2005年度トライアル世界選手権第9戦ドイツ大会が9月3日、4日にドイツのゲフリーで行われ、アダム・ラガ選手(ガスガス)が両日とも優勝し、チャンピオンを獲得した。
ドイツのニューレンブルグから約100km北上したところにあるゲフリー。今回の会場は、標高が低く、パドックの地点で標高500mだった。さらに一番高い地点でもそこから250m高いだけだったのである。
金曜日にライダーとオフィシャルが行った下見では、コースにはさまざまな種類のセクションが含まれており、難易度も適切であることが判明した。
セクション1から5まではパドックに比較的近い場所に設けられ、険しい上り坂や岩場を特徴としていた。セクション6から14まではパドックから数キロ離れたところにあり、現在は使用されていない採石場に設けられていた。1ラップの距離は今シーズン最長で、14kmにも及んでいた。
採石場に設けられたセクションもバランスが取れていて、岩場や木陰のセクション、険しい上り坂などがちょうどよくミックスされていた。
土曜日午前中に行われたラップ1では、当初ラガ選手と昨年のチャンピオン藤波貴久選手(Repsol Montesa-HRC)は緊張していた。藤波選手のチームメイト、ドギー・ランプキン選手もはじめは本調子ではなかったが、第4セクションを減点1で通過してから復調した。
結局、土曜日のラップ1をトップの成績で終えたのは、3人目のRepsol Montesa-HRCライダー、マーク・フレイシャー選手。2番手ラガ選手、3番手アルベルト・カベスタ二ー選手(シェルコ)とジェロ二・ファハルド選手(ガスガス)、5番手ランプキン選手という結果となった。
土曜日午後に行われたラップ2でも、大きな変化はなかった。優勝争いはラガ選手とフレイシャー選手の間で行われたが、最終的にラガ選手が素晴しいパフォーマンスを見せて優勝。2位フレイシャー選手となり、3位にランプキン選手が上がった。
藤波選手はナーバスになり、ミスを多発して8位で土曜日のトライアルを終えた。この時点で、藤波選手のタイトル防衛はかなり難しくなっていた。2週間後に行われる最終戦に臨む前にラガ選手がチャンピオンを決めるのを阻止するためには、藤波選手は日曜日にはなんとしてでもラガ選手より上の順位でフィニッシュしなくてはならなくなっていたのである。
日曜日になると藤波選手も復調した。ラップ1でマークした減点5は1回だけで、総減点数も14に抑えられた。その後、カベスタ二ー選手が減点11で一時トップに立ったが、すぐにラガ選手が減点8でリーダーボードのトップに上がった。
午後のラップ2でもラガ選手のトップは揺るがず、結局ラガ選手は減点17で優勝し、初のアウトドア・トライアル世界タイトルを獲得した。
日曜日に2位に入ったのはアントニオ・ボウ選手(ベータ)。藤波選手も3位で表彰台に上がった。
ラップ1を終えた時点で9位だったランプキン選手もラップ2ではばん回し、4位で日曜日のトライアルを終えた。逆に土曜日に2位だったフレイシャー選手は7位に終わった。
タイトルはすでにラガ選手(235ポイント)のものとなったが、ランキング2位争いはし烈だ。現在ランキング2位につけている藤波選手が205ポイント、同3位のランプキン選手が201ポイント、同4位のカベスタ二ー選手が199ポイントとなっているからだ。
最終戦ベルギー大会は9月18日にスパフランコルシャンで行われる。
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