round 3

June 2 2012 FIM Trial World Championship Japan 第3戦 日本(ツインリンクもてぎ)
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SCHEDULE

  • レース情報
  • 決勝1日目
  • 決勝2日目

トニー・ボウが圧倒的な走りを見せて1日目を制す。藤波貴久は4位

2012年6月2日(土)・決勝1日目  会場:ツインリンクもてぎ
天候:晴れ  温度:25℃  観客:5500人

FIMトライアル世界選手権の第3戦日本グランプリが、開業15周年を迎えるツインリンクもてぎで開幕しました。昨年は東日本大震災の影響で8月に開催された日本グランプリでしたが、今年は例年通り6月の開催となり、今回で13回目です。

  • トニー・ボウ(中央)トニー・ボウ(中央)
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • トニー・ボウトニー・ボウ
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 藤波貴久藤波貴久
  • 小川友幸小川友幸

土曜日は、曇りという予報に反して、好天に恵まれました。日曜日は雨予報のため、1日目はラッキーな観戦日和となりました。

しかし、好天によりコースコンディションが良好となり、5年連続チャンピオンであるトニー・ボウ(Repsol Montesa Honda)にとっては、セクションが簡単になりすぎたようです。1ラップ目では、最後から5番目にスタートし、セクションを次々にクリーンにしていきます。ついに最終セクションに来るまで、14連続クリーンという抜群の走りを見せつけました。

今回は15のセクションがハローウッズの森の周辺に設営されていて、観客にとってもコンパクトで観戦しやすいものとなっていました。ライダーにとっては森の中のコースを満喫しつつ、次々に難セクションが現れる設定でしたが、ボウに足をつかせるポイントはなかなか現れませんでした。

ボウがようやく足をついたのは、1ラップ目の最後の第15セクションでした。1ラップ目の減点が1点。2番手につけたアルベルト・カベスタニー(シェルコ)は11点と、その差は決定的なものとなりました。3番手のジェロニ・ファハルド(ベータ)が13点、4番手のアダム・ラガ(ガスガス)が14点と、ボウが圧倒しました。

一方、藤波貴久(Repsol Montesa Honda)は、序盤に大きなミスが続きました。3連続クリーンをしたあとの第4セクションで岩に上れず5点、続く岩盤の1つ目ではカードに触れて5点と、一気に10点を減点され、厳しい戦いを強いられてしまいました。その後、第10セクションの最後の上りでも5点を減点され、5点だけで15点。トータル18点の減点は表彰台争いをするには厳しい減点数です。

藤波の不調を尻目に、1ラップ目にいい走りを見せたのは日本のHonda勢のホープ、小川友幸(Honda)でした。小川は第1セクションで5点の減点。リアブレーキのトラブルで、最後の丸太を越えてウイリー状態となったマシンをコントロールできず、さお立ちになってしまっての5点でしたが、このトラブルを修復したあとは第8セクションまですべてのセクションをクリーンにしています。第9セクション以降、減点をするようになってしまいましたが、第14セクションを終えた時点では藤波と同点の18点。惜しくも最終の第15セクションを攻略できずに5点となって、1ラップ目の減点23点で7番手でしたが、第1セクションの5点がなければ、藤波と同点で1ラップ目を終えていたことになります。

2ラップ目もボウの好調は揺るぎません。次々にクリーンを重ね、今度はオールクリーンも夢ではないという走りを見せました。

ところが1ラップ目にクリーンをしていた第10セクション、ここは1分半の持ち時間がギリギリとなるセクションでしたが、持ち時間をセーブしようと走りを急いだ結果、カードに触ってしまって5点。5点1つが勝敗に影響することは全くなかったとはいえ、ラップオールクリーンの夢がついえてしまいました。

結局、2ラップ目のボウはこの5点が1つだけ。2ラップトータルでもたったの6点。30セクションを走ってクリーン28という大差の勝利を飾りました。

藤波は途中、クラッチの調整などをしているうち、スタートの遅かったボウに追いつかれ、2ラップ目の第4セクションからはボウの後ろを走ることになりました。これでだいぶん調子を取り戻して、1ラップ目にカードに触れて5点となった第5セクションで1点、同じく1ラップ目に時間に追われて最後の最後を上れなかった第10セクションで3点となった以外は、13セクションまでを全部クリーンにしていきます。第10セクションの3点も、時間をセーブするために必要な減点だったと言えます。

ところが第14セクション、ハローウッズの庭の恒例の庭園セクションで後輪を滑らせてオーバーハングを上りきれず、5点となってしまいます。さらに最終セクションで1点。2ラップ目に10点を取ってしまって上位陣を追い上げきれずに、4位という結果に終わりました。

小川の2ラップ目は、1ラップ目より減点を増やしてしまいました。1ラップ目にクリーンをしたところで3つの5点。これで順位を2つ下げて9位となりました。

日本グランプリ2日目は、同じ15セクションを使って開催されます。スタートは午前9時49分ごろから。最終スタートのボウは午前11時ちょうどのスタートです。

コメント

トニー・ボウ(優勝)「今日は完ぺきなレースができて、大満足です。雨を予想していたのかもしれませんが、セクションは簡単すぎると思います。明日は雨が降るという予報なので状況は変わるかもしれませんが、雨が降らないとしたら、セクションに手を加えたほうがいいと思います。ともあれ、私にとってはよいレースとなりました」

藤波貴久(4位)「今日は1ラップ目が悪すぎました。そうなってしまってはいけないと思っていたにもかかわらず、ホームGPの雰囲気にのまれてしまったと思います。監督からもその点を指摘され、トニー(ボウ)に前を走ってもらって、少し気分を変えることができたと思いますが、表彰台にのれずに終わってしまいました。情けない思いです」

小川友幸(9位)「第1セクションの5点は仕方ないですが、そのあとはいい調子で走れていました。ただ、普段は1セクション1分のトライアルをしていますので、1分半の世界選手権では体力に限界がきて、2ラップ目にはスコアを落としてしまいました。でも久しぶりに、走ったぞという実感のある、おもしろい大会ができました」

決勝

1日目

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 総減点 クリーン数
1 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 1 5 6 28
2 5 J.ファハルド ベータ 13 6 19 23
3 4 A.カベスタニー シェルコ 11 11 22 24
4 3 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 18 10 28 22
5 8 J.ダビル ベータ 20 12 32 22
6 2 A.ラガ ガスガス 14 21 35 15
 
9 16 小川友幸 Honda 23 29 52 15
18 19 柴田暁 Honda 56 45 101 4
19 20 斎藤晶夫 Honda 71 63 134 0