真夏の祭典「2016 FIM世界耐久選手権シリーズ第3戦 "コカ・コーラ ゼロ"鈴鹿8時間耐久ロードレース 第39回大会」(以下、鈴鹿8耐)の決勝レースを7月31日(日)に控え、国内4メーカーのマシンを使用する主要チームによる、合同テストが行われました。会場は鈴鹿サーキット(三重県)。このテストに総勢17チーム、33台が参加。そのうちの5チーム、8台がHonda勢でした。

MuSASHi RT HARC-PRO.

鈴鹿は朝から小雨が降り、ウエットコンディションとなりました。セッション1の走行が始まる午前9時ごろには、一時的に雨がやんでいたものの、各車はレインタイヤをセットしてスタート。路面状況の回復に期待しましたが、後半になって雨脚が強くなり、どのチームもペースを上げられませんでした。

午前11時からのセッション2の開始時には雨が上がり、徐々に青空が見え始めましたが、路面は、ドライとまではいかず全車がレインタイヤを装着、ストレートを駆け抜けるマシンは水煙を上げている状態。しかしセッションが進むにつれて路面状況がよくなり、セッション1のタイムを更新するチームが多くなりました。

午後2時からのセッション3は、徐々に路面が乾きつつあるものの、西コースの一部が濡れているなど、難しいコンディションに。東西に長い鈴鹿サーキットならではの現象です。そのため、各チームともレインタイヤかスリックタイヤかの選択に苦慮。120分の走行時間が設けられていましたが、45分を経過した時点では、33台中19台のみの走行でした。タイヤメーカーのスタッフが路面温度を何度も測ったり、ライダーやスタッフは空を見上げながら、天候を確認する時間が続きました。

そんな中、レース本番で同様なコンディションになることを見据え、果敢にスリックタイヤでチャレンジするチームが出始めました。そして60分が経過したころからスリックタイヤを使用するマシンの比率が増え、ラップタイムが徐々に向上していきました。

メーカー合同テストは走行する台数が比較的少なく、クリアラップを取りやすいので、なるべく多くの周回をこなすことがチームにとって重要なテスト項目となります。後半の1時間は予想されていた雨が降らず、各チームともドライセッティングでのテストを精力的にこなしました。

昨年のリベンジを狙うMuSASHi RT HARC-PRO.は、今回初めて3人のライダーが集結。注目のニッキー・ヘイデン(アメリカ 34歳)は、初めて乗る8耐マシンの感触を確認するように、不安定な天候の中でも15周を走行しました。もう1台のマシンでは、全日本ロードレースに参戦中で、チームの核となる高橋巧(埼玉県 26歳)とマイケル・ファン・デル・マーク(オランダ 23歳)が周回を重ね、チームのベストタイムは2分8秒850と全体の5番手をマーク。確実にセットアップを進めていました。

F.C.C. TSR Hondaは、ドミニク・エガーター(スイス 25歳)が、世界選手権のMoto2クラスに参戦のため今回のテストには参加できませんでしたが、渡辺一馬(栃木県 26歳)とパトリック・ジェイコブセン(アメリカ 22歳)が積極的にライディング。着実に周回を重ねながらセットアップを進め、チームとしては2分9秒090と全体の7番手タイムを記録しました。

Satu HATI. Honda Team Asiaは、ディマス・エッキー・プラタマ(インドネシア 23歳)、ラタポン・ウィライロー(タイ 23歳)、ザクゥアン・ザイディ(マレーシア 20歳)らが、走り込みを行いました。チームのベストラップタイムは2分11秒060。翌日の走行ではラップタイム向上に挑みます。

TOHO Racingは、山口辰也(埼玉県 40歳)が2分9秒188を記録して総合8番手と上位をキープ。au&Teluru・ Kohara RTは、ベテランの秋吉耕佑(福岡県 41歳)が2分9秒847と総合12番手を記録するなど、Honda勢は目まぐるしく変わるコンディションの中、積極的に走り込みを行っていました。

7月14日(木)は、タイヤメーカーテストとして多くのチームが走行を予定しています。それが終われば、7月28日(木)のフリー走行からレースウイークがスタートします。