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新生MotoGPクラスに投入されたHonda RC211Vは、開幕戦から9連勝。最終戦のみを残した第15戦のオーストラリアGP終了時点で全13勝。そのうちバレンティーノ・ロッシは何と11勝。圧倒的な勝利を挙げMotoGPクラス初代チャンピオンに輝いた。
RC211Vとは、MotoGPクラス参戦のためにHondaが新開発したマシン。まったく新しいV型5気筒4ストロークエンジンを搭載し、前年のチャンピオンマシンであるHonda
NSR500をあえて否定した新設計の車体。見るからにコンパクトなカウルの採用で、風の影響を最小限に抑え操縦性を高めるアプローチ、フレームに外乱を伝えにくい独自のサスペンション機構など、新たなチャレンジづくめのマシンである。
2002年4月の開幕戦、2台のRC211Vが鈴鹿のスターティンググリッドに並ぶ。WGP史に刻まれるべき2ストローク＆4ストロークマシンが混走する新クラスで、RC211Vに跨がったのは、前年Honda
NSR500でチャンピオンを獲得したバレンティーノ・ロッシと、同じく昨年の500ccクラスで日本人初の表彰台を射止めた宇川徹。
RC211Vは、テストで好タイムを得ていたものの、レースを闘うのは当然のことながらはじめて。Hondaのスタッフは、緊張と不安で身を固くして戦況を見守った。結果は、95年以来のウェットコンディションという難しい状況のなか、ロッシ＆RC211Vが見事優勝。新開発の4ストロークマシンが、それまでこのクラスで熟成されてきた2ストロークマシンを制する快挙を成し遂げた。
その後、ロッシ＆RC211Vは勝利を重ね、第12戦ブラジルGPで今季10勝目を達し、MotoGPクラスの名誉ある初代チャンピオンに輝いた。宇川も第2戦南アフリカGPでロッシとの一騎打ちを制し初勝利を挙げた。またシーズン第13戦もてぎからRC211Vに乗ったアレックス・バロスも、そのデビュー戦を勝利で飾った。
レースに勝つためには、まず優秀なライダーがいて、しっかりとマシンを組むメカニックがいて、的確にセッティングできる人がいて、部品も壊われず、そのすべてを円滑に運営できるチームがなければならない。1949年に始まった世界選手権ロードレースの歴史の中で、もっとも大きなマシン規定の変革となった2002年のMotoGPクラスへの挑戦。ロッシをはじめとするRC211Vライダーの勝利は、目的に向かいひたむきに努力を続けたHondaチーム全員の情熱の勝利といえるだろう。
Moto
GP 2002 Race Results
Honda RC211Vライダーの戦績表は、こちらでご覧いただけます。
ロッシ連勝の足跡やRC211Vの15戦13勝＆15戦全戦表彰台ゲットなど
Honda新世代マシンの快進撃ぶりが一覧できます。
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