Technical Explanation of TYPE S

鷹栖の厳しいワインディングを攻めきるためには、「高速域での安定性」と
「中・低速域での切れ味」という二律背反を同時に高めることが求められる。
TYPE Sでは、空力の追求によって高い操縦安定性を獲得したことで
サスペンションの特性を、より切れ味を重視する方向にバランスさせることを実現。
高速走行時のスタビリティと、中・低速コーナーでのシャープネスの高い次元での両立を果たした。

風洞実験イメージ
風洞実験イメージ

Aerodynamics 空力へのアプローチ

空力については「オープンスポーツとしての操安性能追求」を大きなテーマとして、
車両全体のCL値(揚力係数)低減を目指すとともに、理想的な「前後リフトバランスの追求」に取り組んでいる。
フロント/リアに採用した大型スポイラーは、風洞実験室での基礎的な研究はもとより、
徹底した実走テストにより、オープンでの走りを前提とした理想的な形状を細部まで突き詰めた。
大きな張り出しを設けたフロントスポイラー。左右の張り出しは、高速走行時、ボディを路面に押しつける方向に力を発生。
ボディを浮き上がらせようとする揚力との相殺をはかっている。さらにフロントスポイラー全体として、
ボディ下面に流入する気流をマネジメント。ボディ下面の負圧域を拡大し、揚力の発生を抑えるとともに、
前方からの空気の整流効果を図っている。
リアスポイラーは翼断面形状化により、CL値の大幅な低減を実現。
さらに、オープン時、クローズ時、ともに充分な効果が得られるよう、中央部を大胆に持ち上げた造形とし、
シート後方の乱流を積極的に整流。CD値(空気抵抗係数)の増加を最低限におさえるとともに、
後方視界の確保にも貢献している。
また、前後に装備されたストレーキも、タイヤに当たる空気の流れをコントロールすることで空気抵抗の低減に貢献している。
以上の結果、クルマ全体としてCD値の上昇を最低限に抑えながら、CL値を大幅に低減。
さらに前後のCL値をリアの安定性を高める方向にバランスさせることで、
高速での直進・旋回において、極めて安定した挙動・操縦性を獲得している。

フロントスポイラー リアスポイラー フロントストレーキ/リアストレーキ
フロントスポイラー リアスポイラー
フロントストレーキ リアストレーキ

Suspension 脚まわりからのアプローチ

サスペンションの特性をどのようにチューニングするかは、走りの方向性を決める上で最も大きな要素となる。
TYPE Sでは「空力による高速安定性の向上」を前提とすることにより、
そのバランスを、より中・低速コーナーでの旋回性を重視する方向へシフトさせることが可能となった。
フロント/リアともに、ダンパー・スプリング・スタビライザーを強化・最適化し、ロール剛性・応答性を向上。
ステアリング操作に対するレスポンスのクイックネスをさらに突き詰めることで、
高速コーナーでの安定性を保ちながら、中・低速コーナーでの切れ味鋭い旋回性を獲得している。

脚まわりイメージ 脚まわりイメージ 脚まわりイメージ
フロントサスペンション リアサスペンション

鍛えあげられたダイナミズムを、最大限に活かすために。
軽量化、そしてコクピットにも独自のアプローチを図ったTYPE S。
俊敏なワインディング性能が、ドライバーとの緊密な一体感の中でさらに研ぎ澄まされる。

Weight 軽量化へのアプローチ

バネ下の重量低減は、他のそれと比較してより大きな軽量化効果を生む。
S2000全体としてアルミホイールは、前モデル比でフロント410g/本、リア180g/本の軽量化を図っている。
さらにTYPE Sでは、スペアタイヤ、ジャッキを排し、応急パンク修理キット対応とすることで実質的な軽量化を実現している。
またリアスポイラーについても、中空化することにより重量増を最低限にとどめている。

※主要諸元表上では、車両重量にスペアタイヤを含めません。

Cockpit コクピットからのアプローチ

ドライバーとクルマとの一体感を高めること。
クルマの挙動や路面からのフィードバックをより正確に伝えられること。
TYPE Sでは、専用パッドと専用ファブリックでホールド感を高めたシートを
標準設定としている。
さらに、操作系ではシフトノブを球状とすることでショートストローク化を実現、
より素早いシフト操作を可能としている。
また、シートのメイン側をはじめ、ドアライニングのステッチや、
シフトノブの刻印にもヴィヴィッドなイエローを効果的に用いることで、
視覚的にもドライバーに高揚感をもたらすことを狙った。

※メーカーオプションの「本革シート&インテリア」を選択した場合、
シート及びドアライニングはベースモデルの「本革シート&インテリア」と同じものとなります。

TYPE S専用シート