モータースポーツ > 1.5チャレンジカップ FIT1.5チャレンジカップ > 第3回 レーシングガレージ視点による「FIT1.5チャレンジカップを選ぶ」理由
鈴鹿で開催されるFIT1.5チャレンジカップには初代の1.5L車と2代目RSと現行フィットRSが参加可能。気になるのはその費用だろう。各ガレージに聞いたところ車両レンタル代のほか、消耗部品代などを含み一戦あたり30万円程度が目安となりそうだ。もちろん、金額とメニューはそれぞれ異なるので確認が必要だが、一度体験してみたい人は、これを予算の目安とするのがいいだろう。
一方、自分でクルマを所有して参加したいという場合、現行フィットRSの新車価格は約185万円なので、パーツ代を含めると約300万円となる。車両製作やメンテナンスを依頼する場合は、その費用が必要となる。計算上は2年以内ならガレージの車両を借り、丸3年以上やるつもりなら個人所有という選択が良さそうだ。ちなみに、参加者に聞くと「マシンパフォーマンスはナンバー付きのヴィッツよりも当然高く、それでいてコストは同等レベル」という。また「86/BRZレースに比べるとかなり安上がり」という声を聞いた。
例えば、同じ予算を持っているなら、参戦コストで浮いた資金を練習走行に使うことで、その分スキルアップにつながる。この点でも初心者に優しいのがFIT1.5チャレンジカップだといえる。
ヴィッツ並みのコストながら、スピードはシビック並みというのも大きな魅力。「シビックに負けるのはストレートエンドのスピードぐらいで、コーナリングスピードはフィットもシビックもほとんど同じ」で、これは2代目フィットも同様だ。実際、東コースのラップタイムでも1分1〜2秒と均衡している。
1.5Lとビッグパワーではない分、コーナーを速く走らせるコツは少々あるようだが、全体的に変な癖はなく、素直で乗りやすいという点も初心者に勧める理由。また、大排気量ではなく1.5Lだからこそクルマやタイヤへの負担が少なく、結果的にローコストになる。
メンテナンスを行なうレーシングガレージの視点ではN1規定でサスペンションや車高などのセッティングの自由度が高いという点も魅力で、ガレージにとってはやりがいがあるクルマだという。
なお、各ガレージともN1規定では許されているボディ補強はしていない。本来ならガレージのノウハウを一番出すことができるボディ補強をあえてしないのは、イニシャルコストが跳ね上がって、初心者が手を出しにくくなってしまうことへの配慮だ。ほとんどのガレージがFIT1.5チャレンジカップを若手育成の場として活用したいと考えているためだろう。
ガレージが口を揃えていうのは「もっと参加台数が増えて欲しい」ということ。仮にこの車両と規定、費用で20台を超えるようになれば、そこからは飛躍的に参加台数が増えることも予想される。なお、ホンダカーズ東京都が現在1.5チャレンジカップ車両を製作していて、10月19日に開催される第4戦でデビューするという。次回の参加台数は12台に増えそうだ。
参加しているガレージの多くは新人ドライバーへの門戸を開くレースとしてFIT1.5チャレンジカップを歓迎している。
ガレージやドライバーの間の交流や情報交換も盛ん。自らのデータを他チームへ提供してくれるところもあり、スキルアップにつながりやすい。
コーナリングスピードはシビック並みというパフォーマンスも魅力。それに対するランニングコストはかなり安い。
今季最高の11台が出走した第3戦。予選ポールは第2戦の勝者窪田俊浩で、見並秀文が0.096秒差で予選2位につけた。決勝では見並が好スタートでホールショットを奪い、窪田がそれを追う。見並は「勝負所は2コーナーしかない」と見定め、巧みなライン取りで窪田を抑え込む。その2台に食らいついたのは予選5番手からダッシュを見せた芝谷純三。抜きあぐねる窪田の隙をうかがい、14周目のS字ひとつめのインに飛び込んで2位に浮上し、そのまま見並に迫るが、見並は芝谷とのペースを計りながら首位を明け渡さずに快走し、FIT1.5チャレンジカップ初優勝を挙げた。4位以下は第2グループとなって激しいバトルが展開され、予選6番手スタートの坂田生弥が4位フィニッシュを果たしている。
●8月17日 ●17周スプリント ●1周2.243km ●トップ車両周回数=17Laps
●出走台数:11台 ●天候:曇り ●路面:ドライ
順位 | No. | ドライバー | チーム | タイプ | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 |
25 |
見並秀文 | BRIDE・ADVAN・FIT | GK5 |
17 |
17'36"366 |
2 |
1 |
芝谷純三 | Kone龍見慎SPMアスブレイWM9PM | GK5 |
17 |
+0.386 |
3 |
30 |
窪田俊浩 | HondaCars東京都☆セナルトFIT | GK5 |
17 |
+0.847 |
4 |
69 |
坂田生弥 | WM・ATS・レプソル・SRD FIT | GK5 |
17 |
+4.375 |
5 |
7 |
白戸次郎 | モレキュール ディクセル FIT | GK5 |
17 |
+10.711 |
6 |
2 |
丹羽和彦 | 丹羽レーシング KYB FIT2 | GE8 |
17 |
+11.060 |
7 |
18 |
桂田敏希 | KビーストLubtech SSR ED | GK5 |
17 |
+11.433 |
8 |
9 |
稲継俊之 | セナルトK&Gレイズ制動屋☆稲継ENG | GK5 |
17 |
+11.776 |
9 |
22 |
寺西玲央 | INOKI M2 BS FIT | GK5 |
17 |
+18.651 |
10 |
77 |
大嶋俊一 | BS制動屋☆セナルトFIT | GK5 |
17 |
+21.173 |
11 |
73 |
備後博司 | ホンダカーズ三重 A-ONE フィット3 | GK5 |
17 |
+55.723 |