round 08

August 31-September 1 2013 FIM Trial World Championship France フランス

SCHEDULE

トニー・ボウ、歴代記録に並ぶ7度目の世界タイトルを獲得

2013年8月31日(土)、9月1日(日)・決勝  会場:イゾラ2000  天候:31日(土)/曇り、1日(日)/晴れ
気温:31日(土)/16℃、1日(日)/20℃  観客:31日(土)/2000人、1日(日)/3000人

Repsol Montesa Hondaのトニー・ボウが、2013年FIMトライアル世界選手権のチャンピオンを獲得しました。イゾラ2000で開催されたフランス大会、つまり2013年の最終戦での快挙でした。今年のタイトル争いは厳しいものでしたが、最後の最後で、ボウはランキング2位のライバルのアダム・ラガ(ガスガス)を突き放しました。ラガはボウを激しく追い立て、土曜日には勝利を飾り、タイトル獲得に夢をつなげましたが、翌日曜日には3位となり、タイトル争いの追撃はここまでとなって、ボウのチャンピオン獲得が決まりました。

  • トニー・ボウ(中央)トニー・ボウ(中央)
  • トニー・ボウ(前列左から4番目)トニー・ボウ(前列左から4番目)
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久

PHOTO GALLERYへ

ボウの打ち立てた7度のアウトドア・トライアルの世界タイトル獲得は、ジョルディ・タレスとドギー・ランプキンに並ぶものとなりました。

ボウのチームメートである藤波貴久にとって、この週末は決して気分のいいものではありませんでした。藤波の成績は土曜日、日曜日ともに6位。そして、この結果、これまで守っていたランキング3位の座は、ジェロニ・ファハルド(ベータ)とアルベルト・カベスタニー(シェルコ)に逆転されて、5位に滑り落ちてしまいました。

ファハルドは土曜日に2位、日曜日は3位。藤波の不調に乗じ、それまでの差を一気に詰め寄って逆転。ラガに続く、ランキング3位の座を手中にしました。カベスタニーは、シーズン最後の戦いで2位、藤波をわずか1点差で逆転して、ランキング4位の座を獲得しました。

今回の会場であるイゾラ2000は、2011年に世界選手権の会場となって以来の戦いの舞台となったスキーリゾートです。岩だらけのセクションは町の周りにほどよく配置されていて、ちょうどスキーヤーが山を周回するのと同じようなルートをたどって戦いを繰り広げました。岩々の表面はつるつるで、グリップは見るからによくなさそうでした。しかも空は雲に覆われて、この上で雨が降れば、とても走りにくいコンディションになっていたところでした。

この戦いまでに、ランキングポイントでトップのボウに10点差をつけられていたラガは、ここで失うものはなにもありません。少しでも追いつくチャンスを狙い、そのポイント差を逆転しようと、セクションに集中していました。雨は降らず、トップライダーの戦いはクリーン合戦でスコアは少なめです。失敗ができないプレッシャーのかかる難しい戦いとなりましたが、そのような中、ラガは実にいい走りをみせました。そして、2位のファハルドに3点差をつけて、翌日の最後の戦いに向けて希望を残す勝利を得ました。これでボウとラガのポイント差は、試合前の10点差から一気に5点差に縮まりました。

土曜日の夜も、雨は降りませんでした。日曜日も再び、ボウは神経戦を戦わなくてはいけません。しかし、ボウの1ラップ目の成績は4位(同点タイ)でした。3つの5点を取ってしまった1ラップ目から一転、2ラップ目は2点が1つ、3ラップ目は1点が3つと、ほぼパーフェクトに近い走りを披露しました。これでボウは、文句のない勝利とタイトルを手に入れました。逆にラガは3位となり、最終的にはポイント差を再び10点としてシーズンを終えることになりました。

ラガは雨が降ると踏み、雨が降る前にすべてのセクションを走りきるために早まわりを敢行しました。一方、ボウは暗い雲が広がっているにもかかわらず、セクションの一つひとつに集中し、しっかりとセクションを攻略。暗い雲に惑わされることがなかった精神力、雨が降ることがなかったという幸運、与えられたチャンスを見事に引き寄せた実力が、ボウの7度目のタイトル獲得の原動力となりました。

コメント

トニー・ボウ(3位/優勝) 「今年のタイトル争いは例年になく過酷で、そしてこの週末もまた、大変苦しい戦いとなりました。土曜日はやや自信が足りない感じがありました。イギリスGPでケガをしてから、マシンにはあまり乗っていなかったからです。今回、ラガ選手とファハルド選手は本当にいい戦いをしていました。そしてプッシュも強烈でした。今日の戦いに至るまで、大変なプレッシャーの中にいましたし、雨がいつ降るかという心配もありました。そして、1ラップ目にいくつかのミスを犯してしまいました。1ラップ目の4位は困ったことになったと思いましたが、それからのリカバリーは、なかなかだったと思います。今年のチャンピオン争いは厳しかっただけに、初めてタイトルを獲得したときと同じような喜びと充実感にあふれています」

藤波貴久(6位/6位) 「シーズンのほとんどをランキング3位としてきて、走りも悪くなかったと思っています。しかし、最後の最後で、シーズン最悪の走りになってしまい、結果もまた、最悪のものとなりました。しかし今回は、なにか結果を阻むものがあったわけでなく、今回のセクションが、スタイルに合っていなかったという、そこに尽きると思います。ボウ選手とチームの栄冠は、よくやってくれたと思いますし、とてもうれしい気持ちです。しかし、私の結果とこの週末に関しては失望を隠すことはできません」

決勝

1日目

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 ラップ3 総減点 クリーン数
1 2 A.ラガ ガスガス 8 2 2 12 30
2 3 J.ファハルド ベータ 9 5 1 15 28
3 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 9 11 7 27 26
4 6 J.ダビル ベータ 12 13 15 40 22
5 4 A.カベスタニー シェルコ 28 7 13 48 21
6 5 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 23 12 16 51 21

2日目

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 ラップ3 総減点 クリーン数
1 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 17 2 3 22 27
2 4 A.カベスタニー シェルコ 17 6 4 27 25
3 2 A.ラガ ガスガス 15 2 11 28 28
4 3 J.ファハルド ベータ 15 11 10 36 26
5 6 J.ダビル ベータ 11 11 15 37 23
6 5 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 18 17 10 45 20

ポイントスタンディング

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 238
2 A.ラガ ガスガス 228
3 J.ファハルド ベータ 171
4 A.カベスタニー シェルコ 170
5 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 169
6 J.ダビル ベータ 135
16 小川友幸 Honda 14