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July 4/5 2015, RACE FIM Trial World Championship Andorra
アンドラ
2015年7月4日(土)、5日(日)・決勝 会場:サン・ジュリア・デ・ロリア
スペインとフランスの国境の高地にあるアンドラでの勝負は、トニー・ボウ(Repsol Honda Team)が2日間ともに2位。土曜日は最終ラップでの2つのミスが響き、日曜日はラップごとの5点が勝利を逃す結果になりました。チームメイトのハイメ・ブストは両日ともに6位、藤波貴久は8位と5位となりました。
今回は、セクションの難易度が低く設定されていました。これは好スコアがマークできる反面、ミスを取り返すのが難しいことにもつながります。ボウは、金曜日に視察した時点で、セクション設定が易しいことを見抜き、勝敗が極めて少ない減点で争われることを覚悟していました。極度の緊張を強いられる戦いの中、第8セクションで2ラップ目と3ラップ目に5点。この減点で、ボウは勝利を逃すことになりました。しかし、チャンピオンシップでは、2位のラガに31点と大きなリードを築いています。
Repsol Honda Teamの2番手は、期待の若手ブストとなりました。ブストは2ラップ目に好スコアをマークしましたが、1ラップ目と3ラップ目の減点が響き、ホルヘ・カサレス(ベータ)に4点差の6位となりました。
藤波は、高い高度での戦いに苦戦し、前回フランスで表彰台を得た際のライディングを再現することができませんでした。結果は、4選手による5番手争いに敗れ、6位ブストに3点差の8位となりました。
日曜日は、土曜日と同様に12セクション3ラップによる戦いが演じられます。オーガナイザーは、セクションの難易度を高く設定することを発表し、次の戦いを待つことになりました。
トニー・ボウ(2位)
「今日、私が犯したミスは、許容を超えてしまいました。1ラップ目の状況は悪くなかったし、よりよいかたちで結末を迎えられると思っていました。でも2ラップ目、3ラップ目と、いくつかのミスを重ねてしまいました。オブザーバーがルールとは違う判定をしたこともあって、私だけではなくすべてのライダーがイライラしていたように思います。セクションは簡単過ぎていただけません。ただし今日の2位は、そんなに悪いものではないと思っています。チャンピオンシップでは、今日の2位が重要な結果を導いてくれるに違いないからです」
ハイメ・ブスト(6位)
「6位という結果は悪いものではないと思います。しかし、もっと上位を狙えると思っていたので、その点は残念です。いくつか簡単なセクションでミスをしてしまい、それが結果につながってしまいました。アンドラの高度と、気温の高さで実力を発揮できていなかったのかもしれません。明日は、セクションでの走り方を組み立て直して、いい結果を得たいと思っています」
藤波貴久(8位)
「アンドラのトライアルはとても高度の高いところで行われ、気温も高いので、大変難しいトライアルになることが多いです。セクションは、ラップごとにコンディションが変わっていき、これも難しさに拍車をかけていました。今日の8位は、今シーズンの中で最悪の結果となりました。明日は、今日ほどたくさんの減点を取らないように、今晩はゆっくり休みたいと思います。ヒザの調子は悪くありませんでした」
ミケール・シレラ監督
「セクションがあまりにも簡単であったため、試合は逆に複雑になっていったように思います。犯してしまったミスを取り戻すことはできません。今日のボウは、2つの5点によって勝利を失ってしまいました。ライバルのラガは、激しい追い上げでボウから勝利を奪っていくことに成功しました。明日は、違う展開としなければいけません。今日の藤波は、いいところを発揮できませんでした。フランスでの活躍は拍手喝采でしたが、今日はフランスと同じようなわけにはいきませんでした。高度の高い会場での試合は簡単ではありません。しかし、それはすべてのライダーに共通する条件ですから、言い訳にはできません。ブストは、世界選手権のトップレベルで、トライアルを学んでいます。今日のブストはやり残したことがあるようで、6位という結果に満足していないようです。しかし修業中の彼にとって、6位という結果は悪いものではないと我々は認識しています。明日、我々は勝利しなければいけません。チームは、チャンピオンシップで勝利するために全力で戦います。チームの面々と我々には、その力があります」
ボウは日曜日のアンドラも再び2位表彰台に甘んじることになりました。優勝はできませんでしたが、チャンピオンシップの戦いの上では、後退は最小限で多くのリードは変わりません。藤波は5位、ブストは前日同様に6位となりました。
サン・ジュリアは、日曜日も厳しいコンディションでライダーを待っていました。ボウはラップごとに5点の減点を喫し、1ラップ目から好調のラガをとらえきれずに終わりました。
それでも、ボウがラガに対して築いているチャンピオンシップのリードは圧倒的で、2日間のアンドラを終えて、その差は28点。シーズンの終了まで、あと3戦となっています。
ボウのよきパートナーである藤波は、前日に勝るパフォーマンスを見せ、表彰台の可能性も感じさせていました。しかし2ラップ目に3連続で5点を喫し、5位という結果に終わりました。フランスでの3位表彰台でランキング4位となりましたが、今回の結果でランキングは再び5位となっています。Repsol Honda Teamの新人ブストは、突然の腰痛に悩まされましたが、前日同様の6位を獲得することができました。
次戦は約1カ月のインターバルを置いて、7月25日(土)〜26日(日)にアメリカ大陸に遠征して開催されます。
トニー・ボウ(2位)
「今日は1ラップ目の第2セクションで5点を取ってしまった時点で、苦しい戦いとなることが決まっていました。ばん回のチャンスもあったように思いますが、うまくはいきませんでした。今日は勝つことができませんでしたが、2位になれてよかったと思います。今日の結果は、3位となってもおかしくないものだったからです。次戦、私はライバルを倒すために、全力で戦う必要があります」
藤波貴久(5位)
「今日もいくつかのセクションで問題が発生しました。その結果、クリーンができていたはずのところで5点となってしまいました。本当に厳しい戦いでした。2ラップ目には3連続で5点を取ってしまって、表彰台争いからも脱落し、5位となってしまいました。昨日はセカンドグループの最下位となりましたが、今日はセカンドグループの上位に復活することができました。しかし、まだまだ上を目指さなければいけません。今日の結果に満足していませんが、そんなに悪くなかったという実感しています」
ハイメ・ブスト(6位)
「今日は本当に苦しい戦いとなりました。腰の痛みが始まったときには、今日の戦いを最後まで続けられるとは思っていませんでした。幸い、マッサージを受けることで、最後まで走り続けことができて6位という結果を得られました。この結果には満足していますが、今日は本当に最後まで厳しい戦いでした」
ミケール・シレラ監督
「この週末は、Repsol Honda Teamにとって、よい週末だったとは言えませんでした。でも、2位表彰台を獲得したのは、チャンピオンシップを勝ち取る上では、大変重要な結果だったと思います。ボウはなによりも勝利を欲していましたが、それは叶いませんでした。しかし、週末の2連続2位は悪い結果ではないと思います。藤波は、土曜日よりもいいパフォーマンスを演じることができました。ブストは身体の問題が出てしまいましたが、できる限りの策を講じて6位でフィニッシュすることができました。この週末は勝利とはいきませんでしたが、チームの皆さんには最大限の感謝をしたいと思います。標高の高さと気温の高さは、本当に厳しい戦いでした」
順位 | No. | ライダー | マシン | ラップ1 | ラップ2 | ラップ3 | 総減点 | クリーン数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | A.ラガ | ガスガス | 6 | 4 | 4 | 14 | 29 |
2 | 1 | トニー・ボウ | モンテッサ(Honda) | 2 | 6 | 12 | 20 | 29 |
3 | 4 | J.ファハルド | ベータ | 8 | 11 | 10 | 29 | 25 |
4 | 3 | A.カベスタニー | シェルコ | 1 | 21 | 12 | 34 | 25 |
5 | 7 | J.カサレス | ベータ | 17 | 16 | 25 | 58 | 17 |
6 | 15 | ハイメ・ブスト | モンテッサ(Honda) | 21 | 15 | 26 | 62 | 17 |
8 | 5 | 藤波貴久 | モンテッサ(Honda) | 18 | 21 | 26 | 65 | 16 |
13 | 14 | エディー・カールソン | モンテッサ(Honda) | 36 | 40 | 49 | 125 | 7 |
順位 | No. | ライダー | マシン | ラップ1 | ラップ2 | ラップ3 | 総減点 | クリーン数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | A.ラガ | ガスガス | 2 | 10 | 3 | 15 | 27 |
2 | 1 | トニー・ボウ | モンテッサ(Honda) | 9 | 5 | 8 | 22 | 26 |
3 | 3 | A.カベスタニー | シェルコ | 6 | 14 | 4 | 24 | 27 |
4 | 4 | J.ファハルド | ベータ | 10 | 16 | 13 | 39 | 25 |
5 | 5 | 藤波貴久 | モンテッサ(Honda) | 18 | 21 | 18 | 57 | 20 |
6 | 15 | ハイメ・ブスト | モンテッサ(Honda) | 20 | 19 | 22 | 61 | 19 |
12 | 14 | エディー・カールソン | モンテッサ(Honda) | 31 | 43 | 37 | 111 | 6 |