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鈴鹿攻略にみるマシン作りとドライビングの奥深き相関関係第2戦を迎えたFIT1.5チャレンジカップ今回の舞台は鈴鹿サーキットフルコースだ そこで、FITの鈴鹿サーキット攻略法を考察した
FIT 1.5チャレンジカップ 本格的コンパクトレーシングカーの世界へようこそ

スプーン立ち上がりからシケイン手前までの高速区間は50タイヤ装着車にとっては有利となる。55タイヤ装着車よりも最高速に勝るメリットを活かしたいところだ。

50タイヤ装着車はストレートで6速に入るため、5速に落として1コーナーに進入し、2コーナー手前で1段飛ばして3速に落として立ち上がる。55タイヤ装着車は4速に落として1コーナーに進入し、2コーナーでさらに3速に落とす。

50タイヤ装着車は逆バンクで4速に入ってしまい、ダンロップコーナー手前で3速に落とすが、55タイヤ装着車は3速のままこの区間をアクセルワークのみで走り抜けることができる。

5月に開幕したFIT1.5チャレンジカップ。その第2戦が7月5〜6日に開催された。今回は初めての鈴鹿サーキットフルコースということで、サーキットの攻略法にスポットを当てた。N1車両規定に沿っているFIT1.5チャレンジカップのマシン作りはパーツ選択の自由度も高く、サスペンションセッティングの幅も広い。ナンバー付きより車高調整範囲が大きいことも特徴のひとつだ。

また第2戦から二代目フィット(GE8)も登場した。規定では初代、二代目、そして現行フィットの性能差を最低重量で調整しているが、同じ規定を適用しているもてぎ1.5チャレンジカップでは熟成の進んだGE8がクラス制覇のみならずJoy耐で総合優勝するなど、いまだその戦闘力は健在。ベース車、ドライビング、コース特性に合わせたマシン作りができるのが魅力だ。たとえばタイヤサイズひとつとってもその奥深さが分かる。

フィット1.5チャレンジカップではタイヤサイズを195/50と195/55から選択することができる。両タイヤの外径差は20oもあり、ファイナルレシオを変えることと同じ効果を得られるのだ。

第2戦でポールポジションの見並秀文は50タイヤを装着し、予選2番手の芝谷純三は55タイヤを装着。そこでふたりにコースの走らせ方を聞いてみた。

外径が55よりも20o小さい50タイヤは同じ速度ならばエンジン回転数も300回転高くなり、高速セクションとの相性がいい。トップスピードは55タイヤ装着車よりも4〜5q/h高く、西コースの裏ストレートから130R、さらにシケイン手前までの区間で有利に働く。西コースを使う第4戦では50タイヤが有利になるかもしれない。

ただし気をつけないといけないのは回転数が高い分レブリミットにあたりやすく、特にシケインなど2速のコーナーでレブリミットに当てないように走らせるのがコツ。またライン取りも「アウト側からコーナーに進入後、クリッピングポイントより先ではあまりアウトまで膨らまない方がいい」という。

一方、55タイヤは東コースとの相性がいい。50装着車はS字最後の逆バンクで4速に入るが、55装着車は3速のままアクセルワークのみでダンロップコーナーまで走り抜ける。また1コーナー手前でも50装着車は6速に入るが55装着車は5速のままで、1〜2コーナーにかけて3速へのシフトダウンもスムーズだ。シフト回数が少ないほどミスの可能性も下がる。東コースを使った開幕戦の予選上位を55装着勢が占めたのもうなずける。

55タイヤ装着車のコツは「旋回時のボトムスピードを高く保つために、アウトインアウトでコース幅を目一杯使う走らせ方をした方が速い」こと。

タイヤサイズでマシンの特性やコース攻略法も変わる──フィット1.5チャレンジカップはなかなか奥が深そうだ。



50タイヤ、55タイヤそれぞれに得手不得手があり、そのことがサスペンションを含めたセッティングの幅を広げている。

サイズ タイヤ外径 タイヤ総幅
195/50R15 82V 574mm 203mm
195/55R15 85V 594mm 203mm

FITは195/50R15(左)と195/55R15タイヤ(右)をチョイスすることができる。50タイヤと55タイヤの外径は20oも異なり、外径が小さい50タイヤでは同じ速度でエンジン回転数も300回転高くなる。この特性の違いを把握することが鈴鹿サーキット攻略のカギとなる。

旧型フィットも登場

第2戦にGE8フィットを持ち込んだ丹羽和彦WRCやインテグラレースの経験もある丹羽は、「フィットレースが鈴鹿でやるなら参加したいと思っていた」とのこと。「入手が容易でリーズナブル」な旧型を選んだそうだ。まだ軽量化は充分ではないというが、これをきっかけに旧型の参加も増えることを期待したい。

1.5チャレンジカップ 第1戦/第2戦

ピストン西沢組が開幕3連勝
参加90台のJoy耐でGE8が総合優勝

もてぎEnjoy7時間耐久(通称:Joy耐)がシリーズ第3戦となる1.5チャレンジカップ。これまでの2戦に出場していた3代目フィットはWINIX FIT3のみだったが、このJoy耐ではもう一台、TNS無限FIT3RSが加わった。A、Bドライバーの合計タイムで争われる予選でクラスポールを獲得したのは、そのTNSFIT3RS。全90台によるレースのため2グループに分けてのローリングスタートとなるが、総合でも44番手のタイムをマークしたTNS FIT3RSは1.5チャレンジカップクラスで唯一前半グループからのスタートとなった。決勝では開幕2戦を制しているGULF J-WAVE FITEDが総合47番手グリッドから3回給油で虎視眈々と順位を上げてきていたのに対して、TNS FIT3RSは4回給油のスピード勝負で対抗したが、最後はGULF FITに軍配が挙った。TNS FIT3RSは残り2周のダウンヒルストレートでガス欠となりかろうじて惰性でチェッカーを受けることに。これにより、WINIX FIT3が逆転で2位を獲得した。



1.5チャレンジカップ第3戦 ツインリンクもてぎフルコース

●7月5〜6日 ●7時間耐久 ●1周4.801km トップ車両周回数=155周 
●出走台数:12台 ●天候:曇り ●路面:ドライ

順位 No. ドライバー チーム タイプ 周回数 タイム/差
1 813 ピストン西沢/富澤勝/高橋滋 GULF J-WAVE FIT ED GE8
155
7:01'16.331
2 77 田口幸宏/佐野哲夫/小田切眞/関根基司/森下直也 WINIX★FIT3 GK5
155
+2'23"568
3 29 橋本洋平/石井昌道/丸茂亜希子 TNS無限FIT3 RS GK5
154
+1Lap
4 48 村上隆弘/中村ひかる DIJONRacing FIT GE8
154
+1Lap
5 32 金子陽一/今村大輔 S.T.A FIT GE8
153
+2Laps
6 7 海老澤紳一/伊藤裕士/浅野哲夫 ヴァーサスwmFUCHSFIT GE8
152
+3Laps
FIT 1.5チャレンジカップ 第1戦

フルコース初開催となった第2戦
窪田が開幕戦のリベンジを果たす。

初のフルコースでのレースとなった第2戦。予選ポールは50タイヤチョイスで最高速に勝る見並秀文、2、3番手は55タイヤの芝谷純三と窪田俊浩が続き、トップ浮上のチャンスを伺うが、タイヤを酷使した芝谷がずるずると後退し5周目で無念のリタイア。2番手に浮上した窪田が見並に迫る「相手の得手不得手を研究しながらチャンスを伺った」という窪田は勝負所を2コーナーと決め、ファイナルラップで見並を交わす。「ちょっと悔いが残る」軽い接触はあったものの、トップに浮上してそのままチェッカー。開幕戦のフライングのリベンジを果たした。なお今回唯一の旧型で参加した丹羽和彦は予選9番手、決勝8位でフィニッシュ。



フィット1.5チャレンジカップ第2戦 鈴鹿サーキットフルコース

●7月6日 ●8周スプリント ●1周5.807m ●トップ車両周回数=8周
●出走台数:10台 ●天候:晴れ ●路面:ドライ

順位 No. ドライバー チーム タイプ 周回数 タイム/差
1 30 窪田俊浩 HondaCars東京都☆セナルトFIT GK5
8
21'06"062
2 25 見並秀文 BRIDE・ADVAN・FIT GK5
8
+0.386
3 77 石坂瑞基 BS制動屋セナルトFIT GK5
8
+3.884
4 22 寺西玲央 INOKI M2 BS FIT GK5
8
+4.384
5 18 桂田敏希 KビーストLubtech SSR ED GK5
8
+5.819
6 7 白戸次郎 モレキュール ディクセルFIT GK5
8
+16.954
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