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2015年7月15日(水)

【特別ラジオ】「初めてのあなたに。これを聴けば“鈴鹿8耐”が観たくなる!?スペシャル」
・ 放送日:2015年7月14日(火) 22:00-23:00@RN2
・ MC:玉川美沙さん
・ アシスタントMC:Hondaスマイル 橋本さん
・ ゲスト:宮城光さん、鹿内新平さん

玉川 こんばんは、玉川美沙です。本日は、Hondaラジオ特別企画としてお届けいたします。題して、「初めてのあなたに。これを聴けば“鈴鹿8耐”が観たくなる!?スペシャル」。そもそも8耐っていうのが何なのかっていうところからまずお話をしていかなければいけないと思うんですが。鈴鹿8時間耐久ロードレース、これが通称8耐というふうによく呼ばれるもので、日本での歴史でいうとF1よりも長い開催年数を誇る2輪のロードレースのことです。バイクの免許は持っているんだけれども、レースというものには詳しくないという方。確かに8耐っていうその名前は何となく聞いたことはあるんだけれども、どんなものなのかはよく分かっていない。そんな初心者のあなた向けに、今日は鈴鹿8時間耐久レースの魅力を紐解いてお届けいたします。進行役は私、玉川美沙です。そして、Hondaスマイルの橋本さんと一緒にお送りしていきます。橋本さん、よろしくお願いします。

橋本 はい。玉川さん、そしてラジオをお聞きの皆さん、こんばんは。Hondaスマイルの橋本です。本日はどうぞよろしくお願いします。

玉川 よろしくお願いします。ラジオでもったいないですが、べっぴんさんです。

橋本 ありがとうございます。

玉川 きれいどころと一緒にお届けいたします。Hondaスマイルの皆さんも8耐では活躍されますもんね。

橋本 そうなんです。Hondaウェルカムプラザ青山では、8耐のパブリックビューイングなども行っていますので、本日はテーマ8耐ということで、皆さんと一緒に8耐を学びながら、そして8耐の魅力をお伝えできるように頑張ってまいります。

玉川 素晴らしい。よろしくお願いします。

橋本 よろしくお願いします。

玉川 今日はラジオ番組のアシスタントとしても活躍していただきますので。頑張ってください。

橋本 ありがとうございます。また、Hondaスマイルって何?っていう方、多いかと思うんですが、私たちHondaスマイルは、Hondaの顔として、HondaブランドをPRする仕事を行っています。普段は青山1丁目にある本社ビル1階のHondaウエルカムプラザ青山というショールームで働いています。

玉川 ということは、8耐のこともお勉強されたりはするんですか?

橋本 そうですね。入社の時に一生懸命勉強します。

玉川 偉い。私、一応バイク歴で言うと四半世紀以上になるので。

橋本 四半世紀以上。そうなんですね。

玉川 25年以上あるんですけど、ここ5〜6年ぐらいのブランクがあるんですよ。で、8耐に関しては、もしかしたら橋本さんのほうが勉強してからの年数が短い分、詳しい可能性もあります。

橋本 頑張ります。

玉川 一緒に勉強しますから、今日。

橋本 はい。よろしくお願いします。

玉川 ブランク埋めますから。

橋本 はい。

玉川 そんな私たちに、先生というんですかね。エキスパート、来ていただいておりますので。メインのエキスパート。この方でございます。日本だけではなく、もちろん海外でも活躍されている、2輪ライダー、そしてモータージャーナリスト、宮城光さんです。

宮城 はい、どうもこんばんは。宮城光です。

玉川 あら、クールにありがとうございます。

宮城 いえいえ。よろしくお願いします。

玉川 よろしくお願いします。

橋本 素敵な声ですね。よろしくお願いします。

宮城 お願いします。

玉川 宮城さんが居ないと、今日この番組成り立たないです。

橋本 成り立ちません。

宮城 いやー、もう大丈夫ですよ、そんな。四半世紀乗ってこられたんでしょ。素晴らしいじゃないですか。

玉川 宮城さん、何年ですか?

宮城 いやいや、もうやめてください。半世紀ぐらい乗ってきましたけど。

玉川 でも、私その四半世紀前に、実は宮城さんと大阪でバイク雑誌で一緒に仕事をしていて。

宮城 そうなんですよね。

橋本 あっ、そうなんですね。

宮城 ですから、本当に久しぶりになつかしい。

橋本 感動の再会ですね。

玉川 覚えてないですよね。

宮城 いやいや、そんなことない。

玉川 あんまり覚えてないでしょ。

宮城 そんなことない。

玉川 バイクって、ブランクが開いてもふとまた乗って楽しんだりとかできる趣味だったりするじゃないですか。だから、こうやってまた宮城さんともお仕事させていただける機会があったので。やっぱりバイク乗ってて良かったなと思いますね。

宮城 そうだよね。あと、バイクに乗ってると、オートバイを乗ってる仲間同士の同じ空気感というか、そういったものの共通感っていうのはすごいものがあって。だから、久しぶりに会ってもいろんなことをワッと思い出せる。

玉川 そうですね。

橋本 思い出せるんですね。

玉川 そうそうそうそう。

宮城 っていう楽しさがあるなと思いますね。

玉川 宮城さん、ご自身がライダーとしてのスタートは学生時代ですか?

宮城 実際バイクに乗ってるのは学生の時から乗ってましたし、僕はもう16歳から免許取ってましたし。もっと言うと、小学校の低学年の時に、実録本田宗一郎物語というのを少年漫画雑誌で読み切り52ページであって、それを読んでからのHondaファンで、そこからバイクが大好きになったんです。

橋本 そうなんですね。

玉川 そう考えたら、Hondaと宮城さんとの歴史はメチャメチャ長いわけですね。

宮城 そうですね。というか、僕が一方的にHondaに片思いを続けてるわけなんですけどね。ずっと。そんな感じですよ。

玉川 両思いじゃないですか。長らくの。

橋本 両思いですよね。

玉川 今日は、私みたいにちょっとブランクがあるバイク乗り、そして、橋本さんバイクは?

橋本 乗ってないんです。

玉川 ですよね。

橋本 そうなんです。でも、免許取りたいなとほんとに今思っています。

宮城 いいじゃないですか。

玉川 興味を持ってくれている女の子、それから、全然今まではバイクとはちょっと縁がなかったっていう方にも、8耐というものを通じてバイクそのものの魅力も知っていただけるように、ぜひ宮城さんに。

宮城 そうですね。分かりやすく伝えていきましょう。

玉川 ご指導いただきたいなと。

橋本 よろしくお願いします。

玉川 では、この辺でちょっとブレイクしましょう。橋本さん。

橋本 はい。では、この後は、8耐について詳しく探っていきましょう。

玉川 私、玉川美沙が進行役として、Hondaスマイルの橋本さんと一緒にお送りしています。今日は8耐、8時間耐久ロードレースとは何ぞやというところからまず入っていくんですが、宮城さん、ここからは宮城さんに活躍していただかなければならないんですけれども。

宮城 分かりました。いいですよ。

玉川 8時間耐久、ここですかね。まずは。

宮城 そうですね。

玉川 要は、8時間の耐久です。そのまんま言いますけど。そういう説明が一番分かりやすいですか?

宮城 そうですよね。1台のオートバイ、2輪車ですね、この車両を使って3人のライダーで8時間連続で走って、どのチームが一番周回数をたくさん回りましたかっていう競技なわけなんですよね。

玉川 箱根駅伝とかみたいな感じですかね。

宮城 あ、いい表現ですね。

玉川 いいですか? 大丈夫ですか?

橋本 ああ、なるほど。タスキをつなぐっていう感じですか。

宮城 そういうことなんですよ。ですから、3人のライダーで、本当にその信頼関係で一番最初の第1ライダーが走って、しっかりと失敗をしないようにピットに帰ってきて、2人目のライダーに、タスキじゃないですけども、自分の乗ってきたマシンを渡すわけなんですよ。そうすると、2人目のライダーがそれに乗り込んでまた走ってきて、約1時間。鈴鹿の8耐というのは7月の終わりの鈴鹿サーキットですから、夏の日本ですから暑いですよ。これをしっかり1時間走って、また次のライダーに渡すというのが、この8耐なんですね。

玉川 この8耐の歴史というのが、実は鈴鹿サーキットの歴史と深いつながりがあるんですよね。橋本さん。

橋本 はい。では、ここで鈴鹿サーキットの歴史について、ちょっと私からご説明させていただきます。本田の創業者本田宗一郎は、今から53年前、1962年に三重県に鈴鹿サーキットを作ったんです。なぜ本田宗一郎がサーキットを作ったのかというと、もちろんレースで1位になりたいという熱い夢を持っていたからなんですが、それだけではなくて、レースをやらなきゃ車やバイクは良くならないと本田宗一郎は考えたんです。

玉川 この辺は宮城さん、よくご存じのお話なんですね。

宮城 いい話ですね。1962年、昭和37年ですね。東京オリンピックは昭和39年でしたから、それよりも以前なんですね。

玉川 生き字引みたいになってますね(笑)

宮城 しかも、今だったら、例えば関東圏の方であれば首都高速道路であったり、例えば東名、名神であったり、日本全国すべての場所におそらく高速道路ってあると思うんですよね。多分これ、リスナーの方もお分かりだと思う。

玉川 そうですね。つながっている。

宮城 ところが、その当時なんていうのは、本当に東名高速道路もまだできあがってませんでしたから、日本に高速道路ができあがる前に、こういった高速走行できる高速コースを作ったわけなんですよ。しかもそれだけじゃない。僕はこのHondaがすごいなと思うのは、ここを自分たちのテストコースにするのではなくて、すべてのメーカー・・・これは2輪とか4輪のメーカーが日本にはたくさんありますから、そういったメーカー、そして海外のメーカーの人たちが全員走れるような、いわゆるパブリック、公共のレース場にしてしまったということなんです。もちろんこれはHonda技研が作ったわけなんですけれども、これを公開することによって、多くのメーカーがそこでいろいろな技術の競争をして、実は今の日本の工業製品が良くなったんです。

玉川 日本が世界に誇る分野ですからね。

宮城 そうなんですよね。

玉川 そうか、鈴鹿サーキットがなければ、われわれが毎年、モータースポーツの中で言うならば盛り上がっているF1であったりとか8耐であったりとか、なかったかもしれない。

宮城 玉川さん、鋭い。本当にその通り。

玉川 っていうことですよね。

宮城 そうです。鈴鹿サーキット、日本で本格的に完成したこのレース場がハイスピードコースだったからこそ、日本はそこの技術をうんと伸ばすことができたんですね。

玉川 ですね。で、その他のサーキットたちも追随してくるというか、そういう環境がどんどん日本の中でできていって、現在に至るっていうことなんですよね。

宮城 そうなんですよ。そんなすごい鈴鹿サーキットで行われているのがこの鈴鹿の8耐なわけなんですよ。

玉川 しかも、日本のレース業界におけるかなりの長い歴史を持っているトップクラスのレースである。

宮城 そうですね。

玉川 ちなみに、8時間走るとなるとどんなものなのか、多分ピンとこない方もいらっしゃると思うんですよ。

宮城 そうだよね。

玉川 200周ぐらいとかでしたっけ。

宮城 200周以上走りますよね。

玉川 ですよね。要は、8時間耐久でどれだけたくさん走れたかっていうことになりますから。勝負の行方はね。でいうと、200?

宮城 今、215周とか218周とか。多分217周ぐらいまで行ったかな。

玉川 1周が5.8キロ。ですから、総距離で言うと1,200キロとか。うわー。

橋本 まあ。

宮城 1,200キロってどこからどこまでですか?

玉川 東京を出発すると宗谷岬まで行ける。

宮城 うわー。8時間でね。

玉川 8時間で。ノンストップでっていうことですよ。要は。

宮城 そうですね、そうですね。

玉川 これを3人で交代しながら行くとするならば。

宮城 まあ、それぐらい走ってたんだな、僕も。

玉川 懐かしいですか?

宮城 暑かったですね。

玉川 暑いですよね。

宮城 外気温度が大体33度から35度ぐらいでしょ。で、実際僕らの乗るそういったオートバイのスピードが300キロぐらいで走るわけなんですよね。

橋本 速い。

宮城 で、車重が大体200キロ弱ぐらいありますから、それを速く走らせるためにやっぱりコントロールしますから、ある程度ライダーは体力を使うわけなんです。だから、そこがスポーツなわけなんですよね。で、3人のライダーでチームを組んで、しかもそのオートバイを走らせるために何十人ものスタッフ、メカニックがそのオートバイに携わってくれるわけです。そういったチームプレーでやってるわけですからね。

玉川 確かに。チームプレーで言うと、われわれがよく使った言葉で、多分橋本さんは初めて聞くかもしれない、ワークスとプライベートっていう分け方をするじゃないですか。どう言えばいいんですかね。メーカー直系チームとそうではないプライベートチームっていうのが実は存在しているんですよね。8耐には。

宮城 そうですね。

玉川 みんなが同じ条件では実はない。

宮城 そこでいうと、同じ条件なんですけれども、先ほど言った、やっぱりHondaであったりヤマハであったりスズキ、カワサキというのは、やっぱり自分たちのマシンを勝たせたいですから、自分たちが直接チームを作ったりする場合もあるんですね。その時には、やはり一番自分たちの主力製品に、そのオートバイ自体を開発したようなスタッフであったり、あとは、ワークスライダーと言いますけれども、そのメーカーと契約している一番いいライダーに乗ってもらうわけなんです。これがいわゆるワークスチームという。一方は、プライベートチームと言います。これは例えば、僕、宮城光が「よし、今年の8耐に出よう。よし、頑張って自分のお小遣い使おう」といって、お小遣いを銀行から出してきて、これでバイク屋さんにバイクを買いに行くわけですよ。で、バイクを買ってきました。じゃあ、これにタイヤを付けて、例えばじゃあレース用の改造をしまして、あと、仲間にじゃあこのバイクに乗ってくれと言って、メカニックを雇ってきて、チームを作るのがプライベートチームなんです。

玉川 ですね。

橋本 分かりやすいです。

玉川 今年って何チームぐらい出るんですかね。

宮城 83チーム、84チームぐらいですかね。エントリーがある。

玉川 84。過去10年ぐらいの間では最多だって聞きました。

宮城 そうですね。84チームのエントリーがあって、予選があって、最終的に決勝に出れるのは70チームなんです。

玉川 単純に考えて、じゃあ、すいません、ワークスのほうが有利って思っちゃいますよね。

橋本 そうですね。

宮城 例えば予選であればそういった速さはありますけれども、それだけで済まないのがこの鈴鹿の8耐なんです。例えば、8時間の中で速く走れるライダーも居ますし、ペースが落ちてきたりして、そこでのスピード差が出てきたり、いろんなことが起きる。

玉川 せめぎ合いがあるわけですよ、いろんな。

橋本 そうなんですね。

宮城 しかも、暑い炎天下の中、1台のオートバイが全開で走っていますから、場合によってはそのマシンが調子が悪くなってきたりするんです。

玉川 それはそうです。

宮城 それをピットに戻してきて、そこでまた修理を繰り返して、もう一度再スタートさせる場合もあるんですね。

玉川 それは、8時間耐久だからこそできるっていう対応だったりもしますよね。

宮城 そうなんですね。

玉川 普通のスプリントレースだと、例えばマシンがちょっと不具合を起こしたら終了。

宮城 もう終了です。

橋本 そうですね。リタイア。

宮城 通常は15周ぐらいのレースですから。

玉川 ですよね。だがしかし、200周ある中の、まだ後ろがあるとなれば。

宮城 やめるにやめれない。しかも、みんな他のチームも同一条件ですから、僕らも調子悪くなったけども、ライバルチームの調子が悪くなるかもしれない。一方では悪くならないもの同士の戦いもあるわけですよ。だから最後まであきらめないんですよ。

橋本 そうですね。

宮城 箱根駅伝もそうじゃないですか。いろんな選手たちがタスキをつないでいくんだけれども、区間によってはその選手がペースが上がらない場合もあるわけだよ。でも、その分次の選手が取り戻すために一生懸命走るわけでしょう。その時に、自分のベストを更新したりするわけなんですよ。実はこの鈴鹿の8耐も同じドラマがあるんですね。

玉川 ドラマ。ドラマありますね。数々のドラマがあって。

橋本 そうですね。

玉川 今年は38個目のドラマが、毎年一つとするならば、生まれることになるんですよ。

宮城 そうですよ。

玉川 ちょっと熱くなってきますね、やっぱりね。

橋本 はい。

玉川 では橋本さん、この後は?

橋本 この後は、現在Hondaで働いている若手社員の方をお迎えして、お話を伺っていきます。

玉川 今日は、私、玉川美沙が、Hondaスマイルの橋本さんと、そして宮城光さんと一緒にお送りしております。7月26日に本戦が行われる8耐の魅力を皆さんにお伝えするということでやっているんですけれども、宮城さん、橋本さん、ここでもう一人スタジオにゲストが。もう座ってらっしゃいます。鹿内新平さんとおっしゃいます。鹿内さんはどちらにお勤めですか?

鹿内 今、Hondaの二輪R&Dセンターというところで働いています。

玉川 入社5年目、29歳。Hondaの社員さんです。

宮城 いいですね。

玉川 実は鹿内さん、8耐出場を目標に頑張ってらっしゃるライダーです。

鹿内 はい。

橋本 ライダーなんですね。

宮城 素晴らしい。

玉川 素晴らしい。

橋本 素晴らしい。

玉川 正直ガツガツした感じに見えないですよね。柔らかい。

橋本 優しそうな。

宮城 優しい表情なんでね。そうなんですね。

玉川 設計とかしてらっしゃるというと、何となく図面描けそうみたいな感じはあるんですけど。どっちが先なんですか? バイクもともとお好きなんですか?

鹿内 それが、中学校から高校ぐらいまでは全然バイクとか興味もないし、かかわりもないっていう。超真面目な中高に通っていたんで。

玉川 自分で真面目って言った(笑)

鹿内 正直勉強ばっかりしてました。

玉川 大学で何してたんですか?

鹿内 大学入ってからは、ロボットを勉強しようと思って、その研究をしてました。

玉川 そうなんだ。じゃあ、トランスフォームするバイク作ろうとしてるんですか?

鹿内 面白いですね、それ(笑)  

玉川 違う? そういうことじゃない。

鹿内 アイデアとしてもらっておきます。

玉川 ありがとうございます。ロボット作る研究とかをしてらしたのが、なんでバイクに?

鹿内 大学で東京に居たので、その時、東京ってビッグスクーターがすごく流行っていて。で、あれを見て・・・

宮城 今から10年ぐらい前ですね。

鹿内 そうなんです。あれかっこいいなと思って、あれちょっと乗ってみたいなと思って。もともと機械には興味があったので。で、免許を取りに行ったんです。で、ツーリングとかを楽しんでたんですけど、ちょっと物足りなくなってきて。で、スポーツバイクに乗り換えた。

橋本 かっこいい。

宮城 何買ったの?

鹿内 CBR1000RR。

宮城 えーっ。普通400ぐらいから行きますよね。

玉川 ねえ。ビッグスクーターの次ね。

宮城 そうだよね。

鹿内 そうなんです。頑張りまして。

宮城 えっ、大学生の時に?

鹿内 そうです。

宮城 それ、なかなか立派な感じですよ。

玉川 ほんとですよ。バイトとか頑張ったんだね。

鹿内 すごく頑張りました。バイト三昧でしたね。

玉川 そうですよね。

宮城 どうだったの?それで。実際乗ってみて。例えばスクーターから乗り換えるとすごい違うじゃん。

玉川 そうですよね。

宮城 というのは、リスナーの方でもスクーター乗ってらっしゃる方はたくさんいらっしゃると思うのね。

玉川 もちろん通勤だの通学だのね。

宮城 そうなの。だから、そこからスーパースポーツの最新型のHondaの最高峰モデルのスーパースポーツに乗り換えるって、すごいなと思って。どんな印象だった?

鹿内 全然全く性能は別物だったんですが、思いのほか乗りやすくて、「あれっ、すごい乗りやすい。なんでこんなすごい性能を持ったバイクなのに、何も知らない僕みたいな一般人がパッと乗ってもそれなりに乗れちゃうような性能を持ってるんだろう」と。

玉川 そういうとこに興味持つのか。ロボットとかやってた人は。

鹿内 それで、こんなバイクが作れるようなHondaだったらもっと面白いことができるかもしれない、もっと面白いものを作ってやろうと思って、Hondaに入りました。

宮城 へえー、すごいな。

玉川 面白い。でも、まだ8耐出てこないよ。

橋本 そうですね。

玉川 まだ8耐は出てこない。

鹿内 8耐までもうちょっと。

玉川 まだあるの?

鹿内 8耐に関しては、興味を持ったのは、実はそのCBR1000RRというのは8耐で何回も優勝しているバイなんですけど・・・

宮城 常勝マシンね。

鹿内 自分の乗ってるバイクがこんな大きいレースに出て、しかも勝ってるらしいと。メチャクチャ興味はあるんですけど、東京に住んでてなかなかレースは見に行けなくて。で、どうしようかなと思って考えていたら、Hondaのウエルカムプラザ青山というところでパブリックビューイングというのをやってるんですね。

橋本 おっ。

玉川 来ました。

宮城 うれしいね。

橋本 来ました。うれしいです。

鹿内 あれに行ったんですよ。

橋本 そうなんですね。へえー。それで人生が大きく変わるということですか。

鹿内 そうですね。

玉川 やったー。

橋本 うれしいですね。

玉川 そこで8耐に、初めて、生とは言えないのかもしれないけど、ある意味生で触れて、はまった。

鹿内 そうですね。8耐すごいなと。初めは全然レースとかも見たことなかったんで、ピットワーク・・・ピットインしてきてすごい速さでピット作業してるのとかもすごいし、もちろんすごい深いバンク角で走ってるのとかも面白いなと思ったんですが、最後のほうで、夜暗い中でライト付けて走るじゃないですか。そんなレースあるのか、みたいな。そういう新しい新鮮な驚きばっかりでしたね。

玉川 確かに。11時半スタートの7時半ゴールですもんね。最後の闇の中をライトが走ってくるのがいいんですよね。

橋本 そうですね。

玉川 それは感動するわ。

宮城 それは何年の話なの? ウエルカムプラザ。

鹿内 それが2009年の話ですね。

玉川 でも、結構まだ最近なのね。で、そこから自分で出ようと思っちゃうわけですよね。

鹿内 そうなんですよ。

玉川 レースにね。

鹿内 そうですね。

玉川 そこがすごい。

宮城 普通なかなかそう思わないよね。

橋本 そうですね。

玉川 「よし、今度は鈴鹿に見に行こう」ですよね。

宮城 そう。ファンになる人は多いけどね。

玉川 じゃなくて、「よし、俺も出よう」。

鹿内 そうですね。

玉川 そこからサーキットに通うようになったんですか?

鹿内 はい。自分のバイクがスポーツ性能を十分持っているということが分かったので、サーキットでじゃあ自分も走ってみようということで、仲間と一緒に筑波サーキットを走り始めて。で、本当に面白くて。

宮城 CBR1000で?

鹿内 そうです。ちょっと大きいんですけどね。レースというか、その時はスポーツ走行というかたちだったんですけど、自分でいろいろ、「もっとこうやったら速くなれるんじゃないか」とかいろいろ考えて試して、少しずつタイムが上がっていくっていうのがすごく楽しくて、「これ、面白いな」と。で、ある程度速くなったあたりで「レース出てみようかな」と本当に考えるようになりました。

宮城 ビッグスクーターからそこまでね。

玉川 ねえ。わずか数年で。

橋本 すごいですね。

宮城 そうだよね。

玉川 今、淡々と静かにお話しになってますけど、ものすごい行動力と情熱ですよね。

宮城 そうだと思いますよ。自分の中で「ああ、オートバイって面白いな」と思って、どんどんどんどん気持ちが高まっていったわけでしょう?

鹿内 そうですね。

宮城 うわー。

玉川 この探求心と、すぐに行動に移す行動力。

宮城 そうだよね。本当ですよね。

玉川 何か目標はあるんですか? いつぐらいには8耐出たいなとか。

鹿内 はい。そろそろ頑張って、来年か再来年には8耐に出たいなと思って頑張ってるところです。

玉川 うわっ。

橋本 もうすぐですね。

玉川 2009年にウエルカムプラザで見てからですよ。

宮城 すごいね。

玉川 もう5〜6年で。6、7、8年ぐらい。10年ぐらいでそこにたどり着く予定。

鹿内 予定。はい。

宮城 チームとか入ってるの? だって、自分じゃできないもんね。

鹿内 そうですね。Hondaの従業員チームの、HondaブルーヘルメットMSCというところでやってます。

玉川 なるほど、そういうチームがあるんですね。

宮城 それはですね。ブルーヘルメットですよね。

鹿内 はい。

宮城 これは、Hondaの中にはいろいろチームがあるんですけども、これは最も老舗と言ってもいいぐらいの伝統的な社内チームのレーシングチームです。僕なんかHRCにいた時の大先輩方っていうのは、大体そこの出身の方です。

玉川 そうなんですね。エリートコースを歩んでいるじゃないですか。

橋本 おーっ。

宮城 すごいとこ行きましたね。

玉川 じゃあ、そこで先輩方のアシストみたいなこともしながらということですかね。

鹿内 そうですね。

玉川 メカニックなり何なり。

鹿内 はい。

玉川 今までメカニックとしてとかで参戦はされてるんですか?

鹿内 はい。Hondaに入社してから、Hondaブルーヘルメットに入って、2012年にメカニックとして8耐に行きました。

玉川 ライダーではないにしても、実際にチームとして参加されて。どうでした? どうでした?

鹿内 役割は、ライダーにピットからの指示を伝えるサインマン。

玉川 サインボードっていうのを出すんですよ。

鹿内 そうです。あれを出す役割をやってたんですけれども。

宮城 いい仕事じゃないですか。

鹿内 楽しいんですけど、本番が始まってスタートして1周何とか無事に走り終えて、2周目、「あれっ、帰ってこない」というのがあってですね。なんと、マシンが転倒によって燃えてしまうという事件があってですね。

橋本 えーっ。

玉川 2周で?

鹿内 そうなんですよ。その様子を、実は映像として持ってきました。

玉川 私たちに見せるために?

鹿内 はい。

玉川 ありがとうございます。見たい見たい。

宮城 ようそんなんあるわ(笑)

鹿内 っていうものがあります。

玉川 見よう見よう。

<映像> さあ、Hondaブルーヘルメットです。ゼッケンナンバー60番。名門のHondaブルーヘルメット、今マシンが火が出ました。

橋本 あっ。あーっ。

宮城 シケインの入り口や。シケインの入り口で結構きたね。

鹿内 そうなんですよ。

橋本 火が出るんですね。

<映像>さあ、転倒からどうやらタンクにダメージを負ってしまった車両から出火。マシンが燃え始めています。今コースマーシャルが消火器を持ちました・・・

鹿内 燃料満載の状態だったんで。

玉川 そうだよね。走り出したばっかりだから満タンだよ。

宮城 これ、ライダーは怪我はどうだった?

鹿内 ちょっと怪我はしたんですけども、その後頑張ってマシンをピットまで持ってきてくれたんですよ。

宮城 えーっ、持って帰ってきた。

鹿内 そうなんです。

宮城 男やね。

玉川 感動。

橋本 ねえ。

玉川 ほいで?ほいで?

鹿内 で、その後、マシンはグチャグチャ、消火剤も入って、いたるところがメチャクチャの状態。

玉川 そうだよね。

鹿内 でも、それでも何とか7時間ぐらいかけて修理をしまして。

宮城 うわー。ほんと。

玉川 えっ、始まって2周目で燃えて、何とかピットに戻ってきて。

宮城 2周目っていうことは5分ぐらいですよ。

橋本 そうですよね。

玉川 ですよね。その後・・・

宮城 スタートして5分で、あと7時間かかって。

玉川 えっ、修理したの?

鹿内 修理しました。

玉川 正直、宮城さん、これ失礼な言い方ですけど、あきらめたくならないでしょうか。

鹿内 ほんとにこの日のために、この瞬間のためにみんなで全力で頑張ってきたっていうのを何とかかたちにしたくて。それって、チェッカーを最後に受けるっていうのがやっぱり一つの目標で。

玉川 記録が残るかどうかじゃなくてね。

宮城 いいこと言うな。

玉川 泣けてきた。うわー、どんな気持ちでその7時間マシンに向き合ってたんだろうか、みんなが、って。

宮城 そうやね。

玉川 で、それをライダーは待ってるわけでしょう?

鹿内 そうですね。

玉川 そのライダーの心境は宮城さんにしか分かんないかもしれないです。

宮城 僕も何回かやっちゃってますからね。

玉川 すいません。失礼な言い方をしましたが。

宮城 いえいえ。

玉川 どんな気持ちで待つんだろうって。

宮城 いやいや、大体クーラー効いた涼しい部屋で。

玉川 コラコラコラ。

宮城 いやいや。僕ら、走るのが仕事なんで。

玉川 そうですよね。そこはもう切り替えて。

宮城 走るためにフィジカルちゃんと整えるんで、それは冗談抜きで、きちっと態勢を整えるんですけどね。

玉川 確かに。マシンが必ず修理されて戻ってくると。

宮城 ただ、申し訳ない気持ちでいっぱいですよ。

玉川 そうですよね。

宮城 何回も僕もやってますけどね。で、やっぱり一生懸命直してくれたら、あとは何とか走らせるという。僕らライダーは、走らせてチェッカーを受けるのが仕事なんですよ。で、メカニックは車をしっかり走らせるのが仕事なんです。役割分担でチームワークなんですよね。

玉川 そうですよね。最後は走れたんですよね。

鹿内 はい。最後30分何とか走りまして、チェッカーをみんなで受けることができました。

橋本 うわー。

宮城 ほんと。良かったね。

玉川 やめられなくなりましたね。余計にきっと。

鹿内 そうですね。

宮城 で、それって社内チームでしょ。そのブルーヘルメットの社内のチームの雰囲気はどうなの? みんな会社の同僚じゃないですか。

橋本 そうですよね。

玉川 あ、そっか。

宮城 要するに同僚とやってるわけじゃないですか。それって、僕、すごいいいことだと思うんだよね。別にどこかの誰かとやってるんじゃなしに、日頃何かをものづくり、彼らの場合だったらものづくりに取り組んでる仲間と何か目標を作ってやってるってすごいいいなと思う。

鹿内 そうですね。実際も会社の中のいろんな部署から各スペシャリストが集まってきて、ああでもないこうでもないみんなで議論しながらレースをやっていくっていうのは、すごくいい雰囲気でやってます。

玉川 部活っていうとちょっと安っぽいのかもしれないですけど。

宮城 いや、でも部活なんやな。

鹿内 そうですね。

玉川 一つの志を持った男たちのロマンですよ、橋本さん。

橋本 素敵ですね。

玉川 いつもそういうのってうらやましいなと思います、私。

宮城 いいな。

玉川 昔から変わらない。8耐とかを見てると、男のロマンじゃないけど、なんかありますね。

宮城 中学生の時は中学生の時にしかできない部活があって、高校は高校があって、大学は大学生の部活があって。で、今、社会人の中で本田技研工業の研究所の中でできる部活の精いっぱいやってるわけでしょ。だから、それがすごいいいなと思う。

玉川 本当ですよ。お仕事自体はものすごく大変な、最新のバイクの設計とかに携わってらっしゃるわけですよね。だから。

宮城 ほら、今そういう話になったら顔がキリッとしてくる。

橋本 そうですね。変わりました。

宮城 口がムッて。

玉川 急に表情が変わった。プロだな。

橋本 プロですね。

玉川 すごく大変なお仕事をされてる中で、レースも、その時間を割いて。

宮城 で、世界選手権の8耐を目指して、そのチームとしては出てたりするわけで。夢あるね。

玉川 だから、そこまでさせてしまう魅力が8耐にあるっていうことですよね。ある意味ね。

鹿内 そうですね。

玉川 良かった、来ていただいて。

宮城 ほんとですね。

玉川 鹿内さん、ぜひ皆さんに、せっかくの機械なので決意表明というか、ぜひ言っていきませんか?

鹿内 はい、分かりました。今年は鈴鹿4時間耐久レースというのがありまして、4耐に参戦します。

玉川 あっ、そうなの?

鹿内 はい。そこで、表彰台と断トツのトップスピードというのを目指して行ってきます。

玉川 (拍手) 男前。

宮城 素晴らしい。

橋本 かっこいいですね。

鹿内 そして来年、何とか8耐に参戦します。

宮城 ライダーとして。

鹿内 はい。

宮城 おっ、素晴らしい。

玉川 きたっ。皆さんいいですか? 鹿内新平、鹿内新平ですからね。ぜひ覚えてくださいよ。この人かって思うぐらい、ほんと穏やかな感じの方なんですけど。ちょっと応援行きたいですね。

橋本 行きたいです。

玉川 実際にライダーとして走られる時はね。ぜひ期待して。楽しみにしてます。

鹿内 はい、頑張ります。

玉川 信じて待ってますので。

橋本 頑張ってください。

玉川 鹿内さん、今日はどうもありがとうございました。貴重なお話を伺いました。

橋本 ありがとうございました。

鹿内 ありがとうございました。

玉川 では、ここからは、世界で活躍する2輪ライダー、Honda元ワークスライダーですから、宮城光さん。8耐の本質に。

宮城 本質。すごい話ですね。

玉川 8耐の本質って。

宮城 いやいや、ほんと。でも、さっきちゃんと若い人がええ話ししてくれたね。

玉川 若い人がええ話(笑)

宮城 バッチリやね、鹿内さんね。

玉川 鹿内さん。懐かしいですか?

宮城 気持ち良かった。やっぱり見てると気持ちいいですね。

玉川 情熱があるって素晴らしいですね。

橋本 そうですね。

宮城 会社で仲間とやってるって、なんか想像ができるっていうか。仕事終わった後、みんな各いろんな部署から集まってきて、ああだのこうだの言いながらやっていくわけじゃん。それ、すごいいいよね。

橋本 いいですね。

玉川 8耐ならではのそういうドラマっていうか、ありますよね。

宮城 そうそう。で、おっしゃってたのは、やっぱりその日のために1年前から準備してやってきたから、だからやめれないんだなんて聞くとさ。なんかもう、大人はジーンとくるな。

玉川 でも、実際にそれを経験してらしたのは、今このスタジオの中に居る3人の中ではもちろん宮城さんだけなんです。

橋本 そうです。

宮城 ありがとうございます。

玉川 私は外からそれを見ていただけです。

宮城 応援していただきました。ありがとうございます。

玉川 しておりましたが、実際のところ、そういったドラマ性とかもちろんあるんですが、レースであるということは間違いないわけで、戦いの場ですよね。

宮城 そうですね。

玉川 例えば8時間を3人で交代しながら走るとかっていうのは、決まりもあるわけですよね。一番速い人がすごいたくさん走っていいとかいうことじゃないでしょう?

宮城 そうですね。レギュレーションがあって、1人何時間以上連続で走ってはいけないとか、そういった細かいレギュレーションもありますね。

玉川 ですよね。そういったことを踏まえての戦略っていうのが8耐ならではの中にはあるんですよね。

宮城 もちろんそうですね。モータースポーツっていうのはいろんな決まりがあった中で、速く走れるところがあるんです。これはリスナーの方もお分かりだと思いますけど。どんなスポーツにもすべてルールがありますよね。僕らのモータースポーツにもそういうルールがあって、これは厳しく安全管理をされているのね。で、この中でどのチームが速く走れるかっていうのを追求していくので、そこに難しいいろんなトリックがあるわけです。

玉川 そうですね。

橋本 なるほど。

宮城 で、今おっしゃった、例えばライダーが3人居ると、やっぱり得意なところと得意でないところがあるし、例えばプレイヤーによってはスタイルも違う。例えば1台のオートバイを3人のライダーが乗ろうと思うと、そのポジション。

玉川 ああ、そうか。体格なり背格好も違いますもんね。

宮城 そうなんですよ。その通りなんですよ。

玉川 細かいんですけど、あれ、すごく重要ですもんね。

宮城 そうなんですよ。例えば身長差によって、ハンドルが僕は遠いほうがいいなとか、近いほうがいいなっていう、実は好みが出てくるんですね。で、これをじゃあ誰に合すんだっていうことを、例えばチームでどう決めていくか。で、それを例えば監督とか、マシンの整備をするメカニックのトップ、チーフエンジニアって言いますけど、そういった人たちとしっかりと決めていく必要があります。で、あとはやっぱり、これは世界耐久選手権シリーズの一大会だということなんです。だから、ワークスの優勝を狙うチームもあれば、プライベートのチームで完走を狙う。また、その中でいろんなドラマがありますから、ひょっとしたらトップ10にも入れる、ひょっとしたらトップ5にも入れる人たちも、速く走る必要があるんです。これは世界耐久選手権、世界選手権だから。っていうような本質の部分でいうと、やっぱり速く走らせるっていう競技性があるよねと。

玉川 レースであるということは間違いないんです。

宮城 そう、レースなんですよ。だから面白いんですよ。これ、みんなが全員ゆっくり走ってたら何事も起きないの。トラブルも。

玉川 そうですよね。

宮城 例えば転倒もしませんし、例えばマシンのトラブルも出ない。でも、やっぱりみんながある程度速く走らせることによって、例えばライダーもミスをしてしまってコースアウトしてしまって、さっき鹿内さんがおっしゃっていた「2周目に転倒しちゃったんですよ」って。これ、誰もそんなつもりはないんだけど、速く走ろうと思うから失敗も出るわけなんですよね。だから、そこのレースに対するどこまで攻めていくかっていうところは、やっぱりこれ、スポーツなんだよね。だから、この8耐の本質っていうところでいうと、僕らが日頃乗れるバイク、オートバイを使って行うスポーツなんだということなんだよね。

玉川 レースである以上結果は出さなければならない。

宮城 いいこと言いますね。そうですよ。

玉川 でも、そうじゃないところで、8時間のうちの7時間を修理に費やすぐらいのことをしてしまう何かがそこにはあるっていう。

宮城 そうなんですよね。

玉川 その時点で、だってレースじゃなくなってますもんね。

宮城 そうですね。

玉川 そのチームはね。だから、今年は84チーム予定でしたっけ。の、それぞれのドラマが8時間の中で行ったり来たりするわけですよ。

宮城 そうですね。で、8時間走らせるわけですから、例えば3人のライダーで、簡単に言うとものすごく速い人、まあまあ速い人、普通に速い人と、やっぱり差が出てくるわけなんですよ。そうしたら、誰を一番最初に乗せるのか。速い人を行かせるべきなのか、まあまあな人に行ってもらうのか。例えばまあまあとか普通の人とっていったって、コンマ1秒の差はないんだよ。そんな細かい話なんだけど、そういったところをどう戦略を立てるかっていうのは、例えばチーム監督がね。どのスポーツだって監督居るよね。サッカーにしたって。その監督が、「じゃあ誰々先に回れ」と決めるわけですよ。例えば第1ライダーは絶対に転ばない人とか、監督が選んでいくわけですよ。

橋本 そうなんですね。

宮城 攻めるのか、守りなのか。どんな競技だってそうだよね。そういったことが、実はこの出場する70チームに全てあるわけです。その中で戦っていくんだよね。

玉川 確かに。あくまでもチームであるっていう。

宮城 そうなんですよ。この8時間耐久の中にはいろんなドラマがあるんです。例えば8時間、残すところあと30分でチェッカーを受けます。あるチームはトップを走ってるんですよ。あと30分走ればいいの。でも、そういった時に転倒してしまう。

玉川 トラブルがあるかもしれない。

宮城 でも、誰も悪くないんだよね。スポーツとしてやってるから、一生懸命やってるんだよね。7時間30分走ってても、まだそれでも自分は一生懸命走って、チェッカーを誰よりも早く受けようという。スポーツとしてチャレンジしているから、そこには失敗があるかもしれないし、ひょっとしたら気のゆるみがあるかもしれない。ひょっとしたら、他のペースが上がらないライダーとの接触もあるかもしれない。これがレースなんです。

玉川 しかも、8時間ありますから、お天気変わったりするんですよ。

宮城 ありますよ。

玉川 8耐って。

宮城 ありますよ。

橋本 急な雨とか。

宮城 昨年も、トップを走っていたチームが雨に足元をすくわれて転倒する。こういったこともあるわけなんですよ。

玉川 だから、今は例えば天気予報ってゲットしやすいでしょう? 昔、もっと大変だったじゃないですか。

宮城 もっと直感的にね。鈴鹿サーキットでいうと、西の空を見て、そろそろ雲が来たぞ、というね。

玉川 そうそうそう(笑)

橋本 そうですよね。

宮城 それは20年ぐらい前の話ですけども。今は、ピットには素晴らしいコンピューターシステムで、最新の気象データを持ってますので、「宮城さん、あと5分後に雨降りますよ」、もう、そういう話なんですよ。

玉川 でも、それも絶対に避けられないことなので。

宮城 そうなんです。じゃあ、5分後に雨が降りますよっていった時に、先ほど鹿内さんは例えばピットサインボードをやってたんだけども、そのチーム監督がサインマンにピットインの指示をさせるのか、このまま走れというサインをさせるのかっていうのが、これがまた勝敗が変わってくる。

玉川 判断がね。

宮城 ある時に、もう10年ぐらい前かな、Hondaで優勝した岡田忠之君とアレックス・バロス。これ、世界ランクのライダー2人コンビなのね。結果的には優勝したんだけども、アレックス・バロス選手が走ってる時に雨がザーッと降り出した。スコール。その頃はそれほどコンピューターが発達してなかったんで、コンピューターと空を見ながら「もう雨が来るだろう」と言っていたら、本当に来たわけだよ。で、Hondaレーシングとしてはピットサインの指示を出したわけ。危ないから。とにかくピットに入れて、タイヤを雨用に履き替えて、安全に走らせようと。なぜならば、トップを走っているから。

玉川 守りたい。

宮城 ところがその時に、アレックス・バロスはピットインしなかった。

玉川 指示を無視した?

宮城 無視した。これは本来は許されないことなんだけども、アレックス・バロスはそれ以上に自分に自信がある。だから、「俺はこの鈴鹿サーキット、これぐらいの雨じゃ絶対に転ばないでしっかり走って、ピットに車を返して、岡田忠之に渡せる」、そういう自信があるんだよね。で、彼はそれをしっかりと達成して、安全に1番でマシンを返した。それで優勝するわけよ。

橋本 すごいですね。

宮城 こんなかっこいい話ないよね。

玉川 ないですね。

宮城 でもね、チームはドキドキですよ。

橋本 そうですね。

玉川 それはそうですよ。

宮城 僕はその時、ちょうど鈴鹿サーキットのピットレポーターをやってたの。だから、チームが「何やってるんだ。早く入れろ」「いや、もう出してます」って。でも、入ってこないから、何周か回って、そのサインボードを無視してるっていうのが分かるから、チームとしてもじゃあ今度作戦を変更するわけ。じゃあ今バロス選手はちょっとペースが落ちたから、これをこの後どういうふうに調整しようかっていうのをコンピューターでブワーッと叩き出して。それがまたかっこいいんだ。

玉川 すごい。8時間っていう長丁場なんだけど、瞬間瞬間はほんと0コンマ何秒とかの判断だったり作業だったりっていう、すごい一瞬の勝負なんですよね。

宮城 そう。8時間あるから何が起きるか分からないんだよね。で、それに対して何十人も居るチーム、また、プライベートチームだったら例えば10人ぐらいのチームもあるんだけども、その人たちが全部力を合わせて何かをやるっていうところが、このオートバイを使って行うスポーツの一番面白いところ。それを鹿内君はもうやっちゃってるわけよ。

玉川 うらやましい。

宮城 もうやめられないですよ。

玉川 今年4耐ですよ。

橋本 そうですね。

玉川 4耐優勝経験のある選手。

宮城 そう。僕ありますけどね。で、鹿内君なんかが出てる4耐っていうのは、8耐の簡単に言うとアマチュア版で、名前の通りの4時間のレースなのね。でも、やってることは同じことをやってる。

玉川 そうですね。4耐は土曜日でしたっけ。

宮城 土曜日に決勝がありますね。

玉川 金曜日から、8耐ウィークって言われたりするんですけど始まって、金土日。日曜日が8時間耐久の決勝なんですが、その前の土曜日に4時間耐久。

宮城 そうですね。面白いですよ。これも土日連続で絶対見てほしいですよね。

玉川 ですね。では橋本さん、この後は。

橋本 今年の8耐の見どころについて探っていきます。

玉川 今回は皆さんにぜひ8耐の魅力を知ってほしいということで、進行役を私、玉川美沙、そしてHondaスマイルの橋本さん、さらに元Hondaワークスライダーの宮城光さんにもお越しいただいてお届けしております。かなり濃い番組になっていると思います。

橋本 そうですね。

宮城 本当ですか。ありがとうございます。

玉川 どうでしょう。橋本さん、どんどん8耐に興味湧いてきましたか?

橋本 はい。どんどん湧いてきました。8耐、そして4耐にも興味が今日湧きましたね。

宮城 そうですよね。

玉川 うれしい。ぜひこれ、3日間本当は通して見られると、ストーリーとかきっと分かるんですよね、宮城さん。

宮城 いいと思うね。鈴鹿の4耐はライダーの甲子園みたいな感じで、多くのレーシングライダーがまず最初に目指して、そこで達成しようっていうところがあるしね。そういうところもちょっと見てほしいですね。

玉川 今年の4耐で活躍した選手が、今日来ていただいた鹿内さんもそうですけど、来年の8耐で活躍するかもしれないっていうのもね。

宮城 そうなんですよね。

玉川 それをだから、いち早く見つけられたりとか。これ、例えばですけど、他のスポーツ観戦のことも含めて、ぜひ知らない方も楽しめる8耐の魅力、今年の8耐を見るならこういうところを見てほしいっていうところを最後に宮城さんにしっかり語っていただこうと思うんですけど。

宮城 いいですね。今年は見どころというと、やっぱりケーシー・ストーナーっていうオーストラリアのライダーなんですけども。もともと2輪の世界選手権で2度の世界チャンピオンになったライダーが、Hondaのマシンで参戦する。これがもう、僕的には一番のヒットですね。

玉川 そうなんだ。どうも橋本さんがかなり反応したんですけど、もしかしてイケメンですか?

橋本 そうなんです。とってもかっこいいんです。

宮城 ものすごい前のめりになった、今。

橋本 すみません(笑)

玉川 今、一番前のめりに来ました。そんな気がしました。

橋本 さらに、そのケーシー・ストーナー選手が入るチームが、エース高橋巧選手率いるMuSASHi RT ハルク・プロなんですよね。

玉川 素晴らしい。

橋本 去年と一昨年優勝しているチームなので。

宮城 メチャクチャうれしそうな顔して言うてるやん。なんだかな。

玉川 すごいうれしそう。でも、この入りは私、正しいと思います、宮城さん。

宮城 そうなんですよね。今まさにその通りでね。例えば2輪のライダーって、ヘルメットをかぶってるじゃないですか。レーシングスーツを着て、ヘルメットをかぶって、簡単に言うと競技中に顔が見えないんでね。だから、なかなか実は誰が誰だか分かんないっていう話があったので。

玉川 覚えられないとかね。

宮城 まずはかっこいい人を応援してください。

玉川 はい。大事です。

宮城 好きなタイプの人を応援してください。

橋本 居るよ。いっぱい居るよ。

玉川 そりゃそうですよ。だって、予選から考えたら84チームでしょう。かける、単純計算3人居るわけです。

宮城 そうですよ。220居ますから。

玉川 それだけの中に好みが居ないわけがないですから。

橋本 はい。

玉川 興奮し過ぎました、すいません。でも、ほんと入り方っていろいろありますよね。

宮城 そうですね。例えば鈴鹿サーキットまで来ていただければ、エントリーリストが載ったいわゆるパンフレット、プログラムがありますから、全員の顔も見れますし。例えば鈴鹿サーキットさんのホームページに行くと、多分エントリーリストにも主要なメンバーのお顔が全部見れると思うんです。

橋本 そうですね。

宮城 これ、大体どんなスポーツでもそうなんだけど、一流どころってみんなかっこいいんだよね。やっぱり。

玉川 そうですね。輝いてますね。

宮城 なんかあるんだよね、そういうのが。オーラバンバン出ちゃってね。やっぱりそれは男として自信があったりするわけじゃないですか。やっぱりすごい迫力あるんですよね。そのあたりで多分ちょっと見ていただいて、あまりレースに対して過去に興味がない方であれば、まずはかっこいい人を応援してもいいと思うんだけども、例えば一般的にいうとHondaを応援しようかな、ヤマハを応援しようかな、スズキを応援しようかな、カワサキを応援しようかなでもいいし、例えばプライベートのどこそこを応援しようかな、そういうのでもいいと思う。もっと簡単に言うと、「あ、このバイクのデザインかっこいいな」っていうのでもいいと思うんだよね。で、そこをずっと応援すると、そこを中心に、そのバイクチームが上位に上がったり、例えばピットインで順位が下がったりっていうことで、全体のゲームの流れが見えるようになると思うな。

玉川 確かに。あとは、パブリックビューイングも含めて、その雰囲気を楽しむっていうのもあると思うんですよね。

宮城 そうですね。これは、みんなで何かを応援してるっていう、これがやっぱり面白いよね。

玉川 ですね。

宮城 あれっ、どこかでパブリックビューイングもやるんだよね。

橋本 そうなんです。Honda ウエルカムプラザ青山では、毎年8耐のパブリックビューイング行っていまして、さらに、外には屋台も設置されていますので、いろいろ食べながら応援できるのも魅力の一つかなと思います。

玉川 鈴鹿まではなかなかっていう方もね。

橋本 そうなんです。

玉川 青山なら行けるという方はぜひ。その会場では、Hondaスマイルの皆さんも。

橋本 はい。お待ちしておりますので、一緒に応援したいと思います。

玉川 鈴鹿行く時は、やっぱりいろいろ対策とかありましたよね。どこで見るかとかポイントもあるじゃないですか。どう楽しむか。

宮城 そうですね。鈴鹿サーキットで言えば、まずはグランドスタンドで見ればレースの全体が。で、大きなビジョンもありますし、場内アナウンスもバッチリ聞けますから、まずはグランドスタンドで見ていただいて、その後は鈴鹿サーキットのコースサイドを歩いてもらうっていうのが楽しめると思うね。

橋本 なるほど。

宮城 実際鈴鹿サーキットの中は、どこに行っても例えば何でも飲めるし、例えば何でも食べれるようになってるし、どこでも休めるようになってるし、小さなお子さまを連れてきていただいても、ミストが出て体を冷やすようなところもあるんで、特に対策しなくても、歩きやすい靴と動きやすい洋服を着てもらうというアウトドアなスポーツ観戦のスタイルであれば大丈夫だと思いますよ。

玉川 そうですよね。自由度はかなり高いですよね。

宮城 そうなんですよね。

玉川 プール入れますよね。鈴鹿サーキット、確か。

宮城 入れますよ。

橋本 そうなんですよね。

玉川 遊園地ありますもんね。

宮城 ありますよ。

玉川 だから、すごい変な言い方ですけど、お子さん飽きちゃったりとかした場合は逃げられますから。

宮城 実際そういう、カップルであったりご家族連れもすごく多いですよね。ご家族で来られて、お父さんは観戦バッチリやってて、お母さまとお子さんはちょっとプールのほうに行って少し体を冷やして、それからまた夕方に戻ってきて一緒に見るとかね。そういうのもいっぱいありますからね。

玉川 ありですよ。11時半に始まるんです。レースは11時半にスタートして、8時間後ですから、7時半にやっとゴールなんです。

宮城 そうですね。

玉川 正直、ベッタリ見てるのは難しいと思います。なので、例えばスタートは見るとか。ル・マン式。あれ、ちょっと上がりますもんね。

宮城 そうなんですよね。あれ、ちょっと他にないですからね。

玉川 ル・マン式を一応説明していただいてよろしいでしょうか。

宮城 いいですよ。

橋本 お願いします。

宮城 ル・マン式というのは、ル・マンというのはフランスにあるル・マン・サーキットという地名から、その場所のサーキットの名前なんですけども、かつて24時間耐久レースをしている時に、オートバイ、もしくは自動車をコースのピット側に並べて、選手はそのコースの反対側から3、2、1スタートで走ってきて飛び乗ってスタートする、これがル・マン式なんですね。これをすることによって、全社エンジンが止まってますから、メチャクチャ静かなんですよ。要するに、今から70台が一斉にスタートするんだけども、全車エンジンを切って、そのオートバイの反対側にスタートするライダーが一列に並んで、場内アナウンスの掛け声とともに選手がダッシュで走るわけです。静かですよ。

玉川 はい。まだ静かです。

宮城 で、またがった瞬間エンジンに、ヴァーンッてエンジンの音がかかって全車スタートして。70台一気にエンジンがかかりますから、今度は大轟音になるわけです。そういう強弱が付くのですごい人気があるわけですね。

玉川 これって話聞いてるだけで鳥肌立ちますもん。

宮城 すいません、話が長くなりましたけど。

玉川 いやいや。だから、ここはぜひ見ていただいて。あとはところどころ途切れるかもしれません。ただ、そのところどころにドラマがあるかもしれません。

橋本 そうですね。

宮城 そうなんですよね。

玉川 トイレ行けなくなるんだな。

宮城 まあ、トイレ行って帰ってきたら自分のチームはどうなってるかなって追ってもらうと、全体の流れが分かりやすいっていうことですね。

玉川 そうですね。せっかくスタートの話をしたので、エンディング、ゴールの話をすると、暗闇の中にライトがこう、チェッカーに向かって走ってくるっていう瞬間が来るわけですよ。

宮城 そうね。これが今でこそ少なくなったけど、僕らの時は、夕方6時半ぐらいになるとヘッドライトを付けろって、ヘッドライトオンのサインボードが出るんだよね。ところが、それまでにずっと1日バイクが走ってきてるでしょう。ヘッドライトスイッチ入れてもつかなかったりする。

玉川 そこにトラブルがあったりするんです。

橋本 つかないとどうなっちゃうんですか?

宮城 それはペナルティーになるんで、サインボードが出てピットインしなくちゃいけない。

玉川 そうです。絶対付けなきゃ駄目なんです。

橋本 そうなんだ。

宮城 で、ヘッドランプを交換するわけですよ。そうすると、それまでトップを走ってたって、ピットインするから順位がそれだけで落ちちゃう。がっかりだよね。でも、これがやっぱりドラマなんだよ。だから、そうやってヘッドライトが切れないように対策をしているチームが強いし。今はほとんどのバイクはLEDランプなんかを使ってるんで、そういうトラブルはほんとに減ったんだけども、やっぱりとはいえ、今でも、機械なので何が起きるか分からない。で、最初はいろんな色のカラーリングが見えていたマシンたちも、もう夕方の7時を過ぎると、グランドスタンドで見てる僕らも、またテレビで見てる僕らも、またパブリックビューイングで見ている皆さんも、ヘッドライトの光軸しか見えないんです。だから、真っ暗な鈴鹿サーキットにヘッドライトの明かりだけファーン、ファーン、ファーンと走るわけだよ。

玉川 音とね。

宮城 で、7時半に何万人ものお客さんと一緒にカウントダウンをして、チェッカーの8時間のゴールが振られるわけだよね。

玉川 花火バーン。

橋本 そうですね。

宮城 そう。これは感動的です。

橋本 感動的なシーンですよね。

玉川 話してると行きたくなりますね。

宮城 行きたくなってきたね、なんか。

橋本 行きたくなりますね。

玉川 やっぱりワクワクしますね。

宮城 もうすぐですよ。もうすぐだよ。

玉川 7月26日の日曜日が決勝ということになります。ぜひ。

宮城 これね、分かりやすく覚えていただくのは、鈴鹿8耐は毎年7月の最終土日です。

玉川 そうです。

橋本 最終土日。

宮城 はい。

玉川 今年は7月26日。もう間もなくですので、ぜひ。今から準備すればまだ間に合う。ぜひ、鈴鹿に行ける方は行っていただきたい。味わっていただきたいですね。

橋本 はい。

玉川 最後にヒント的に、宮城さんから注目チーム。さっきちょっとありましたけれども、他に何かあれば聞いておいていいですか?

宮城 そうですね。やっぱりチーム ハルク・プロかな。やっぱりこれは、ケーシー・ストーナー、世界チャンピオンが初めてこの8耐に出るということで、とにかく注目なのね。相方が高橋巧君っていう選手なんですけども、彼はHondaの全日本選手権のライダーで、日頃全日本選手権で戦っている。しかも、彼は過去にこの8耐を3回優勝してるの。しかも昨年、一昨年と、さっきお話ししてくれた通り連続優勝しているんで、彼にとっては3年連続の優勝が懸かっている。そしてもう一人、マイケル・ファンデルマークというHondaのワールドスーパーバイク、世界選手権で戦っているライダー。これもまたかっこいいライダーなんですよね。

玉川 いいのそろえてますね。

宮城 若い。若くて格好が良くて速い。彼も昨年、一昨年と2回優勝してるんで、この強力な布陣でHondaが挑むので、まずはここに注目してもらっていいなと僕は思いますけどね。

玉川 そこに、例えば他のメーカーのワークスライダーたちがどう挑んでくるかとか。

宮城 じゃあ、他のメーカー1メーカーだけ言っておこうかな。

橋本 お願いします。

玉川 聞きたい、聞きたい。

宮城 ヤマハですよ。これはですね、ゼッケン21番の3年連続の国内でチャンピオン取ってる中須賀選手。これに対して、あとMotoGPライダー2人が参戦しますから、ここはしっかりと力入れてくるんで、これはHondaバーサスヤマハっていうガチンコの勝負ね。相当期待していいと思いますよ。

玉川 そうなんだ。そこにスズキ、カワサキ、もちろん絡んできますから。

宮城 もちろん絡んできますよ。

玉川 メーカーごとに応援してみるっていうのも、さっき宮城さんからも紹介ありましたけれども、楽しめる一つの方法なので、ぜひぜひ今年は7月26日決勝の8耐、皆さんも一緒に楽しんでみてください。

橋本 では、ここでインフォマーシャルです。鈴鹿8時間耐久ロードレース38回大会の本戦は、7月26日日曜日、11時半スタート。BS12で完全生中継を行います。無料で視聴していただけます。そして、ぜひ現地で8耐を観戦したいという方、鈴鹿サーキットでは8耐をもっともっと多くの方に見ていただきたいという思いを込めた、お得なキャンペーンを行っています。若者向けのヤング割りゼロ円キャンペーンでは、18歳から22に歳の方が入場無料となっています。7月21日までに鈴鹿サーキットのホームページで事前申し込みを行ってください。また、17歳以下は事前申し込みは必要なく、大人同伴であれば無料です。そして、先ほどもお伝えしましたが、当日私の働いているHonda ウエルカムプラザ青山ではパブリックビューイングが開催されます。レース中継だけではなく、ゲストをお迎えしてのトークショーも行われます。涼しい場所ですが、まるで現地に居るかのような熱い雰囲気が味わえます。そして、8耐歴代マシンの特別展示も行っています。期間は7月9日木曜日から7月26日日曜日までです。Hondaスマイル一同お待ちしています。そして、もっともっと詳しく知りたいという方は、Hondaのホームページからモータースポーツを選んでいただくと、鈴鹿8耐のスペシャルコンテンツがあります。鈴鹿サーキットの鈴鹿8耐公式サイトも併せてごらんください。そして、前日に行われる4耐には、本日のゲスト鹿内さんがブルーヘルメットのライダーとして参戦します。ぜひ皆さん、応援をよろしくお願いします。

玉川 あっという間の1時間。足りないですね。

橋本 はい。足りないですね。

宮城 あっという間。もっとしゃべりたい。

玉川 しゃべりたいですね。最後エンディングは鹿内さんにももう一度スタジオに入っていただきましたが、宮城さん、今日どうでした? 番組。

宮城 自分でしゃべってて早く行きたくなってきたね。で、僕は毎年・・・もう僕は今走ってないじゃないですか。で、その分何やってるかというと、例えばHondaブースでしゃべったり、鈴鹿サーキットのメインブースでしゃべったり、ブリヂストンタイヤのブースでしゃべったりして、来ていただいてるお客さまにもっともっと8耐を楽しんでもらうようにしてるんですけど。もう、早く行きたくなってきた。

玉川 いいですよ。橋本さん、どうでしたか?

橋本 本日はとっても楽しかったです。8耐の裏話や歴史をお聞きすることができて、とっても勉強になりました。今年はどんな名場面、ドラマが生まれるのか、ますます楽しみになりました。

玉川 不謹慎なんですけど、雨降ってほしいっていう。生まれたりするんですよ。ちょっとドラマが欲しいな、みたいな。

橋本 そうですね(笑)

宮城 38回目のドラマがどうなるのかっていうのは楽しみなんだよね。

玉川 鹿内さん、怒ってないですか? 雨降ってほしいとかって。

鹿内 いや、雨が降ったらむしろ腕の見せ所かなと思います。

玉川 おーっ。

橋本 かっこいいですね。

玉川 雨得意?

鹿内 得意なほうなんです。

玉川 そうなんだ。

宮城 お〜、いいねぇ。

玉川 いいこと聞いた。

宮城 でもね、やっぱり上手な人は雨速いんだよ。

玉川 そうなんですか。

宮城 そりゃそうですよ。

玉川 鹿内さん、今日はHondaの社員としてというか、8耐を目指す一人の若者としても登場していただいた特別な存在なので、今日、出ていただいた感想などなど伺えれば。

鹿内 最近は連日連夜4耐に向けて準備をして大変なんですけど、ますますやる気が湧いてきましたね。

玉川 やったー。

宮城 いいね、いいね。

鹿内 モチベーションがどんどん高まってきました。

玉川 行けそうですか?

鹿内 頑張ります。

玉川 今年は4耐、そして来年は。

鹿内 8耐に。

玉川 よしっ。ぜひ楽しみにしています。

宮城 ほんとやね。

玉川 ぜひ皆さんも、今日聞いていただいて感想などありましたら、Twitterでつぶやいてください。ハッシュタグがあります。ホンダラジオ。カタカナでホンダラジオ。このハッシュタグを付けて、Twitterで140文字以内で頑張って感想をつぶやいていただきたい。で、例えば、じゃあ今後このホンダラジオでこういう話もしてほしいとか、こういうテーマも取り扱ってほしいというリクエストがありましたら、併せてこれもお願いします。ハッシュタグはカタカナで「ホンダラジオ」になります。また、今日お届けしたこの番組、明日以降なんですが、Honda YouTube、Hondaニコニコ動画、あと、RN2のSoundCloudでもいつでもお聴きいただくことができるようになります。なので、明日以降もう一度じっくりと、もう一度じゃなくても何度でもじっくりと聴いていただいて、8耐への気持ちを一緒に盛り上げていただければうれしいです。ということで、今日は宮城さん、そしてHondaスマイル橋本さん、さらに鹿内さん、お付き合いいただきましてどうもありがとうございました。

宮城 ありがとうございました。

橋本 ありがとうございました。

玉川 ということで、進行役は私、玉川美沙でお送りしました。Hondaラジオ「初めてのあなたに。これを聴けば“鈴鹿8耐”が観たくなる!?スペシャル」。いかがでしたでしょうか。次はぜひ、鈴鹿8耐でお会いしましょう。

−− 行くぞ、みんな。手拍子。カウントダウンの用意。行くぞ、8時間まで。せーの、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1。8時間!そしてチェッカーフラッグだー。