ROUND 07

チェコチェコ ソコロフ 2017.09.10(日)・トライアル

第7戦 チェコ

最終戦を待たずに、ボウがアウトドア11連覇を決める

2017年シーズンも終盤に入り、迎えた1戦。トライアル世界選手権の第7戦は、チェコ共和国での戦いとなりました。この日、記念すべき一日となるのが確定的となっていたトニー・ボウ(Repsol Honda Team)は、意外にも苦戦を強いられることになりました。ただそれでも、2位表彰台を獲得。2017年のシーズンチャンピオンに輝きました。ボウはこれで、アウトドア世界選手権で11連覇を達成。インドア世界選手権の11連覇と合わせて、22個目となる世界タイトルの獲得です。

つかの間の夏休みを挟んでこの大会に臨んだボウは、歴史的偉業を前に、やはり緊張感に包まれていました。今シーズン、これまでにも増して圧倒的な強さを発揮していたボウは、最終戦イタリア大会を前にしたこのチェコ大会で、4位に入賞すればチャンピオンが確定。ボウにとっては決して難しくない使命ではありましたが、それだけに緊張感にあふれる試合となったのでした。

この日の2位は十分な結果で、ボウはタイトル獲得を記念したチャンピオンTシャツを着て、チームの面々と記念写真に収まりました。ボウとチームの、すべての喜びが爆発した瞬間でした。

ボウのチームメートであるハイメ・ブストは、今回も表彰台を獲得しました。しかも今回は、1ラップ目をトップで折り返すという見事な活躍でした。2ラップ目に減点を増やしてしまいましたが、3位表彰台を獲得。ブストはシリーズランキングでも3位となっており、最終戦を残し、ランキング4位に10点のリードを保っています。

藤波貴久(Repsol Honda Team)もまた、いい走りを披露してくれました。今回の藤波はスタートが早く、雨と湿気の多い会場をよく攻略し、1ラップ目を4番手で折り返しました。2ラップ目には雨が降り、よりアグレッシブな戦いを余儀なくされる中、表彰台争いを繰り広げた結果、3位に5点差、2位に6点差で5位となりました。藤波は、ランキング4位に2点差でシリーズランキング5位につけています。

次の第8戦は、2017年シリーズの最終戦となります。翌週、イタリアのアルコ・ディ・トレントで9月17日(日)の開催となります。

コメント

トニー・ボウ(2位 2017年シーズンチャンピオン)
トニー・ボウ 「今日は試合序盤から難しい戦いとなりました。もちろん勝利のために戦っていましたが、今日は勝利することはできませんでした。今日のより大きな目的は、タイトルを獲得することでした。今日の戦いでは、問題を多く抱えていましたが、無事にタイトルを獲得できて、私は非常に幸せです。今日のような、濡れた地形は私にとってもマシンにとっても、得意というわけではありませんでしたが、表彰台に上がることができ、結果的にはとてもいい日になりました。今シーズンは、開幕戦での勝利と、ライバルの失点が多かった2日間の日本大会が重要なポイントとなりました。そしてまた、アメリカ大会での2日間の勝利も、今シーズンを決定づけたものだったと思います」

ハイメ・ブスト(3位)
ハイメ・ブスト 「序盤はとてもいい走りができました。減点はほとんどなく、いい成績が期待できるものでした。しかしセクションは難度が高く、快適なトライアルとは言い難いものでした。終盤に向かって、徐々に減点がかさんでいき、2ラップ目で順位を落としてしまいました。苦労して、苦労して、それでも最後に3位表彰台を手にしたのは、チャンピオンシップを戦う上では、非常に重要な結果になったと思っています」

藤波貴久(5位)
藤波貴久 「アウトドアでの11回目の世界チャンピオンとなったトニー・ボウに、最大の祝福を送りたいと思います。今日のトライアルは簡単ではありませんでした。濡れて難しく、そして地形も簡単ではありませんでした。ブストと私は、今日はポンジションを争うライバルとして、とても緊張感のある戦いを強いられました。私はもっとうまく走ることができたと思います。3位表彰台の可能性はあったのですが、2つの5点がそれをさまたげ、5位となってしまいました。来週は、ランキング4位となるために、最後に踏ん張りたいと思います」

ミゲール・シレラ監督
「今日は難しい戦いになりました。なにが起こったか、どのような戦いだったかを、冷静に分析する必要のある一日でした。ボウはこの難しい戦いを、最後の最後まで苦しんでいました。しかし一日の戦いが終わった今は、彼の偉大なタイトル獲得を祝う時間となっています。これが、我々の最大の目的でしたから。もちろん、ボウの偉大なタイトルは、チーム全体の偉業でもあります。ここにいるメンバーだけでなく、ファクトリーに残って仕事をしている、多くのスタッフがいます。勝利は常に難しいものです。我々は、また大きな可能性を実証することができました」

リザルト

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 総減点
1 67 A.ラガ TRS 18 17 36
2 1 トニー・ボウ Honda 26 22 53
3 69 ハイメ・ブスト Honda 18 33 54
4 47 J.ファハルド ヴェルティゴ 34 17 54
5 3 藤波貴久 Honda 28 31 59
6 37 A.カベスタニー シェルコ 33 25 64

ポイントランキング

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 トニー・ボウ Honda 172
2 A.ラガ TRS 147
3 ハイメ・ブスト Honda 118
4 J.ファハルド ヴェルティゴ 108
5 藤波貴久 Honda 106
6 A.カベスタニー シェルコ 95
18 エディー・カールソン Honda 10

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トニー・ボウ

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トニー・ボウ(左)、ハイメ・ブスト(右)

トニー・ボウ(左)、ハイメ・ブスト(右)

ハイメ・ブスト

ハイメ・ブスト

ハイメ・ブスト

ハイメ・ブスト

ハイメ・ブスト

ハイメ・ブスト

ハイメ・ブスト

ハイメ・ブスト

藤波貴久

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藤波貴久

藤波貴久

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