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ダニ・ペドロサ

2013年3月5日(火)

セパン・2013年ポストシーズンテストレポート2

ダニ・ペドロサ マルク・マルケス ダニ・ペドロサ マルク・マルケス アルバロ・バウティスタ ステファン・ブラドル ブライアン・スターリング

MotoGPクラスの今季2回目の公式テストが、2月26日(火)から28日(木)までの3日間、マレーシアのセパン・サーキットで行われました。2月上旬に同地で行われた初テストから3週間のインターバルを経て、1回目のテストで得たデータをもとに、Repsol Honda Teamのダニ・ペドロサとマルク・マルケス、LCR Honda MotoGPのステファン・ブラドル、GO & FUN Honda Gresiniのアルバロ・バウティスタは、引き続き2013年型RC213Vのセットアップに集中しました。

前回のテストで3日連続のトップタイムをマークし、念願のタイトル獲得に向けて好調なスタートを切ったペドロサは、今回のテストでも好調を維持しました。初日は滑りやすい路面コンディションのため、全体的にタイムが伸びず、ペドロサも思うようにタイムを更新することができませんでしたが、それでも、この日のベストタイムとなる2分01秒580をマークし、前回のテストから4日連続でトップをキープしました。

初日は午後からスコールとなり、ペドロサは予定していたテストメニューを消化することができず、2日目に持ち越すことになりました。2日目は快晴に恵まれたことで、サスペンションと電子制御のテストに集中でき、2分00秒651の2番手タイムで終了。最終日の3日目は、2分00秒562で再びトップタイムをマークしました。ペドロサは、前回も合わせた6日間のテストで、5度のトップタイムをマークするすばらしい内容で、セパンテストを終了しました。

MotoGPクラスではルーキーのマルケスも、さまざまな経験を積みました。今回は3日間ともに30℃を超える暑さとなり、路面温度も50℃を超える厳しい条件でした。その中でマルケスは、初日は2分01秒942で3番手、2日目は2分00秒992で4番手、3日目は2分00秒643をマークして2番手。最終日のタイムはMotoGPクラスにデビューしてからのベストリザルトであり、最高にうれしい結果で締めくくりました。今回のテストも前回と同様、マシンのセットアップの違いを学ぶことからスタートし、最終日には、3日間で最も気に入ったセッティングにしてベストタイムを刻むなど、ライダーとしての成長を感じさせました。

今季1回目のテストで、Showaのサスペンション、Nissinのブレーキテストなど、多くの仕事をこなしたGO & FUN Honda Gresiniのバウティスタは、今回も車体のセッティングに集中。2日目、3日目と日を追うごとに大きく前進していきました。今回のテストでは、いいセッティングの方向性を見つけるだけでなく、データが充実してきたことで、セットアップの時間が大幅に短縮しました。初日は滑りやすい路面に苦戦し、2分02秒362で7番手でしたが、2日目は1秒以上タイムを短縮し、2分01秒208で6番手へ。最終日は、2分01秒078で5番手と、着実にポジションを上げました。2回目の公式テストは、気象条件が厳しく、滑りやすいコンディションのために、思うようにタイムが伸びませんでしたが、バウティスタは前回のベストタイムを更新し、手応えのある公式テストとなりました。

LCR Honda MotoGPのブラドルは、アベレージを上げることに取り組み、レースセッティングに多くの時間を割きました。ウエットコンディションでも意欲的に走り込み、手応えを感じられるテストになりました。昨シーズンは予選の好感触を決勝レースに生かすことがなかなかできず、表彰台を逃すことがありましたが、そのウイークポイントの克服に向けて、今回のテストでは一歩前進。今シーズンの活躍にますます期待が膨らみました。Repsol Honda Teamのマルケスとは、2011年シーズンのMoto2クラスでし烈なチャンピオン争いを繰り広げました。Repsol Honda Teamにライバルが加入したことで、モチベーションの高いシーズンになっています。

GO & FUN Honda GresiniからCRTマシンで出場するブライアン・スターリングは、3日間を通じて走り込みに時間を割き、ベストタイムだけでなく、アベレージでも大きく前進することに成功しました。

ダニ・ペドロサ (2分00秒562 総合2番手)
「今回のテストは、全体的にポジティブでした。初日は、前回から引き続き、いろいろなテストに取り組みました。その中でも、サスペンションのセットアップに集中し、電子制御にも取り組みました。テストが始まる前の数日は雨が続いていたようで、路面が汚れていて、100%の状態ではありませんでした。しかし、まずまず順調にメニューを消化することができました。2日目はフロントとリアのサスペンションのテストに集中し、多くの周回をすることができました。気温が高くハードな一日でしたが、その暑さの中で予定されていたさまざまなタスクをこなすことができました。最終日は、午前中の短い時間でしたが、ウエットコンディションのセットアップを試すことができました。ドライコンディションになった午後は、サスペンションのセッティングに引き続き取り組みました。前回と今回の合計6日間のテストは、予定通りにテストプログラムをこなせましたし、着実に前進することができました。次回アメリカのオースティンでのテストは、初めて走るサーキットなので楽しみです。チームや自分にとって興味深いものになると思っています」

マルク・マルケス (2分00秒643 総合3番手)
「3日間を振り返れば、とてもポジティブでしたし、全体的に収穫の多いテストとなりました。初日は路面がとても滑りやすく、タイムを出せませんでした。しかし、今は経験を増やすことが最も大事ですので、夕方のウエットコンディションを一周でも多く走るようにしました。2日目は、かなりいい一日でした。異なるセットアップを次々に試しました。大変な作業でしたが、これから先、セットアップの方向性を決めなくてはいけないときに、今回のテストのデータが重要になるはずです。2日目は64周走りました。最終日は、午前中のウエットと午後のドライでそれぞれ1度ずつ転びましたが、フィーリングはとてもよかったです。特に電子制御とマシンのセットアップに取り組みました。最後には、この3日間で一番よかったセットアップでアタックをして、3日間のベストタイムを出すことができました。2日目、3日目は気持ちよく走れましたし、ポジティブなフィーリングで終われたのがうれしいです。次のオースティンは初めて走るサーキットなので楽しみです」

アルバロ・バウティスタ (2分01秒078 総合6番手)
「今年2度目のテストとなりましたが、最終日をいい形で終われて、とてもうれしいです。正直、今日ほどうまくいったことはありません。今後に向けて非常に役立つ、ポジティブなテストでした。これで開幕戦に向けて戦える武器ができたと思います。ですがそれより重要なのは、短い時間でセットアップをできるようになったことですね。今回のテストは、2日目にポジティブな予感がしました。技術的にもすばらしい解決策も見つけました。ベストタイムもレースペースもよく、最終日には、それをはっきりと数字にすることができました。今日はとても楽しく走ることができましたし、次のテストがとても楽しみです。前回のテストを終えたあと、早くこのサーキットに戻りたいと感じていました。それだけに、本当にうれしい3日間になりました。初日の午後と最終日の午前はウエットコンディションでしたが、そこでも貴重なデータを得ることができてうれしいです」

ステファン・ブラドル (2分01秒309 総合7番手)
「3日間を通して、実りのあるテストとなりました。タイムは、あとコンマ数秒縮めなければなりませんが、それでも新しいマシンのセットアップは順調に進んでいます。最終日はおもしろいフロントサスペンションのセッティングを見つけられて、おかげでフロントのフィーリングが向上しました。新しいトラクションコントロールの効果もあって、全体的にコーナーの出口がよくなりました。初日の路面コンディションが前回のテストに比べるとひどく、路面が滑りやすかったので、なかなか攻められませんでした。しかし、ブレーキングシステムやジオメトリーのセッティングを試すためにたくさん周回することができましたし、夕方のウエットコンディションもかなりポジティブでした。今回、全体的には天気がよく、順調にテストプログラムを消化することができました。主にレースのセットアップに集中し、全体的にいいラップタイムを刻むことができました。今はまだ満足できるペースではありませんが、今回のテストの一番の目標はマシンのセットアップだったので、そういう意味ではいいテストになりました。次回はテキサスの新しいサーキットを走りますが、引き続きマシンを詰めていくのが楽しみです」

ブライアン・スターリング (2分05秒313 総合28番手)
「今回も重要なテストとなりました。さらに自信を持って走れるようになったと思いますし、MotoGPマシンの乗り方について多くを学ぶことができました。また、チームの仕事についても理解できるようになりましたし、コミュケーションもよくなりました。近い将来もっと大きな一歩を踏み出せるでしょうし、もっと大きな満足感を得られるようになると思います。3日間を通じて天候に恵まれました。一日を通じてドライコンディションだった2日目は、特に疲れました。MotoGPで戦うのに必要な体力が、まだまだ不足していることを痛感しました。それでも、そうした状況でラップタイムが安定するようになったことがうれしいです」