2016.07.10  トライアル世界選手権 第6戦 ベルギー ベルギー

トニー・ボウ、10連覇への天王山を制す

2016年7月10日(日)・決勝  会場:コンブレン・オー・ポン

Repsol Honda Teamのエースライダー、トニー・ボウ(Repsol Honda Team)が10度目の世界チャンピオンになる日が近づいています。ベルギーでの一戦も確実に勝利して、これで今シーズン8勝目となりました。

トニー・ボウトニー・ボウ

トニー・ボウトニー・ボウ

一方、チームメートの藤波貴久とハイメ・ブストは、それぞれ5位と6位と、表彰台を逃す結果となりました。

今回のベルギー大会は、今シーズンで唯一、日曜日のみ開催の大会でした。開催地はベルギーの大都市・リエージェに近い小さな町、コンブレン・オー・ポン。ここでは2年前にもベルギー大会が開催されていて、ボウが大雨の中で勝利しています。コースは非常にテクニカルで、ライダーのミスを誘うものでした。

トニー・ボウトニー・ボウ

トニー・ボウトニー・ボウ

今回、試合序盤でのボウは、調子がいいとは言えませんでした。僅差ではありますが、1ラップ目の順位は4番手。トップのアルベルト・カベスタニー(シェルコ)との点差は4点、3位の藤波との点差は2点です。ボウは転倒もあり、痛めていた肩をまた痛めてしまいました。

ボウの真価は2ラップ目に発揮されました。1ラップ目の上位陣が減点を増やす中、ボウは第2セクション、第7セクションの5点以外は、3点が一つだけという好スコアをマークしました。この時点で、ボウはトップに浮上しました。最後には、2位のアダム・ラガ(TRS)に10点差をつけて、今シーズン8勝目を挙げました。

藤波貴久藤波貴久

藤波貴久藤波貴久

藤波は、前戦フランス大会での勝利の勢いを今大会に持ち込みたいところでした。その目標はランキング3位の奪還。序盤は好調で、表彰台の獲得は確実かと思われていたのですが、3ラップ目に大きなクラッシュもあり、5位に甘んじました。表彰台まで7点、4位とはたった1点差でした。ランキングポイントではカベスタニーに若干詰め寄られましたが、まだランキング3位を維持しています。

Repsol Honda Teamの3人目の若手ライダー、ブストは、今回もまた表彰台争いを展開しましたが、3ラップ目にミスを犯して表彰台争いから脱落、藤波に7点差の6位に甘んじています。

ハイメ・ブストハイメ・ブスト

次のトライアル世界選手権は今週末に、イギリスで開催されます。

トニー・ボウ(優勝)
「うまく乗れるようになったと思えたのは、2ラップ目の後半になってからでした。1ラップ目は本当に苦しい戦いでした。練習中に負った肩の負傷は、完ぺきなライディングの障害になっています。今回の勝利は大変うれしいものですが、今週末のイギリス大会に向けて、不調の肩をなんとかしなければいけません」

藤波貴久(5位)
「5位は、満足できる結果とは言えません。1ラップ目はトップを争う位置にいたし、表彰台争いを逃したのは、本当にわずかなところではなかったかと思います。マシンの調子もいいし、ライディングとのコンビネーションもいい感触です。それだけに今回の結果は残念ですが、ランキング3位に向けて、残り2大会をがんばります。進むべき方向は間違っていないと思っています」

ハイメ・ブスト(6位)
「泥まみれのセクションは、快適にはほど遠いものでした。こういうセクションは好きではなく、それが結果に表れてしまいました。1ラップ目、クリーンらしいクリーンができたのは最終セクションに来てからでした。2ラップ目は少しよくなってきたと思ったのですが、まだまだ足りませんでした。今回は、ライディングがよくなる前に終わってしまいました」

ミゲール・シレラ監督
「ボウはまた新たな舞台で、新たな勝利をチームに与えてくれました。ボウはベストな状態からはほど遠く、今日の勝利は決して簡単ではありませんでした。負傷した肩をさらに痛めてしまったのも、困難に輪をかけていましたが、結果は、勝利でまとめることができました。この勝利は、タイトルの行方を占うには大変重要なものになります。藤波はもっといい結果であるべきでしたが、今日のトライアルは彼にとってもライバルにとっても、厳しいものだったのだと思います。ブストは、また表彰台に上がれず、不満の残る結果となりました。次のイギリスでこそ、よりいい結果が出せるように祈っています。今日の苦しいトライアルを戦いきったチームみんなに感謝です」

決勝
順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 ラップ3 総減点 クリーン数
1 1 トニー・ボウ Honda 18 13 14 45 21
2 2 A.ラガ TRS 19 15 19 55 18
3 4 A.カベスタニー シェルコ 14 25 16 55 18
4 3 J.ファハルド ヴェルティゴ 15 21 24 60 14
5 5 藤波貴久 Honda 16 22 21 61 15
6 6 ハイメ・ブスト Honda 21 21 26 68 12
 
8 10 エディー・カールソン Honda 31 32 26 89 10
13 24 オリオール・ノゲイラ Honda 37 37 36 111 7
ポイントランキング
順位 ライダー マシン 総合ポイント
- 1トニー・ボウHonda209
- 2A.ラガTRS186
- 3藤波貴久Honda147
- 4ハイメ・ブストHonda129
- 5A.カベスタニーシェルコ127
- 6J.ファハルドヴェルティゴ120
 
- 12 エディー・カールソン Honda 44
- 16 オリオール・ノゲイラ Honda 19
- 17小川友幸Honda14

ランキング詳細

トニー・ボウ

トニー・ボウ

トニー・ボウ

トニー・ボウ

トニー・ボウ

トニー・ボウ

藤波貴久

藤波貴久

藤波貴久

ハイメ・ブスト

ハイメ・ブスト

ハイメ・ブスト