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SUPER GT

round 03

SCHEDULE

June 21 2015, RACE SUPER GT Round 3

タイタイ

#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/武藤英紀組)が激しい追い上げで3位表彰台を獲得
GT300クラスの#55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)は10位フィニッシュでポイントを獲得

2015年6月21日(日)・決勝  会場:チャーン・インターナショナル・サーキット(4.554km)  天候:晴れ
気温:35℃(15:00時点)  路面温度:55℃(15:00時点)  コースコンディション:ドライ
観客:3万8381人(主催者発表)

6月21日(日)、タイ・ブリーラムのチャーン・インターナショナル・サーキットにおいて、2015 オートバックス SUPER GT第3戦「BURIRAM SUPER GT RACE」の決勝レースが行われました。

  • 塚越広大選手(左)、武藤英紀選手(右)塚越広大選手(左)、武藤英紀選手(右)
  • #17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT
  • #17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT
  • #15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT
  • #15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT
  • #64 Epson NSX CONCEPT-GT#64 Epson NSX CONCEPT-GT
  • #8 ARTA NSX CONCEPT-GT#8 ARTA NSX CONCEPT-GT

バンコクから北東へおよそ400kmに位置するチャーン・インターナショナル・サーキットは昨年オープンしたばかりの新しい施設で、SUPER GTの開催は昨年に続いて2度目となります。

20日(土)に行われた公式予選では、#64 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット組)がHonda勢トップの5番グリッドを獲得。#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/武藤英紀組)は7番グリッド、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)は9番グリッド、#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(小暮卓史/オリバー・ターベイ組)は12番グリッド、#8 ARTA NSX CONCEPT-GT(松浦孝亮/野尻智紀組)は15番グリッドをそれぞれ獲得しました。

決勝日である日曜日は、午前9時50分から30分間にわたってフリープラクティスが行われ、午後3時に66周で競われるレースがスタートしました。

午前のフリープラクティスでは、1分26秒688を記録して3番手となった#64 Epson NSX CONCEPT-GTが前日からの好調を維持してHonda勢トップ。さらに#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTは8番手、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは10番手、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは11番手、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTは15番手となり、これに続きました。

スタートドライバーを務めるのは、5番グリッドの#64 Epson NSX CONCEPT-GTはバゲット選手、7番グリッドの#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは武藤選手、9番グリッドの#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは山本選手、12番グリッドの#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTはターベイ選手、15番グリッドの#8 ARTA NSX CONCEPT-GTは松浦選手でした。

午後3時、1周のフォーメーションラップに続いて、66周で競われる決勝レースが幕を開けました。#64 Epson NSX CONCEPT-GTはスタート直後から好調で、ライバルの1台をオープニングラップで追い越して4番手に浮上し、続いてトップ3に迫ります。そして5周目に3番手を走るライバルを攻略しようとしますが、2台は接触し、#64 Epson NSX CONCEPT-GTに乗るバゲット選手はスピン。バゲット選手は素早く体勢を立て直して走行を再開しましたが、実質的には最下位までポジションを落とすことになりました。

同じく5周目、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTがピットストップを行います。タイヤを外して原因を調査したところ、サスペンショントラブルが発生していることが判明。残念ながらここでリタイアする判断が下されました。

一方、松浦選手が乗る#8 ARTA NSX CONCEPT-GTは、5周目には10番手までポジションを上げます。この周、Honda勢のトップは6番手にポジションを上げた#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTで、#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTは12番手、#64 Epson NSX CONCEPT-GTは13番手につけていました。

7周目、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTに乗る武藤選手は目の前を走るライバルの攻略に成功し、5番手にポジションを上げます。さらに10周目にはもう1台をパスし、4番手まで浮上しました。

前日とは違い、薄曇りの天候で強い日差しは多少和らいでいるとはいえ、この日も気温が35℃を超える中、Hondaのドライバーは上位フィニッシュを目指して懸命の走りを続けます。

18周目、#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTに乗るターベイ選手は前を走るライバルをオーバーテイクして11番手となりますが、これは黄旗が提示されている区間だった上に、追い越す際に接触してライバルをスピンに追い込んだため、審査委員会は#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTにペナルティーとして20秒間のピットストップを命じました。ターベイ選手は黄旗が提示されていることを確認できず、ピットからの無線連絡で黄旗が出されていることを知りましたが、結果的に接触を避けられませんでした。ターベイ選手は25周目にペナルティーを消化し、#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTは13番手に後退しました。

29周目から30周目にかけて、#64 Epson NSX CONCEPT-GTと#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTは相次いでピットストップを行い、給油とタイヤ交換、ドライバー交代をします。また、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTも29周目にピットインしましたが、こちらはサスペンションにトラブルが発生しており、残念ながらここでリタイアとなりました。

31周目には#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTもピットストップを実施し、給油とタイヤ交換、ドライバー交代を行いました。GT500クラスの全車両が予定していたピットストップをすべて終えた38周目の段階で、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは6番手、#64 Epson NSX CONCEPT-GTは10番手、#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTは12番手となって周回を重ねます。

レース終盤に向けて、残る3台のNSX CONCEPT-GTがラストスパートをかける中、43周目に2番手を走るライバルがトラブルのためリタイアを喫し、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは5番手、#64 Epson NSX CONCEPT-GTは9番手、#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTは11番手にそれぞれ順位を上げます。

このあと、#64 Epson NSX CONCEPT-GTにエンジントラブルが発生してリタイアとなったため、#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTは10番手となりました。

これと前後して、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTを含む5台のマシンが3番手争いを演じます。ここで#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTに乗る塚越選手は冷静に状況を見極め、56周目に直前を走るライバルを攻略。続く57周目には3番手につけていたライバルをオーバーテイクし、表彰台圏内である3番手へ浮上しました。

2台のNSX CONCEPT-GTはこのままのポジションでフィニッシュまで走りきり、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは3位表彰台を獲得、#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTもポイント獲得圏内である10位入賞を果たしました。

一方、GT300クラスの12番グリッドからスタートした#55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)は終始トップ10圏内をうかがいながら周回を重ね、10位でフィニッシュして1ポイントを獲得しました。

シリーズ第4戦は静岡県の富士スピードウェイで8月8日(土)、9日(日)に開催されます。

コメント

松本雅彦 | Honda GTプロジェクトリーダー
「#8 ARTA NSX CONCEPT-GT、#64 Epson NSX CONCEPT-GT、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTの3台にトラブルが発生してしまったことは、とても残念に思っています。#64 Epson NSX CONCEPT-GTのトラブルについては、まだエンジン内部を調べていないのではっきりとしたことはいえませんが、ターボトラブルの可能性も考えられます。一方で、トラブルに見舞われなかった#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTのペースは速く、7番グリッドから3位まで追い上げることができました。その意味ではNSX CONCEPT-GTの優れたポテンシャルを証明できたと言えますが、その一方で信頼性の改善にも努めなければいけないと考えています。次戦富士大会に向けては、パフォーマンスをより引き上げるための改善策も見つかっているので、全マシンそろって上位フィニッシュができるよう全力を尽くします。引き続き5台のNSX CONCEPT-GTに熱いご声援をお送りくださいますよう、お願い申し上げます」

塚越広大(3位 #17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT)
「武藤選手がいい走りをしてくれましたし、マシンの調子はとてもよかったです。僕に交替してから、前半は思うようなバランスではなかったので苦しんだ部分もありましたが、後半はよくなって、前のマシン同士が争っている間に追いつき、そのすきを突くことができました。しかも、GT300のマシンが僕に味方してくれる展開になりましたが、その運は応援してくれた皆さまからもらえたものだと思っています。サーキットへ応援に来てくれた大勢のファンの前でいい走りをしなければならなかったので、それが達成できて感謝しています。武藤選手とは早く表彰台に上がって2人で自信をつけたかったので、今回の3位表彰台は大きな一歩だと思います」

武藤英紀(3位 #17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT)
「序盤に順位を上げて、うまく塚越選手にバトンをつなぐことができ、そこからまた順位を上げてくれました。昨日まではバタバタとしましたが、決勝はノーミスでみんながいい仕事をすることができました。これだけ多くの応援団が来てくれ、力をくれて後押ししてくれました」

小暮卓史(10位 #15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT)
「マシンの調子がよく、ペースよく走ることができていましたが、前半にペナルティーを受けてしまって、残念な状況となってしまいました。後半を務めた僕のパートは淡々と走っていましたが、マシンに不安はなく、レースを通じてペースもよかったので、次回の富士では仕切り直してがんばります」

オリバー・ターベイ(10位 #15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT)
「今回は初めてスタートを担当しましたが、とてもうまくいったほか、オープニングラップのペースも満足のいくものでした。その後、ライバルの1台に追いつきました。このときは自分のほうがペースは速く、ここでタイムロスをしたくなかったので、追い越しをかけましたしかし、自分の方が半車身ほど前に出たところでチームから無線で『黄旗が出ているので注意しろ』という指示を受けたので、減速してポジションを譲ろうとしましたが、残念ながら接触し、ライバルをスピンに追い込んでしまいました。迷惑をかけてしてまった彼らには申し訳ない気持ちでいっぱいです。そのあとはとても速いペースで周回を重ねることができたので、とても残念なレースだったと考えています。次のレースではもっといい成績を収められるように努力します」

決勝リザルト

GT500
順位 No. マシン ドライバー 周回数 タイム/差
1 46 S Road MOLA GT-R 本山哲/柳田真孝 66 1:38'26.734
2 6 ENEOS SUSTINA RC F 大嶋和也/国本雄資 66 +7.931
3 17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT 塚越広大/武藤英紀 66 +19.727
4 12 カルソニック IMPUL GT-R 安田裕信/J.P.デ・オリベイラ 66 +21.083
5 1 MOTUL AUTECH GT-R 松田次生/R.クインタレッリ 66 +21.677
6 37 KeePer TOM'S RC F A.カルダレッリ/平川亮 66 +26.281
 
10 15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT 小暮卓史/オリバー・ターベイ 65 +1Lap
11 64 Epson NSX CONCEPT-GT 中嶋大祐/ベルトラン・バゲット 53 +13Laps
RT 8 ARTA NSX CONCEPT-GT 松浦孝亮/野尻智紀 29 +37Laps
RT 100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT 山本尚貴/伊沢拓也 4 +62Laps
GT300
順位 No. マシン ドライバー 周回数 タイム/差
1 3 B-MAX NDDP GT-R 星野一樹/高星明誠 61 1:39'13.186
2 10 GAINER TANAX GT-R A.クート/富田竜一郎 61 +9.231
3 7 Studie BMW Z4 J.ミューラー/荒聖治 61 +26.749
4 11 GAINER TANAX SLS 平中克幸/B.ビルドハイム 61 +41.834
5 65 LEON SLS 黒澤治樹/蒲生尚弥 61 +46.117
6 61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口卓人/山内英輝 60 +1Lap
 
10 55 ARTA CR-Z GT 高木真一/小林崇志 60  +1Lap

ポイントスタンディング

ドライバー

GT500
順位 No. ドライバー マシン 総合ポイント
1 37 A.カルダレッリ/平川亮 KeePer TOM'S RC F 30
2 12 安田裕信/J.P.デ・オリベイラ カルソニック IMPUL GT-R 27
3 1 松田次生/R.クインタレッリ MOTUL AUTECH GT-R 26
4 46 本山哲/柳田真孝 S Road MOLA GT-R 24
5 6 大嶋和也/国本雄資 ENEOS SUSTINA RC F 19
6 17 塚越広大/武藤英紀 KEIHIN NSX CONCEPT-GT 19
         
8 100 山本尚貴/伊沢拓也 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT 15
11 15 小暮卓史/オリバー・ターベイ ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT 9
12 8 松浦孝亮/野尻智紀 ARTA NSX CONCEPT-GT 8
GT300
順位 No. ドライバー マシン 総合ポイント
1 10 A.クート GAINER TANAX GT-R 39
2 3 星野一樹/高星明誠 B-MAX NDDP GT-R 38
3 31 嵯峨宏紀/中山雄一 TOYOTA PRIUS apr GT 30
4 10 千代勝正 GAINER TANAX GT-R 24
5 11 平中克幸/B.ビルドハイム GAINER TANAX SLS 19
6 55 高木真一/小林崇志 ARTA CR-Z GT 16

チーム

GT500
順位 チーム 総合ポイント
1 LEXUS TEAM KeePer TOM'S 38
2 TEAM IMPUL 36
3 NISMO 33
4 MOLA 30
5 ケーヒン リアル レーシング 26
6 LEXUS TEAM LeMans ENEOS 25
 
9 チームクニミツ 18
10 ドラゴ・モデューロ・ホンダ レーシング 16
13 オートバックス・レーシング・チーム・アグリ 12
15 エプソン・ナカジマ・レーシング 2
GT300
順位 チーム 総合ポイント
1 GAINER 46
2 NDDP RACING 45
3 apr 39
4 GAINER 26
5 オートバックス・レーシング・チーム・アグリ 23
6 BMW Sports Trophy Team Studie 22