モータースポーツ > トライアル世界選手権 > 第3戦 スウェーデン > 決勝

トライアル世界選手権

round 03

SCHEDULE

June 6/7 2015, RACE FIM Trial World Championship Sweden

スウェーデンスウェーデン

トニー・ボウ、開幕6連勝。藤波は土曜日に3位に入る

2015年6月6日(土)、7日(日)・決勝  会場:ボロース

チェコでの第2戦から1週間、トライアル世界選手権はスウェーデンにやってきました。実は、トニー・ボウ(Repsol Honda Team)はスウェーデンでまだ勝利の経験がありません。しかし今回、Repsol Honda Teamは再びすばらしい成績を収めました。トニー・ボウは土曜日、日曜日の両日で勝利。藤波貴久が土曜日に3位表彰台に上がりました。まだ成長過程にあるハイメ・ブストは、今回は9位と7位でした。

  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウ(中央)、藤波貴久(右)トニー・ボウ(中央)、藤波貴久(右)
  • 藤波貴久藤波貴久
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウ(中央)トニー・ボウ(中央)
  • 藤波貴久藤波貴久
  • ハイメ・ブストハイメ・ブスト

■決勝1日目

ボロースはスウェーデンの南に位置する町。土曜日朝に雨が降って、セクションは難度が増していました。その試合展開は、チェコの繰り返しのようでもありました。1ラップ目、ボウがいくつかのミスをして、ボウはトップを追う立場で2ラップ目以降を戦います。ところが、2ラップ目にはすばらしい走りを見せて逆転。そのままリードを広げて勝利に突き進みました。

藤波貴久は、3ラップ目にすばらしい走りを見せて、3位表彰台に乗りました。ただし、今回は日本GPとは反対に、ジェロニ・ファハルド(ベータ)に2点差で2位の座は逃しています。

今シーズンの大型新人、ハイメ・ブストは、スウェーデンの地形が苦手だったか、9位と低迷してしまいました。とはいえ、世界最高峰クラスにデビューして以来、ここまでのブストの活躍は記録に残るすばらしいものでした。ブストはまだ修業中の身ですから、まだまだこれからに期待です。

決勝1日目コメント

トニー・ボウ(1日目/優勝)
「出だしはそんなに悪いわけではなかったのですが、第5セクションで失敗してしまいました。この失敗をばん回するのは大変で、しかも11セクションでもまた失敗を犯しました。2ラップ目、すべてがいい方向に回ってきて、3ラップ目にはさらによくなりました。この開幕5連勝は、本当にうれしい結果です。今回の勝利については、私のマインダーに復活したデダック・セルコースに感謝を送りたいと思います。また、マシンをいつもいいコンディションにしてくれているジョアン・コルドンにも最大の思いを送ります」

藤波貴久(1日目/3位)
「今日のトライアルは、大変満足できるものでした。集中できていましたし、スタートからいい走りができました。セクションはとても滑るものでしたが、マシンの状態はとてもよく、いい感じで試合が進められていました。しかし、つま先をぶつけてしまい、これで試合がリセットされたような感じになりました。3ラップ目は、自分でも驚くべき結果でした。2位を目指して追い上げましたが、今回のファハルドはすばらしかった。2位にはなれませんでしたが、表彰台の獲得と、いい内容の戦いができて、大満足です」

ハイメ・ブスト(1日目/9位)
「今日は私のためのようなトライアルでした。セクションは本当に滑りやすいもので、私にとっては初めて走るようなところばかりでした。なんとかうまく走ろうとがんばったのですが、克服することはできませんでした。今日は正しい働きをしていたとは思えません。改善するところはたくさんありますので、しっかり勉強していきたいと思います」

ミケール・シレラ監督
「今日のチームは、とてもいい結果を得られたと思います。ボウはいつもそうですが、大変よい働きをしました。藤波のトライアルもすばらしかった。難しい大会でしたが、とても大きな満足を感じています。ブストは残念でしたが、この試練が彼の収穫です。ランキングのポイントでも、いい結果を残せています。明日もこの調子でがんばっていきます」

■決勝2日目

スウェーデンの2日目、Repsol Honda Teamは、土曜日に続いて、いい結果を残すことができました。ボウは日曜日にも勝利して、またもパーフェクト勝利。開幕以来、無敗を続けています。藤波は表彰台争いを繰り広げ、ブストは前日より少しよい結果を残すことができました。

無敵の連勝で、ボウはランキング2位のラガに28点のポイント差を築きました。これまで以上にすばらしい戦いを続けているチャンピオンです。

この日もまた、セクションはつるつるに滑る難しいものでした。どこでも、どんなミスでもあり得るという過酷なトライアル。1ラップ目はリードをとったボウでしたが、2ラップ目にラガに追い上げられ、同点とされます。1点を争う神経戦となった3ラップ目、ラガは2ラップ目の7点に次ぐ8点の好スコアをマークしてゴールしました。そして、ボウの3ラップ目は、この日のベストラップである5点。3点差で、ボウの開幕6連勝が決まったのでした。

藤波は、1ラップ目をすばらしいスコアで回りました。しかし、2ラップ目、多くの5点が藤波を悩ませます。足の小指の負傷も、文字通り足を引っ張った結果となっています。それでも、最終ラップはファハルドとの4位争いがし烈でした。本当に残念なことに、わずか1点差で藤波は4位の座を逃しましたが、ランキングでは4位を守っています。

ブストはこの日も難セクションに苦労していましたが、ラップを重ねるごとに走り方を会得していったようでした。スコアが少しずつよくなって、この日は7位を得ることになりました。ランキングは、開幕から6位をキープしています。

次戦はイギリス大会。北部ペンリスのノールヴューで、またも1週間後に開催されます。

決勝2日目コメント

トニー・ボウ(2日目/優勝)
「開幕以来、私は順調に勝ってきていますが、今日の戦いは厳しいものでした。2ラップ目の時点では全く同点。こんな戦いで勝利することができて、非常に満足しています。いつもの選手権では、毎回毎回勝ってばかりというのは不可能で、勝つこともあり、負けることもあり、その中で少しでもいい成績を目指して戦っていくのですが、今日はそんな戦いを思い出させてくれました。これからも、しっかり戦っていきたいと思います」

藤波貴久(2日目/5位)
「1ラップ目は、本当にうまく走れました。スコアや戦況については知らないまま走るスタイルなので、自分が何位につけているのかは知らなかったのですが、ライバルに続いてすぐにトライしていったところ、自分だけが少ない点数がまとめられているという実感はありました。しかし、だんだんうまくいかなくなって、減点が増えていきました。なんとか戦況を変えようともがいたのですが、第9セクションで前日に負傷した足の小指を再び痛めて、それからは痛みと戦うトライアルとなりました。最終ラップの3セクションから5セクションもひどいものでした。4位と僅差の5位。少し残念ではありますが、そんなに悪い結果ではないと前向きに考えます。ヒザは持ちこたえていて、当面の心配はつま先です」

ハイメ・ブスト(2日目/7位)
「昨日よりは、はるかにいい走りができたと思います。1ラップ目にはそんなにいいとは思えませんでしたが、2ラップ目3ラップ目と少しずつよくなっていきました。ただ、簡単なセクションで5点を取ってしまって、これでよりよいポジションでフィニッシュすることができなくなりました。しかし、私に必要なことは、なにより経験を積むことなので、今回の試合にも私は満足しています」

ミケール・シレラ監督
「もうなにも言うことはありません。すばらしい。6戦6勝です。今日は今シーズン最も難しい勝利になりました。藤波には少し苦しい戦いとなりましたが、ブストは昨日よりいい結果を残しました。この週末は、チームにとって大変前向きでよい結果が残せたと思っています。チームのみんなに感謝したいし、メカニックにもありがとうと言いたいです。そしてまた、今週末のイギリス大会も、ベストを尽くします」

決勝1日目リザルト

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 ラップ3 総減点 クリーン数
1 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 19 10 13 42 20
2 4 J.ファハルド ベータ 15 21 15 51 21
3 5 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 21 20 12 53 15
4 2 A.ラガ ガスガス 30 15 14 59 17
5 3 A.カベスタニー シェルコ 25 19 20 64 17
6 14 エディー・カールソン モンテッサ(Honda) 23 31 28 84 13
 
9 15 ハイメ・ブスト モンテッサ(Honda) 37 34 26 97 10

決勝2日目リザルト

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 ラップ3 総減点 クリーン数
1 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 10 10 5 25 23
2 A.ラガ ガスガス 13 7 8 28 23
3 3 A.カベスタニー シェルコ 21 15 9 45 20
4 J.ファハルド ベータ 20 22 20 62 19
5 5 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 12 32 19 63 17
6 J.ダビル ヴァーティゴ 20 28 17 65 14
 
 7 15 ハイメ・ブスト モンテッサ(Honda) 29 24 21 74 17
 12 14 エディー・カールソン モンテッサ(Honda) 33 38 29 100 10

ポイントスタンディング

順位 ライダー チーム 総合ポイント
1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 120
2 A.ラガ ガスガス 92
3 J.ファハルド ベータ 86
4 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 79
5 A.カベスタニー シェルコ 73
6 ハイメ・ブスト モンテッサ(Honda) 60
 
10 エディー・カールソン モンテッサ(Honda) 26
12 小川友幸 Honda 16
22 佐藤優樹 Honda 1