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2.0リッター直列4気筒エンジンで250馬力。このような高出力を発生する量産車用の自然吸気エンジンはもう二度と開発されることはないと思います。
S2000のエンジン開発を任された時に真っ先に思ったことは、Hondaの創立50周年記念車にふさわしい、このクルマを手にすることでしか得られない魅力と価値を持ったエンジンを載せたい、という決意ともいえる想いでした。
このエンジンの開発では、出力だけではなく、レスポンスの良さも徹底的に追求し、エンジンの本体はもちろん、トランスミッションの軽量化やドライブシャフトの高剛性化にまでこだわりました。
ヨーロッパで初めてプロトタイプに試乗し、爽快なオープンスポーツカーに搭載された応答性の良いエンジンのパフォーマンスを体感した時に、開発したエンジンのコンセプトが正しかったことを確信しました。
9,000回転まで回すことをめざしたこのエンジンの開発では、耐久性をはじめとして多くの困難に直面し、それを乗り越えるための苦労は並大抵のものではありませんでした。
今だから言えますが、いくつテスト用のエンジンを潰したか数えきれないくらいです。燃焼室の温度が上昇しピストンが溶融することなど想定の範囲。「また溶けたか・・」と思えるほど試行錯誤を繰り返し、まさに現場で技術を鍛え上げながら、決してあきらめることなく開発を行いました。
1975年、本田技研工業(株)入社。入社以来、PGM-FI燃料噴射システムなど、主にエンジン制御システムの開発に携わる。1988年よりF1エンジンの開発を担当。S2000のデビュー時、エンジン開発責任者を経て、インテグラのLPLを務めた。