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トライアル世界選手権

round 02

SCHEDULE

May 30/31 2015, RACE FIM Trial World Championship czech

チェコチェコ

トニー・ボウ、チェコでもパーフェクト。藤波とブストが4位に

2015年5月30日(土)、31日(日)・決勝  会場:ソコロフ

チェコ共和国でのFIMトライアル世界選手権において、Repsol Honda Teamのトニー・ボウは、5月30日(土)、31日(日)の両日に勝利して、開幕以来、全勝を続けています。藤波貴久(Repsol Honda Team)は土曜日に6位、日曜日に4位となり、ランキングは4位。ルーキーのハイメ・ブスト(Repsol Honda Team)は土曜日に4位、日曜日に5位と大健闘しました。ランキングは5位と僅差の6位です。

  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • ハイメ・ブストハイメ・ブスト
  • ハイメ・ブストハイメ・ブスト
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久

■決勝1日目

結果的には勝利を得たボウでしたが、勝負はそれほど簡単ではありませんでした。12セクションを3ラップ、10kmに及ぶトライアルは、悪天候と険しい地形に演出されていました。ボウは1ラップ目に3つの5点といくつかの失点をして、22点をマークしました。このラップでは、ジェイムス・ダビル(ヴァーティゴ)が21点をマークしていたので、ボウは1ラップ目を終えた時点で2番手となりました。

しかし、このコンディションの中、ボウは2ラップ目に驚異的なスコアを残しました。1ラップ目の22点から、2ラップ目は7点に。5点が一つだけ、1点が2つというスコアです。2位のアダム・ラガ(ガスガス)の2ラップ目が16点だったことを考えると、いかに卓越したスコアだったかが分かります。3ラップ目は14点で、トータルは43点。2位のラガに17点差で、ボウの3連勝が決まりました。

若いハイメ・ブストのリザルトは、だれもが驚くものでした。考えられ得る、ほとんど最高の走りができていました。減点は最小限に抑えられ、堂々たる4位フィニッシュです。

2004年の世界チャンピオンである藤波は、まだ本領を発揮できるところまでヒザが回復していないようです。今回は6位となりました。しかし、あと一歩で、5位や4位で終えられるスコアでした。ランキングは4位。ランキング3位のジェロニ・ファハルド(ベータ)に1点差です。

決勝1日目コメント

トニー・ボウ(1日目/優勝)
「今日の勝利は難しいものでした。トライアルは常に難しいものですが、今日もまたそれを思いしらされました。セクションはトリッキーで、ノーストップルールで走りきるのは至難なものが多かったです。簡単に5点になります。ともあれ3勝目をものにできて、とても満足です」

ハイメ・ブスト(1日目/4位)
「今日のトライアルは、私のスタイルとは異なるものでした。しかし、とてもすばらしい一日になりました。1ラップ目はあまりよくなくて、3ラップ目にはゲートマーカーを飛ばしてしまうミスがいくつかありました。それでも今年は勉強の年だと思っているので、4位という結果は本当にうれしいです。セクションは非常に滑りやすかったので、明日はそこに気をつけてもっとがんばります」

藤波貴久(1日目/6位)
「今日は満足のいく結果ではありませんでした。内容もよくありませんでしたが、表彰台か、少なくとも4位になるチャンスはいくらでもあったので、6位というリザルトは非常に残念です。1ラップ目が悪く、2ラップ目は調子を戻しましたが、3ラップ目はまたうまくいきませんでした。それでも私のレースを支えてくれるチームと、ドクターの存在は本当に頼もしいです。こんなにすばらしいチームでトライアルができているのですから、ポジティブに考えて明日をがんばります」

ミゲール・シレラ監督
「今日のボウの勝利は、決して簡単ではありませんでした。今日の彼の勝利は、2ラップ目の驚くべき好スコアがあってのものだったと思います。そして3連勝することができ、選手権連覇に向けても、いい流れができていると思います。ブストの4位も驚くべきものでした。彼は日々確実に進歩を続けています。今後も丁寧に進歩を続けてほしいです。藤波は6位でしたが、4位になるのは簡単だったと思います。この混戦を戦い抜くのは非常に難しいですが、チームと彼にはそれができる力があると信じています。今後も難しい戦いが続くと思われますが、ポジティブに戦い続けていきます」

 

■決勝2日目

チェコ大会の2日目、ボウは日曜日も勝利して、日本大会に続いてここでもパーフェクトな勝利を挙げました。なおこの日、藤波とブストはそれぞれ4位と5位となりました。

この日も、ボウの戦いは簡単ではありませんでした。1ラップ目はファハルド、ラガに次ぐ3位でしたが、またも2ラップ目に驚異的なスコアを叩き出しました。1ラップ目の16点から、2ラップ目には4点。これでトップに立つと、3ラップ目も僅差ながらトップのスコアで、トータルでは2位のラガに6点差をつけて勝利を得ました。

ボウはこれで4戦4勝。ランキング2位のラガには、早くも18点の大差をつけており、9度目のタイトル獲得に向けて、リードが広がっています。

Repsol Honda Teamの2番手となったのが藤波です。4位となり、土曜日を上回る成績を残しました。表彰台は逃したものの、ヒザの不調と戦いながら、よく戦ったと言えます。

ブストは驚異的な4位を得た翌日に、今度は5位となりました。1ラップ目はミスが多く8位と出後れましたが、その後れをきっちりと取り返して5位となりました。

第3戦スウェーデン大会は、すぐ翌週です。

決勝2日目コメント

トニー・ボウ(2日目/優勝)
「大変すばらしい週末になりました。前日同様に、今日の戦いも非常に難しいものでした。1ラップ目は3位と出後れましたが、これも昨日同様に、2ラップ目に4点のベストスコアをマークし、勝利を勝ち取ることができました。冬の間、ノーストップルールにのっとって、本当に多くのトレーニングをしてきました。その成果がここにきて現れているのだと思います」

藤波貴久(2日目/4位)
「表彰台の獲得はできませんでしたが、今日の4位は満足のいくものです。いくつか失敗があってのこの結果ですから、より上位を得ることは可能だと信じて、次の戦いに臨みます。この週末はトニーのパーフェクト勝利と、ブストの4位入賞がありました。この偉大な結果を祝福して、チームのすばらしい仕事に感謝したいと思います」

ハイメ・ブスト(2日目/5位)
「今日の出だしは最悪でした。集中を取り戻そうと努力しましたが、すべて裏目に出てしまいました。2ラップ目もあまりよくありませんでした。3ラップ目はうまくやれたと思います。最終的な結果は悪くなかったと思います」

ミゲール・シレラ監督
「この週末もまた、すばらしいものでした。このような結果は、チームの大きな活力になります。ボウのトライアルはとてもいい内容で、しっかりとランキングをリードしています。藤波も体の調子を考えると、よくがんばって結果を残してくれました。今後、彼の成績はどんどんよくなると思いますが、我々もそれを確実に支えていきたいです。ブストは大会ごとに、多くのことを学んでいます。世界選手権の初めてのシーズンに彼が得るものは、我々チームにとっても得がたいものです。チームは常にライダーとともにあり、スムーズに活動できるように努力しています。今日の結果に感謝しつつ、来週、再び挑戦します」

決勝1日目リザルト

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 ラップ3 総減点 クリーン数
1 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 22 7 14 43 18
2 2 A.ラガ ガスガス 27 16 14 60 18
3 3 A.カベスタニー シェルコ 26 23 16 66 16
4 15ハイメ・ブストモンテッサ(Honda) 26 19 26 72 17
5 6 J.ダビル ヴァーティゴ 21 18 30 73 17
6 5藤波貴久モンテッサ(Honda) 28 20 28 76 16
 
9 14 エディー・カールソン モンテッサ(Honda) 34 27 37 98 10

決勝2日目リザルト

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 ラップ3 総減点 クリーン数
1 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 16 4 11 31 26
2 2 A.ラガ ガスガス 14 11 12 37 23
3 4J.ファハルドベータ 13 11 25 49 21
4 5藤波貴久モンテッサ(Honda) 25 17 22 65 15
5 15 ハイメ・ブスト モンテッサ(Honda) 31 23 15 69 17
6 3 A.カベスタニー シェルコ 21 22 28 71 19
 
11 14 エディー・カールソン モンテッサ(Honda) 38 28 35 101 10

ポイントスタンディング

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 80
2 A.ラガ ガスガス 62
3 J.ファハルド ベータ 56
4 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 53
5 A.カベスタニー シェルコ 47
6 ハイメ・ブスト モンテッサ(Honda) 44
 
10 小川友幸 Honda 16
13 エディー・カールソン モンテッサ(Honda) 12
21 佐藤優樹 Honda 1