佐伯:エンジン供給メーカーの役割として、ヨコハマタイヤの特性を掴みやすい・ドライバーにとって扱いやすいエンジンを目指して開発してきました。テスト走行ではドライバーから扱いやすいというコメントももらっています。去年から、ドライバビリティーの改善を目指してきましたが、今年もさらに煮詰めることができ、非常にいい状態になっています。
現在のドライバビリティーの水準をキープしながら、エンジンパワーを開幕戦でもう一段階、後半でさらにもう一段階以上、上げていきたいと考えています。
佐伯:この2年間1勝ずつしかできていませんが、エンジンメーカーは2社なので半分は勝ちたいですね。最終戦でもチャンピオン争いできるようなポジションに持っていければと思います。Hondaがエンジン供給するチームが常に表彰台に絡んで、全体で盛り上がってもらえるように望んでいます。
スーパーフォーミュラはチーム・ドライバーの日本一を決めるスポーツなのでハンデもない熾烈な戦いの場です。チームごとのセッティングは各チームに任せており、ワンメイクといえどもチーム差が出る部分があって大当たりすることも外れることもある。それが、このカテゴリーの見どころ。モータースポーツの醍醐味です。
佐伯:昨シーズンから変わった点はタイヤメーカーが長年日本のフォーミュラを支えてきたブリヂストンからヨコハマタイヤに変わりました。チーム・ドライバーにとっては、いち早くヨコハマタイヤの特性を掴むことが重要になります。また、このタイヤメーカー変更に伴い、金曜走行が追加されることになりました。ルーキードライバーの走行機会が増え、各車予選までにセットップが進むため、予選は大激戦になると思います。
佐伯:例えば「鈴鹿サーキット」と「岡山国際サーキット」とでは、タイヤにかかる荷重が全く違うのですが、Honda陣営の中でもセッティングの違いにより、チームごとに得意とするサーキットが異なります。
それぞれのサーキットに特性があるので、チームと共に勉強しながら、各サーキット・各チームに合わせたセッティングを煮詰めていければと思います。
佐伯:レースファンの皆さんに対してですが、ラップタイムが1秒以内に全車入るような戦いレースは世界中探してもおそらくこのカテゴリーしかありません。マシンも3年目に入り熟成され、競走が熾烈になっているため、今が一番面白い時期だと思います。ぜひ今年もサーキットに観に来て応援してください。
新たに興味を持っていただいている皆さんも、F1よりも速いコーナリングがコース脇で観戦できるのはこのカテゴリーだけだと思いますので、そういう部分を、コース脇の芝生の上でピクニック気分で良いので体感しに来ていただければと思います。ドライバーの特徴が出るのはコーナリングなので、応援したくなるドライバーが必ず見つかると思います。
排気量 | 2000cc |
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仕様 | 直列4気筒、ダイレクトインジェクション |
過給器 | ターボチャージャー(ギャレット製) |
最低重量 | 85kg |
出力 | 405KW(550PS)以上 |
出力制限方法 | 燃料リストリクターによる燃料流量制限 |
製作 | ダラーラ・オートモービル(イタリア) |
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全長 | 5268mm |
ホイールベース | 3165mm |
全幅 | 1910mm |
全高 | 960mm |
最低重量 | 660kg(ドライバー搭乗時) |
ギアボックス | リカルド 前進6速、パドルシステム |
ブレーキ | ブレンボ キャリパー、ブレンボ カーボン製ディスク |
ステアリングシステム | KYB 電動パワーステアリングシステム |
フロントサスペンション形式 | プッシュロッドトーションバースプリング |
リアサスペンション形式 | プッシュロッド |
安全基準 | FIA 2010 F1規定に基づく |
メーカー | 横浜ゴム株式会社 |
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