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November 23 2013, RACE SUPER GT JAF Grand Prix 富士スピードウェイ

SCHEDULE

#17 KEIHIN HSV-010に乗る塚越広大選手がレース1で優勝
#100 RAYBRIG HSV-010の小暮卓史選手は3位表彰台を獲得
GT300クラスでは、#55 ARTA CR-Z GTの小林崇志選手が3位表彰台に上る

2013年11月23日(土)・決勝1日目  会場:富士スピードウェイ(4.563km)  天候:晴れ  気温:13℃(12:00時点)
路面温度:19℃(12:00時点)  コースコンディション:ドライ

11月23日(土)、静岡県駿東郡小山町の富士スピードウェイにおいて、JAFグランプリ富士スプリントカップの決勝第1レースが行われました。

  • 塚越広大選手塚越広大選手
  • KEIHIN HSV-010KEIHIN HSV-010
  • KEIHIN HSV-010KEIHIN HSV-010
  • RAYBRIG HSV-010RAYBRIG HSV-010
  • ウイダー モデューロ HSV-010ウイダー モデューロ HSV-010
  • Epson HSV-010Epson HSV-010
  • ARTA HSV-010ARTA HSV-010

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SUPER GTとスーパーフォーミュラが同日開催される唯一のレースイベントである富士スプリントカップは、今年で通算4回目となりました。スピーディでスリリングな戦いが繰り広げられる富士スプリントカップでは、各カテゴリーのウイナーに1969年創設の名誉ある「JAFグランプリ」のタイトルが贈られます。

イベントのスケジュールは、23日(土)にレース1とレース2の公式予選を行ったあと、レース1の決勝レースを実施。レース2の決勝レースは翌日の24日(日)に行います。

富士スプリントカップではレース中のドライバー交代を行わないため、各レースを1人で戦うことになります。予選のシステムはシンプルで、1回のセッションでスターティンググリッドを決定します。なお、Hond勢のドライバーは#8 ARTA HSV-010が松浦孝亮選手、#17 KEIHIN HSV-010が塚越広大選手、#18 ウイダー モデューロ HSV-010が山本尚貴選手、#32 Epson HSV-010が中嶋大祐選手、#100 RAYBRIG HSV-010が小暮卓史選手でレース1に臨みます。残るラルフ・ファーマン選手、金石年弘選手、フレデリック・マコヴィッキィ選手、道上龍選手、伊沢拓也選手はレース2に挑みます。

JAFグランプリは、レース1とレース2のそれぞれの結果に応じてポイントを配分し、チームごとにポイントを合算。この合計ポイントが最も多かったチームに名誉あるタイトルが贈られます。レースごとのポイントは1位:20点、2位:15点、3位:11点、4位:8点、5位:6点、6位:5点、7位:4点、8位:3点、9位:2点、10位:1点となります。

よく晴れ渡った青空のもと、本日はレース1の予選が午前8時25分〜8時45分、レース2の予選が9時10分〜9時30分に行われました。

通常のシリーズ戦と異なり、フリープラクティスなしにぶっつけ本番で予選に挑むとあって、あらかじめ用意したマシンのセッティングが実際のコンディションとどれだけマッチしているかが勝敗を大きく左右します。レース1の予選では#18 ウイダー モデューロ HSV-010に乗る山本選手がトップ、#100 RAYBRIG HSV-010に乗る小暮選手が2番手となり、HSV-010 GTがフロントローを独占する結果となりました。また、#17 KEIHIN HSV-010に乗る塚越選手は5番手、#8 ARTA HSV-010に乗る松浦選手は14番手、#32 Epson HSV-010に乗る中嶋選手は15番手となりました。

続いて行われたレース2の予選では、#100 RAYBRIG HSV-010に乗る伊沢選手が5番手、#17 KEIHIN HSV-010に乗る金石選手は9番手、#18 ウイダー モデューロ HSV-010に乗るマコヴィッキィ選手は11番手、#8 ARTA HSV-010に乗るファーマン選手は14番手、#32 Epson HSV-010に乗る道上選手は15番手という結果を残しています。

この後、午後3時35分にレース1のスタートが切られました。富士スプリントカップでは、SUPER GTのシリーズ戦で行われているローリングスタートではなく、静止状態からシグナルを合図に発進するスタンディングスタートが用いられます。ここでポールポジションの山本選手はやや出遅れて4番手に後退。その後方の3番グリッドからスタートしたライバルがトップに立ち、小暮選手は2番手をキープします。塚越選手もスタートのタイミングを逃して7番手に後退。松浦選手は12番手に躍進、中嶋選手も14番手に浮上してオープニングラップを終えました。

いったんは順位を落とした塚越選手でしたが、スタート直後からペースは非常に速く、2周目の300Rで6番手を走るライバルに追いつくと、14コーナーでこれを攻略、ポジションを1つあげます。一方、山本選手も好調で、オープニングラップの最終コーナーで3番手を走るライバルに並ぶと、全長1.5kmのストレートそのまま走り抜け、1コーナーの進入でライバルの前に出ることに成功し、3番手となります。勢いに乗る山本選手はそのまま小暮選手の直後に迫りますが、2台のペースに大きな差はなかったため、順位が入れ替わるまでには至りませんでした。

塚越選手は4周目にもライバルを攻略して5番手に浮上。8周目の最終コーナーでは、4番手を走るライバルのイン側に飛び込むと、ストレートで力強く追い越していきます。この結果、小暮選手、山本選手、塚越選手の順で2番手から4番手までがHSV-010 GTで占められることとなりました。

塚越選手のペースは上位陣のなかでも0.5〜1.0秒ほど速く、11周目には1コーナーで山本選手をオーバーテイク。ここから塚越選手は小暮選手を激しく攻め立てましたが、小暮選手がミスを犯さないため、2人の順位はなかなか変わりません。しかし、塚越選手が16周目の14コーナーで小暮選手のイン側に滑り込むと、そのまま2番手に浮上。さらに、塚越選手は間髪を容れずに首位を走るライバルに襲いかかります。そして17周目にライバルの攻略に成功し、トップに立ちました。

塚越選手のペースはその後も落ちることはなく、2010年第5戦SUGO大会以来となるSUPER GTでの優勝を果たしました。チェッカーフラッグが振り下ろされたときには2番手を3.2秒も引き離す、大量リードを築いての完勝でした。

一方、小暮選手は2番手となったライバルを懸命に追い続けましたが、残念ながら一歩届かず、3位でフィニッシュしました。山本選手はこれに続く4位。一方、中嶋選手と松浦選手はレース中にタイヤ交換を行って順位を落としながらも、中嶋選手が12位、松浦選手は13位で完走を果たしました。

GT300クラスには、Hondaが開発したレーシングハイブリッドシステムを搭載する#16 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中山友貴組)と#55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)が出走。レース1の予選では#55 ARTA CR-Z GTに乗る小林選手は4番グリッド、#16 MUGEN CR-Z GTに乗る武藤選手は6番グリッドを手に入れました。続くレース2の予選では、#55 ARTA CR-Z GTに乗る高木選手は2番グリッド、#16 MUGEN CR-Z GTに乗る中山選手は4番グリッドを獲得しました。

午後2時5分にスタートが切られたGT300クラスのレース1では、小林選手が一時3番手に浮上したものの、後方から追いついてきたライバルの攻略を許して4番手に後退。武藤選手もライバルの1台に抜かれて7番手に後退します。しかし、レース後半にトップを走るライバルがタイヤのトラブルで遅れたため、小林選手は3番手、武藤選手は6番手に浮上してチェッカーフラッグを受けました。

なお、明日はGT300クラスのレース2が午後2時5分に、そしてGT500クラスのレース2が午後3時35分にスタートが切られます。

コメント

松本雅彦 | Honda GTプロジェクトリーダー「これまで苦手とされてきた富士で優勝できたことで、今年、HSV-010 GTに行ってきた開発が正しかったことが証明できたと思います。それも1台だけが速かったのではなく、3台が優勝争いに絡んでくれたことにより、マシンが長足の進歩を遂げていることが確認できました。ストレート上でライバルと競い合っても敗れることなく、逆に追い越すことができたのは、空気抵抗が確実に減少したことを示しています。この3台に関して言えばセッティングのバランスもよかったようです。レース中に激しい追い上げをみせ、HSV-010 GTを優勝に導いてくれた塚越選手には心から拍手を贈りたいと思います」

塚越広大(優勝 #17 KEIHIN HSV-010)「予選の段階からマシンは好調でした。スタートでは順位を落としてしまいましたが、マシンの調子がよかったことに助けられ、徐々に順位を上げていくことができました。レース終盤までトップ争いに加わっていられれば、必ず最後に勝負できるという自信はあったので、それを結果に結びつけることができて本当によかったです。こんなに速いマシンを作り上げてくれたチームには心から感謝しています。HSV-010には、デビューから今回まで、4年間にわたってずっと乗り続けてきました。その間、たくさんアクシデントがあり、ダメージを与えたことも1度や2度ではありませんでしたが、最後の最後でマシンに感謝の気持ちが表せて、本当によかったと思います」

小暮卓史(3位 #100 RAYBRIG HSV-010)「厳しいレースでした。レース後半に入ってペースを上げていき、トップを走るライバルを追い詰めることができましたが、その一方で、後方から迫ってきた17号車がすごく速く、ポジションを譲る形になってしまいました。タイヤとコンディションのマッチングを含め、今日は本当に難しいレースでした」

山本尚貴(4位 #18 ウイダー モデューロ HSV-010)「ポールポジションを取ることができましたが、スタートの合図にうまく反応できず、かなりポジションを落としてしまいました。ただし、レース序盤はタイヤもマシンも調子がよかったので、今日は勝てると思っていました。ところが、中盤以降はペースが伸び悩み、4位でフィニッシュすることになりました。なにかの波乱があれば話は別ですが、今日の状況では、自力で順位を上げるのは難しかったと思います」

決勝1日目

GT500

順位 No. マシン ドライバー 周回数 タイム/差
117KEIHIN HSV-010塚越広大22 34:37.791
238ZENT CERUMO SC430立川祐路22+3.285
3100RAYBRIG HSV-010小暮卓史22+4.439
418ウイダー モデューロ HSV-010山本尚貴22+6.223
536PETRONAS TOM'S SC430J.ロシター22+9.947
619WedsSport ADVAN SC430A.クート22+11.218
 
1232 Epson HSV-010 中嶋大祐22+1:33.909
138ARTA HSV-010松浦孝亮18+4Laps

GT300

順位 No. マシン ドライバー 周回数 タイム/差
13S Road NDDP GT-R佐々木大樹22 36:38.256
2 11GAINER DIXCEL SLS B.ビルドハイム 22 +1.200
355ARTA CR-Z GT小林崇志22+9.302
448DIJON Racing IS GT-R千代勝正22+11.301
562LEON SLS黒澤治樹22+19.163
616MUGEN CR-Z GT武藤英紀22+20.418