モータースポーツ > スーパーバイク世界選手権 > 第1戦 オーストラリア > 決勝

スーパーバイク世界選手権

round 01

SCHEDULE

February 22 2015, RACE FIM Superbike World Championship Australia

オーストラリアオーストラリア

ギュントーリは7位/5位でフィニッシュ。ファン・デル・マークはレース1で5位に入るもレース2は転倒リタイア

2015年2月22日(日)・決勝  会場:フィリップアイランド・サーキット  天候:晴れ
気温:第1レース/30℃、第2レース/31℃  コースコンディション:ドライ

2015年の開幕戦オーストラリア大会が、2月20日(金)〜22日(日)の3日間、メルボルン近郊のフィリップアイランドで開催されました。今年のPata Honda World Superbike Teamは、2014年シーズンのチャンピオンである、シルバン・ギュントーリが加入。さらに、昨年Pata Honda World Supersportから出場し、スーパースポーツ世界選手権でチャンピオンに輝いたマイケル・ファン・デル・マークがスーパーバイク世界選手権にスイッチと、全く新しい体制でシーズンに挑むことになりました。前年度チャンピオンの2人を擁するチームは、注目が集まる中で開幕戦を迎え、ギュントーリが7位/5位でフィニッシュ。ルーキーのファン・デル・マークは、デビュー戦のレース1を5位で終えると、レース2では一時トップを走るも、痛恨の転倒を喫し、リタイアとなりました。

  • シルバン・ギュントーリシルバン・ギュントーリ
  • シルバン・ギュントーリシルバン・ギュントーリ
  • マイケル・ファン・デル・マーク(#60)マイケル・ファン・デル・マーク(#60)
  • マイケル・ファン・デル・マーク(#60)マイケル・ファン・デル・マーク(#60)
  • ジノ・レイジノ・レイ
  • ジノ・レイジノ・レイ
  • カイル・スミス(#111)カイル・スミス(#111)

開幕に先立ち、16日(月)、17日(火)の2日間、同サーキットで行われたテストでは、ファン・デル・マークは、1000ccのマシンに慣れるための慣熟走行を中心に、安定したラップタイムを刻めるよう、ロングランをこなしました。一方、ディフェンディングチャンピオンのギュントーリは、1月下旬に行われたスペイン・ヘレスでのテストで、大転倒を喫して背中や足を痛めたことで、不安を抱えてのテストとなりました。開幕に向けて治療に専念していたため、トレーニング不足は明らかでしたが、このテストでは電子制御や車体のセットアップに集中しつつ、体力の回復に努めました。

この2日間のテストの結果を受けて、Pata Honda World Superbike Teamは、フリー走行で新しいセッティングにトライしました。この取り組みがうまくいかず、ファン・デル・マークは最終的に事前テストのセットアップに戻し、土曜日の走行に挑みました。スーパーポールに進むための3回のフリー走行の総合では、10番手と調子を取り戻したファン・デル・マーク。スーパーポールの前に行われた4回目のフリー走行では、トップタイムをマークして注目を集めました。こうして、次第に調子を上げると、初めて経験するスーパーポールでは4番グリッドを獲得。決勝での追い上げに期待が寄せられました。

ファン・デル・マークは、レース1でセカンドグループでの激しい戦いに加わって5位でフィニッシュしました。レース2では、中盤には、6周にわたってトップを快走することに成功。その後、4番手までポジションを落とすと、残り4周のところで転倒しますが、次戦以降に期待を感じさせました。

2連覇の期待がかかる2014年チャンピオンのギュントーリは、トレーニング不足が決勝レースに大きく影響し、苦しいレースとなりました。今大会は、連日30℃を超える暑さ。マシンにもタイヤにも、そしてライダーにも厳しい条件となりましたが、7位/5位としっかりとポイントを獲得し、次戦につながるレースとなりました。

スーパースポーツ世界選手権は、ジノ・レイ(CIA Landlords Insurance Honda)が3位、ルーキーのカイル・スミス(PATA Honda World Supersport Team)が4位、ラタパーク・ウィライロー(Core” Motorsport Thailand Honda)が5位でフィニッシュしました。

予選4番手から決勝に挑んだレイは、スミス、ウィライロー、ルーカス・マヒアス(カワサキ)、ケナン・ソフォーグル(カワサキ)とし烈な戦いを繰り広げました。終盤はスミスとの激しい3番手争いの末に、ルーキーに先着して表彰台を獲得。一方のスミスは、デビュー戦での表彰台登壇を惜しくも逃しました。レイとスミスの戦いには加われませんでしたが、ウィライローも好走をみせて5位入賞。昨年の最終戦カタール大会で、初の表彰台となる2位になっているだけに、ホーム大会となる次戦のタイ大会では、優勝が期待されます。

コメント

シルバン・ギュントーリ(スーパーバイク 7位/5位 ランキング5位)
「レースでは全力を尽くしました。それぞれ全く異なるセットアップで挑みましたが、結果は、ほとんど同じでした。それでも、今後につながるデータを集められたと思います。ウインターテストがあまりできなかったので、マシンに慣れるために、今週末は実際のテストだと思って走りました。引き続き努力していかなければなりません。タイでは強い走りができるようになっていたいです。正直、2レース終えて、これほど疲れたことはありませんでした。1月下旬のヘレスでケガをしてから、なぜか脱水症になりやすくなったようです。レース中に気分が悪くなりました。次のレースに備えて、なるべく早く回復できるように集中したいです。自分にとって今週末のハイライトは、トロイ・ベイリスと一緒に走れたことです。僕が初めてスーパーバイク世界選手権に参戦したころには、彼はすでに引退していました。レース2では何周か彼とバトルができました。少し特別な感じがしました」

マイケル・ファン・デル・マーク(スーパーバイク 5位/リタイア ランキング10位)
「金曜日の午前中は、事前テストからマシンをかなり変更したので悪夢のような始まりでした。とにかくマシンがうまく機能せず、苦労しました。それでもFP2からは次第に速く走れるようになりました。土曜日はとても暑かったのですが、その状況下でタイヤをうまくマネジメントできました。レースに向けていい感触がありましたが、前日ほど気温が上がらなかったので、少し残念でした。レース1はかなりいいスタートを切れました。そして最初の数周はアグレッシブな走りができました。しかし、トップグループについていくことはできませんでした。また、タイヤのグリップもかなり落ちたので、5番手を維持することに集中しました。レース2に向けて、電気系統を少し調整しましたが、もっと気温が高くなることを期待していました。スタートはそれほどよくはありませんでしたが、アグレッシブな走りができ、トップグループについていけました。数周の間ですが、レースをリードできました。非常に気持ちがよかったです。しかし、そこでもタイヤのパフォーマンスが落ちてしまい、みんなについていこうとプッシュしすぎて転倒しました。しかし、チームはすばらしい仕事をしてくれました。スーパーバイク選手権で5位に入ることができて最高の気分です。スーパーバイクの2度目のレースでトップを走ることができたのは、本当に信じられません」

ジノ・レイ(スーパースポーツ 3位 総合3位)
「火曜日に足の手術を受けていたので、まさか表彰台に立てるとは思ってもいませんでした。しかし、レースが始まってみると、表彰台に立てるかもしれないと自信がわきました。このコースは、タイヤの左側を消耗するので、そこに気をつけて走りました。最後はカイル(スミス)とのバトルになり、勝つのは簡単ではありませんでした。すばらしいマシンに仕上げてくれたチームに感謝しています」

カイル・スミス(スーパースポーツ 4位 総合4位)
「今日はスタートがよかったですし、タイヤを温存しながら走れました。何人かのライダーは、自分を抜いていきましたが、自分の方がアベレージがいいことが分かっていましたので、焦りはありませんでした。ジュール・クルーゼル(MVアグスタ)とロレンツォ・ザネッティ(MVアグスタ)は、レースウイークを通じて、タイヤライフがよかったので、彼らについていけなかったのは仕方ありません。それはこのサーキットだけのことだと思います。最後はイギリス人同士の戦いになり、敗れましたが、それについて話すことはあまりありません。再びこのような結果にならないようにがんばります。相手がイギリス人だったというだけでなく、同じHonda勢だったこと。そしてその差がわずか100分の数秒差だったので悔しいです。次からはこうした結末にならないようにがんばります」

決勝リザルト

スーパーバイク(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
165J.レイカワサキ2233'58.385
291L.ハスラムアプリリア22+0.039
37C.デイビスドゥカティ22+0.496
481J.トーレスアプリリア22+2.259
560マイケル・ファン・デル・マークHonda22+9.838
666T.サイクスカワサキ22+13.761
 
71シルバン・ギュントーリHonda22+14.021
スーパーバイク(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
191L.ハスラムアプリリア2233'58.711
265J.レイカワサキ22+0.010
37C.デイビスドゥカティ22+0.298
466T.サイクスカワサキ22+5.242
51シルバン・ギュントーリHonda22+14.649
618 N.テロール ドゥカティ22+16.025
 
RT60マイケル・ファン・デル・マークHonda18+4Laps
スーパースポーツ
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
116J.クルーゼルMVアグスタ1828'19.638
2 87 L.ザネッティ MVアグスタ18+3.494
34ジノ・レイHonda18+8.636
4111カイル・スミスHonda18+8.668
5 9 ラタパーク・ウィライローHonda18+10.613
654K.ソフォーグルカワサキ18+18.608
 
844ロベルト・ロルフォHonda18+18.741
1468グレン・スコットHonda18+36.066
1619ケビン・ヴァールHonda18+37.284
1720アレックス・フィリスHonda18+42.091
1874キーラン・クラークHonda18+1'07.842
RT84リカルド・ルッソHonda15+3Laps
RT36マーチン・カルデナスHonda14+4Laps

ポイントスタンディング

ライダー(スーパーバイク)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 L.ハスラム アプリリア 45
2 J.レイ カワサキ 45
3 C.デイビス ドゥカティ 32
4 T.サイクス カワサキ 23
5 シルバン・ギュントーリ Honda 20
6 N.テロール ドゥカティ 18
 
10 マイケル・ファン・デル・マーク Honda 11
マニュファクチャラー(スーパーバイク)
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1アプリリア45
2カワサキ45
3ドゥカティ32
4Honda22
5スズキ16
6MVアグスタ14
7BMW5
8EBR2
ライダー(スーパースポーツ)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 J.クルーゼル MVアグスタ 25
2 L.ザネッティ MVアグスタ 20
3 ジノ・レイ Honda 16
4 カイル・スミス Honda 13
5 ラタパーク・ウィライロー Honda 11
6 K.ソフォーグル カワサキ 10
 
8 ロベルト・ロルフォ Honda 8
14 グレン・スコット Honda 2
マニュファクチャラー(スーパースポーツ)
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1 MV アグスタ 25
2 Honda 16
3 カワサキ 10
4 ヤマハ 3