Round06フランスフランス

Xトライアル 決勝

2018.03.17(土)

アコー・ホテルズ・アリーナ

手負いのトニー・ボウ、タイトル奪取

Xトライアル第6戦は、フランスの首都、花の都パリでの開催となりました。終盤を迎えて、ランキング争いも佳境ですが、ここでの最大のトピックは、22回の世界チャンピオン、トニー・ボウ(Repsol Honda Team)が自身23個目の世界タイトルを獲得したことでした。

ボウは、前回バルセロナ大会のあとのノンタイトルインドア大会に出場、2月18日に肋骨を骨折する大けがを負ってしまいました。今回は、このケガを押しての出場になります。

2月4日のバルセロナ大会を終えた時点で、ボウはランキング2位のアダム・ラガ(ガスガス)に31点のランキングポイント差をつけていました。第6戦に予定されていたスペイン・セビリア大会がキャンセルとなり、今大会を含めて残りが2戦。ここまで圧勝を続けてきたボウはタイトルはほぼ手中にしているとはいえ、ライバルが2連勝した場合には、わずかに逆転の恐れが残る戦況でした。

アコー・ホテルズ・アリーナ(ベルシー体育館)での開催となったパリ大会。今回はチームメートの藤波貴久も出場となり、いつものように9名での決戦となりました。

ラウンド1と呼ばれる最初の予選は、9名が一人ずつ順に9セクションをトライします。予選では、上位3番手以外のすべてのライダーが5点を2つずつ献上することになり、ラウンド2の準決勝に進出するかどうかは、このほかのセクションでどれだけ減点を抑えられるかが焦点となりました。

藤波は5点2つのほかは1点が1つで、全体の5番目。藤波の準決勝進出が決定。そして予選トップは、なんと1点が3つ、トータルたったの3点のボウでした。

負傷後、わずか27日にして、完ぺきな走りを取り戻したボウは、この時点で6位以上を確実にして、12回目のタイトルを確定的としました。

しかし準決勝ラウンド2では、負傷している肋骨が痛み、ボウは本領を発揮できませんでした。トップの1人のみがファイナルに進出できるラウンド2で、ボウは16点減点。去年までのチームメート、ハイメ・ブスト(ガスガス)の8点、藤波の12点に破れて、総合結果は5位となりました。

藤波は、決勝への進出こそできませんでしたが、ブスト8点、ラガ11点に次ぐスコアをマークして、今シーズン初めて3位入賞を果たしました。そしてこの大会で、藤波はインドア世界選手権出場135試合をマークし、往年の王者ドギー・ランプキンの記録を破っています。

試合後、主催者からキャンセルとなったセビリア大会の代替大会は開催されないとの発表があり、これで残りはハンガリーのブタペスト大会一戦のみ。ポイント差で20点以上のリードを守ったボウは、Xトライアルで12回目のタイトル獲得となりました。藤波の表彰台とボウのタイトル獲得。ボウにとっては苦しい戦いとなりましたが、しかし最良の夜になりました。

コメント

トニー・ボウ(5位、チャンピオン)
トニー・ボウ 「2月は私たちにとってとてもむずかしい時間となりましたが、今日は幸せな日となりました。セビリアのキャンセルによって、今年の選手権のカレンダーがどうなっていくのか、私たちには最後の最後まで分からずにいました。ラウンド1では、私はかなりうまく走ることができました。これは最高のパフォーマンスだったと思います。しかしラウンド2までの間に、しっかり痛みが抑えられればと思っていたものの、走り始めた時点でこれはダメだと悟りました。それでも、最も重要なのはタイトルを取ることで、それが達成できて、とても幸せです」

藤波貴久(3位)
「今回はとても快適な印象でした。結果を考えることなく、セクションの一つひとつに集中して走ることができたと思います。決勝には進むことはできませんでしたが、表彰台に乗れたというのは大きな結果です。そして、トニー(ボウ)が12回目のタイトルを獲得したことは、私にとっても大きな喜びです。トニーのタイトルとRepsol Honda Teamは、私にとって大きな誇りです」

ミゲール・シレラ監督
「トニー(ボウ)はパリに来ることを切望していましたが、それはリスクのあることでした。しかしパリにやってきたトニーは、やはりトニーでした。最初のラップは素晴らしいものでしたが、準決勝ではいい感覚を得られず、ちょっと残念な結果でした。しかし最後までしっかりマシンに乗って戦い続けたトニーに拍手を送りたいと思います。新しいチャンピオンを獲得したトニーと、それを支えたRepsol Honda Teamの全員に、タイトル獲得とそのパワーに祝福を送りたいと思います」

リザルト

順位 ライダー マシン L1 L2 L3
1 J.ブスト ガスガス 10 8 3
2 A.ラガ TRRS 8 11 6
3 藤波貴久 Honda 11 12  
4 B.ビンカス スコルパ 12 14  
5 トニー・ボウ Honda 3 16  
6 M.ゲラバート シェルコ 6 17  
7 J.ファハルド ガスガス 12    
8 J.ダビル ベータ 13    
9 A.フェレール シェルコ 15    

ポイントランキング

ライダー

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 トニー・ボウ Honda 106
2 A.ラガ TRRS 84
3 B.ビンカス スコルパ 52
4 J.ブスト ガスガス 50
5 M.ゲラバート シェルコ 37
6 J.ファハルド ガスガス 36
7 J.ダビル ベータ 28
8 藤波貴久 Honda 24
9 A.フェレール シェルコ 4
10 J.カセレス ヴェルティゴ 3
11 F.カドレツ ガスガス 2
12 M.グラッタローラ モンテッサ 2
13 A.ファレ・ガルシア ヴェルティゴ 2
14 J.プライス ガスガス 2

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