2016.4.24  トライアル世界選手権 第2戦 日本 日本

ボウが決勝1日目に2位、決勝2日目にトップとなり、2日連続で表彰台

2016年4月23日(土)・決勝1日目  4月24日(日)・決勝2日目  会場:ツインリンクもてぎ
決勝1日目「ボウ、藤波が表彰台。Repsol Honda Team、2位から4位を占める」

毎年恒例となっている、ツインリンクもてぎでのトライアル世界選手権。今年は例年にも増して厳しいセクション揃いの戦いとなりました。この戦いで、トニー・ボウ(Repsol Honda Team)はランキングトップをキープするため、チームメートの藤波貴久はトライアルの歴史を作るため、地元で開催されるGPを全力で戦いました。

トニー・ボウトニー・ボウ

トニー・ボウトニー・ボウ

今回は2016年世界選手権の第2戦。ボウは肩の負傷がまだ癒えておらず、今回も苦しい戦いとなりました。結果は2位となりましたが、ランキングではトップを死守。完全なライディングができない現状を考えれば、これはよい結果といえるでしょう。

ツインリンクもてぎは木曜日に激しい雨に見舞われ、それが厳しいコンディションとなってライダーを苦しめることになりました。湿った泥は滑る路面となり、マシンの行く手を阻みます。そしてライダーの体力を奪っていきます。

そんな中で、ランキングトップをキープする2位入賞という結果は、ボウが現段階でできるほぼ完ぺきな仕事をした結果といえるでしょう。

藤波貴久藤波貴久

ハイメ・ブストハイメ・ブスト

藤波は、いまや世界選手権一番のベテランとなりましたが、デビューしたときのような闘志をしっかり抱いてトライアルに取り組んでいます。日曜日には、彼自身の300戦目となるトライアルです。記念すべき戦いを前にして、地元で見事表彰台を獲得。これは世界選手権で藤波が経験した154回目の表彰台となりました。

1ラップ目、藤波は大クラッシュがあり、6位から追い上げとなります。1ラップが終わり、痛めたフロント回りを修理したところで追撃を開始しました。2ラップ目、藤波が見事なライディングを披露します。このライディングで、藤波に表彰台の可能性が出てきたのでした。

また、ハイメ・ブスト(Repsol Honda Team)もよい滑り出しを見せました。1ラップ目はボウに1点差の3位。初めての表彰台がいよいよ実現するかという展開でした。ブストはよく戦いきりましたが、追い上げてきた藤波に対し、わずか1点差で表彰台をゆずって、4位という結果に終わっています。

藤波貴久藤波貴久

トニー・ボウ(左)、藤波貴久(右)トニー・ボウ(左)、藤波貴久(右)

翌日曜日は日本GPの2日目、土曜日同様に12セクションを3ラップする戦いとなります。最終ライダーのスタートは、午前11時です。

決勝2日目「ボウ、準ホームの日本で勝利。藤波は300戦記念で表彰台」

Repsol Honda Teamのトニー・ボウと、チームメートの藤波貴久は、それぞれ1位と3位でフィニッシュしました。選手権ポイントでもボウはトップをキープ。藤波は世界選手権参戦300戦目を迎えてトライアル世界選手権の歴史に新たなページを刻むことになりました。

日本GPの決勝2日目で、トニー・ボウは圧倒的な勝利を飾りました。肩の負傷はあいかわらず完治はしていないですが、それでも積極的なライディングに徹し、いつものスタイルを取り戻して勝利しました。

トニー・ボウトニー・ボウ

トニー・ボウトニー・ボウ

夜の間降り続いた雨の影響で、セクションの一部が難易度の高くないものに、変更されることになりました。これが、ケガの影響で身体的ハンディを負っているボウにはよい影響を及ぼしました。体への負担が少なくなり、ボウはトライアルに集中することができました。

1ラップ目中盤にして、ボウはライバルに対してリードを作り始め、以後はそのリードを広げる一方の展開となり、最後は大差をつけての勝利となりました。Repsol Honda Teamにとって、今シーズン2回目の勝利となりました。ランキング2位のアダム・ラガ(TRS)には5ポイントの差をつけることになりました。

藤波貴久藤波貴久

ハイメ・ブストハイメ・ブスト

藤波貴久は世界選手権参戦300戦目を迎えるにあたり、自ら表彰台を獲得して、その記念すべき日に華を添えました。土曜日とは異なる戦い方で、3位表彰台を獲得しました。あと少しミスを減らしてトライアルを進められれば、2位も狙えたすばらしい走りでした。

フジガスの愛称で知られる藤波は、ツインリンクもてぎで26回表彰台に上がり、300戦のうちにトータルで4,103点の世界選手権ポイントを獲得しています。ポイント獲得圏の15位以内の入賞は295回。表彰台には合わせて155回上がっています。過去にトップを32回、2位を55回、3位を68回獲得しました。

次の世界選手権は、5月28日(土)と29日(日)に、ドイツのジェフリースで開催されます。その前に、Repsol Honda Teamの面々にとっては、5月15日のスペイン選手権が控えています。

トニー・ボウ(中央)、藤波貴久(右)トニー・ボウ(中央)、藤波貴久(右)

藤波貴久藤波貴久

ハイメ・ブスト(Repsol Honda Team)は、期待を一身に受けながら、またも表彰台には上がれませんでした。いい走りを見せながら、多くの減点をとってしまったのが敗因でした。これからの走りに期待したいところです。

決勝1日目コメント

トニー・ボウ(2位)
「体調は、前回よりもわずかによくなっていますが、困難はまだ多く残っています。100%の実力を発揮できませんでした。第1セクションで3点となり、出鼻をくじかれることにもなりました。汗をかいて、テーピングがはがれてテープを貼り直さなければならない状況でした。しかし、今日の2位は、そんな状況の私には満足いくものでした。私たちはまだ戦いを続けます」

藤波貴久(3位)
「出だしはとてもよいとはいえませんでした。それでも今日の3位表彰台はとてもよい結果で、うれしいです。第3セクションでのクラッシュはたいへんでした。マシンのフロント回りに大きなダメージを受けて、その後のセクショントライは苦しいものになりました。時間がないので修復はできず、そのまま残るセクションを走りきり、2ラップ目に入る前に修復することになったので、1ラップ目の成績は不本意なものとなりました。マシンと同様にスコアも修復ができ、表彰台獲得という結果だったのは本当に幸いでした。明日もまた、いい結果を出したいと思います」

ハイメ・ブスト(4位)
「今日はいい走りができました。しかし、またもや1点差で表彰台を逃してしまいました。それでもランキング4位をキープしているという結果は満足すべきものだと思っています。セクションは滑りまくりで、ラップごとにコンディションも変化していました。アクセルを開けに開けて難関を克服できたと思います。明日は、さらによい結果を目指したいです」

決勝2日目コメント

トニー・ボウ(優勝)
「今回の日本GPは、満足のいく結果となりました。日曜日はセクションが簡単になったのがやや残念ではありましたが、身体的不調を抱えている私には、いい結果をもたらしたと思います。前日に比べ、肩の痛みはあるものの調子が上がっているのを感じていました。今日はいい戦いができたと思います。ランキングで2位に5点差をつけているのもうれしいです」

藤波貴久(3位)
「300戦目の世界選手権を3位表彰台で飾れて、たいへんうれしいです。本当にすばらしい日本GPになりました。昨日と同じ3位ですが、今日はアダム・ラガ選手と2位争いをした結果の3位ですので、昨日とはまた別の戦いだったと思います。今日はフジガス本来の走りが戻ってきたなと実感しました。お客さん、ファンの皆さん、スポンサー、チーム、すべての皆さんのおかげで今日のフジガスがあります。ほんとうにありがとうございます。皆さんに感謝です」

ハイメ・ブスト(6位)
「昨日は、すべてがうまくいくような夢を見ました。しかし現実には、全く逆の展開となってしまいました。スタートはたいへんよかったのですが、二つのセクションで5点となってしまいました。今日はどうもよくない日になってしまったようです。セクションは簡単になっていたので、ミスを取り返すのが難しくなっていました。次こそよい結果を目指します」

ミケール・シレラ監督
「日本GPは全体的によい結果となりました。今日のトニー(ボウ)はたいへんすばらしいレースをしました。今年は困難なスタートとなりましたが、それでもよい結果を積み上げています。藤波は、地元大会で二度、表彰台に上がりました。結果的には2位も望めた位置にいましたから、ちょっと残念ではありますが、アダム・ラガ選手は強力なライバルですから、2位を奪うのはそう簡単ではないと考えていました。ハイメ(ブスト)は、今日はいくつかのミスをしました。それは彼の経験が少ないから起きるものだと思います。日本GPを終えて、改めてトニーの偉大な走りっぷりに敬意を示します。これからもスペイン選手権を戦い、今シーズンのタイトルを目指して戦うために、今後のチーム運営に全力を尽くします」

決勝1日目
順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 ラップ3 総減点 クリーン数
12A.ラガ TRS 1812225224
21トニー・ボウHonda3017216816
35藤波貴久Honda3717318515
4 6 ハイメ・ブストHonda3128278615
5 4 A.カベスタニーシェルコ402430948
6 18 M.グラタローラガスガス3725339511
 
9 13 小川友幸Honda34343710511
11 10 エディー・カールソンHonda45373812010
26 25斎藤晶夫Honda 56 53 58 167 1
27 26砂田真彦Honda 58 55 55 168 2
決勝2日目
順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 ラップ3 総減点 クリーン数
11トニー・ボウHonda8511427
22A.ラガ TRS111142626
35藤波貴久Honda131193325
4 4A.カベスタニーシェルコ201183921
5 3J.ファハルド ヴェルティゴ1820155323
6 6ハイメ・ブストHonda2017205722
 
9 13小川友幸Honda2922106120
16 10エディー・カールソンHonda4122198213
22 25斎藤晶夫Honda 49 34 33 116 6
27 26砂田真彦Honda 56 54 44 154 2
ポイントランキング
順位 ライダー マシン 総合ポイント
- 1 トニー・ボウ Honda 74
- 2 A.ラガ TRS 69
- 3 A.カベスタニー シェルコ 53
4 藤波貴久 Honda 50
5 ハイメ・ブスト Honda 49
- 6 J.ファハルド ヴェルティゴ 41
 
- 13 小川友幸 Honda 14
15 エディー・カールソン Honda 9
18 オリオール・ノゲイラ Honda 4

ランキング詳細

決勝1日目

トニー・ボウ

トニー・ボウ

藤波貴久

ハイメ・ブスト

藤波貴久

トニー・ボウ(左)、藤波貴久(右)

決勝2日目

トニー・ボウ

トニー・ボウ

藤波貴久

ハイメ・ブスト

トニー・ボウ(中央)、藤波貴久(右)

藤波貴久