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スーパーバイク世界選手権

round 10

SCHEDULE

September 7 2014, RACE FIM Superbike World Championship Spain

スペインスペイン

レイが表彰台にあと一歩に迫る4位/5位。ハスラムも両レースでポイントを獲得
スーパースポーツではファン・デル・マークがタイトルを獲得する

2014年9月7日(日)・決勝  会場:ヘレス・サーキット  天候:曇り  気温:第1レース/23℃、第2レース/28℃
コースコンディション:ドライ  観客:2万5330人(3日間)

スーパーバイク世界選手権(WSB)第10戦スペイン大会が、9月5日(金)〜7日(日)までの3日間、ヘレス・サーキットで開催されました。スーパーバイク世界選手権は、ラグナセカ・レースウェイで行われた第9戦アメリカ大会から、約1カ月間のインターバルを経て開催。サマーブレイクでリフレッシュした選手たちが、終盤戦に向けてスタートを切りました。サマーブレイク中、10月に予定されていた南アフリカ大会がキャンセルされたことで、シーズンは全12戦に。また、未定だった11月2日(日)の最終戦の舞台が、カタールに決まりました。

  • ジョナサン・レイ(#65)ジョナサン・レイ(#65)
  • ジョナサン・レイ(#65)ジョナサン・レイ(#65)
  • レオン・ハスラム(#91)レオン・ハスラム(#91)
  • レオン・ハスラム(#91)レオン・ハスラム(#91)
  • マイケル・ファン・デル・マークマイケル・ファン・デル・マーク
  • マイケル・ファン・デル・マーク(#60)マイケル・ファン・デル・マーク(#60)
  • ジャック・ケネディ(#4)ジャック・ケネディ(#4)

終盤戦に予定されていた南アフリカ大会がキャンセルされたことで、タイトル争いにも大きな影響が出ました。シーズンは今大会を含めて残り3戦。一気にタイトル争いがし烈になりました。ヘレス・サーキットは、一周4.423km。バラエティーに富んだ大小13のコーナーが連続しており、そのすべてがパッシングポイントと言っても過言ではない、テクニカルサーキットです。昨年に続いて、2度目の開催となりました。

サマーブレイクまでに、4勝を含む7度の表彰台で総合3位。タイトル争いを演じているジョナサン・レイ(Pata Honda World Superbike Team)は、南アフリカ大会がキャンセルされたことで、逆転チャンピオンの獲得が厳しい状況になりました。そのため、この大会はより重要な一戦となり、初日から気合の入ったライディングが続きました。ところが、最終戦として行われた昨年のスペイン大会を、レイはケガのために欠場しています。ヘレス・サーキットでの大会に初めて臨むことに加えて、サーキットを攻略できるセットアップにできず、フリー走行、予選と苦戦が続きました。初日のフリー走行は10番手。最高気温が30℃を記録した2日目も、思うようにタイムを伸ばせませんでした。フリー走行10番手からスーパーポール2に進出し、予選でも思うような走りができず、10番グリッドから決勝に挑むことになりました。

レイはばん回に向けて、エンジンとセッティングを変更して決勝に臨みました。しかし、両レースともに序盤にペースを上げられず、大混戦の中で苦しい戦いに。それでも第1レースは、オープニングラップの9番手から、2周目には8番手へと浮上してトップグループに加わりました。その後も着実にポジションを上げて、6番手まで浮上。レース終盤は、前を走るロリス・バズ(カワサキ)と、ダビデ・ジュリアーノ(ドゥカティ)が転倒したこともあり、4位でフィニッシュしました。第2レースは、オープニングラップで8番手。このレースでも、大接戦となる中で着実にポジションを上げ、レース中盤にはチャズ・デイビス(ドゥカティ)とユージェーヌ・ラバティ(スズキ)との4番手争いに加わります。最終的に、デイビスには届きませんでしたが、ラバティを抜いて5位でフィニッシュ。逆転チャンピオンの可能性を残しました。

チームメートのレオン・ハスラムは、初日のフリー走行で4番手とまずまずのスタートを切りました。しかし、2日目は思うようにタイムを伸ばせず、フリー走行では11番手。そのため、Q1からのチャレンジになりました。Q1で2番手タイムをマークしたハスラムは、Q2に進出し、8番グリッドを獲得しました。

決勝では、両レースともにペースが上がらず、序盤に苦戦を強いられます。第1レースはスタートに失敗したこもあり、オープニングラップで10番手にポジションを下げます。そこから必死の追い上げをみせますが、第1レースを7位でフィニッシュ。第2レースでも、オープニングラップでポジションを下げ、9番手となりましたが、レース終盤はバズ、アレックス・ロウズ(スズキ)とし烈な7番手争いを繰り広げ、8位でフィニッシュ。総合10位をキープしました。

スーパースポーツ世界選手権(SS)は、アメリカ大会がカレンダーに組み込まれていないため、7月上旬に開催された第8戦ポルトガル大会から約2カ月のインターバルを経て、シーズン終盤戦となりました。サマーブレイク中に南アフリカ大会がキャンセルされたため、2位以下に50点以上のリードを築いている総合トップのマイケル・ファン・デル・マーク(Pata Honda World Supersport)は、タイトルに王手をかけて、今大会を迎えました。緊張の一戦となったはずのファン・デル・マークですが、フリー走行でトップタイムをマーク。予選でもライバルを圧倒して今季2度目のポールポジションを獲得しました。

決勝は、一時はトップグループが10台前後に膨れあがる激しい戦いとなります。終盤は、ファン・デル・マークと総合2位のジュール・クルーゼル(MVアグスタ)、総合3位のフローリアン・マリーノ(カワサキ)、パトリック・ヤコブセン(カワサキ)、ジャック・ケネディ(CIA Insurance Honda)らが壮絶なバトルを展開。ラスト2周でクルーゼルが転倒リタイア、終盤トップを走ったマリーノをパスしたファン・デル・マークが今季5勝目を達成し、念願のタイトルを獲得しました。

以下、CBR600RR勢は、ケネディがし烈な優勝争いの中で4位。ラタパーク・ウィライロー(Core PTR Honda)が8位でフィニッシュしました。

コメント

ジョナサン・レイ(スーパーバイク 4位/5位)
「とてもうれしい一日になりました。昨夜、決勝でいい結果を残すためには、大きな変化が必要だと思っていました。そして、エンジンを以前のスペックに戻し、フロントの周囲にいくつか変更を加えました。その結果、ライディングスタイルをそれほど変えることなく、気持ちよく乗れました。10番グリッドからスタートしなければならなかったため、厳しい戦いになることは覚悟していました。追い上げるためには、いいタイムが要求されますし、タイヤに厳しい走りになります。それでも、両レースともにペースがよく、いい戦いができました」

レオン・ハスラム(スーパーバイク 7位/8位)
「レース1は最悪のスタートで苦戦しました。しかも、レース後半は、セッティングのボタンの操作を間違えてしまい、それまで以上に厳しい走りを強いられました。レース2は、レース1よりいい走りができたと思いますが、(ロリス)バズ選手を抜けませんでした。彼を捕らえたのですが、何度もミスをしてしまいました。それでも、バズ選手とのバトルはよかったですし、彼を抜けば、おそらくはラバティ選手にも追いつけたと思います。もう一つ前のグループで戦えれば、もっとよかったと思います。今日の結果には満足していませんが、いいバトルができましたし、その点では、それほど悪いレースではありませんでした」

マイケル・ファン・デル・マーク(スーパースポーツ 優勝)
「チャンピオンを獲得できて信じられない気持ちです。ここまでとても長かったです。10年前にレースを始めてから、世界チャンピオンになることがずっと夢でした。家族に感謝したいです。特に父は、本当によくサポートをしてくれました。父は今日、彼自身のレースがあるのでここにはいません。『お父さん、がんばって』と言いたいです。また、すべてのスポンサーに感謝したいです。バイクに乗らない人もたくさんサポートしてくれました。また、僕の80歳のトレーナーは、いつも僕を強くしてくれました。そして、大事なことを忘れていましたが、なんといっても僕のチームがすばらしい仕事をしてくれました。彼らは今年、僕にすばらしいCBR600RRとセットアップを用意してくれました。昨年は苦戦しましたが、今年は、こうしてすべてがうまくいけば、世界チャンピオンになれることを証明できました」

ジャック・ケネディ(スーパースポーツ 4位)
「今日は暑くて厳しいレースでした。4位という結果はそれほど悪くはないですが、表彰台に立てず残念でした。今日はトップグループの全員にチャンスがありました。最近は安定した戦いができるようになりました。次のレースでは、前戦ポルトガル大会のように、絶対に表彰台に立ちたいです」

ロレンツォ・ザネッテイ(スーパースポーツ 6位)
「今週はすべて順調でした。しかし、決勝レースは予定通りには進まず、とても残念でした。スタートはよかったですし、序盤はタイヤをセーブし、パフォーマンスをしっかり発揮できる状態になるのを待っていましたが、ほかの選手たちに比べて、3周は早く、グリップを失ってしまいました。残り2戦をしっかり戦うためにも、今日の問題をしっかり検証しなければいけません。今日は表彰台に立てると思っていましたし、マイキー(ファン・デル・マーク)がタイトルを決めるレースで、表彰台に立ちたいと願っていました。優勝したマイキーに『おめでとう』と言いたいです。今シーズンはすばらしい走りをしていました」

ラタパーク・ウィライロー(スーパースポーツ 8位)
「今日はスタートがよく、チームメートのジャック(ケネディ)をフォローできました。パスするのは難しかったですが、同じペースで走れましたし、長い間、彼をマークできました。しかし、ちょっとずつ後れ、セカンドグループの中で9番手でしたが、トップグループから近いところでレースができました。残り2戦です。表彰台獲得を目標に、全力を尽くします」

決勝リザルト

スーパーバイク(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
133M.メランドリアプリリア2034'20.164
250S.ギュントーリアプリリア20+1.397
37C.デイビスドゥカティ20+4.283
465ジョナサン・レイHonda20+5.705
51T.サイクスカワサキ20+6.979
658E.ラバティスズキ20+7.342
 
791レオン・ハスラムHonda20+14.868
スーパーバイク(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
133M.メランドリアプリリア20 34'25.940
250S.ギュントーリアプリリア20+2.845
31T.サイクスカワサキ20+6.097
47C.デイビスドゥカティ20+7.749
565ジョナサン・レイHonda20+7.935
658E.ラバティスズキ20+10.510
 
891レオン・ハスラムHonda20+16.098
スーパースポーツ
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
160マイケル・ファン・デル・マークHonda1933'34.503
299P.ジェイコブセンカワサキ19+0.363
321F.マリーノカワサキ19+0.508
44ジャック・ケネディHonda19+0.960
588K.コグランヤマハ19+2.951
626ロレンツォ・ザネッティHonda19+4.639
 
814ラタパーク・ウィライローHonda19+6.460
12 65 ウラディミール・レオーノフ Honda 19 +18.066
14 53 バレンティン・ドゥビーズ Honda 19 +20.916
1924マルコ・ブッソロッティHonda19+47.116
20 25 マット・デイビス Honda 19 +1'05.177
227ナチョ・カレロHonda19+1'05.737
RT87ルカ・マルコーニHonda18+1Lap
RT35ラファエレ・デ・ロサHonda10+9Laps

ポイントスタンディング

ライダー(スーパーバイク)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1T.サイクスカワサキ352
2S.ギュントーリアプリリア321
3ジョナサン・レイHonda285
4M.メランドリアプリリア267
5L.バズカワサキ262
6C.デイビスドゥカティ188
 
10レオン・ハスラムHonda150
24ケルヴィン・ボスHonda5
マニュファクチャラー(スーパーバイク)
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1カワサキ369
2アプリリア368
3Honda285
4ドゥカティ249
5スズキ220
6BMW69
7MVアグスタ21
8 EBR 2
ライダー(スーパースポーツ)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1マイケル・ファン・デル・マークHonda185
2F.マリーノカワサキ109
3J.クルーゼルMVアグスタ107
4ロレンツォ・ザネッティHonda90
5 K.コフラン ヤマハ 88
6P.ジェイコブセンカワサキ87
 
9ラファエレ・デ・ロサHonda67
10ジャック・ケネディHonda56
12ラタパーク・ウィライローHonda43
13マルコ・ブッソロッティHonda30
16 リカルド・ルッソ Honda 25
19 ウラディミール・レオーノフ Honda 19
23 ザクゥアン・ザイディ Honda 7
25 バレンタン・ドゥビーズ Honda 4
26ナチョ・カレロHonda3
27フレーザー・ロジャースHonda1
マニュファクチャラー(スーパースポーツ)
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1 Honda 206
2 カワサキ 155
3 MVアグスタ 121
4 ヤマハ 98
5 トライアンフ 9