round 6

July 8 2012 FIM Trial World Championship Italy 第6戦 イタリア
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トニー・ボウ、勝利とともに6回目のアウトドアワールドタイトル獲得

2012年7月8日(日)・決勝  会場:サント・ステーファノ・ダーヴェト  天気:快晴
温度:31℃  観客:8000人

Repsol Montesa Hondaのエース、トニー・ボウは、愛車Montesa COTA 4RTマシンとともに劇的勝利を飾りました。この勝利は、同時に今シーズンの大きなゴール、2012年世界チャンピオン獲得を意味します。ボウは、これで6回目のアウトドア世界チャンピオン。残り1大会、2戦を残してのタイトル決定でした。

  • 藤波貴久(左)、トニー・ボウ(中)藤波貴久(左)、トニー・ボウ(中)
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久
  • トニー・ボウトニー・ボウ

ボウの勝利とともに、藤波貴久(Repsol Montesa Honda)が2位に入賞。1位、2位を独占して、今回はチームにとって、これ以上ない結果となりました。

1ラップ目のリーダーはアルベルト・カベスタニー(シェルコ)でしたが、彼は2ラップ目に大量の減点をとってしまい、これがHondaの両ライダーの上位進出の一因となりました。

イタリアの小さな町、サント・ステファノ・ダーヴェト。ここは過去にイタリア選手権を開催したことがありますが、世界選手権はこれが初めてです。ジェノアの町から北東に75km。風光明媚なアベート国立公園の一角に設けられた会場は、パドックもコンパクトで、15のセクションのほとんどは美しい町を見下ろす高台に位置していました。

前大会アンドラでの勝利者、カベスタニーは、今回もまた勝利を奪おうと、1ラップ目は好調なスコアをマークしました。1ラップ目のスコアはたったの6点。第4セクションと第11セクションでそれぞれ3点をとっただけの驚異的スコアです。この日、1ラップを一桁で回ったのは、カベスタニーただ一人でした。

対照的に、ボウやその他のライダーは、テクニカルなセクションの攻略に苦しみました。さらにボウは、スペインで負傷した左すねを悪化させないようにも気をつけなければいけませんでした。3つの5点をとった時点で、この日のボウの勝利は、たいへん難しくなったと、誰もが思いました。

結局、ボウは18点で1ラップ目を2位。カベスタニーとは12点差で、3点差で3位に藤波を従えていました。4番手にはジェイムス・ダビル(ベータ)がつけています。続くラガは、減点26点で5番手。この日の彼は、不調のようです。

2ラップ目、カベスタニーはいきなり変調。2ラップ目だけで、5つの5点をとってしまい、勝負の行方は混とんとしてきます。この情報を知ったボウに、ふたたび強力なモチベーションが芽生えました。勝利に向けて、そして世界タイトルに向けて、ボウの追撃が始まりました。その一方で、カベスタニーはダビルとともに2ラップ目になって調子を落としていきます。ダビルは最終的に5位。ラガに逆転を許していました。

ボウと藤波、4ストロークのファクトリーマシンに乗る2人は、2ラップ目にすばらしい戦いぶりを見せ、それぞれ12点と11点で15セクションを走り終えました。2ラップ目の、この2人に続くベストスコアはラガの20点ですから、2人の好調ぶりがうかがえます。2ラップ目のこの結果は、ボウを勝利に押し上げ、藤波を2位とするには十分なものでした。

そしてこの日、ボウのチャンピオン争いのライバルであったジェロニ・ファハルド(ベータ)は、6位に低迷。これをもって、ボウは2位以下に50点以上のポイント差をつけることができました。残りはイギリス大会の2戦。この2戦で、カベスタニーかファハルドが連勝し、ボウがたとえこの2戦に参加しなくても、チャンピオンシップのポイントが逆転することはありません。ボウの2012年世界タイトルが、この日決定しました。

コメント

トニー・ボウ(優勝)「今日は、不思議な感じの一日でした。負傷の具合も気になるし、マシンとのコンビネーションも決していい状態ではありませんでした。それでミスも多く出ました。今日は私の望む日にはならないと覚悟しました。しかしそのあと、すべてが一変します。カベスタニーがミスを連発しはじめ、私のライディングもよくなってきました。そして勝利は私のものとなったのです。一日が終わって、最後には今日は望むべき結果となり、私はたいへん満足です。世界チャンピオンは勝利で決めたいと思っていましたが、それが今日実現するとは、試合中にはなかなか信じることができませんでした。これで6回目のアウトドア世界タイトル。ジョルディ・タレスとドギー・ランプキンの記録まであと1つとなりましたが、まずは私は、医者と話をしなければいけません。最終戦イギリス大会に出場するかどうかは、それからの決断となります」

藤波貴久(2位)「今日は自分の結果にも満足しているし、トニーが世界チャンピオンを獲得した点でも大いにうれしい日となりました。チームの喜びは、僕の喜びでもあります。トニーと同様に、僕も試合の序盤はいい調子とはいえませんでした。ライディングは悪くなく、ところどころでいい走りができるのですが、別のところではひどい失敗をしたりしました。2ラップ目は少しよくなって、5点ふたつと第4セクションでの1点だけでラップを終えることができました。2位表彰台はいい結果でした。指はまだ少し痛みますが、最終戦に向けて、闘志のわく結果となりました。まだ僕は、ランキング5位の結果をそのまま受け入れるつもりはありません」

決勝

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 総減点 クリーン数
1 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 18 12 30 20
2 3 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 21 11 32 20
3 4 A.カベスタニー シェルコ 6 27 33 21
4 2 A.ラガ ガスガス 26 20 46 14
5 8 J.ダビル ベータ 21 29 50 13
6 5 J.ファハルド ベータ 39 30 69 11

ポイントスタンディング

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 210
2 A.カベスタニー シェルコ 160
3 J.ファハルド ベータ 160
4 A.ラガ ガスガス 155
5 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 147
6 J.ダビル ベータ 109
 
14 小川友幸Honda16