F.C.C. TSR Hondaが4番手、MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaが5番手、MORIWAKI MOTUL RACINGが7番手で決勝に臨む

F.C.C. TSR Honda ドミニク・エガーター

鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)決勝の10番手までのグリッドを決めるトップ10トライアルが行われました。参加できるのは各チームのライダー2名で、鈴鹿サーキットのコースをひとりのライダーが占有して、タイムアタックを行ないます。Honda勢でトップ10トライアルの出場権を獲得したのは全部で5チーム。予選3番手のMuSASHi RT HARC-PRO. Honda(高橋巧/ジャック・ミラー/中上貴晶)、5番手のF.C.C. TSR Honda(ドミニク・エガーター/ランディ・ドゥ・プニエ/ジョシュ・フック)、8番手のMORIWAKI MOTUL RACING(高橋裕紀/清成龍一/ダン・リンフット)。そして、9番手のHonda 鈴鹿レーシングチーム(日浦大治朗/亀井雄大/安田毅史)は、新型CBR1000RR SP2のキット車ではトップタイムを記録し進出。さらに、10番手のSatu HATI. Honda Team Asia(ディマス・エッキー・プラタマ/ラタポン・ウイライロー/ザクワン・ザイディ)がトップ10トライアルの出場権を得ました。

MuSASHi RT HARC-PRO. Honda 高橋巧

トップ10トライアルでは、平均タイムではなくどちらかのライダーのベストタイムが採用されます。最初は予選10番手から6番手までのチームのライダーがタイムアタック。まず登場したのはSatu HATI. Honda Team Asiaのプラタマで、2分9秒966を記録します。続いて登場したのはHonda 鈴鹿レーシングチームの亀井で、初めてのトップ10トライアルに挑みます。快調にコースをクリアしますが、西コースの2輪専用シケイン出口で転倒してしまいました。残念ながら、亀井のタイムは記録されず、チームメートの日浦のアタックへと望みを繋ぎます。次にMORIWAKI MOTUL RACINGの清成が登場し、2分8秒178でトップに浮上しました。続いての加賀山(スズキ)はスプーンで激しくマシンがスライドしますが、立て直して2分8秒968で2番手タイムを記録。清成のタイムにはおよびませんでした。野左根(ヤマハ)が2分8秒481で2番手となりますが、清成のトップは変わりません。次のウイライロー(Satu HATI. Honda Team Asia)は、ダンロップであわや転倒という場面がありましたが、立て直してアタックを続けます。ウイライローは2分10秒561で4番手タイムとなります。続いて日浦(Honda 鈴鹿レーシングチーム)が登場し、2分8秒178で走って清成と同タイム。ここでトップタイムを塗り替えたのは高橋(MORIWAKI MOTUL RACING)。2分8秒041でトップに立ちます。シャーリン(スズキ)が2分8秒616で4番手、パークス(ヤマハ)が2分7秒634でトップタイムをマークします。

MORIWAKI MOTUL RACING 高橋裕紀

少しインターバルを挟み、予選トップから5番手までのチームのアタックタイムがスタート。すると、ドゥ・プニエ(F.C.C. TSR Honda)が2分7秒156でトップに浮上します。渡辺(カワサキ)は2分7秒892で3番手。そして、高橋巧(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)の登場。セクター2でコンマ5とタイムを削って歓声を集めると、2分6秒674で1番手タイムを記録しトップに浮上します。ギントーリ(スズキ)はタイムを削っていきますが、転倒してしまいタイム計測ならず。そして、中須賀(ヤマハ)は2分6秒038を記録してトップになります。続くエガーター(F.C.C. TSR Honda)は2分6秒600で2番手に浮上。ハスラム(カワサキ)は2分6秒381で3番手。次に中上(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)が登場し、タイムアップに期待が高まります。順調にタイムを削っていきますが、2分6秒671で惜しくも3番手となります。そして、津田(スズキ)が2分6秒282で2番手。最終走者のローズ(ヤマハ)は2分6秒225でした。

結果、中須賀(ヤマハ)のタイムがトップでポールポジションに決定。4番手にF.C.C. TSR Honda、5番手にMuSASHi RT HARC-PRO. Honda。MORIWAKI MOTUL RACINGは予選からひとつポジションを上げて7番手。8番手のHonda 鈴鹿レーシングチームもひとつ順位を上げました。そして、10番手はSatu HATI. Honda Team Asia。トップ10トライアルを終えて、決勝での1番手から10番手までのグリッドが決定しました。

ドミニク・エガーター(F.C.C. TSR Honda)
「トップ10トライアルは本当に特別なセッションで、チームは決勝レースに焦点を当てているので、1ラップだけの走りにはそれほど集中はしていませんでした。自分にとっても、ソフトタイヤでの1ラップだけに集中した走りは難しかったです。それでも、2分6秒600という、自分にとって最速のラップタイムを出せましたので、チームスタッフの努力に感謝したいです。ライダー全員の走りもよくなってきています。このチームで走るのは3年目ですが、新しくなったCBR1000RR SP2のおかげで、昨年よりもパッケージ全体としてかなりいい仕上がりになっていると思います。表彰台を狙える、本当に強いチーム、そしてチームメートと一緒に明日のレースに臨み、日本人ファンの皆さんの前で、表彰台を獲得したいと思います」

ランディ・ドゥ・プニエ(F.C.C. TSR Honda)
「(赤旗中断などの影響で)ここまでのセッションでは予選用のソフトタイヤを使わずに、トップ10トライアルに臨むことになりました。それでも、ハイレベルな走りをすることができたので、ラップタイムには満足しています。特にチームメートのドミニク(エガーター)がとてもいい走りをしたので予選で4番手を獲得でき、本当によかったです。このチームは本当に強いと思うし、レースに自信を持っています。私自身、鈴鹿8耐は2度目の挑戦で、前回は2014年のヨシムラスズキチームで2位でした。なので、明日はトップを目指したいですね」

高橋巧(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)
「毎年トップ10トライアルに参加していますが、予選用のやわらかいタイヤの使い方がうまくいかないので、自分ではあまり得意ではないと思っています。それもあって今年はレース用のタイヤで走りました。タイムは2分6秒6まで出すことができ、このパッケージでも6秒台が出せることが分かりましたので、気持ち的にも少し楽になりました。明日に向けていいかたちで終われたと思います。このレースウイークは天気が不安定なので、決勝はどういうコンディションになるか分かりませんが、ここまで準備してきたので、しっかりと自分たちの仕事をしてチームと力を合わせてがんばります」

中上貴晶(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)
「初のトップ10トライアルへの挑戦でしたが、不運が重なって予選用タイヤを前のセッションまでで試すことができていませんでした。そのため1周だけの一発勝負でしたが、マシンのバランスが取れていたので、まずまずのラップタイムを刻むことができました。マシンのフィーリングもよかったです。セクター2と最終シケインでミスがあって、タイムをロスしてしまったのは残念でしたが、これほど大勢のファンの前で一人で走るのは、なかなかできないことなので、すごく楽しめましたし、いい経験になりました。明日の決勝でもいいレースがしたいです」

高橋裕紀(MORIWAKI MOTUL RACING)
「トップ10トライアルを走りきって結果は7番手。予選の8番手より前進できたということなので、自分的にはまずまずだと思っています。これまで少しずつ前進させてきて、いい流れにあると感じていました。このタイムが、がんばって走った結果です。自分たちの位置を再確認できました。気持ちとしては転倒など大きなトラブルがなく、予選から今日のトップ10トライアルまでを走り終えたので、ここまできたら明日のレースを最後まで気を引き締めて走りきることです。社長(森脇護)が言っていた、モリワキには“なにがあっても諦めない”という気持ちがありますので、僕らもその思いで走ります」

清成龍一(MORIWAKI MOTUL RACING)
「自分が走行する前に転倒したライダーがいて、それによって走るときにコースが少し汚れていました。そのため、完全に攻めきれなかったので、そこが残念です。正直、一度止めてコースがクリアになってからスタートさせてもらいたかったという気持ちがあります。それでもこのトップ10トライアルではチームメートの(高橋)裕紀がスタート位置を一つ上げてくれたので、結果はこれで納得しています。テストからずっといい流れできているのですが、この結果から分かるとおり、まだまだ僕らの前にいるチームが一歩も二歩も先にいます。それを追いかけている状態なので、決勝に向けて自分の走りについては、まだまだ考えていこうと思っています。チームには結果で恩返ししたいです」

日浦大治朗(Honda 鈴鹿レーシングチーム)
「3年ぶりのトップ10トライアルなので、すごく楽しかったです。予選のときよりもタイムが落ちてしまったのは、楽しすぎて少し攻めすぎてしまったようですね。でも、トップ10トライアルに出ることを目標の一つにしていたので、とりあえずクリアできてよかったです。グリットも1つ上げることができました。決勝は焦らずに淡々といいペースを刻み、ミスなくしっかりと走ることができたら、いいところまでいけるかと思っています。チームの目標としては6位くらいに入ること。転ばずに最後まで走りきりたいと思います」

亀井雄大(Honda 鈴鹿レーシングチーム)
「日浦選手にずっと『トップ10トライアルに出るぞ』と言われていたので、実現できてうれしかったです。走るのを楽しみにしていたので、スプリントレースのような感覚で、攻めすぎて転倒してしまいました。身体も大丈夫だし、変な印象も残っていないのでダメージはほとんどありません。スタート前はものすごく緊張してしまっていたのですが、コースに出たらそれが和らいで、いい感じに走れていたので、転倒は残念です。決勝では、日浦選手と安田選手が出したタイムをキープする役目として、淡々と、転倒しないように走りきりたいと思います」

ディマス・エッキー・プラタマ(Satu HATI. Honda Team Asia)
「新型CBR1000RRはとてもいいマシンで、その上でチームががんばってくれたので、初めてのトップ10トライアルに出場することができました。チームのみんな、Honda、応援してくれた皆さんに、本当に感謝しています。多くの観衆の中で自分一人で走る、すばらしい時間を過ごすことができて、とてもいい経験になりました。明日のレースはとても厳しい戦いになると思います。ベストを尽くして、昨年の結果を上回ることができたらうれしいです」

ラタポン・ウイライロー(Satu HATI. Honda Team Asia)
「毎年、トップ10トライアルに出たいと思っていました。今回ついにそれが叶い、本当にうれしいかったです。初めてのトップ10トライアルはエキサイティングで、本当にいい経験になりました。こうした機会をもらえたことに感謝していますし、この経験が私をまた成長させてくれると思います。サポートしてくれたチーム、Hondaにお礼を言いたいです。大観衆が私に注目する中でアタックしたことは忘れられない経験になりましたし、また来年もこの場に出たいと思いました。明日はトップ5入りを目標に全力で臨み、いい結果を出したいと思います」

玉田誠監督(Satu HATI. Honda Team Asia)
「Honda Team Asiaとしては、ライダーに日本人を含まないアジア人のみという編成になってから、初めてのトップ10トライアル出場となりました。今日はいいタイムを出すことが目標ではなく、この場を楽しんで、いい経験をしてもらうことが狙いでした。ライダーはかなり緊張していましたが、それに慣れていくこともまた成長につながります。ここまでの走行で、我々はいいアベレージを持てているので、明日の決勝ではトラブルなく、しっかりと走りきれば結果がついてくるはずです」

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