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国内モータースポーツの起源
Dream Racing Junior CR72
(1962) Honda CR72 Dream Racing
 


1960年代初頭に開発されたHonda市販ロードレーサーには、4輪市販車生産、4輪F1挑戦の両計画により多忙を極めた開発陣を、2輪ワークスレーサー新規設計から解放する狙いもあった。CR72は、ボアアップ版(305)ccのCR77とともに、250、350ccクラス用に開発されたモデルであり、鈴鹿サーキットの柿落としとなる1962年11月の第1回全日本ロードレース選手権にて、実戦デビューした(3位が最高位)。1963年には世界GPにもCR72/77は投入されるが、強大な出力ゆえに駆動系の耐久性とハンドリングの問題を抱えていた。1962〜1963年シーズンをとおして、機関部3回・車体5回の改良を受けたが、最後までこれらの弱点を克服するには至らなかった。チューニングにより40ps以上、最高速180km/h以上の高性能を発揮する潜在能力を秘めながらも、結局CR72/77は唯一市販化に移行しなかった、「悲劇」のCRレーサーとなったのである。

主要諸元
■エンジン 空冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク54×54mm 総排気量247.4cc 圧縮比10.5 潤滑方式ウエットサンプ オイルポンプ方式ギヤ 気化器形式京浜RP35 点火方式マグネトー
■性能 最高出力25ps/9500rpm 最大トルク2.06kgm/7500rpm 最高速度150km/h 最小回転半径2.3m 制動停止距離14.9m(50km/h) 登坂能力18゜
■変速機 6段 変速比(1)1.842 (2)1.455 (3)1.200 (4)1.077 (5)1.000 (6)0.964 1次減速比3.13 2次減速比2.13
■寸法・重量 全長2000 全幅615 全高950 軸距1280 最低地上高145(各mm) キャスター28゜ トレール85mm タイヤサイズ前2.75-18 後3.00-18 車重157kg
■容量 燃料タンク14L オイル2L


Honda Benly Racing CR93
(1962) Honda CR93 Benly Racing
 


世界GPにて一定の成果を挙げたHondaが、新たに取り組んだプロジェクトがワークスRCのレプリカといえる、市販レーサーの開発であった。この計画は世界各国の市場からの要望を満たすと同時に、1950年代後半から人気が高まった、国内ロードレース界の需要に応えるという、ふたつの目的を持っていた。CB系市販公道車の設計に、ワークスレーサーRC145のシリンダーヘッド技術を盛り込んだCR93は、1962年に発表された。同年6月のマン島TTでは、2台のRC145に次いで2台のCR93が3、4位に入賞し、その高性能を世界に披露。また鈴鹿などの国内ロードレースにおいてもCR93は大活躍し、一躍、国内外のプライベーターたちの、憧れのモデルとなった。なお運輸省届け出諸元の最高出力は、チューニングによって21〜21.5psまで高めることが可能であり、この数値はRC145の22.5psに肉薄する内容だった。

主要諸元
■エンジン 空冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク43×43mm 総排気量124.8cc 圧縮比10.2 潤滑方式ウエットサンプ オイルポンプ方式プランジャー 気化器形式京浜RP28-22P6 点火方式マグネトー
■性能 最高出力16.5ps/11500rpm 最大トルク1.05kgm/10700rpm 最高速度135km/h 最小回転半径2.15m 制動停止距離6.5m(35km/h) 登坂能力18゜
■変速機 5段 変速比(1)2.000 (2)1.429 (3)1.227 (4)1.083 (5)1.000 1次減速比3.700 2次減速比2.500
■寸法・重量 全長1960 全幅600 全高915 軸距1275 最低地上高145(各mm) キャスター26゜ トレール87mm タイヤサイズ前2.50-18 後2.75-18 車重127.5kg
■容量 燃料タンク10L オイル1.1L


Honda Cub Racing CR110
(1962) Honda CR110 Cub Racing
 


世界的なモペッドブームを背景に成立した50cc欧州選手権人気の高まりは、1962年からの世界GP50ccクラス新設に至った。Hondaはこの動きに合わせ、1960年1月より公道用市販車スポーツカブC110をベースに、GP用50ccレーサー開発に着手。そして初年度の1962年には、DOHC単気筒49ccのRC110と、その改良型のRC111を実戦投入した。同年5月に発表されたCR110は、上述のワークスレーサーRC110を母体に開発された市販レーサーである。世界GPデビュー戦となった6月のマン島TTでは、並みいる強豪相手に9位に入賞。国内デビューとなる7月の第5回全日本モーターサイクルクラブマンレースでは、見事デビューウィンを飾った。その後、国内外で販売されたCR110は、多くのプライベーターたちに愛用されることとなり、兄弟機種の125ccクラス用CR93とともに、多くの名レーサーを育てる役目を担ったのである。

主要諸元
■エンジン 空冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク40.4×39mm 排気量49.99cc 圧縮比10.3 潤滑方式ウエットサンプ オイルポンプ方式プランジャー 気化器形式京浜RP25-P1 点火方式マグネトー
■性能 最高出力8.5ps/13500rpm 最大トルク0.46kgm/11500rpm 最高速度130km/h以上 最小回転半径3.34m 制動停止距離5m(25km/h) 登坂能力17゜
■変速機 8段 変速比(1)2.26 (2)1.55 (3)1.32 (4)1.13 (5)1.04 (6)0.85 (7)0.89 (8)0.85 1次減速比4.66 2次減速比2.92
■寸法・重量 全長1725 全幅510 全高780 軸距1155 最低地上高160(各mm) キャスター26゜ トレール80mm タイヤサイズ前2.00-18 後2.25-18 車重61kg
■容量 燃料タンク9.5L オイル0.8L


Text by Koji Yano
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