round 5

June 23/24 2012 FIM Trial World Championship Andorra 第5戦 アンドラ
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SCHEDULE

  • レース情報
  • 決勝

トニー・ボウ、タイトルに手をかける

2012年6月23日(土)、24日(日)・決勝  会場:サン・ジュリア・デ・ロリア  天候:快晴(土)/快晴(日)
温度:32℃(土)/35℃(日)  観客:2300人(土)/3100人(日)

スペインとフランスの間にあるピレネー山脈に位置する小さな国アンドラで、FIMトライアル世界選手権第5戦が開催されました。Repsol Montesa Hondaのトニー・ボウは、2日間で争われるこの大会で1位と4位を獲得しました。

  • トニー・ボウ(中央)、藤波貴久(右)トニー・ボウ(中央)、藤波貴久(右)
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久

2日目に優勝したのはアルベルト・カベスタニー(シェルコ)で、ボウは今シーズン初めて表彰台を逃すことになりました。しかし、それでもボウのランキングポイントのリードは圧倒的で、アンドラ大会が終わったところで2位ジェロニ・ファハルド(ベータ)に40点もの大差をつけています。今シーズンの残り試合は、イタリアとイギリスの2大会のみとなりました。

ファハルドは、両日ともに2位となり、この2日間だけで見れば誰よりも高得点をマークしたライダーとなりました。

ボウのチームメートの藤波貴久は、2日目には5位と低迷してしまいましたが、土曜日には表彰台に上りました。

今回レースが開催されたアンドラは、世界選手権ではとても有名な開催国です。初めて世界選手権を開催したのは1992年でした。それ以後、ここでは15回にも及ぶトライアル世界選手権が開催されています。

谷間の町であるサン・ジュリア・デ・ロリアからそびえる山肌が、今回のトライアルの会場です。標高2000メートル以上と、世界選手権で最も高いところにあり、マシンにもライダーにも過酷な会場として知られています。

土曜日の大会は、澄んだ空の下で開催。気温も高く、ライダーの疲労も大きくなりそうです。第4セクションで、ボウはそのファクトリーマシン、Montesa COTA 4RTのコントロールに失敗。珍しいことですが、リードを奪われて追い上げの展開となりました。ここを5点以外で抜けたのは、カベスタニーと藤波の2人だけ。カベスタニーは1点で、藤波は3点で通過しました。

次にボウが大きなミスをしたのは、第10セクションでした。ここでは、ファハルドとジェイムス・ダビル(ベータ)がクリーン、藤波が1点で通過しています。

1ラップが終わったところでスコアを見ると、ボウと藤波は10点で同点でした。彼らより好スコアで1ラップを終えたのはファハルド一人だけでした。ファハルドの1ラップ目の減点は6点。ボウと藤波による2ラップ目からの追い上げが期待されました。

前回負傷した左すねをテーピングで守りつつ、ボウは2ラップ目に真価を発揮。2ラップ目にボウが失ったのは、1ラップ目で5点を喫した第4セクションでの1点のみ。これにはライバルもなす術がありません。ボウはこれで、今シーズン8連勝を達成しました。

翌日曜日、ライダーがセクションの特徴を会得したとして、4つのセクションが変更を受けて2日目が始まります。

前日と違い、この日第1ラップのボウは、第4と第14の2つのセクションで、それぞれ1点を失ったのみ。2位のベスタニーには2点差をつけました。さらに、カベスタニーに1点差でファハルドが続いています。

しかし2ラップ目、ボウはこの2つのセクションで、今度は1点ではなく5点をとってしまいました。この日の試合展開を考えると、2つの5点は優勝争いから脱落するには十分な失点と言えます。結局ボウは、表彰台に上ることもなく、4位で試合を終えました。

カベスタニーはファハルドとの神経戦を制し、3点リードで今シーズン初優勝。カベスタニーの減点は10点、ファハルドが13点でした。ファハルドに離されることわずかに1点で、アダム・ラガ(ガスガス)が14点で続きます。ラガは前日には表彰台を逃していますが、この日はこの3人が表彰台を獲得しました。

日曜日に破れたとはいえ、ボウはここまでで40点のポイントリードを築いています。このままリードを守れば、次のイタリア大会では、最終戦を待たず、6回目のアウトドア世界チャンピオンを獲得することになります。

コメント

トニー・ボウ(優勝/4位)「この週末は、いろいろあって感想も複雑です。土曜日は自分のライディングができたと思います。1ラップ目にはミスがありましたが、足のケガもあったし、2ラップ目に自分でも驚くようなライディングでファハルドを破ることができました。日曜日は全く異なりました。スタートした頃、私のライディングは自信に満ちあふれていました。しかし2ラップ目になって、土曜日の1ラップ目と同じことになりました。私の5点は、ゲートのカードに触れてしまうという失敗で、なんとも不運なものでした。しかし、これがトライアルですから、仕方ありません。第14セクションでの5点は、タイミングをミスして、バイクのグリップを失ってしまったのが原因でした。セクションが簡単な設定だと、1つ2つのミスがこんなふうに私を苦しめます。今日の結果は、とてもすばらしいとは言えませんでした。しかしイタリアで、再び最善を尽くして戦う準備は、すでに整っています」

藤波貴久(3位/5位)「今回はトニー(ボウ)と同じように、土曜日はよかったのに日曜日がだめでした。土曜日はなかなかいい走りができたし、結果的にも2位と僅差での3位表彰台でした。私が目指すべきは、毎試合表彰台に上ることです。それができればハッピーだし、そうでなければハッピーとは言えません。日曜日も、ライディングのレベルは低くなかったと思います。小さなミスはありましたが、1ラップ目にはトニーと同点でトップ争いの輪に入っていました。しかしそこから先、私は5位になることしかできませんでした。積極的にトライしたのですが、ミスが大きく出てしまいました。結果的に、4位にも大きな差をつけられての5位となってしまいました。世界選手権で、私のいるべき位置に戻るためにすることは明らかです。表彰台に上り続けること。これにつきます。残る3試合、がんばりたいと思います」

決勝

1日目

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 総減点 クリーン数
1 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 10 1 11 27
2 5 J.ファハルド ベータ 6 8 14 24
3 3 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 10 10 20 21
4 2 A.ラガ ガスガス 13 10 23 24
5 4 A.カベスタニー シェルコ 18 14 32 20
6 8 J.ダビル ベータ 19 14 33 18

2日目

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 総減点 クリーン数
1 4 A.カベスタニー シェルコ 4 6 10 24
2 5 J.ファハルド ベータ 5 8 13 25
3 2 A.ラガ ガスガス 7 7 14 23
4 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 2 13 15 23
5 3 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 11 17 28 19
6 8 J.ダビル ベータ 30 21 51 14

ポイントスタンディング

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1トニー・ボウモンテッサ(Honda)190
2J.ファハルドベータ150
3A.カベスタニーシェルコ145
4A.ラガガスガス142
5藤波貴久モンテッサ(Honda)130
6J.ダビルベータ98
 
14 小川友幸Honda16