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November 13 2011, RACE JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2011 SP 富士スピードウェイ
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SCHEDULE

  • レース情報
  • 決勝1日目
  • 決勝2日目

伊沢拓也選手が好スタートからトップを守りきり、
第2レースで勝利を飾る
#100 RAYBRIG HSV-010は総合成績で2位、
#17 KEIHIN HSV-010(金石年弘選手)は3位表彰台を獲得

2011年11月13日(日)・決勝2日目  会場:富士スピードウェイ  天候:晴れ  気温:20℃(15:00現在)  
路面温度:23℃(15:00現在)  コースコンディション:ドライ  観客:4万500人

11月13日(日)、静岡県駿東郡小山町の富士スピードウェイにおいて、JAFグランプリ富士スプリントカップの決勝の第2レースが行われました。

  • (中央)伊沢拓也選手、(左)金石年弘選手(中央)伊沢拓也選手、(左)金石年弘選手
  • RAYBRIG HSV-010RAYBRIG HSV-010
  • RAYBRIG HSV-010RAYBRIG HSV-010
  • KEIHIN HSV-010KEIHIN HSV-010
  • RAYBRIG HSV-010RAYBRIG HSV-010
  • 伊沢拓也選手(左)と山本尚貴選手(右)伊沢拓也選手(左)と山本尚貴選手(右)
  • 金石年弘選手金石年弘選手
  • ロイック・デュバル選手ロイック・デュバル選手
  • ドライバー集合ドライバー集合

国内最高峰レースのSUPER GTとフォーミュラ・ニッポンを同日開催する富士スプリントカップは昨年が初開催で、ウイナーには1969年に創設された名誉あるJAFグランプリの栄冠が贈られます。2回目となる今年もシリーズ終了後の特別戦として開催され、GT500クラスには今シーズンのSUPER GTにフル参戦した15台のマシンがエントリーしました。

初開催となった昨年とは異なり、SUPER GTはドライバーが2人1組となって1台のマシンを操り、最終的な順位は2人のポイントを総合して決定します。ただし、公式予選と決勝レースはそれぞれ2回行い、ひとりずつ公式予選と決勝レースを戦います。また、シリーズ戦とは異なり、決勝レース中のドライバー交代はありません。

“スプリントカップ”の名称通り、レース距離はシリーズ戦よりも短い100kmで、決勝レース中のピットストップは義務づけられていません。SUPER GTのシリーズ戦のようにローリングスタートではなく、静止した状態から発進するスタンディングスタートが採用されることも富士スプリントカップの特徴です。

この富士スプリントカップにHondaは5台のHSV-010 GTを投入しました。#1 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル組)、#8 ARTA HSV-010(武藤英紀/小林崇志組)、#17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大組)、#32 EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴組)、#100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴組)というシリーズ戦と同じ顔ぶれで戦います。このうち、小暮選手、小林選手、塚越選手、中山選手、山本選手の5名が昨日に行われた決勝の第1レースに出走しました。本日の決勝の第2レースにはデュバル選手、武藤選手、金石選手、道上選手、伊沢選手の5名が出走します

悪天候のため、当初予定されていた11日(金)から12日(土)に順延されて行われた決勝の第2レースの公式予選において、Honda勢は道上選手の2番グリッドを筆頭に、伊沢選手4は番グリッド、デュバル選手は9番グリッド、金石選手は14番グリッド、武藤選手は15番グリッドを獲得しました。

決勝レース前のフォーメーションラップは午後3時25分にスタート。太陽は大きく西に傾きましたが、富士スピードウェイ上空には抜けるような青空が広がりました。そして、4万500人の大観衆が固唾を呑み込んで見守る中、22周による決勝の第2レースの火蓋が切って落とされました。

スタートでは4番グリッドから伊沢選手が抜群のダッシュを見せてトップに躍り出ることに成功。一方、2番グリッドの道上選手も2番手の座を守り、2台のHSV-010 GTがトップ2を独占する形で1コーナーを通過していきます。しかし、道上選手はその後ペースが上がらず、100Rコーナーでライバルの1台にオーバーテイクされてしまいます。その後、9番グリッドからスタートしたデュバル選手も300Rコーナーで道上選手をパスし、デュバル選手は3番手に浮上しました。これで道上選手は4番手となります。

トップグループの後方ではストレートから1コーナーにかけて複数のアクシデントが発生。武藤選手はこれに巻き込まれ、サスペンションにダメージを負ってしまいました。その後も武藤選手は走行を続けましたが、2周を走りきったところでリタイアしました。14番グリッドからスタートした金石選手はこの混乱を鮮やかに回避、9番手でオープニングラップを終えます。道上選手のペースはオープニングラップ以降も伸び悩み、2周目には7番手、3周目には9番手と後退します。

このあと、トップを走行する伊沢選手の後方にライバルの1台が迫りますが、伊沢選手は巧妙なブロックラインを走行してつけいる隙を与えず、首位の座を守りきります。一方、3番手につけていたデュバル選手はライバルの猛攻にあい、5周目には4番手に後退。その後も8周目に1台に抜かれ、5番手となります。

6周目を過ぎると、序盤に起きたアクシデントの原因を作ったとして2台のライバルにドライブスルーのペナルティが科せられます。これで金石選手は10周目までに6番手に浮上しました。

レース序盤に2番手のドライバーから猛攻を受けていた伊沢選手でしたが、勢いのある走りに陰りはみられず、11周目以降は次第にリードを広げ、首位の座を確固たるものとしていきます。同じ11周目、デュバル選手は引き続き5番手を走行していますが、6番手に浮上した金石選手がデュバル選手との差を詰めていきました。金石選手はレース終盤に入っても安定したペースで走行、16周目になるとデュバル選手との差を0.4秒まで縮めます。そして金石選手は18周目にデュバル選手をオーバーテイク、5番手へと駒を進めました。これでデュバル選手は6番手となります。さらにデュバル選手は19周目にもライバルの1台に抜かれ、7番手に後退しました。

20周目、2番手のドライバーを2.5秒差まで突き放した伊沢選手は、今年初の優勝に向けて順調に走行を続けていきます。金石選手は5番手、デュバル選手は7番手、道上選手は13番手となり、フィニッシュを目指しました。

迎えてファイナルラップ、金石選手の目の前で3番手争いを演じていたライバルの2台が接触してスピン。これで金石選手は3番手、デュバル選手は5番手に浮上します。4人のHondaドライバーはこのままチェッカーフラッグを受け、伊沢選手は見事に第2レースの優勝を果たしました。また、昨シーズンから参戦するHSV-010 GTにとって富士スピードウェイでの初勝利となりました。金石選手も3位でフィニッシュし、表彰台を獲得。デュバル選手は5位、そして道上選手は13位で完走を果たしました。

この結果、昨日行われた決勝の第1レースとの総合順位で#100 RAYBRIG HSV-010は23ポイントを獲得し、JAFグランプリで2位の成績を収めました。

これで今シーズンのSUPER GTは全日程を消化。今後は2012年シーズンに向けた準備を行うことになります。

コメント

瀧敬之介|Honda GTプロジェクトリーダー「今日は結果的に正攻法のタイヤチョイスでレースに挑み、この成績を収めることができました。実は、デュバル選手が乗る#1 ウイダー HSV-010には思いきってソフトなタイヤを装着しようかと直前まで迷っていましたが、スターティンググリッド上で正攻法のタイヤチョイスで行こうと決断し、これが効を奏する結果となりました。HSV-010 GTが富士スピードウェイで優勝するのはこれが初めてのことですが、自分たちとしては決して苦手意識はなく、これまでは流れが悪かったものと受け止めていました。そういう意味では、これで本来の実力を発揮できたといえます。今季はこれまで結果が出せず、苦戦してきましたが、ようやく最後の最後で勝ち星を手に入れることができました。これを励みに、来シーズンに向けたHSV-010 GTの開発に取り組んでいくつもりです。1年間応援してくださったHondaファンのみなさんには改めてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。また、今後もHSV-010 GTに熱い声援を送ってくださいますよう、お願い申し上げます」

伊沢拓也選手(優勝 #100 RAYBRIG HSV-010)「優勝できて本当にうれしいです。今日はクルマを含めてすべて最高で、スタートからゴールまで全力で攻め続けることができました。これで高橋国光監督を始めとするチームのみなさんに少しは恩返しできたかなと思います。今年は苦戦続きでしたが、HSV-010 GTをしっかり開発してきた成果を最後の最後で発揮することができました。関係者のみなさん、そして応援してくださったファンのみなさんに心からお礼を申し上げます。ありがとうございました」

金石年弘選手(3位 #17 KEIHIN HSV-010)「今日はスタートが決まって順位を上げることができました。また、オープニングラップでは必ず混乱が起きるだろうと予想していたところ、案の定アクシデントが発生し、これも避けることに成功しました。昨日、塚越選手がマシンのバランスで苦労していた部分があったので、今日は今シーズン試したことのないセッティングでレースに臨んだところ、タイヤとうまくマッチし、好成績を収めることができました。予選結果が悪かったにもかかわらず、こういう形で自分のポテンシャルを証明することができたのでよかったと思います」

決勝

GT500

順位 No. マシン ドライバー 周回数 タイム/差
1 100 RAYBRIG HSV-010 伊沢拓也 22 35:23.326
2 46 S Road MOLA GT-R 柳田真孝 22 +0:02.685
3 17 KEIHIN HSV-010 金石年弘 22 +0:06.702
4 6 ENEOS SUSTINA SC430 伊藤大輔 22 +0:07.056
5 1 ウイダー HSV-010 ロイック・デュバル 22 +0:08.361
6 35 D'STATION KeePer SC430 アンドレ・クート 22 +0:11.838
           
13 32 EPSON HSV-010 道上龍 22 +0:40.322
RT 8 ARTA HSV-010 武藤英紀 2 20Laps

総合結果

順位 No. マシン レース1ドライバー/レース2ドライバー レース1 レース2 総合
1 46 S Road MOLA GT-R R.クインタレッリ/柳田真孝 20 15 35
2 100 RAYBRIG HSV-010 山本尚貴/伊沢拓也 3 20 23
3 35 D'STATION KeePer SC430 脇阪寿一/アンドレ・クート 11 5 16
4 12 カルソニック IMPUL GT-R J.P.デ・オリベイラ/松田次生 15   15
5 36 PETRONAS TOM'S SC430 A.ロッテラー/中嶋一貫 8 4 12
6 6 ENEOS SUSTINA SC430 大嶋和也/伊藤大輔 4 8 12
             
7 17 KEIHIN HSV-010 塚越広大/金石年弘   11 11
10 1 ウイダー HSV-010 小暮卓史/ロイック・デュバル   6 6
13 8 ARTA HSV-010 小林崇志/武藤英紀 1   1
15 32 EPSON HSV-010 中山友貴/道上龍     0