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ドライビング・ミーティングを通じて多くのオーナーと接する機会を得ましたが、S2000は、ハード・ソフト両面において非常に素晴らしい魅力を備えたクルマです。
ハード面では、量産車でありながら8,000〜9,000rpmまで軽やかに回り、リッター100馬力をはるかに超えるハイパワーを発揮するエンジンがとにかく気持ち良いですね。一方、スポーツカーにおいてはエンジンがそのキャラクターを決定づけるといっても過言ではないなか、そしてS2000がこれほど強力な個性を持つエンジンを搭載していながら、ハンドリング特性や、“これぞFR”というトラクションなど、シャシー性能もインパクトがあります。
ノーマルのままで、サーキットを存分に堪能できる数少ない量産車でしょう。そして、これほど本格的なパフォーマンスでありながら、「オープンエアモータリング」という、まったく違った魅力も備える、何とも贅沢なクルマです。
限界域で乗りこなすのは難しいけれど、威圧感や排他的な雰囲気はなく、本格的な性能を持ったスポーツカーであるのにフレンドリーな存在感が多くのファンを魅了したのだと思います。
開発者の「こだわり」が感じられるクルマだけに、魅了されたオーナーの共感もすごい。オーナー層が広いのもS2000の特徴です。
「どうしても欲しくて、ローン組んでがんばって買いました」という若者や、「定年退職して、ようやく奥さんからOKが出て、オーナーになれました」という方など、年齢や動機は様々。でも、ドライビング・ミーティングに参加された方達は「S2000オーナー」の共通する想いにより、あっと言う間にうち解けます。以前は、挨拶をするときにオーナーさんが差し出される名刺には、必ずと言ってよいほど愛車の写真が刷り込まれていました。最近では、ネットを通じたコミュニティもさかんなようです。
今の時代に、これほどストイックにドライビング・スキルを向上させたいと思わせ、オープンエアを満喫でき、共感する仲間とともに時間や楽しみを共有できる国産スポーツカーは他にないでしょう。
唯一無二の存在だけに、生産中止は残念でなりません。ただ、時代が変わればクルマも進化しなければなりません。今の時代に即した、S2000に負けないくらい魅力的な、新たなHondaのライトウェイトスポーツカーが近い将来登場することを心底願っています。
大学在学中にレーシングドライバーとして活動を始める。ワンメイクレースや耐久レースをメインに、海外の24時間レースにもチャレンジ。レースで培ったスキルをベースに、ジャーナリストとしての視点、女性の視点からクルマを評価。自動車専門誌への執筆やTVにも出演している。また、安全運転やスポーツドライビングのインストラクターとして、クルマの魅力や付き合い方について提案。Hondaドライビング・ミーティングで講師も務める。