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全日本選手権スーパーフォーミュラ

round 04

SCHEDULE

August 24 2014, RACE Japanese Championship SUPER FORMULA Series Round 4

日本ツインリンクもてぎ

レース終盤の豪雨を乗り越え、#41 武藤英紀選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が5位入賞で初ポイントを獲得
#10 塚越広大選手(HP REAL RACING)もポイント圏内の6位でフィニッシュ

2014年8月24日(日)・決勝  会場:ツインリンクもてぎ(4.801km)  天候:晴れのち雨  気温:33℃(15:00時点)  
路面温度:45℃(15:00時点)  コンディション:ドライのちウエット  決勝レース:52周  観客:1万6000人(主催者発表)

8月24日(日)、栃木県芳賀郡茂木町のツインリンクもてぎにおいて、2014年全日本選手権スーパーフォーミュラ シリーズ第4戦の決勝レースが開催されました。

  • 武藤英紀選手武藤英紀選手
  • 武藤英紀選手武藤英紀選手
  • 塚越広大選手塚越広大選手
  • 野尻智紀選手野尻智紀選手
  • 小暮卓史選手小暮卓史選手
  • 中山友貴選手中山友貴選手
  • ヴィタントニオ・リウッツィ選手ヴィタントニオ・リウッツィ選手

前日の公式予選では、#40 野尻智紀選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がHonda勢の最上位となる2番グリッドを獲得。そして、#41 武藤英紀選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は7番グリッド、#11 ヴィタントニオ・リウッツィ選手(HP REAL RACING)は10番グリッド、#31 中嶋大祐選手(NAKAJIMA RACING)は11番グリッド、#32 小暮卓史選手(NAKAJIMA RACING)は13番グリッド、#10 塚越広大選手(HP REAL RACING)は14番グリッドを手にしました。なお、前日の公式予選で、#1 山本尚貴選手(TEAM 無限)は8番手、#2 中山友貴選手(TEAM 無限)は19番手のタイムを記録しましたが、セッション後に、いずれも車両規則違反があったために記録が抹消され、#1 山本選手は18番グリッド、#2 中山選手は19番グリッドからスタートすることになりました。

決勝日の栃木県は、朝のうちは曇りだったものの、昼前には晴れ上がり、うだるような暑さの一日となりました。しかし天気予報では、夕方に雨が降る可能性があることを伝えていました。

午前9時50分から30分間にわたって行われたフリー走行では、1分35秒099をマークした#1 山本選手の3番手がHonda勢のトップ。これに、5番手の#31 中嶋選手、9番手の#41 武藤選手、11番手の#40 野尻選手、14番手の#32 小暮選手、15番手の#2 中山選手、17番手の#10 塚越選手、19番手の#11 リウッツィ選手と続きました。

午後3時、1周のフォーメーションラップに続いて、決勝レースのスタートが切られました。Hondaのドライバーは、#40 野尻選手がスタートで3番手に後退したものの、#41 武藤選手はスターティンググリッドと同じ7番手でオープニングラップを終えたほか、#11 リウッツィ選手は10番グリッドから8番手へとジャンプアップ。#10 塚越選手も14番グリッドから11番手へと、大きくポジションを上げました。さらに、#31 中嶋選手は12番手、#32 小暮選手は15番手、そして最後尾からスタートした#1 山本選手と#2 中山選手は、それぞれ16番手と17番手となって1周目を走りきりました。

気温が30℃を超す暑さの中、8名のHondaドライバーは慎重に周回を重ねていきました。ストップ&ゴーが繰り返されるツインリンクもてぎは、ブレーキへの負担が大きい上、コースの特性上、オーバーテイクを仕掛けるのは容易ではないからです。

9周目、#1 山本選手にドライブスルーペナルティーの裁定が下されます。本来定められたグリッドよりも前の位置からスタートしたことが、その理由です。#1 山本選手は10周目にこのペナルティーを消化し、18番手へと後退しました。

12周目を迎えると、一部のドライバーがピットストップを開始します。Hondaのドライバーでは、#11 リウッツィ選手が先陣を切り、14周目にピットストップを行いました。続いて#1 山本選手が18周目にピットストップを行いましたが、作業を終えて再スタートを切ろうとしたところ、エンジンがストールしてしまいます。さらに、20周目にピットストップした#40 野尻選手も同様にストール。ともにタイムをロスしました。彼らに続いて、24周目には#41 武藤選手と#32 小暮選手、25周目には#10 塚越選手、27周目には#2 中山選手がピットストップをしましたが、#31 中嶋選手は38周目までピットストップを引き延ばしました。一方、2ストップ作戦を選択した#1 山本選手も、同じ38周目にピットストップを行いました。

全ドライバーがピットストップを終えた40周目、Honda勢のトップは#41 武藤選手の5番手で、これに続いたのが#10 塚越選手の7番手。そして#11 リウッツィ選手は8番手、#40 野尻選手は12番手、#2 中山選手は13番手、#32 小暮選手は14番手、#31 中嶋選手は15番手となって、レース終盤での追い上げに期していました。

ところが、この直後に激しい夕立に見舞われます。このため、41周目には各マシンが続々とピットストップを実施し、ピットレーンは大混雑となります。幸いにもアクシデントはなく、Honda勢は#41 武藤選手の5番手を筆頭に、#10 塚越選手が6番手、#40 野尻選手が10番手、#2 中山選手が12番手、#32 小暮選手が13番手、#11 リウッツィ選手が14番手、#31 中嶋選手が15番手、#1 山本選手が16番手でコースに復帰しました。

#31 中嶋選手は、ピットストップをすることなく、スリックタイヤで走り続けていました。しかし、コンディションが一向に回復しないため、44周目にピットストップ。レインタイヤに履き替えました。

45周目、コンディションの悪化に鑑みて、セーフティカーが導入されます。そして結果的に、セーフティカーランのまま、全車チェッカーフラッグを受けることになりました。

この結果、#41 武藤選手が5位でフィニッシュ。#10 塚越選手が6位、#40 野尻選手が9位、#32 小暮選手が11位、#2 中山選手が12位、#11 リウッツィ選手が14位、#1 山本選手が15位、#31 中嶋選手が16位で完走を果たしました。優勝は#19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手(トヨタ)でした。

一方、ドライバーのシリーズポイント争いでは、合計6点を獲得している#1 山本選手の10位がHonda勢のトップで、これに続くのは今大会で4点を獲得した、12位の#41 武藤選手。これに13位の#10 塚越選手、14位の#11 リウッツィ選手が続いています。

次戦は9月13日(土)、14日(日)に大分県のオートポリスで開催されます。

コメント

佐伯昌浩(Masahiro Saiki) | 「HR-414E」 開発責任者
「山本選手と野尻選手がピットストップ中にエンジンをストールさせてしまったのは、気温の上昇に原因がありました。次戦は決勝中の給油がないので心配ありませんが、早急に対策を行う予定です。どのドライバーもペースは速かったので、このことを除けば、今回のレースでは大きな手応えを得られました。とりわけ雨が降ったとき、武藤選手や塚越選手のペースが速かったことを頼もしく感じています。これであれば、Hondaの日本人ドライバーは、ライバル陣営の外国人ドライバーと十分に戦っていけるはずです。次戦も優勝を目指して全力で挑みます」

武藤英紀選手(5位 #41 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「決勝レース中、マシンはずっと好調でした。雨が降り始めてからも、かなりいいペースで走れました。雨が小降りになったときは、セーフティカーランが終わり、再スタートが切られることを期待していました。そうならなかったのは残念でしたが、ようやくポイントを獲得できたことは、素直にうれしく思っています。こうして、まずはポイントを得ることができれば、ステップ・バイ・ステップで、次は表彰台が見えてくると思います。今後も着実に戦っていきたいです」

塚越広大選手(6位 #10 HP REAL RACING)
「昨日はマシン作りの部分で失敗をしてしまい、予選で期待したようなポジションを獲得できませんでした。ただし、今日の決勝ではスタートでポジションを上げられただけでなく、その後も順位を上げていけました。ピットストップを先に引き延ばす作戦は、結果的によかったと思います。今季は苦しいレースが続いていますが、今回ポイントを獲得したことで、やはりこういうレースを続けていかなければならないと痛感しています。これをきっかけにして、後半戦もがんばっていきたいです」

野尻智紀選手(9位 #40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「エンジンストールの症状はこれまでにもときどき出ていたので、今日もアクセルを踏んで、エンジン回転数を保とうとしていたのですが、突然エンジンが止まってしまいました。それを除けば、まずまず順調なレースでした。レース終盤に大雨が降り始めたときも、どこを走れば速いかを考え、前を走るライバルを上回るペースで走行できました。また、今回はドライコンディションでも速さを発揮できたので、マシンの方向性が見えてきたと思います。次戦のオートポリスは、チームが得意としているサーキットですので、あとは僕がしっかりと走れれば、好成績を手にできると期待しています」

決勝

順位 No. ドライバー マシン 周回数 タイム/差
119J.P.デ・オリベイラトヨタ521:36'23.266
238石浦宏明トヨタ52+1.240
336A.カルダレッリトヨタ52+1.788
48L.デュバルトヨタ52+2.256
541武藤英紀Honda52+2.680
610塚越広大Honda52+4.884
 
940野尻智紀Honda52+7.402
1132小暮卓史Honda52+11.888
122中山友貴Honda52+14.934
1411ヴィタントニオ・リウッツィHonda52+20.766
151山本尚貴Honda51+1Lap
1631中嶋大祐Honda51+1Lap

ポイントスタンディング

順位 No. ドライバー マシン 総合ポイント
119J.P.デ・オリベイラトヨタ23
237中嶋一貴トヨタ22
38L.デュバルトヨタ20.5
438石浦宏明トヨタ19
536A.ロッテラートヨタ16.5
67平川亮トヨタ13.5
 
101山本尚貴Honda6
1241武藤英紀Honda4
1310塚越広大Honda3
1411ヴィタントニオ・リウッツィHonda1.5
-40野尻智紀Honda 0
-32小暮卓史Honda 0
-2中山友貴Honda 0
-31中嶋大祐Honda 0