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スーパーバイク世界選手権

round 08

SCHEDULE

July 6 2014, RACE FIM Superbike World Championship Portugal

ポルトガルポルトガル

予選2番手から決勝に挑んだレイが今季4勝目
ハスラムも両レースでポイントを獲得する

2014年7月6日(日)・決勝  会場:アルガルベ・インターナショナル・サーキット  天候:曇りのち雨
コースコンディション:第1レース/ドライ、第2レース/ウエット  気温:21℃  観客:3万419人(3日間)

第8戦ポルトガル大会が7月4日(金)から6日(日)までの3日間、地中海に面したポルティマオ近郊のアルガルベ・インターナショナル・サーキットで行われました。今大会は、金曜日のフリー走行と土曜日のフリー走行、そして予選で、青空が広がるすばらしい天候の中で開催されましたが、決勝は雲が多い一日となり、第1レースはドライコンディションでしたが、第2レースはウエットコンディションとなりました。

  • ジョナサン・レイジョナサン・レイ
  • ジョナサン・レイジョナサン・レイ
  • ジョナサン・レイジョナサン・レイ
  • レオン・ハスラムレオン・ハスラム
  • レオン・ハスラムレオン・ハスラム
  • マイケル・ファン・デル・マークマイケル・ファン・デル・マーク
  • マイケル・ファン・デル・マークマイケル・ファン・デル・マーク

レース1とレース2で異なるコンディションとなり、フロントロー2番手を獲得したジョナサン・レイ(Pata Honda World Superbike Team)が両レースともに優勝争いに加わって、第1レースでは5位、ウエットコンディションになった第2レースでは、完全優勝を成し遂げた第4戦イタリア・イモラ大会以来、4戦ぶりの優勝を達成しました。

今季6度目の表彰台を獲得したレイは、初日1回目のフリー走行は8番手でしたが、2回目のセッションで約1秒のタイム短縮を果たし、総合3番手で初日の走行を終えました。過去数戦、エンジンブレーキなど電子制御の調整に苦しんでいたレイですが、今大会はその課題もクリアになり、快調な走りに表情も明るいものでした。そして2日目、3回目のフリー走行では、さらにタイムを短縮、トップタイムで「スーパーポール2」進出を果たしました。

「スーパーポール1」の上位2人を加えた12台で行われた「スーパーポール2」にて、ポールポジションを獲得したトム・サイクス(カワサキ)と0.281秒差の2番手タイムをレイはマーク、今季2度目のフロントローを獲得しました。さらに、決勝日の朝に行われたウォームアップでは、予選タイムに匹敵する快速ラップを刻み、一躍、優勝候補の筆頭に浮上しました。

しかし、28℃前後まで上昇した金曜日、土曜日とは違い、日曜日は雲が多く、最高気温も21℃と、それほど上がりませんでした。そして決勝では、序盤でトップを走りますが、サイクスとロリス・バズのカワサキ勢、シルヴァン・ギュントーリとマルコ・メランドリのアプリリア勢との厳しい優勝争い、表彰台争いとなり、最終的に5位に終わりました。ウォームアップの好走をキープできなかったのが敗因となりましたが、レイにとっては悔しいレースとなりました。

その悔しさをぶつけることになったウエットコンディションの第2レース。スタートから積極に前に出て逃げるレースを展開します。そして、雨脚が弱まり、ラインが乾きだした中盤にギュントーリとメランドリのアプリリア勢の猛追撃を受けます。しかし、この2人が接触転倒して、優勝戦線から脱落。それからはレイの独走となり、今季4勝目を挙げました。これでレイは総合ランキングで4位は変わらずも、総合3位のバズには1点差、総合2位のギュントーリにも6点差に迫りました。

レイのチームメートのレオン・ハスラムは、予選9番手から両レースともに表彰台争いに加わりました。第1レースではレイとともに6台による2位争いのグループを形成します。一時は、レイに先行する走りをみせますが、レース中盤の12周目、チャズ・デイビス(ドゥカティ)と接触して転倒、再スタートを切りましたが11位となりました。

雨となった第2レースでは、ダビデ・ジュリアーノとデイビスのドゥカティ勢、サイクスとバズのカワサキ勢、そして、アレックス・ロウズ(スズキ)らとし烈な3位争いを繰り広げます。一時は3番手に浮上しますが、デイビス、ロウズに続く5位でした。8戦を終えてハスラムは総合10位。総合9位のトニ・エリアス(アプリリア)と同ポイント、総合8位のユージェーヌ・ラバティ(スズキ)に6点差に迫りました。

スーパースポーツ世界選手権(WSS)は、18周でスタートしましたが、降雨により12周を終えて赤旗中断となりました。予選2番手のマイケル・ファン・デル・マーク(Pata Honda World Supersport)が今季4勝目を挙げました。

フリー走行ではトップタイムをマーク、予選では2番手と好調なファン・デル・マーク。序盤はライバルたちの走りを探ります。ケナン・ソフォーグル(カワサキ)、ジュール・クルーゼル(MVアグスタ)、ジャック・ケネディ(CIA Insurance Honda)とファン・デル・マークの4台で形成されたトップグループの中で3〜4番手を走行していましたが、7周目にトップに立つと後続を引き離しました。降雨中断のため、12周の時点でトップを走っていたファン・デル・マークが優勝となりました。8戦を終えて、4勝を含む7度の表彰台となりました。総合2位のクルゼールが今大会は途中リタイアしたため、その点差は53点と大きなリードを得ました。タイトル獲得に向け、一歩前進しました。

予選4番手から決勝に挑んだケネディは初表彰台となる2位。ラファエレ・デ・ロサ(CIA Insurance Honda)は4位。ロレンツォ・ザネッティ(Pata Honda World Supersport)が6位とCBR600RR勢が上位に名前を連ねました。

次戦アメリカ大会はスーパーバイク世界選手権だけの開催となり、スーパースポーツ世界選手権は9月のスペイン・ヘレス大会までサマーブレイクとなります。

コメント

ジョナサン・レイ(スーパーバイク 5位/優勝)
「今朝のウォームアップでは、すばらしいペースで走ることができました。それだけに第1レースを5位で終えたときには、本当にがっかりしました。ウォームアップから決勝に向け、セッティングを何も変えていないし、何が原因だったのかは分かりません。第2レースはスタートまでのインターバルにモーターホームでツール・ド・フランスを見ていると、雨が屋根を叩く音が聞こえてきました。そのとき、チャンスが巡ってきたぞとうれしくなりました。予想通り、ウエットコンディションになった第2レース、序盤からプッシュしてリードを広げました。そのうちアプリリアの2人が迫ってきていることをサインボードで知りました。路面が少しずつ乾き始めていて、コーナーの立ち上がりでタイムをロスしていました。だれにとっても厳しい状況のレースでしたが、こうして勝利を手にすることができました。ドライコンディションの優勝の方が喜びは大きいのですが、今日の25点は、この結果を得るために全力を尽くしてくれたチームのためにも、本当に大きなものになりました。第2レースですばらしい結果を残すことができて、本当にハッピーな一日となりました」

レオン・ハスラム(スーパーバイク 11位/5位)
「今週はいくつかの部分で前進することができました。それを結果につなげられず、フラストレーションのたまるレースになりました。問題の1つはスーパーポールの予選用タイヤで、結果的に9番手という思ってもみなかったグリッドから決勝に挑まなければならないことでした。第1レースは順調でした。しかし、チャズ(デイビス)が5コーナーでオーバーランしたあと、ライン上に復帰してきたのに接触して転倒、再スタートを切って11位に終わりました。ウエットになった第2レースでは、表彰台争いに加わることができました。全力を尽くしましたが、最終的に5位に終わり、とても残念でした」

マイケル・ファン・デル・マーク(スーパースポーツ 優勝)
「今大会はレースウイークを通じていい走りをキープでき、ケナン(ソフォーグル)とともにライバルたちに対して常に先行することができました。スタートはよかったのですが、オープニングラップはリスクを冒さず慎重に走りました。ライバルたちに対して、どのコーナーで自分にアドバンテージがあるかを探り、それから一つひとつポジションを上げていこうと決めました。前を走るケナンがミスをしたのでパスし、続いて、ジャック(ケネディ)を追い越しました。今日はいいリズムでしたし、ライバルたちが自分についてくるのは難しいだろうと思いました。それはクルゼールも同じだろうと確信していました。その後、トップに立ってリードを広げると雨が降り始め、赤旗中断になり、勝つことができました。雨が降らなくても今日は勝てたと思います。初日からすばらしいマシンに仕上げてくれたチームに感謝しています」

ジャック・ケネディ(スーパースポーツ 2位)
「2位で表彰台に立てて、とても満足しています。何もかもがすべてうまくいきました。そして、気持ちよく乗ることができました。レースでトップを走るのは最高の気分でした。そして雨が降り始めたときは2番手を走っていたので、これで表彰台を立てたなと思いました。やっと夢を実現することができました。チーム、Honda、そしてすべてのスポンサーに感謝したいです。シーズン後半戦に向けて、いいスタートを切ることができました。最高の状態で後半戦に挑むことができます」

ロレンツォ・ザネッテイ(スーパースポーツ 6位)
「6位でしたが、苦手なサーキットだったので、自分としてはそれほど悪いリザルトではありません。しかし、レースウイークを通じて、いいリズムで走れていたし、正直、もっと上を狙えたんじゃないかと思うと残念です。前戦イタリア・ミサノと同じように、レース序盤にポジションを上げられなかったのが原因で、今回もチャンピオンシップで争っている(フローリアン)マリーノ(カワサキ)と激しく争わなければならなかったからです。それがなければ、マイケルとはペースも変わらなかったし、表彰台争いに加われたと思います。今日の調子なら5位に入れたと思いますが、赤旗中断もあり、6位に終わりました。優勝したマイケルとチームに祝福の言葉を送ります。すばらしいレースでした。9月のスペイン・ヘレスでは表彰台に立てるようにがんばります」

決勝リザルト

スーパーバイク(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11T.サイクスカワサキ2034'45.568
250S.ギュントーリアプリリア20+2.539
376L.バズカワサキ20+3.175
433M.メランドリアプリリア20+4.042
565ジョナサン・レイHonda20+7.791
622A.ロウズスズキ20+14.772
 
1191レオン・ハスラムHonda20+33.041
スーパーバイク(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
165ジョナサン・レイHonda1834'55.154
234D.ジュリアーノドゥカティ18+6.817
37C.デイビスドゥカティ18+8.676
422A.ロウズスズキ18+9.740
591レオン・ハスラムHonda18+11.289
676L.バズカワサキ18+11.808
スーパースポーツ
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
160マイケル・ファン・デル・マークHonda1221'15.438
24ジャック・ケネディHonda12+1.649
354K.ソフォーグルカワサキ12+1.961
435ラファエレ・デ・ロサHonda12+8.042
599P.ジェイコブセンカワサキ12+8.095
626ロレンツォ・ザネッティHonda12+8.538
 
1114ラタパーク・ウィライローHonda12+17.152
1324マルコ・ブッソロッティHonda12+24.839
14 53 バレンタン・ドゥビーズHonda12 +25.022
1687ルカ・マルコーニHonda12+26.844
207ナチョ・カレロHonda12+1'01.481

ポイントスタンディング

ライダー(スーパーバイク)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 T.サイクス カワサキ 284
2 S.ギュントーリ アプリリア 241
3 L.バズ カワサキ 236
4 ジョナサン・レイ Honda 235
5 M.メランドリ アプリリア 192
6 C.デイビス ドゥカティ 159
 
10 レオン・ハスラム Honda 115
23 ケルヴィン・ボス Honda 5
マニュファクチャラー(スーパーバイク)
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1 カワサキ 301
2 アプリリア 273
3 Honda 235
4 ドゥカティ 207
5 スズキ 179
6 BMW 53
7 MVアグスタ 13
ライダー(スーパースポーツ)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 マイケル・ファン・デル・マーク Honda 160
2 J.クルーゼル MVアグスタ 107
3 F.マリーノ カワサキ 93
4 K.ソフォーグル カワサキ 83
5 ロレンツォ・ザネッティ Honda 80
6 K.コグラン ヤマハ 77
 
8 ラファエレ・デ・ロサ Honda 67
11 ジャック・ケネディ Honda 43
12 ラタパーク・ウィライロー Honda 35
13 マルコ・ブッソロッティ Honda 30
15 リカルド・ルッソ Honda 25
22 ザクゥアン・ザイディ Honda 7
25 ナチョ・カレロ Honda 3
26 バレンタン・ドゥビーズ Honda 2
27 フレーザー・ロジャース Honda 1
マニュファクチャラー(スーパースポーツ)
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1 Honda 181
2 カワサキ 135
3 MVアグスタ 121
4 ヤマハ 87
5 トライアンフ 9