round 07

July 27-28 2013 FIM Trial World Championship Great Britain イギリス

SCHEDULE

トニー・ボウ、タイトルに近づくダブルウイン

2013年7月20日(土)、21日(日)・決勝  会場:カーライル  天候:20日(土)/晴れ、21日(日)/豪雨のち晴れ  
気温:20日(土)/23℃、21日(日)/14℃  観客:20日(土)/4000人、21日(日)/4000人

FIMトライアル世界選手権の第7戦イギリスGPがカーライルで開催され、Repsol Montesa Hondaのトニー・ボウが2日間ともに勝利。自身7度目となる世界選手権のチャンピオンに向けて、王手ともいえるポイントリードを得ました。今回、ボウは日曜日の第7セクションでクラッシュし、脚にケガを負ってしまいましたが、今月末の最終戦フランス大会に向けては、不安はほとんどありません。また、チームメートの藤波貴久は、土曜日に2位、日曜日に4位で2日間のイギリスGPを終えました。

  • 藤波貴久(左)、トニー・ボウ(中央)藤波貴久(左)、トニー・ボウ(中央)
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久

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カーライルでの世界選手権開催は、2009年以来3度目となりました。カーライルとペンリス北部の間に位置する丘の上の会場は、スタート地点から200メートル圏内に12個のセクションが設営されていて、非常にコンパクト。観戦しやすい会場となっていました。多くは人工的なセクションでしたが、自然素材をうまく生かした設定です。

暖かな気候の中、土曜日のボウは完ぺきな試合運びをみせました。1ラップ目の減点はわずか3点で、それも第8セクションでの1カ所のみでした。この第8セクションでは、ライバルがことごとく5点となっていましたから、その完ぺきぶりが分かります。2ラップ目に入ると、ボウはそのリードを広げにかかります。2ラップ目の減点は、第10セクションでの1点のみ。ボウを追い上げてきたのは藤波で、1ラップ目の4番手から、2ラップ目には2番手まで浮上していました。

3ラップ目、ボウは第2セクションと第8セクションでそれぞれ5点を取ってしまいました。しかし、ボウのこの日の総減点は14点。2位の藤波と7点差で優勝を手にしました。藤波の2位は、本人にはもちろんのこと、チームにとっても大きなものでした。土曜日の結果、ボウはアダム・ラガ(ガスガス)との総合ポイント差を7点に広げ、また藤波ランキング3位となりました。

翌日の決勝2日目は、前日の夜に降り始めた雨が一晩中激しく降り続き、土曜日とは全く異なるコンディションとなりました。主催者は悪天候に合わせてセクションの変更を行いましたが、それでも難易度の高い設定となりました。1ラップ目、ボウは第2セクションで5点。これでラガが暫定トップとなります。しかし、ボウはすぐにその差を取り戻し、2位以下に大差をつけて2日間連続の勝利を飾りました。

しかし、勝利をつかんだ最終ラップの第7セクションで、ボウは激しくクラッシュ、鋭利な岩で腹部を切ってしまったように見えました。チームは彼の出血を包帯で止めて、勝利に向けて残り5セクションを走り続けたのでした。ボウはゴール後、表彰式には長居をせず、ドクターの診察を受けることになりました。

藤波は、土曜日に続いて2位を獲得すべくがんばりましたが、2番手で迎えた最終セクションで5点となったことで、4位で2日目を終えました。

ボウは最終戦の2レースを残して、総合ポイントで10点のリード。8月末にフランスで行われる最終戦でも、タイトル獲得に向けて全力を尽くします。また、藤波は現在ランキング3位で、4位とは7点差となっています。

コメント

トニー・ボウ(優勝/優勝) 「この週末は、私にとっては最後までほぼ完ぺきでした。最終ラップの第7セクションでのアクシデントは、大クラッシュでしたし、痛みをともなうものでした。岩の上で、自分の出血が多いのを知って、これは尋常ではない事態だと認識しました。チームは私を最後まで走らせるために、いい仕事をしてくれました。今は痛みがありますが、ドクターが傷口を縫合してくれましたし、数日の安静で回復するのではないかと思っています。今回の2勝はタイトル獲得のためにはたいへん重要な勝利でした。もちろん、次のフランス大会も重要な戦いであることに変わりはありません」

藤波貴久(2位/4位) 「土曜日の結果は、私にとってもチームにとってもいいものでした。しかし、日曜日はまずまずといったところです。私の目標は表彰台に上ることです。日曜日もその目標まであと一歩でしたので、気分がよいとも言えません。ただ、全体的には、この週末の結果に満足しています。チェコGP以降、チームは一生懸命に仕事をしてくれました。マシンの仕様を一部変更してくれましたが、それが私の自信を取り戻すことにもつながりました。チームのみんなには、特に感謝をしたいところです。残る最終戦で、このままの調子を維持してランキング3位を獲得するのが、私の今シーズンの大きな目標です」

決勝

1日目

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 ラップ3 総減点 クリーン数
1 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 3 1 10 14 32
2 5 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 12 8 1 21 27
3 2 A.ラガ ガスガス 16 8 21 45 24
4 3 J.ファハルド ベータ 15 11 20 46 21
5 4 A.カベスタニー シェルコ 11 13 25 49 24
6 6 J.ダビル ベータ 10 26 19 55 19

2日目

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 ラップ3 総減点 クリーン数
1 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 11 14 14 39 23
2 2 A.ラガ ガスガス 24 23 18 65 12
3 3 J.ファハルド ベータ 22 21 25 68 19
4 5 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 27 27 15 69 16
5 4 A.カベスタニー シェルコ 21 26 32 79 12
6 12 L.グビアン ガスガス 29 31 36 96 12

ポイントスタンディング

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 203
2 A.ラガ ガスガス 193
3 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 149
4 A.カベスタニー シェルコ 142
5 J.ファハルド ベータ 141
6 J.ダビル ベータ 111
16 小川友幸 Honda 14