でセッションをこなすことができた。徐々にバイクのセッティングが決まってきていることをうかがわせてくれた。決勝は厳しい戦いになることは間違いないので、力をフルに発揮したい。ドヴィツィオーゾも順調にセットアップを進めたが、セッション中に転倒しそうになったこともあり、8番手に終わった。3列目から決勝に挑むことになったが、スタートがうまくいけば上位を狙えると思う。カタール、もてぎと、ライダーとスタッフのモチベーションは高まっている。ここはファンの声援も大きいので好成績を収められるように全力を尽くしたい」
青山博一(250cc 6番手)
「セッション序盤はフィーリングもよく、順調にセットアップを進めたが、タイムを出そうとした終盤は、どういうわけかフィーリングが悪くなってペースが上がらなかった。クリアラップを取れなかったこともある。風が強くてコンディションが変わってしまったのかも知れない。6番手に終わり、すごく悔しい。明日はいいスタートを切って、積極的に前に出てレースを組み立てていきたい」
富沢祥也(250cc 17番手)
「昨日から今日にかけてリアサスのセッティングをソフト方向に振った。結果的にそれがよくなくて、思うようにタイムを伸ばせなかった。アクセルを開けるとアウトにはらみ、ブレーキングでもはらんでしまった。目標の44秒台にも届かなかったし、残念だった。決勝はひとつでも前でチェッカーを受けたい。日本GPが10位だったので、それ以上の結果を残せたらうれしい」