round 01

April 28 2013 FIM Trial World Championship Japan 日本(ツインリンクもてぎ)

SCHEDULE

藤波貴久が一進一退の攻防を制し、ホームもてぎで優勝!

2013年4月28日(日)・決勝2日目 会場:ツインリンクもてぎ

FIMトライアル世界選手権の日本GP、決勝2日目。ノンストップルールでの初めての大会となった初日は、トニー・ボウ(Repsol Montesa Honda)が昨年同様の強さをみせました。前日の経験を生かして、各ライダーはノンストップルールにより則した走りをするべく、2日目の3ラップ12セクションに挑みました。

  • 藤波貴久(中央)、トニー・ボウ(右)藤波貴久(中央)、トニー・ボウ(右)
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • 小川友幸小川友幸

PHOTO GALLERYへ

2日連続優勝を目指すボウは、1ラップ目の6セクションまでをすべてクリーンとし、快調な滑り出しをみせます。藤波貴久(Repsol Montesa Honda)は、第4セクションで1点、第5セクションで1点と細かい減点がありましたが、前日の連続5点からばん回し、小気味よいライディングを続けます。

ところが、水に濡れた第7セクションで、ボウのマシンのエンジンが止まってしまいます。動きながら再始動できれば減点にはなりませんが、間に合いません。昨年までは、足をつかずに再始動できれば減点ゼロでしたが、ノンストップルールが採用された今年は、この時点で5点になります。

これでボウのリードはなくなり、トップはジェロニ・ファハルド(ベータ)となりました。ファハルドは第1セクションで減点1点を取って以降、すべてのセクションでクリーンを続けました。

続く第8セクションは前日とは異なり、2段のコンクリートブロックを一気に登る設定に変更されていました。ここを藤波、ファハルドらはクリーン。コンクリートブロックに丸太が敷かれて、少し走破しやすくなっていたのが理由の一つです。ところが、ここでボウは5点となってしまい、第7セクションに続いて2連続の5点です。これでボウは、大きく順位を落としてしまいました。

藤波は、そのあとは第11セクションまでをすべてクリーンとし、難セクションである最終セクションを2点で抜けて1ラップ目を終えました。1ラップ目の減点は4点。ファハルドは第1セクションの1点のみで、1ラップ目の減点は1点。3番手につけたのはアダム・ラガ(ガスガス)で、減点8点。ボウは、18点の7番手タイで1ラップ目を終えました。

2ラップ目、ボウが懸命の追い上げをみせます。2ラップ目の減点は、第4セクションでの1点のみ。2ラップ目は、ファハルドが3点、藤波が6点となり、この時点でボウは4番手まで順位を上げました。しかし、トップは依然としてファハルド。ファハルド4点、藤波10点。2人は6点差で、優勝争いは最終ラップに突入しました。

最終ラップで最初にミスをしたのはファハルド。第4セクションの出口で失敗し、ストップの5点ではなく、完全に登りきれなかったための5点となりました。藤浪は、ファハルドの失敗を知らずに試合を続けます。そして第5セクション、今度は藤波が5点となってしまいます。このように、勝負は一進一退のまま、終盤戦に突入します。

最終セクションに到着した藤波は、半ば2位を確信していました。ファハルドの調子がよく、藤波は逆転するほどのスコアではなかったためです。しかし、ファハルドは第11セクションで失敗し、5点となりました。

この時点で、両者の点差はわずか1点。藤波が15点、ファハルドが14点。難セクションの最終セクションのスコア次第では、十分逆転の可能性がある状況となりました。

最終セクション、藤波に先駆けてファハルドがトライ。ファハルドはセクション序盤から中盤にかけて、美しくクリーンで走り抜けます。そして最後の上り斜面。ここでファハルドは後輪を滑らせてしまい5点。藤波陣営は色めき立ちました。

これでファハルドは19点。対して藤波は最終セクションを残して15点。4点差あり、藤波はここを3点で抜ければ優勝ということになります。

しかし、この時点で藤波はまだ正確な点数を知りませんでした。同点や1点差という情報もあり、藤波は最終セクションをクリーンにするつもりで挑みました。途中で1点をついてしまいましたが、セクションをアウトした藤波を待っていたのは、優勝を祝う言葉でした。

藤波の優勝は2010年のイギリス大会以来、3年ぶり。日本GPでの優勝は、05年以来、8年ぶりでした。表彰台でマイクを渡された藤波は、集まったファンに、何度も何度も「ありがとう」と繰り返していました。

コメント

藤波貴久(優勝)「よかった。本当によかったです。この勝利は、とても大きな一勝になると思います。昨日は全く不本意な結果に終わりましたが、練習のときにはノンストップルールを上手に走れていましたので、今日は自信を持って走ることを心掛けました。最終セクションでは1点をついてしまったので、トライ中に『負けた』と思ったのですが、セクションを出たところでファハルド選手に『おめでとう』と声をかけられ、優勝を知りました。新しいエンジンを作ってくれたHondaやHRCの皆さん、そしてなにより、ファンの皆さまのおかげで勝つことができました。ありがとうございます。本当にありがとうございます。長い間、本当に長い間、お待たせしました」

トニー・ボウ(3位)「今日は1ラップ目がよくなかったですね。5点を3つも取ってしまい、それで今日の勝利はなくなりました。なにがあったのかは、自分自身でも分かりません。それでも、昨日に続いて今日も表彰台に上がることができたので、いい週末だったと思います」

小川友幸(11位)「今日は11位と、昨日の7位に比べていい結果とはなりませんでしたが、昨日も今日も、楽しんで走ることができました。今回は藤波選手、ボウ選手と同じマシンに乗ることができ、それが結果に表れたのもよかったと思います。ただマシンに慣れる時間が全くなかったので、2日間走って、正直、まだ慣れてはいません。このマシンには、これから全日本でも乗ることになるので、これからの結果が楽しみです」

決勝2日目

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 ラップ3 総減点 クリーン数
1 5 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 4 6 6 16 28
2 3 J.ファハルド ベータ 1 3 15 19 31
3 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 18 1 1 20 30
4 2 A.ラガ ガスガス 8 12 2 22 26
5 6 J.ダビル ベータ 12 11 3 26 25
6 4 A.カベスタニー シェルコ 16 10 13 39 24
 
11 19 小川友幸 Honda 24 20 28 72 14
17 22 柴田暁 Honda 39 38 42 119 6
20 23 斎藤晶夫 Honda 55 53 45 153 3

ポイントスタンディング

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 35
2 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 33
3 A.ラガ ガスガス 30
4 J.ファハルド ベータ 28
5 A.カベスタニー シェルコ 25
6 J.ダビル ベータ 21
 
8 小川友幸 Honda 14