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SUPER GT 第6戦 富士

モースポナビ

タイトル争いが激しさを増す富士大会

9月8日、9日 富士スピードウェイ

富士スピードウェイのメインストレート

富士スピードウェイのメインストレート

みなさん、こんにちは。

今週末は静岡県・富士スピードウェイにて、2012 オートバックス SUPER GT第6戦「FUJI GT 300km RACE」が開催されています。

今季のSUPER GTシリーズは全8戦で行われており、今回の富士大会を含め、シーズンは残り3戦(富士大会、大分県・オートポリス大会、栃木県・ツインリンクもてぎ大会)となっています。

Honda勢はGT500クラスのチームランキングにおいて、チームクニミツ(#100 RAYBRIG HSV-010)がランキング3位(トップと8点差)、ウイダー ホンダ レーシング(#18 ウイダー HSV-010)がランキング5位(同12点差)、ケーヒン リアル レーシング(#17 KEIHIN HSV-010)がランキング9位(同22点差)につけており、終盤でのタイトル奪回が期待されています。

SUPER GT Honda公式ページ

SUPER GT Honda公式ページ
各ラウンドのレース結果やレポートのほか、Hondaドライバーのご紹介などを掲載してます。

今季第2戦富士大会で表彰台に上った山本尚貴選手(左)と伊沢拓也選手(右)

今季第2戦富士大会で表彰台に上った山本尚貴選手(左)と伊沢拓也選手(右)

今日は、チームについてお話しします。

まずは、GT500クラスです。

最初にご紹介するのは、現在ランキング3位のチームクニミツ。

ドライバーは、伊沢拓也選手と山本尚貴選手です。

若手2人のコンビは今季で3年目を迎えました。

今季開幕戦(岡山大会)ではファイナルラップの時点でトップを走行し、山本選手は自身初優勝まであと一歩に迫りました(最終的に2位でフィニッシュ)。

その好調をキープして、第2戦富士大会でも2位に入りました。

このコンビでの初優勝はもちろんのこと、今季のシリーズタイトルを狙います。

今季第3戦セパン大会でポール・トゥ・ウインを飾った#18 ウイダー HSV-010(中央)

今季第3戦セパン大会でポール・トゥ・ウインを飾った#18 ウイダー HSV-010(中央)

続いて、ランキング5位のウイダー ホンダ レーシング。

小暮卓史選手とカルロ・ヴァン・ダム選手がドライバーを務めています。

今やHonda勢のエース格といえる小暮選手は、このチームで2年前にシリーズタイトルを獲得しました。今季は元全日本F3チャンピオンのヴァン・ダム選手をチームメイトに迎え、タイトル獲得を目指しています。

第3戦セパン大会では、ヴァン・ダム選手が終盤に見事な走りをみせ、自身のSUPER GTシリーズ初優勝をつかみ取りました。

「順調に成長してくれている」(中村監督)と評されるヴァン・ダム選手のがんばり次第で、タイトル奪回が現実のものとなってくるでしょう。

2010年のSUGO大会で激しいバトルに勝利した#17 KEIHIN HSV-010(右)

2010年のSUGO大会で激しいバトルに勝利した#17 KEIHIN HSV-010(右)

最後に、ランキング9位のケーヒン リアル レーシング。

金石年弘選手と塚越広大選手がドライバーを務めています。

実力派の2人で、金石選手はかつてドイツF3の年間チャンピオンを獲得し、塚越選手は今季フォーミュラ・ニッポン大分大会で初優勝を果たしました。

SUPER GTシリーズでは、2年前のSUGO大会でドラマチックな走りをみせて初優勝を飾りました。

2位でファイナルラップに入ると、トップを猛追して最終コーナーですぐうしろにつけ、コントロールラインの手前で逆転。0.025秒という僅差でトップチェッカーを受けました。

SUPER GTシリーズでは優勝すると20ポイントを獲得できますから、このときの走りを2人が見せてくれれば、逆転でのタイトル獲得も可能です。

今季第5戦鈴鹿大会でポールポジションからスタートした#16 MUGEN CR-Z GT

今季第5戦鈴鹿大会でポールポジションからスタートした#16 MUGEN CR-Z GT

GT300クラスでは、第4戦SUGO大会でデビューしたTEAM 無限(#16 MUGEN CR-Z GT)に注目が集まっています。

ドライバーは武藤英紀選手と中嶋大祐選手。

武藤選手はアメリカのインディカー・シリーズで活躍し、中嶋大祐選手は英国F3で腕を磨いてきました。

前回鈴鹿大会では、見事にGT300クラスのポールポジションを獲得しました。今回の富士を含めた残り3戦で、まずはポイント獲得、そして表彰台を目指します。

キッズピットウォークでファンからのリクエストに応じる金石年弘選手(左)と塚越広大選手(右)

キッズピットウォークでファンからのリクエストに応じる金石年弘選手(左)と塚越広大選手(右)

午後2時から行われた公式予選では、ケーヒン リアル レーシング(#17 KEIHIN HSV-010)がHonda勢最高の予選8番手を獲得しました。

金石勝智監督は、
「明日の決勝は2人とも『がんばる!』と言ってくれているので、なんとかなるでしょう」
と、明るい表情で語ってくださいました。

ファンからサインを求められる機会も増えてきた小林崇志選手

ファンからサインを求められる機会も増えてきた小林崇志選手

続いて、オートバックス・レーシング・チーム・アグリ(#8 ARTA HSV-010)が予選10番手につけました。

小林崇志選手
「今季は富士スピードウェイで精力的にテストを重ねるなど、力を注いできました。決勝ではさらなる上位を目指します」

2年前の鈴鹿大会の予選でポールポジションを獲得し、突如シンデレラボーイとして登場した小林選手。かつてまばゆいばかりの光を放った輝きの再来が待ち望まれています。

一人ひとりのサインに丁寧に応じる小暮卓史選手(奥)とカルロ・ヴァン・ダム選手(手前)

一人ひとりのサインに丁寧に応じる小暮卓史選手(奥)とカルロ・ヴァン・ダム選手(手前)

ランキング5位のウイダー ホンダ レーシング(#18 ウイダー HSV-010)は予選で苦しみ、15番手となりました。

カルロ・ヴァン・ダム選手
「今季GT500クラスに初めて挑戦して、少しずつ前進しています。今日の予選では苦しみましたが、セパン大会でみせたような走り(GT500クラス優勝)を明日、再現したいです」

整備されるマシンを注意深く見守る熊倉監督

整備されるマシンを注意深く見守る熊倉監督

GT300クラスのTEAM 無限(#16 MUGEN CR-Z GT)は、武藤英紀選手と中嶋大祐選手が大健闘をみせ、決勝では3番手からスタートします。

高速コーナーとテクニカルセクションでのハイパフォーマンスに期待しましょう。

熊倉淳一監督
「今日は2人のドライバーが“現在考えうる最高の結果”を出してくれました。ここのコースでは、グランドスタンド以外に100Rコーナーと第3セクションでの観戦がオススメです」

Honda以外に所属するドライバーからも多くのお祝いをいただきました

Honda以外に所属するドライバーからも多くのお祝いをいただきました

予選終了後、今日9月8日に誕生日を迎えた、オートバックス・レーシング・チーム・アグリ鈴木亜久里監督の誕生祝いセレモニーが行われました。

現役時代から見る人を魅了してやまない鈴木亜久里監督。誰からも愛されるスーパースターのオーラが今もありました。

山本尚貴選手

山本尚貴選手

ランキング3位のチームクニミツ(#100 RAYBRIG HSV-010)は、決勝で12番手からのスタートとなります。

明日の決勝レースの走行距離は300kmです。前回鈴鹿大会の1000kmよりも短いですが、ドライバーの交代は1回が基本となっており、1人が約150kmの距離を1セットのタイヤで速く走り続けることを強いられる、タフなレースです。

若い2人のドライバーが、この難局にどのように立ち向かうのか、注目したいと思います。

#32 EPSON HSV-010

#32 EPSON HSV-010

ピットウォーク終了後も、ガレージでは遅くまで整備されるマシンが複数ありました。

#32 EPSON HSV-010(エプソン・ナカジマ・レーシング)も、その中の1台です。

今季は第2戦富士大会でポールポジションを獲得したものの、ランキング15位。明日の決勝での奮起をファンは期待しています。

TAEM 無限(#16 MUGEN CR-Z GT)の武藤英紀選手

TAEM 無限(#16 MUGEN CR-Z GT)の武藤英紀選手

明日の決勝は午後2時にスタートし、66周で争われます。

スタートドライバーを誰にするのか?
タイヤのコンパウンドをどれにするのか?
ストレートスピードとコーナリングのどちらを重視したセッティングにするのか?
など、さまざまな要素をチームは検討し、レースに挑みます。

決勝終了後、ファンとともに笑顔で喜びを分かち合うシーンが見られることを祈り、グリーンシグナルを待ちたいと思います。

雲が多いものの、ドライコンディションで決勝を迎えられそうです

雲が多いものの、ドライコンディションで決勝を迎えられそうです

皆さん、おはようございます。
決勝日の朝を迎えました。

午前6時には、開場を待つファンがゲート前に列を作っていました。

決勝に向けて準備に余念がない#17 KEIHIN HSV-010

決勝に向けて準備に余念がないケーヒン リアル レーシング (#17 KEIHIN HSV-010)

ピットロードでは各チームがタイヤ交換の練習をしていました。

前回の鈴鹿大会では悔しい結果に終わったケーヒン リアル レーシング (#17 KEIHIN HSV-010) ですが、このレースではタイトル獲得の可能性を残せるか正念場となります。

応援するマシンが何位で戻ってくるのか気になるチヒロさんとアサコさん

応援するマシンが何位で戻ってくるのか気になるチヒロさんとアサコさん

モータースポーツは男性ファンばかりとお思いの方もいらっしゃると思いますが、女性ファンも結構多いんです。

写真は、東京都内から決勝の観戦に来た、チヒロさんとアサコさんです。

「以前はF1だけ見ていましたが、たまたまGTを見に行ったらすごくおもしろくて夢中になっています。チームクニミツ(#100 RAYBRIG HSV-010)の伊沢拓也選手と地元が同じ(東京都練馬区)ということもあってファンです。オートバックス・レーシング・チーム・アグリで乗っていたときから注目しています」(チヒロさん)

「#8 ARTA HSV-010に乗る小林崇志選手が好きです。控えめで素朴な印象なのですが、いつもサインや握手を求めると丁寧に応じてくれるんです」(アサコさん)

楽しそうに観戦されていた2人は最終戦ツインリンクもてぎ大会も観戦する予定とのことです。

緊張の瞬間に注目が集まります

緊張の瞬間に注目が集まります

決勝の時間を迎えました。

グランドスタンドでは各チームを応援するフラッグが振られ、フォーメーションラップが始まりました。

スタート直後、第1コーナーを駆け抜ける#16 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀選手・中央)

スタート直後、第1コーナーを駆け抜ける#16 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀選手・中央)

GT300クラス予選3番手の#16 MUGEN CR-Z GTは好スタートを決め、2番手に浮上します。

このあとも順調なペースで周回を重ねました。

日よけのテントやキャンプチェアーを使った観戦は快適そうです

日よけのテントやキャンプチェアーを使った観戦は快適そうです

コース内を走るマシンから少し目線の方向を変えますと、コース外側にいらっしゃるファンの皆さんの多さに気が付きます。

マシンのパフォーマンスに差が付きやすいテクニカルセッションは、人気の観戦スポットです。

テクニカルセクションを駆け抜ける#17 KEIHIN HSV-010(金石年弘選手)

テクニカルセクションを駆け抜ける#17 KEIHIN HSV-010(金石年弘選手・左)

レースはGT500クラスでは、#17 KEIHIN HSV-010が5位に入賞、今シーズンは残り2戦(大分大会、もてぎ大会)となりました。

ケーヒン リアル レーシング(#17 KEIHIN HSV-010)、チームクニミツ(#100 RAYBRIG HSV-010)、ウイダー ホンダ レーシング(#18 ウイダー HSV-010)は年間タイトル獲得の可能性を残しています。

激戦を戦い抜き、トランスポーターに積み込まれる#16 MUGEN CR-Z GT

激戦を戦い抜き、トランスポーターに積み込まれる#16 MUGEN CR-Z GT

GT300クラスでは武藤英紀選手からバトンを受けた中嶋大祐選手が、粘りの走りを見せ3位でフィニッシュ。
チーム無限 (#16 MUGEN CR-Z GT) が参戦3戦目にしてチーム初の表彰台に上りました。

熊倉淳一監督
「チームとして最高の結果を残すことができました。2人のドライバーに感謝したいです。残り2戦はライバルたちのウエイトが軽くなっていくため(第7戦は1ポイントにつき1kgのウエイト、最終戦はノーウエイト)、厳しい戦いになると思いますが、気を引き締めてがんばりたいと思います。今週末はファンの皆さん、応援ありがとうございました」

次戦は3週間後に大分県オートポリスにて第7戦が行われます。